11月6日〜12日のオーストリアのニュース

11月6日(月)

月曜夜にチェコの原子力発電所テメリンに反対して封鎖を行なって
いる人々は、爆破を行なうという脅迫を受け、フライシュタット北
のウロウィッツ国境通過地点から退去せざるをえなかった。その後
爆薬は発見されなかったので、反対派は国境地点に戻った。封鎖は
木曜夕方まで続けられる。

     その他のニュース
・シュタイアーマルク州社会民主党の幹部シャハナー・ブラツィツ
ェクは10月15日の選挙の敗北と同党にとって不利な結果になった
政権交渉の責任をとって、今回の任期後辞任をすると予告した。
「適切な折に新しい筆頭候補者を州首相代理からたてる」ことにな
る、と発表した。彼は詳しい日程については言及しなかった。一方
シュタイアーマルク州政府の新しい姿が見えてきた。国民党が主要
な職を占めている。クラスニッチが国民党と自由党の賛成で州首相
に選ばれる見込みである。


11月7日(火)

イスラエル首相エフド バラクはパレスチナ国家の樹立を視野に入
れると発言したが、これは今までになくはっきりした言い方であっ
た。バラクは数ヶ国の政府に対して昨日書簡を出し、「存続可能な
パレスチナ国家の建国につながる」和平会談を再開する可能性があ
る、と示唆した。しかしパレスチナ人が現在行なっている総覧を引
き続き行なうのであれば、イスラエルは市民を守る行動を行なわざ
るをえない、とも述べられている。またイスラエルは極めて慎重に
行動してきたが、反対にイスラエル自治政府当局は和平交渉の代わ
りに武力闘争を行なおうとしている、とも書かれている。

     その他のニュース
・EU委員会への報告書によれば、2002年終わりからEUは新規加盟
国を受け入れることができるかもしれない。しかしロイター通信に
よれば、EU委員会に水曜日に正式に提出される新規加盟候補国の加
盟準備状況の年次報告書には、加盟を認める目標の時期については
明示されていない、とのことである。
98年から新規加盟交渉を行なっているのはポーランド、チェコ、ハ
ンガリー、スロヴェニア、エストニア、キプロスで、99年からはさ
らにスロヴァキア、マルタ、ラトビア、リトアニア、ルーマニア、
ブルガリアとも交渉を行なっている。


11月8日(水)

連立政府の両党の協議委員会はいくつかの重大な問題について協議
をしなければならない。木曜午後からこの委員会は会合を開くこと
にしている。社会基盤整備担当大臣ミヒャエル シュミットの後継
者問題、毎日新しい情報が出てくるいわゆるスパイ疑惑、内務大臣
エルンスト シュトラサー(国民党)に対する自由党からの批判、
イエルク ハイダーの連邦レヴェルの政治への復帰の噂などが話し
合われる。会合の場所や期日については水曜日の段階では何も伝え
られていない。

     その他のニュース
・オーストリア政府とチェコ政府はチェコの原発テメリンに関する
話し合いを続ける。連邦首相シュッセルとチェコ首相ゼマンの11
月末の会談中止を伝える報道があるが、首相の報道官はチェコ外務
省からオーストリア大使への公式書簡を示して、そのような事実は
ないと否定した。


11月9日(木)

木曜日に完全に非公開で行なわれた連立与党の会議の結果は夜にな
っても一部だけしか外部に漏らされなかった。テレヴィ番組で副首
相スサネ リース・パサー(自由党)は、次期選挙は話題に上らな
かった、スパイ疑惑をめぐっては、法治国家がなすべきことが行な
われた、との意見がでて、裁判に先駆けて判断を下してはならない、
と語った。

     その他のニュース
・オーバーエスターライヒ州のフライシュタットの北側にあるウロ
ウィッツで11月2日から続けられていた国境封鎖が解除された。こ
れはテメリン原発の反対派が行なっていたもので、祈り、反原発の
歌を歌い、政治集会を行なって封鎖を解除した。


11月10日(金)

ケルンテン州首相イエルク ハイダー(自由党)はテレヴィ番組に
出て、国民党所属の内務大臣エルンスト シュトラサーが行なって
いる「スパイ疑惑」解明の作業に満足している、と語った。「内務
大臣は積極的にあらゆる方面に捜査の手を広げ始めている。これは
大切なことである。」

     その他のニュース
・外務大臣フェレーロ・ワルトナーは首相シュッセルが「エルサレ
ムポスト」紙のインタビューで語って、問題になっている、オース
トリアのナチ時代に関する発言を擁護して、次のように語った。
確かに、シュッセルはオーストリアは「ナチ体制の最初の犠牲者」
であると語ったが、同時に、オーストリアの「道義上の責任は全く
軽減されることはない」とも強調していた。この言葉でシュッセル
は、オーストリアの過去に対する道義的な責任を疑問視しているわ
けではないことを明確に語ったのだ。
彼女は、シュッセルの発言は今までのオーストリア首相の見解と同
じ路線上にある、と見ている。


11月11日(土)

近東では武力対立が治まりそうにない。イスラエル軍は昨日ガザ地
区で、衝突に参加していたパレスチナ人少なくとも4人を射殺した。
イスラエル兵1人も死亡した。首相エフド バラクは日曜日のアメ
リカ訪問を前に悲観的な見解を発表した。彼は、アメリカ大統領ビ
ル クリントンとの会談にあたって交渉再開に対する期待は持って
いない、と語った。

     その他のニュース
・土曜日に始まったボスニア・ヘルツェゴヴィナの選挙では高い投
票率が報告されている。約250万人の有権者がこの国の将来と方針
と穏健な改革政策への転換を決することになる。第一回の結果発表
は日曜中に行なわれると予想されている。野党社会民主党党首ラグ
ムトツィヤLagumdzijaは楽観的な見解を発表した。「私はより良
い時代が来ることを確信している」と。諸外国も彼の党の勝利を期
待している。


11月12日(日)

パレスチナ大統領ヤセル アラファトは9月終わりから続いている
イスラエルに対する蜂起の続行を通告した。アラファトはイスラム
会議機構の首脳会談で、反乱は続く、と語り、これは自由、独立、
占領の終了を目指す蜂起である、と述べた。
イラン大統領モハマド ハタミはイスラム諸国に対し、イスラエル
と断交し、パレスチナ人を支援するよう迫った。彼は首脳会談で4
箇条の計画を提案した。その中には「すべてのパレスチナ人が故郷
に帰ること」と独立のパレスチナ国家に関する国民投票の実施が含
まれている。

     その他のニュース
・ウィーン議会の自由党議員幹部カバスとクライスルの警察への引
き渡しを、ウィーン議会の特別会議は認める模様である。すでにス
パイ疑惑は緑の党の作ったキャッチフレーズ「カバスとクライスル
にちょっとした仕事を。ウィーン自由党スパイネットワーク」が目
下の話題になっている。


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