6月26日〜7月2日のオーストリアのニュース

6月26日

教育大臣ゲーラーは自由党が提案した教員削減計画を批判した。授
業時間は増やしても、超過勤務は生じないと考えるとは、「乳しぼ
りの少女の計算(甘い計画)」であり、うまくいかない、と語った。
「そのうえ、そんなことをすれば、わが国には失業中の教員が2千
人も増えることになる。」彼女は教員の給与を3年かけて段階的に
10億シリングを削減するという計画を立てている。
彼女はテレヴィ番組で、労働協定には10億シリングの削減が謳われ
ており、それを越える分については政府内で話し合わなければなら
ない、と語った。


6月27日

ベルギーとフランスはオーストリアに対する制裁に関する今後の取
り扱い方を記したEU14ヶ国の文書に合意した、とベルギー外相ミシ
ェルは語った。それによれば、制裁は継続する、とのことである。
オーストリア政府と自由党を賢人会議が監視し、それによって初め
てEU14ヶ国の態度が検討されることになる。賢人会議議長にはヨー
ロッパ人権裁判所のスイス人の長官ウィルドハーバーがつくことに
なっている。今後の日程はその文書には記されていない。


6月28日

スロヴァキア大統領ルドルフ シュスター(66才)は重病でブラテ
ィスラヴァの病院からインスブルック大学病院に移された。その病
院では、オーストリア人の医者は彼の生命を救う戦いを行なってい
る。以前の報道とは違って、シュスターはチロル航空救急隊によっ
てではなく、スロヴァキアのJak-40型の飛行機で移送された。


6月29日

賢人会議がオーストリアの政治情勢に関する報告書を作成すること
になっている。この報告をもとにEU14ヶ国がオーストリアとの相互
関係を再検討する。EU評議会議長のグテレスは、EU14ヶ国はこの問
題に関して意見を交換し合ってきた、と語った。制裁は今後も維持
されるし、具体的な制裁解除の予定があるわけでもない。
首相シュッセルは、政府が賢人会議と協力して行くことに不満であ
る。副首相リース・パサーは具体的な日程をまず示すことを求めて
いる。


6月30日

自由党はEUによるオーストリア制裁に関して10月に国民投票を行な
うように求めている。火曜日には連立両党の委員会がこの問題を話
し合う。
自由党の議員団長ウェステンターラーはテレヴィ番組で、国民に国
の方針を決定するのに参加する機会を与えたいのだと語った。オー
ストリアがEU改革や東ヨーロッパへ拡大する中でどのような態度を
とるべきか、これは連立合意文書の前文に矛盾しないかどうか、国
民の意見に耳を傾けるべきである、とウェステンターラーは語り、
この前文はオーストリアに対する制裁がなかった時に書かれたもの
だ、と指摘した。
一方大統領クレスティルはこの国民投票を行なうと、反ヨーロッパ
の声が高まるのではないかと恐れている。


7月1日

首相シュッセルはヨーロッパ住民の半数以上はオーストリアに対す
る制裁に反対しているいと信じている。EU14ヶ国の政府はまもなく
自国の国民の意見に従わなければならなくなる、とチロルで行なわ
れている国民党の党大会で語った。
また、彼は次のようにも語った。オーストリアは制裁で大きな被害
を受けている。一つの例は通行協定である。この問題を扱う施設拡
充を担当する大臣がドイツやイタリアの大臣と話し合いが出来ない
というのは、笑い話にしかならない。この制裁によって一つのヨー
ロッパという考えは損なわれている。


7月2日のオーストリアのニュース

サッカー欧州選手権で世界チャンピオンのフランスがイタリアを
104分目の値千金のトレツェギュのゴールでタイトルを手にした。
前後半終了ではスコアは1対1。イタリアはデルヴェッチオが55分に
先制したが、94分フランスはウィルトールが同点ゴールを決めて延
長に入っていた。

     その他のニュース
副首相リース・パサーはフランス首相ジャスパンが最近言った言葉
「オーストリア制裁は続く」を挑発と見なしている、国民投票を行
なう理由として、正義を無視することにはもう耐えられないと語っ
た。
彼女の発言は次のようなものであった。EU改革(全加盟国一致の原
則)を行なうべきかどうか国民に問いたい。賢人会議は必要ない。
オーストリアは毎日監視されている。自由党の評価を行なうのは有
権者だけである。


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