10月30日〜11月5日のオーストリアのニュース

10月30日(月)

「クーリエ」紙によれば、スパイ疑惑の究明のための内務省の特別
委員会は元ニーダーエスターライヒ州大臣ハンス イエルク シー
マネック(自由党)に対し捜査を行なう。彼は自分の息子に対する
訴訟の最中に陪審員が偏見を持っている、と主張しようとし、1997
年10月31日に記者会見で陪審員の個人情報と生活状態を記した文書
を提示した。それゆえ特別委員会は捜査に乗り出した、と同紙は伝
えている。

     その他のニュース
・政府と経営者労働者双方の代表が、雇用契約を結ぶ際あるいは労
働契約の期限切れの際に支払われる失業手当4週間分の削減をめぐ
って交渉を行なっているが、月曜夕方には一定の前進はあったもの
の、合意には至らなかった。金曜日に再び交渉が行なわれることに
なっている。それまでは連邦政府内部と労使双方の内部で話し合い
が行なわれる予定である。


10月31日(火)

連邦首相ウォルフガング シュッセル(国民党)とチェコ首相ミロ
シュ ゼマンは水曜日夕方チェコのブルン南部の町ツィドロホヴィ
ツァで会談を行ない、南ボヘミアの原子力発電所テメリンに関する
相互の問題を話し合う。

     その他のニュース
・首相シュッセルと蔵相グラサー(自由党)は、失業給付金の計画
通りの削減に関して態度を決めた。二人はこの問題で10億シリング
の支出削減という目標を達成する、と確認した。シュッセルは金曜
日までにこの目標額が達成されるよう確定できるように期待をして
いる。


11月1日(水)

連邦首相ウォルフガング シュッセル(国民党)に対し、社会民主
党党首アルフレート グーセンバオアーが新聞のインタヴューで激
しく非難した。「シュッセルはベームドルファーをかばおうとし、
報道の自由を妨害しようとしているが、これは重大な事態である。
彼は民主主義という制度を疑問視しているのだ。オーストリアはシ
ュッセルとハイダーのおかげで民主主義の正常な状態から逸脱して
いる。」彼は次回の選挙をイタリアと同じような状態から脱出する
機会である、と捉えている。
選挙後グーセンバオアーは「黒幕なしの政府」を作るつもりであり、
国民党は野党になれば、オーストリアに損害を与えることもなくな
るだろう、また現在真剣に社会民主党と緑の党の連立構想を話し合
っている、とも語った。

     その他のニュース
・ケルンテン州国民党の首脳によって同州同党党首の座から解任さ
れた国民議会議員レクサーは、党の委員会からの脅迫にもかかわら
ず、党を非難し続けている。彼によれば、党は彼を除名する計画は
持っていない。ウルミッツァーの見方は違っており、連邦同党はこ
の問題に関して何も見解を発表できない、と語った。
レクサーは副党首ショイヒャー、キュークラー、プリンチュラー、
クリンガーを名指しで非難し、自分の解任は正当ではない、と主張
している。


11月2日(木)

ヨーロッパ人権協定成立50年を記念して、金曜日に全ヨーロッパと
海外数ヶ国の大臣が集まる。この会談では、あらゆる種類の差別か
ら住民をよりきちんと守ることを目的とした、追加協定の署名が行
なわれる。
ヨーロッパ人権協定は、市民が賠償請求できる世界唯一の国際条約
で1950年11月4日にローマで署名が行なわれた。この協定を守っ
ているかを人権裁判所が見守っている。

     その他のニュース
・失業給付金の削減をめぐる労使双方と政府の交渉は、金曜日に新
しい段階に入る。月曜日に行なわれた話し合いでは合意に達しなか
ったが、それ以降内閣は不信の念を強めている。政府側はこれによ
り10億シリングの節約を行なうとしているが、観光シーズンを長期
化する計画と考え合わせると6億シリング程度しか節約できないと
いう見積もりもある。


11月3日(金)

シュタイアーマルク州自由党は土曜日に西シュタイアーマルクのド
イッチュラントベルクで特別大会を開く。議題は新党首探しである。
今まで党首をつとめていた経済基盤整備担当大臣ミヒャエル シュ
ミットは州党首職を後継者に譲る。同党は10月15日の選挙で4.7%
票を減らし、危機的状況にある。党内では自由党所属の同州大臣テ
レジア ツィーラーを筆頭候補にしたことがこの状況を招いたとの
見方が強い。彼女は同州の党首にはなる意志がない、と明言してお
り、将来自由党は2派に別れる可能性がある。

     その他のニュース
・政府と労使双方の間で失業給付金をめぐる話し合いが行なわれて
いる。両者の情報が一致している点から見ると、この問題に関して
会談は今後は行なわれない。オーストリア労働総同盟議長のフェア
ツェトニッチュは、政府の言い分は一方的である、と発言した。


11月4日(土)

「私たちは今や少なくともチェコ側と話し合いをする状況にいる」
と連邦首相ウォルフガング シュッセルは土曜の夕方リンツ郊外の
アンスフェルデンで行なわれた、チェコにあるテメリン原発反対派
との話し合いの後の記者会見で語った。テメリン原発問題に関する
オーストリア側の要求をチェコ政府に受け入れさせるためにこの機
会を利用するべきだ、と彼は語った。
チェコ首相ミロシュ ゼマンとの会談は、一歩目で満足できる成果
をあげられなかった、ともシュッセルは語った。計画中の第2回会
談では細部にまでより厳しい交渉を行なう、と彼は予告している。
この会談は11月中にウィーンで行なわれることになっている。

     その他のニュース
・「シュテファン ザルツルがブルゲンラントで初めての自由党の
市長であった。彼を自由党所属の初のブルゲンラント州首相にしよ
うではないか。」ケルンテン州首相ハイダーは、土曜日夕方に行な
われた自由党の選挙戦の出陣式で、12月3日に行なわれる州議会選
挙の自由党の筆頭候補ザルツルへの投票を呼びかけた。


11月5日(日)

社会民主党党首のアルフレート グーセンバオアーの新聞のインタ
ヴューは国内政治に嵐を巻き起こしている。そのインタヴューで、
彼は国民党首脳の予備会談を行ない、自由党との連立政権を解消し
社会民主党との連立を行なう構想に関して話し合ったことを認めた。
国民党総書記マリーア ラオホ・カラットはこの報道を訂正して、
「これはグーセンバオアー氏の大胆な意見表明である」と語った。
自由党国会議員団長ペーター ウェステンターラーは、国民党を信
頼しており、グーセンバオアーの発言は「嘘」である、と語った。

     その他のニュース
・元自由党の弁護士で、現在法務大臣のベームドルファーは新たな
疑惑にさらされている。彼の元協力者の発言を根拠に、1996年に彼
の事務所に自由党向けの100万シリングの献金が預けられた、と雑
誌が報道した。社会民主党と緑の党は再び彼の辞任を要求した。ベ
ームドルファーは今のところ態度を明らかにしていない。


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