12月25日〜31日のオーストリアのニュース

12月25日(月)

イスラエル首相エフド バラクは月曜日近東和平のためのアメリカ
の提案に基本的には同意する、という声明を発表した。バラクは夕
刻イスラエルのテレヴィで、パレスチナがこの提案を修正なしで受
け入れるのであれば、イスラエルも同じように受け入れなければな
らない、と語り、「しかし私は、両国の解答が同じになるかどうか、
自信はない」と付け加えた。
アメリカ大統領ビル クリントンは、イスラエルが神殿の丘全体に
対する統治権を断念し、同時にパレスチナ人難民がイスラエルに帰
る権利を厳しく制限するという内容の提案を行なっていた。両者は
水曜までに解答をクリントンに寄せることになっている。クリント
ンは1月20日までの任期中に和平交渉を妥結させるべく努力してい
る。この3ヶ月間にわたる衝突で、両国あわせて340人以上の死者
を出している。

     その他のニュース
・ユーゴスラヴィアは国連安全保障理事会に、コソヴォとセルビア
の境界線上にある非武装地帯に関する軍事技術上の条約の修正を求
めた。「アルバニア系テロリスト」の活動により緩衝地帯が必要で
ある、と月曜日に国営通信社が政府の最高国防顧問との会談後伝え
た。


12月26日(火)

ケルンテン州首相で元自由党党首イエルク ハイダーはスパイ疑惑
に関して、司法に対して再び非難の言葉を浴びせた。「裁判官が政
治的に中立の立場を守る意志があるなら、特定の政党に肩入れした
政治文書を送ってはならない」と語った。これに対し法務大臣ディ
ーター ベームドルファー(自由党)は、「裁判官が中立であるこ
とを保証している。今までの法務大臣とは異なり、司法に対し自ら
の力を行使したいという誘惑に駆られていないからである」とも語
った。また「司法の独立性はどのように守られねばならないか、政
党政治が社会民主党と国民党に独占されてきたのをどのように修正
すればよいのかを考え直す必要がある」と語った。

     その他のニュース
・社会福祉大臣ハオプト(自由党)は、1996年以来調整が行なわ
れていない生活扶助料を2002年を目標に5億シリングから6億シリ
ングに増額する努力をする方針を固めた。彼は少なくとも生活扶助
料の段階を4から7へ増やし、重い障害をおった人々はこのお金を
迅速に利用できるようにしたい、と語った。彼は生活扶助料の修正
をしないでも収入の不足を埋めることができる、と障害者に約束す
ることは現実的ではない、とも語った。


12月27日(水)

今日予定されていたシャルム エル シェイクでのイスラエル首相
エフド バラク、パレスチナ大統領ヤセル アラファト、エジプト
大統領ホスニ ムバラクの首脳会談は中止になった。昨夜から今朝
にかけてエジプト大統領府周辺からこの情報が伝えられている。首
脳会議ではアメリカ大統領ビル クリントンの近東和平問題解決に
向けた提案が審議されることになっていた。
会議に先立ちパレスチナ首脳部からはこの和平計画と矛盾する情報
が流れていた。クリントンの提案を受け入れると、パレスチナ人に
とって350万人のイスラエルで難民となっているパレスチナ人が帰
国する権利を否定することになる、というものである。これを受け
てバラクはエジプトでの首脳会談の開催に疑念を表明していた。イ
スラエル政府内でも対立があった。少なくとも3人の大臣が、イス
ラエルがエルサレムのアラブ系住民居住から撤退し、神殿の丘の上
部の主権を放棄するという提案を拒否していた。またバラクは、こ
の提案の受け入れの条件として、パレスチナもこの提案を受け入れ
ることを挙げていた。

     その他のニュース
・ユーゴスラヴィア軍によれば、水曜日に武装したアルバニア系の
反乱部隊が南セルビアの安全地帯にある警察本部を襲撃した。ベオ
グラードの通信社B-92によれば、砲兵隊の火器が攻撃を行ない、
警察は反撃せず、犠牲者はいなかった、とのことである。


12月28日(木)

