1月8日〜14日のオーストリアのニュース

1月8日(月)

NATOとEU委員会は火曜日、バルカンに派遣された兵士の癌とウラ
ン弾のどんな関連があり得るかについて考察する。午前中、ブリュ
ッセルのNATO本部で政治委員会が召集される。その後19ヶ国の代
表が非公式の昼食会に参加する。しかし両組織が決定を下すとは考
えられていない。
イタリアの要求で、NATO総書記ジョージ ロバートソンはできる
だけ早く、コソヴォとボスニアのウランミサイルの攻撃目標の一覧
表を作成すると語った。それに加えて彼は、健康問題と環境問題に
関してNATOがより事実を公表して行くことを請け合った。

     その他のニュース
・連邦と各州は厚生省、農業省、大蔵省の首脳と州の代表が集まっ
て開いた昨日の会議で、BSE検査の費用と予防のための費用を今後
2ヶ月分担して支払うことで合意した。オーストリアではまだBSE
の症例は見つかっていないが、ドイツのバイエルン州では月曜夕方
さらに1件の狂牛病が確認され、メクレンブルク・フォアポメルン
州では新たに疑わしい例が見つかった。


1月9日(火)

NATOの情報によれば、アメリカとイギリスはNATO政治委員と
NATO大使の会合で、イタリアが要求しているウラン弾の一時的禁
止を拒否した。水曜日に19ヶ国の大使はNATOの公式理事会を行
ない、以前より具体的な声明が出されることが期待されている。
英米以外の加盟国は、態度をはっきりさせていない。ドイツは以前
はウラン弾の禁止の立場をとり、NATOには団結を弱めないため情
報を公開するよう求めていた。アメリカはドイツにウラン弾が配備
されているという報道を否定した。バルカンへ派遣されたNATO軍
が使用したウラン弾は、白血病になった兵士が発生して以来、批判
を浴びている。

     その他のニュース
・アメリカ財務省副長官エイゼンスタットは火曜日夜の会合で、
(ナチ時代のアーリア化に対する)原状回復交渉に自信をのぞかせ
た。彼はそれに先立ち首相シュッセルと1時間半の話し合いを行な
い、その成果を「いい会談であった」と評した。彼はアメリカの政
権交代の前にもう一度条約締結を求めていた。


1月10日(水)

ヨーロッパ国民党は木曜からベルリンで加盟39党の協力体制を作る
ための新たな基盤を固めるため会議を開く。この会議では土曜日に
「同じ価値観を共有する連盟」という題の文書を採択することにな
っている。その前文では、「我々は、みずからの文明の真の唯一の
価値を守ることに挑む。しかし同時に我々は根本的に異なる世界に
足を踏み入れている」と書かれている。
キリスト教民主同盟党首アンゲラ メルケルは午後にこの会議を開
会する。ヨーロッパ国民党党首で元ベルギー首相ウィルフリード 
マーテンス、オーストリア首相でオーストリア国民党党首のヴォル
フガング シュッセル、スロヴァキア首相ミクラシュ ジュリンダ、
ハンガリー首相ヴィクトル オルバン、エストニア首相マルト ラ
ールが演説することになっている。バイエルン州首相でキリスト教
社会同盟党首のシュトイバーも発言する意志を持っている。

     その他のニュース
・ヴェネチアで活動する自由国民党は、オーストリア自由党を模範
にしている政党であるが、この党は木曜クラーゲンフルトでケルン
テン州首相ハイダーと会談を行なう計画である。自由国民党党首パ
シーニは、協力が可能かどうか検討し、「私たちはハイダーに感心
しており、移民政策と非官僚的なヨーロッパなどの選挙公約をイタ
リアでも推進していきたい」と語った。


1月11日(木)

