3月6日から3月12日のニュース

3月6日

ドイツ外相ヨシュカ フィッシャーはイラン訪問中の会談で、長年にわたって緊張関
係にあった両国の関係改善を呼びかけ、ドイツとイランは過去の対立を乗り越え、未
来を見据えていくべきであると語った。特に近年の両国関係は所謂ベルリン・ミコノ
ス裁判とホーファ事件で冷え込んでいた。フィッシャーのイラン訪問はドイツの外相
として9年ぶりのものである。イラン外相との会談でフィッシャーは長い間計画され
てきたモハマド ハタミ大統領のドイツ公式訪問の障害を取り除こうとしている。外
務省の発表ではさらに人権問題と軍縮問題が話し合われた、とのことである。


3月7日

ドイツ首相ゲアハルト シュレーダーはロンドンにある東ヨーロッパ銀行の総裁ホ
ルスト ケーラーをEUに対してあたらしいIMF総裁候補として提案する意向である。
数日中に、この提案が過半数の賛成を得られるかどうか判明する、と政府報道官ウ
ーヴェ・カルステン ハイエが語った。彼は大蔵事務次官カイオ コッホ・ヴェー
ザーの代わりに候補者となる予定である。コッホ・ヴェーザーはアメリカの拒否に
あって立候補を断念した。フランス政府とポルトガルのEU議長がケーラー支持を表
明している。アメリカの財務省長官ローレンス サマーズは、アメリカはIMF総裁
の新人事でより大きな合意が得られるように望んでいる、と発言した。
新候補ケーラーは長い間ドイツ元大蔵大臣テオ ヴァイゲルの元で事務次官を務め
ていた。

     その他のニュース

・ドイツ銀行とドレスデン銀行が緊密な協力に関する会談を行う。
合併が行われた場合には、帳簿上の資産総額が2兆5千億マルクの
世界最大の金融機関になる。
・ドイツ政府は企業買収に関する規則を作る意向。経済のグローバ
ル化が進む中、株主と被雇用者の利益を守るため。
・ドイツ労働総同盟は企業と政界にコンピュータと情報産業の専門
家が不足している事態の責任を取るように求めた。


3月8日

ドイツ銀行とドレスデン銀行は合併して世界最大の金融機関になる見込みである。
両行の監督役会は水曜日夕刻に行われた監督役協議会の会合の後、合併が計画され
ていることを確認した。ドイツ銀行の監督役会の一員であるドイツ職員労働組合の
最高幹部のゲアハルト レナーの話では、監督役協議会は火曜日に両行の首脳の合
併計画を決定する予定である。ドレスデン銀行側も監督役会は来週合併の草案を採
決する予定である。レナーの見積もりによれば、合併が実現すれば、ドイツではお
よそ1万4千人の職が失われ、世界全体では14万人のうち1万6千5百人の仕事
がなくなることになろう。国内の2千5百の支店のうち、およそ8百が不要になる
見通しである。

     その他のニュース
・ドイツ政府はヴィザ発行を簡略化。
・アメリカ大統領予備選。ゴアとブッシュの戦いへ。
・モザンビーク大統領は洪水の犠牲者に対する支援を行う国際組織
に感謝した。被災者約200万人、復興の資金として1億8千万マ
ルクが必要と発表。
マダガスカルの洪水に関して、世界食料供給プログラムは金曜日か
ら400トンの食料の空輸を始めることにした。当地では約50万
人の被害者が出ている。
・ボスニア北東部の戦略的に重要な町ブルコは中立地帯であると宣
言された。ブルコの管理者はこの町の統治権を各人種セルビア人、
イスラム教徒、クロアチア人のグループの代表者に委ねた。


3月9日

ノルウェー首相ヒェル マグネ ボンデヴィーク(キリスト教民主党)は首相職辞
任を発表した。彼は野党が要求していた2つのガスによる発電所の建設に関する議
会の投票での敗北の責任を取ったことになる。議会内で多数派を占める野党社会民
主党と保守党が政府の提出した反対提案を否決した後、ボンデヴィークは金曜日に
国王に辞任声明を提出すると語った。彼は野党社会民主党の党首イェンス シュト
ルテンベルクに政権を引き継ぐように求めた。

     その他のニュース
・ドイツ銀行とドレスデン銀行は今年の7月1日に合併すると発表
した。
・コール元首相はキリスト教民主同盟に与えた損害を穴埋めするた
めの資金630万マルクをまもなく党に支払う意志である。
・ブラッドレーとマケインはアメリカ大統領候補選挙から撤退。