2人のイスラエル人の生命を犠牲にし、その他に16人の怪我人を出
した爆破事件の後、イスラエル首相エフド バラクは西ヨルダンラ
ンドとガザ地区の境界線を封鎖した。この措置は夜のうちに実行さ
れた。パレスチナ人が9月に蜂起して以来、すでにパレスチナ人が
管理する多くの都市がイスラエル軍によって境界線が封鎖されてい
る。パレスチナ側はイスラエル政府を批判し、パレスチナ人をまと
めて処罰し、それによってパレスチナの経済に大きな打撃を与えよ
うとしている、と発表した。
木曜日にテル アヴィヴでバスが襲われ、14名のうち何人かは重傷
をおっていた。数時間後、ガザ地区への道路で二人のイスラエル兵
が殺され、その他に二人が負傷していた。

     その他のニュース
・次期米国大統領ブッシュは木曜日に元国防長官ラムズフェルドを
ふたたび国防長官に指名した。彼はフォード大統領時代の1975年か
ら77年まで国防長官を務めた。


12月29日(金)のオーストリアのニュース

社会福祉大臣ヘルバート ハオプト(自由党)は国民党の強硬な反
対にもかかわらず、2002年から3年間子女手当を原則的に全員に支
給する方針である。「プレッセ」紙でハオプトは連立を組んでいる
国民党に考えを変え、連立時に結んだ合意を出発点にするよう求め
た。
それに対し国民党総書記マリーア ラオホ・カラットはこの自由党
の方針に反対して次のように語った。「全体を見渡してみると、政
府が子女手当てに対する考え方を考えなおすのは賢明である。連立
合意ではこの手当てを2002年から2年間全員に支払い、両親が支払
いを待つ期間にある場合だけ3年間の支給を行なうということが決
められていた。」

     その他のニュース
・オーストリア国民はこの国の政治状況に厳しい点数を付けている。
IFESの調査によれば、60%が「悪い」「極めて悪い」(学校の成績
で言えば1か2)、29%が普通(満足)、10%だけが「よい」「とて
もよい」を付けた。しかし2001年は改善が期待できる。34%がよ
い方向に向かうと考えており、43%が変化なし、21%が悪化する、
と答えた。


12月30日(土)

オーストリア国民によい年が来ますように。主要政策がそれには重
大な役割を果たすことになる。政党と州首相は土曜日今年の総括を
行ない、来年の展望を発表した。連邦大統領トーマス クレスティ
ルは元日に伝統に従い、新年のあいさつをテレヴィで行なう。

     その他のニュース
・ザルツブルク州自由党党首シュネルは、連邦大統領クレスティル
と内務大臣シュトラサー(国民党)を「スパイ疑惑」に関して攻撃
しているが、その攻撃は正当であると語った。この事件はすべて適
切な国家像を危険にさらしているから起きており、「クレスティル
とシュトラサーに対する無遠慮な批判」は、彼らが一方的に「公務
員に対する責任を果たす意志を捨て」てしまったし、連邦大統領は
閣僚の宣誓の際やEUによるオーストリア制裁の際にもっと別の態度
をとるべきであったから起っているのだ、などと語った。


12月31日(日)

日曜日にイスラエルとパレスチナの重要人物の殺害されたことによ
って、近東での和平へ向けた努力に暗雲がたれ込めた。暗殺された
急進派のラビのメイール カハーネの息子と嫁が昨日西ヨルダンラ
ンドで射殺された。夫妻の5人の娘は病院に運ばれたが、うち何人
かは重傷である。パレスチナ人組織が犯行声明を出したこの襲撃の
すぐ後、イスラエル兵が西ヨルダンランド北部でヤセル アラファ
トが率いるファタハの幹部を射殺した。
パレスチナの情報伝達大臣イマド ファルージはユダヤ人居住者の
殺害は「パレスチナの権利」であると語った。イスラエル首相エフ
ド バラクは「テロリスト」に対して断固とした措置をとる、と発
表し、アラファトに対し、米国の和平提案を受け入れるように呼び
かけた。

     その他のニュース
・国際刑事裁判所の設立条約の署名期限ぎりぎりの日曜日、米国と
イスラエルは署名を通告した。米国大統領クリントンは、日曜日
130ヶ国以上が参加しているこの条約に署名する、と発表した。イ
スラエル首相バラクの事務所は、同国の国連大使に署名の権限を与
えた、と発表した。


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