12月4日〜10日までのオーストリアのニュース

12月4日(月)

国立銀行元総裁で元ナチス強制労働者補償の政府側代表のマリア 
シャオマイアーは月曜夕方、公式に国から功績の評価を受けた。首
相ウォルフガング シュッセル(国民党)は彼女にベルヴェデーレ
宮殿のオーストリア美術館の記念行事の最中に、オーストリア共和
国功労賞のリボンに金の名誉章をつけた。首相は、彼女が「オース
トリアには珍しいぐらい迅速に、また他の政府の計画にも望みたい
ほど正確に」仕事を行なったと請け合った。それに対し彼女は「び
っくりしています」などと答えた。

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・狂牛病との戦いで、EU加盟各国はそれぞれの国で決めた輸入禁止
をまもなく解除することになる。年末にかけて一方的な措置は終わ
り、EU全体で統一行動をとることになる、とフランス農相グラヴァ
ニとEU行政委員バーンとフィシュラーが語った。とくに狂牛病発生
のため課されたフランスに対する一方的な輸入禁止措置が問題であ
った。


12月5日(火)

自由党の連邦党首脳部は火曜夕方全員一致で、ザルツブルク州自由
党党首カール シュネルの言葉づかいを不適切である、と認めた。
彼は連邦大統領に対し「卑劣漢」という言葉を「あまりに無邪気だ」
という意味で使った。彼は今後はこの種類の言葉を使わないように
求められた。同党党首スサネ リース・パサーは5時間に及ぶ会議
の後で、このことを発表し、シュネルはこの決定に従うだろう、と
いう見込みを語った。

     その他のニュース
・スパイ疑惑に関して、副首相リース・パサー(自由党)に対する
批判が、火曜日に裁判官協会会長ヘーリゲから出された。「副首相
は裁判の手続きを一時中断するように要求していますが、この問題
には部外者は口を出すことはできせん。この要求が考慮されるよう
副首相は予想しているという印象を周りの人々は持つに違いありま
せん。」このように彼女はインターネット上の「ディ スタンダー
ド」誌のチャットで語った。


12月6日(水)

国民議会は水曜夕方2001年連邦予算案を可決した。これはシリン
グ建てでの最後の予算である。2002年予算からはユーロ建てにな
る。5日間にわたるマラソン審議を経て国民党と自由党の連立政権
の新年度予算は、与党の賛成多数で可決された。
来年度予算は総額8115億シリング(590億ユーロ)で、歳入は
7787億シリング(566億ユーロ)の見込みである。赤字は328億
シリングで国内総生産の1.1%にあたる。2002年は新たな負債は最
大114億シリング、国内総生産の0.4%に減らされる予定である。
各州で黒字になり、赤字がなくなる予定である。

     その他のニュース
・EUに関する国民投票を求める国民発議は、今のところ、19万
3885人の賛成を得、国会で取り上げるのに必要な10万人の壁を容
易に突破した。「EU脱退を求める超党派の活動」は国民議会で審
議される。主催者は20万人の署名が集まると予想していた。反EU
国民発議はオーストリアで25番目の国民発議であり、19番目に多
い署名を集めた。


12月7日(木)

アメリカ大統領選の結果をめぐる法廷闘争をめぐって、選挙に決着
をつける可能性を持つフロリダ州最高裁の判断を国民は緊張感を持
って見守っている。裁判官は木曜日手作業による票の再集計に反対、
賛成の立場の論拠を聞いた。民主党のゴアは票の再集計に期待を持
っているが、共和党のブッシュは拒否している。フロリダ州最高裁
がいつ判断を示すかはまだ決まっていない。

     その他のニュース
・スロヴェニア大統領クーチャンはオーストリアとスロヴェニアの
現在の関係を「全く生産的ではない」と評した。彼は、今後どのよ
うに両国関係を進めていくべきか、検討しなければならないし、こ
の問に解答がなければ、スロヴェニアがEUに加盟するために、オー
ストリアは今後も条件をつけることになり、そうなればスロヴェニ
アはそれから身を守らなければならなくなる、と国民議会議長フィ
ッシャー(社会民主党)との会談後、語った。


12月8日(金)

3週間強にわたる極めて激しい衝突を経て、イスラエル軍は金曜夕
方パレスチナ人自治区の町を封鎖した。イスラエルのラジオ局は、
この措置はパレスチナ人反乱分子のイスラエル系住民への武装襲撃
が数多く行なわれているため取られた、と報じた。人道的な措置が
必要な場合だけ、パレスチナ人が町の外へ出ることが認められる。
両者の激しい衝突で金曜日にパレスチナ人居住区と東エルサレムで
10人が死亡した。そのうち3人がイスラエル人であった。西ヨルダ
ンランドとガザ地区では日が暮れてからも銃撃戦が繰り広げられた。
パレスチナ側は金曜夕方ふたたびエルサレム南のユダヤ人居住区ジ
ロを攻撃した。怪我人などの情報は入ってきていない。

     その他のニュース
・「ロシアン ルーレットなんて退屈。今日は牛肉を食べよう」と
いう反家畜解体工場連合の挑発的な横断幕が掲げられた。この組織
は金曜日、ウィーンで開かれる農相会議を前に、BSE問題に関する
オーストリアとEUの政策に反対して、緑の党議員団長代理ペトロヴ
ィチとともに抗議活動を行なった。彼らの主張は「命を守るべき役
所が生命を脅かす政策をとっており、EUは税金を使って少なくとも
200万頭の牛を殺すのを助成している」というものである。


12月9日(土)

ルーマニアでは日曜日に、新大統領を決める決選投票が行なわれ
る。この選挙には、2週間前の第1回投票で多くの票を獲得した、
元共産党のイオン イリエスクと超国家主義者コルネリウ ヴァ
ディム トドールが出馬している。
トドールが選ばれる懸念があるため、中道政党と10を越える新
聞社がイリエスクへの投票を呼びかけている。イリエスクは世論
調査ではトドールより優位に立っている。第1回投票ではイリエ
スクが36%、トドールは28%を獲得していた。
イリエスクは勝利した場合には、腐敗には厳しく対処すると公約
している。トドールは人種差別的な発言が目立つが、同じく腐敗
との戦いを掲げている。

     その他のニュース
・ストックホルムでは日曜日にノーベル医学、物理学、科学、文
学、経済学賞が授与される。オスロでは韓国大統領キム デ ジ
ュンに平和賞が授与される。


12月10日(日)

ルーマニア大統領選で社会民主党の候補イオン イリエスクが世論
調査では次の大統領になる見込みである。彼は元共産党員で、投票
終了後の調査では70%の票を集め、決選投票を優位に進めている。
一方超国家主義者の対立候補コルネリウ ヴァディム トドールは
大きく後れを取っている。第1回の投票で最も多くの票を獲得した
両者が第2回の選挙に望んだ。正式の結果発表は月曜日に予定され
ている。

     その他のニュース
・ある情報によれば、イスラエル元首相ネタニヤフは法律上の制約
があるにもかかわらず、次期首相選挙に保守派のリクード党から候
補者として出馬する意向を固めた。エルサレムで開かれた記者会見
で、彼は、首相候補者の資格を得られるように、議会は解散によっ
て早期に総選挙を行なう方向へ進むよう望む、と語った。彼は現在
国会議員ではないので、法律の規定により、首相選挙にすぐに出る
ことはできない。


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