3月10日

連邦検察の発表によれば、元首相ヘルムート コールのキリスト教民主同盟のため
の資金集めは、目下行われている彼に対する捜査にはなんの影響ももたらさない。
金曜日に同庁の報道官は、訴訟の手続きは進行中であることを強調した。社会民主
党と緑の党は来週連邦議会で、不正献金疑惑で生じた損害を埋め合わせするために、
来週中におよそ630万マルクをキリスト教民主同盟に送るとしているコールの発
言をめぐって議論する予定である。連邦議会から寄せられた情報では、キリスト教
民主同盟はコールが集めた資金のほかに、税金から約9万マルクを受け取ることに
なる。同党幹部はコールの集めた資金に関して慎重な意見を述べている。

     その他のニュース
・ヘッセン州キリスト教民主同盟のヘルベルト ミュラーは党の財
政問題の紛糾のため解任された。彼は1999年12月に出所不明
のお金総額で5万マルクを党の資金の中に流し込んだとされている。
・イギリス政府はIMF理事にドイツ人のホルスト ケーラー候補を
おすことにしている。
・ルーマニアの鉱山での毒物事故が再発し、ドナウ川とタイス川が
危険にさらされている。2万2千トンの重金属で汚染された鉱石の
くずが川に流れこんで、すでにタイス川に流れ込んでいる。


3月11日

キリスト教民主同盟は、国会内の統一会派の長フリードリッヒ メルツの言葉によ
れば、約1億マルクの借金の山を抱えている。コールが集めた630万マルクの資
金にもかかわらず、同党は財政の上では断崖に追い詰められている、と彼は語り、
政治的な損失は極めて少ないが、道徳上の損失を埋め合わせることはできなかった、
と強調した。
一方、「シュピーゲル」誌は検察庁が元首相コールに対する背任疑惑の容疑を固め
ていると報道したが、検察庁はこの報道を事実に反すると否定した。コールの弁護
士は10週間前に開始された訴訟手続きを中止するように求めた。

     その他のニュース
・シュレーダー首相は外国人のコンピュータ専門家に労働市場を開
放するという提案を擁護した。
・発展途上国開発援助大臣のヴィークツォレック・ツォイルはモザ
ンビークの洪水地域をモザンビーク外務大臣と訪問し、さらに大統
領とも会談の予定。
・IMF総裁候補のホルスト ケーラーに対しアメリカは強く反対。


3月12日

ヨハネ パウロ 2世はカトリック教会の最高権威者としては初めて、キリスト教
徒の行った過ちと罪を謝罪した。聖ピエトロ大聖堂のミサで教皇はキリスト教徒の
分裂を非難し、キリスト教徒がユダヤ人に対して行った罪を認めた。同時に彼はキ
リスト教徒が、ユダヤ人の権利を犯し、他の宗教や文化に対する敬意を払わなかっ
た過ちが罪であると認めた。しかしこの過ちに対して責任があるのは、教会ではな
く、個々の教会員であると語った。
イスラム教徒とユダヤ人はこの発言を歓迎している。ドイツのユダヤ人中央協議会
はカトリック教会がホロコーストの間の彼らの行動についてはっきりした謝罪を行
わなかったのをとくに残念がっている。

     その他のニュース
・スペイン国会選挙でアスナール首相の保守派政権が圧勝の模様。
・ポーランド、ドイツ、ハンガリー、リトアニア、スロヴァキアの
元首が、ヨーロッパ統合の意志を再確認する共同宣言を発表した。
・連邦議会議長ティールゼはドイツの極右に対する抵抗を呼びかけ
た。彼はブランデンブルク門のところで反人種差別と寛容を訴えて
デモをしていた数千人の人を前に語った。
同じ頃およそ500人のドイツ国家民主党(右翼政党)の支持者が
ブランデンブルク門の反対側で集会を行った。左翼の反ネオナチの
人々が極右と警官に投石を行った。その際警官2名が負傷した。公
安警察が50名以上を逮捕した。1500人の警官隊を動員して、
警察はこの騒乱をやっと押さえこんだ。
上級行政裁判所は最終的にヒトラーのオーストリア侵攻記念日の国
家民主党のこのデモを、ブランデンブルク門を通り抜けないという
条件をつけて認めていた。


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