7月31日〜8月6日のオーストリアのニュース

7月31日

今日、民族集団を保護するという国の目標の規定と、改正倒産法が
発効する。どちらの法律も国会の4つの会派すべてに歓迎されてい
た。民族集団の保護規定は憲法改正の形で行われる。憲法には次の
ような条文が付け加えられる。「連邦は、オーストリアに根付いた
民族集団が現れるほど、言語と文化の面で多様化が進んでいること
を認める。こうした民族集団の言語と文化、存在と維持が尊重され、
保障され、促進されねばならない。」
計画倒産法の改正にあたっては「過失による倒産」という罰則規定
が廃止され、企業の「誠実に経営したが倒産した」場合は今後罪に
問われなくなる。刑法上は将来「重大な過失により債権者に与えた
損害」は一年までの懲役刑が下される可能性があることになる。今
までの犯罪を構成する要件の一般的な規定に代わって、倒産に関す
る訴訟の性質によって法律上の判断が行われることになる。


8月1日

公安のブクスバオムの発表では、53歳のドイツ人ホム・ルシュは夕
方5時過ぎにハンブルク港近くのホテルで逮捕された。ハンブルク
からさらに逃走しようとしていたようである。当局は監視していた
彼の妻の行動から、彼の後を追っていた。彼は大金を所持してはい
なかった。
ホム・ルシュはドイツ人なのでオーストリアには引き渡されない。
ブクスバオムはドイツの当局が刑事訴追するよう求めることにして
いる。


ホム・ルシュはヴァルター アレクサンダーというドイツ人の偽名
で、彼はハーヴェ建設という会社を経営しており、その会社が粉飾
決算をしていました。その件を州が出資しているブルゲンラント銀
行が黙認していたのかどうかを調査するため、オーストリアの検察
が彼を追っていたようです。


8月2日

枢機卿フランツ ケーニヒは今日ベルゲンで95回目の誕生日をひっ
そりと迎える。
誕生日にあたって彼の希望は、多くのキリスト者を名乗るものが、
その名にふさわしく生きることである、とテレヴィで語った。オー
ストリアの教会に関して、彼は改革の力を感じており、世間が教会
に対してもつ印象と多くの人が教会に無関心であるため、改革の第
一歩がすでに行われている、との意見を述べた。
ウィーン大司教区はシュテファン大聖堂で9月24日にお祝いの礼拝
で彼の誕生日をお祝いする。


8月3日

ブルゲンラント州首相シュティクス(社会民主党SPOe)は、信用供
与問題に関する調査委員会で、「ブルゲンラント銀行頭取ガスナー
の再任を要求しなかった」と語った。逆に監査役会がガスナーの契
約をさらに5年間延長したがっていたので、自分は妥協をして、一
年間の契約を求めたと語った。
しばしば不正に関して議論が行われてきたが、銀行側はいつも納得
の行く説明をしていた、とシュティクスは語った。そしてガスナー
との交友関係は仕事の妨げにはならなかった、と語った。

ブルゲンラント州副首相イエラシッツ(国民党OeVP)は調査委員会
で、信用供与に関する情報を持っておらず、正式の決算書からは疑
いを持つことはなかった、と語った。
自分としてはガスナーの再任を阻止したがったが、州首相のシュテ
ィクスに対抗する「力」が足りず、直接介入する権限を持っていな
かった、と語った。
調査委員会委員長ラオター(自由党FPOe)は総括して、経営陣と監
査役会が細心の注意を払う義務を怠ったかどうかは議論の余地があ
る、と語った。


8月4日

社会民主党SPOe党首グーセンバオアーは2002年からトラックの通行
料導入を主張している。当初は1キロ当たり2シリングで、段階的に
値上げしヨーロッパと同じ水準(4ないし5シリング)にするよう提
案している。
技術革新大臣シュミットは導入を2年間延期して、完全に通行料を
徴収するよう考えている。だがこれが可能になるにはもっと準備期
間が必要である。彼はラジオ番組で、この問題はまだ固まっておら
ず、政府は来週火曜日に決定を下す、と語った。


8月5日

人権審議会が提出した報告書によれば、警察の留置場へ未成年者を
収容する方法は、国際的に求められている最低基準を満たしていな
い。特に若者用の施策が不十分である。14歳以下の収容は法律で禁
止されるべきである。14歳以上であっても、収容するのは、すでに
一度犯罪を犯している場合にかぎるべきである。

     その他のニュース
南ボヘミアの原子力発電所テメリンでは、操業にむけた最終テスト
を行なっているが、機械室の油が漏れ出した。環境や原子力発電所
の安全性には影響がない、と発表された。
オーストリア環境省は迅速で正確な情報を要求している。とくに
「設備には構造上の弱点」がないことをはっきりさせるべきだ、と
求めている。


8月6日

オーストリアでは将来疾病保険を自由に選べるようになるかもしれ
ない。厚生省次官ワネックは、専門家たちがこの問題を来年から検
討する、その前提となるのは、保険業者がリスクの高い患者を拒否
しないこと、そして加入者が解約を事前に通告する必要がないとい
うことである、と語った。
彼の計画によれば、2002年からは健康保険証に代わって、保険に関
する情報だけを記録したチップの載ったカードを採用した後、医療
カードを導入する方針である。本人の希望があれば、このカードに
は医療情報も記録されることになる。

     おまけ
広島はちょうど55年前に行われたアメリカの核爆弾投下の犠牲者を
追悼した。市民は黙祷をささげた。今日までに20万人を越える人が
亡くなった。彼らの多くは放射線の後遺症でなくなった。オースト
リアでは日曜日にシュテファン広場で広島と長崎の追悼式が行われ
る。


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