国民党は日曜日までチロルのアルプバッハで連邦会議を開く。来年
の同党の基本的な15の方針をまとめた文書の基盤になる、広範囲に
わたる活動計画を議論する予定である。争点になるのは、行政改革
と教育、産業、社会福祉の分野である。連邦議会議員のほかに、銀
行頭取のアンドレアス トライヒル、神学者のパオル ツレーナー、
社会福祉の法律の専門家ヴォルフガング マーツアルが出席する。

     その他のニュース
・バート アオスゼーで行なわれた交通安全首脳会談でも、麻薬の
検査をより厳しく行なうよう求める声が高まった。将来は確実な容
疑がある場合には、麻薬検査が行なわれることになる。問題となる
のは、麻薬や薬物の使用が飲酒運転よりも証明が困難であることで
ある。疑いが生じた時に検査で証明しなければならないので、警官
は特別の訓練を受けることになる。


1月12日(金)

ウィーン市はナチ時代の「アーリア化」の被害者とナチに追放され
た人たちの救済のための基金に3千5百万ドルを支出する、とウィー
ン市長で社会民主党主ミヒャエル ホイプルは新聞のインタヴュー
で語った。それによれば、ウィーン市は国から支援を受けた1億5千
万ドルとあわせて、全部で3億6千万ドルをホロコーストを生き延び
た人たちのための基金に支出することになる。ホイプルはこの賠償
金の解決は遅すぎた、と考えており、「数十年前に行なっておくべ
きことだった」し、「アーリア化の被害者、強制労働を行なった人、
オーストリアの捕虜になった人」に今ごろになってようやく賠償金
を支払うのは恥ずべきことだ、と語った。

     その他のニュース
・警官二人が死亡したウィーン南東バイパスでの悲惨な事故では劇
的な展開を見せている。政府は、異常な運転を行なっている場合に
は麻薬テストを行なえるようにする方針である。交通相のフォルス
ティンガーは、与党は道路交通規則の変更を国会に提案する、と語
った。


1月13日(土)

パレスチナ側の情報によれば、イスラエルとパレスチナは土曜日ガ
ザで行なわれた話し合いの終わりで、会談の「数日後の」再開で合
意した。この会談はパレスチナ大統領ヤセル アラファトとイスラ
エルの地域協力大臣シモン ペレスが司会をして行なわれた。

     その他のニュース
・ポルトガルでは約870万人の有権者が日曜日新大統領を決める。
現職の社会党のホルヘ サンパイオ(61歳)が最有力候補である。
最新世論調査では、彼が63.5%の支持を集めている。対立候補とし
て有力なのは保守派の社会民主党のヨアキム フェレイラ ド 
アマラール(55歳)で、世論調査では29.1%の支持を受けている。
彼は1990年から95年まで公共事業担当の大臣を務め、人気があっ
た。


1月14日(日)のオーストリアのニュース

ポルトガルの大統領選挙では、現職のジョルジェ サンパイオが第
1回投票で再選された、とテレヴィは伝えている。サンパイオの得
票は54から59%である、と選挙後の調査結果で国営テレヴィRTP1
は報道した。それによれば保守派の対立候補ホアキム フェレイラ
 ド アマラールは最大で36%の得票である。
サンパイオは5年前大統領に就任した時大きな支持を受け、特に庶
民に人気があった。彼は61歳で細やかで心温かい人物として知られ
ている。ポルトガル大統領は主として国を代表するのが仕事である
が、法案に対する拒否権と政治日程に干渉することができる。

     その他のニュース
新聞の世論調査によれば、社会民主党はウィーン州議会選挙が前倒
しで行なわれた場合、支持を拡大し、投票の44%を獲得するかもし
れない。1996年の選挙では39%の支持であった。その世論調査で
は、自由党は大きく支持を減らし、前回の28%から19%の支持とな
っている。緑の党はほぼ倍で、前回の8%から14%に増えている。
国民党は自由党と同じ19%(前回は15.3%)自由フォーラムは2%
(前回8%)であった。38%の人が選挙の前倒しでの実施に賛成し
ている。


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