8月21日〜27日のオーストリアのニュース

8月21日のオーストリアのニュース

ケルンテン州首相イエルク ハイダー(自由党FPOe)は財政の健全
化のために、「特別な富裕層」に対する課税を提案する。今日の
「クライネン ツァイツング」紙で彼は、個人年金に支払われる資
産に課税することに賛成した。
同時に彼は「大規模な農家」に対する課税には反対した。現在これ
らはEUの要請で優遇されている。したがって、彼は農業振興策に社
会的な価値を置くよう求めている。

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・オーストリア労働総同盟OeGB議長フェアツェトニッチュ(社会民
主党SPOe)は、社会福祉を厳密な意味で的確に行うことは監督国家
においてのみ可能であり、社会福祉の優先度を決める時には監督が
欠かせない、と新聞に語った。彼は政府の公務員削減計画を批判し
て、政府が計画を変更しなければ衝突が起こる、と語った。


8月22日

オーストリアのEU農業問題の政府委員フランツ フィシュラーはEU
14ヶ国は、オーストリアとの対立に関してヨーロッパ委員会を排除
している、と批判した。ヨーロッパ委員会委員長ロマーノ プロデ
ィの仲介はすべて却下された、と「南ドイツ新聞」に彼は語った。
これは、加盟国がEUの諸機関の活動をかわそうとしている、危険な
兆候を隠蔽するものであり、それぞれの機関の力が弱くなれば、ヨ
ーロッパ全体の弱体化を招きかねない、と彼は語った。

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・オーストリア政府は今年NATO加盟資格を得る方向に決定的な一歩
を踏み出す予定である。政府はNATOといわゆる「密接な対話」を行
ないたいと申し込み、それによって加盟資格の問題点すべてについ
て意見を交換することができるようになる、と「プレッセ」紙は報
じた。


8月23日

ロシア大統領ウラジミール プーチンは原子力潜水艦クルスクの事
故の責任をとる、と語った。一日間の国の服喪期間が始まる際にテ
レヴィの演説で、彼は自分に責任がある、と語った。バレンツ海で
の事故では乗務員118名全員が死亡していた。
同時にプーチンは事故の全容が完全に解明される前には軍首脳部の
更迭は行なわないと発表した。それゆえ彼は、国防大臣イゴール 
セルゲイエフ、海軍司令官ウラジミール クロエドフ、北部艦隊司
令官ワシェラフ ポーポフの辞表を受け取らなかった。

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・自由党FPOe所属の大蔵大臣グラサーは政党助成金、報道助成金と
議会の予算を削減したいと語った。政党助成金と報道助成金は一律
20%削減、議会の予算は今後三年間は30%削減したい、と新聞に語っ
た。国会に議員を送っている政党は連邦から3億2500万シリングを
助成金として受け取っている。報道助成金としては一年に2億2千万
シリングが支払われている。


8月24日

自由党FPOe所属の副首相スサネ リース・パサーは(オーストリア
の状況と自由党の政治的な態度をを検討する)EUの3賢人、フィン
ランド元大統領マルティ アハティサリ、スペインの元外相マルセ
リーノ オレハ、ドイツ人の憲法学者ヨッヘン フローヴァインと、
来週ハイデルベルクで行われる作業会議を訪問する模様である。は
っきりした日程はまだ決まっていない。賢人たちは8月29日から31
日に公式会議を行う。フローヴァインが参加しているハイデルベル
クにあるマックス プランク外国公法および国際法研究所の情報で
は、28日にも非公式会議を行なう。
リース・パサーは自由党の代表になるかどうかはまだ決定していな
い。自由党の幹部ペーター ウェステンターラーは、ケルンテン州
首相で元同党党首イエルク ハイダーを呼ぶよう主張している。

     その他のニュース
・社会民主党SPOe党首グーセンバオアーは、休暇中に発生した自分
の指導力をめぐる党内の議論や、 自分個人に対する批判に対して、
「私は世論調査ではなく選挙で勝利したい」と語った。シュタイア
ーマルクやニーダーエスターライヒの地方選挙や労働議会選挙を戦
い、「私たちはこれらの選挙すべてで実際に勝利を収めた」と語っ
た。


8月25日

ナチの強制労働者に対する補償問題の政府代表、マリア シャオマ
イアーは、もし教会が和解のための基金に資金協力をすることを決
定するのであれば、それには何ら反対するものではない、と語った。
「私が教会に求めているのは、意欲を高めるのに貢献してもらいた
いということです。私たちの和解基金のような連帯行動を後押しし
てくれるからです。」
彼女は過去に関して、「誰もが毎日何か新たなことを学んでいるの
です」と語り、今やっとドイツのカトリック教会の法律上の状況が、
当時占領されていたオーストリアのカトリック教会のものとは全く
異なるものであって、オーストリアの修道院の大部分はナチによっ
て徴用されていたと、いうことをを知ったばかりである、と語った。


8月26日

社会民主党SPOe党首アルフレート グーセンバオアーはクーリエ紙
のインタヴューに答えて、自由党FPOeが(ハイダー路線を捨て)大
蔵大臣カール・ハインツ グラサー、副首相スサネ リース・パサ
ー、国防大臣ヘルバート シュライプナー路線を維持するなら、同
党との接近もありうる、と発言した。
彼の発言は次のようなものであった。自由党には二つの路線があり、
一つは外国人排斥であり、もう一つは一般大衆に受けのいい政策を
取る路線である。この二つでハイダー、ウェステンターラーの元で、
自由党は勢力を伸ばした。しかしグラサー、リース・パサー、シュ
ライプナーが方向転換をはかっている。これが今後成功するかどう
かは、今後はっきりする。またシュライプナーが人間軽視の選挙戦
を行なったことを忘れてはならない。また、社会民主党は野党とし
て政府の提案をいろいろな点から吟味する。意味のある提案には、
ハイダーが提案したものでも、賛成する。(外国人問題に関しては)
オーストリアに合法的に滞在している人は、合法的に働くことが許
されねばならない。外国人も同じ権利も義務を持つ。

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・月曜日に起こった西高速道路でのバス事故では8人の若者が死亡
したが、ドイツの運輸大臣クリムトも発言を求めた。彼はオースト
リアの高速道路の安全管理に厳しい批判を行なった。


8月27日

厚生省次官のラインハルト ワネック(自由党FPOe)は、社会保険
会社の主要団体の会長ハンス サルムターが最近行なった、新たに
計画されている外来診療の有料化に関する批判を、「きちんと考え抜
かれているわけでもなく、裏付けもないこけおどしの数字」であると
して、はねつけた。保険会社の財政状況は外来診療を有料化しても健
全化されることはないかもしれないが、直接の受益者としてその金額
が保険会社に入ってくるはずだ、とワネックはアルプバッハの健康問
題会議で報道関係者に語った。

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「現在行われていることは連立政権にはよい影響がない」と国民党
OeVPの大蔵次官フィンツは、最近自由党FPOeの側から財政健全化の
ために提出されている様々な提案や要請に不満であると述べた。副
首相リースパサー(自由党)が求めている公務員の賃上げゼロを、
彼は厳しく拒否した。


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