2月5日〜11日のオーストリアのニュース

2月5日(月)

世論調査によれば、今日のイスラエル首相選挙では、右派のアリエ
ル シャロンが、現職のエフド バラクに対し完全な勝利を収めそ
うである。一方、パレスチナ側では、シャロンの勝利は和平交渉の
終わりを意味する、と見ている人も多い。昨日発表された世論調査
の結果は、イスラエルのユダヤ人はバラクよりもシャロンのほうが、
パレスチナ人との和平交渉を前進させられると信じている、ことを
示している。
パレスチナ人自治政府は選挙当日には完全に封鎖されることになる。
選挙前日には緊張が高まっていた。パレスチナ人はガザ地区でイス
ラエル兵1人を射殺した。パレスチナ人組織の多くがイスラエルに
対する攻撃と蜂起の続行を呼びかけた。

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・社会福祉大臣ハオプト(自由党)は月曜日、自由党首脳部の、社
会保険会社の主要連合の責任者全ては辞任すべきである、という要
求を批判する発言を行なった。「クリエール」紙で彼は、「すべて
の重役が辞任したとすると、それはとても高くつく」が、契約が切
れればすぐに後任が公平に選ばれる、との意見を述べた。


2月6日(火)

ザルツブルク州議会は、ウィーン州裁判所のザルツブルク州自由党
党首カール シュネルに対する2件の引き渡し要求を審議する。こ
の要求が出されたのは、シュネルが昨年11月ザルツブルクで開かれ
た自由党の大会で、大統領トーマス クレスティルに対して、公に
「卑劣漢」という言葉を投げかけたためである。自由党は不逮捕特
権の議論には参加せず、投票も行なわない、としている。

     その他のニュース
・社会保険の赤字はもはや運営面での支出削減や組織改革だけでは
対処できなくなる、と社会福祉学者バーデルトは意見を述べた。健
康保険の分野を民営化したくないなら、自己負担を増やすか、保険
料の値上げのいずれかは避けられない、と彼は語った。


2月7日(水)

EU加盟各国の内務大臣と法務大臣の非公式会合が木曜と金曜ストッ
クホルムで行なわれるが、その中心議題は人身売買の禁止措置と各
国が共通の亡命政策実施である。英国は現行の規定を強化し、亡命
希望者がEU加盟国に到着した際に受け入れを拒否できるよう求めて
いる。1999年10月EU各国首脳は内務および法務省管轄の問題につ
いては、密接な協力を行なうことで合意し、「自由、安全、権利の
ヨーロッパ(共通の)枠組み」を作るという約束をしていた。

     その他のニュース
・ワシントンのホワイトハウス前で水曜日武装した男による発砲事
件があった。その男はホワイトハウスの南西の入り口のところ、建
物から150メートルほど離れたところで発砲した。警備担当者が彼
を取り押さえた。事件が起った時ブッシュはホワイトハウスにいた
が、危険はなかった。


2月8日(木)

元自由党の労働組合員ヨーセフ クラインディーンストは、彼がき
っかけになって発覚した、いわゆるスパイ疑惑に関連する一連の裁
判を受けることになる。新聞のインタヴューで、同党元党首イエル
ク ハイダーとニーダーエスターライヒ州の閣僚エーワルト シュ
タッドラーを含め全部で15人の自由党幹部が、彼に対する訴えを
起こした、と彼は語っている。彼は応戦する構えで、自分が嘘をつ
いたとか名誉毀損を行なった、とした全員を逆に訴えるつもりであ
る。彼はまずシュタッドラーの名前を挙げている。

     その他のニュース
・木曜日に公表された世論調査で、オーストリア国民は政府の仕事
におおむね「満足」と評価し、「かなり安定した点数」を付けてい
る。通知表方式での採点で、平均は2.9点であった。野党も2000年
4月と比べると安定しており、社会民主党3.7点、緑の党3.1点であ
った。現在の経済状況は全面的によいと判断されている。


2月9日(金)

北イタリアのアドリア海に面した町ジェソロ市長レナート マルテ
ィンは、「ハイダー党」という名称はもっぱら自らの連邦主義運動
政党「ヴェネト連邦共和国」を呼ぶ時に使うことを求めた。この要
求は「ハイダーとともに自由を求めて」という名前を持つウディネ
の政党に向けられたものである。

     その他のニュース
・健康保険制度の財政基盤をめぐる議論の中で、自由党内では意見
の対立が生じている。社会福祉大臣ハオプト(自由党)は金曜日、
ケルンテン州首相ハイダー(自由党)が提案している健康保険料の
値上げをめぐる直接投票に反対の意見を述べた。彼は、直接投票は
無意味で、まず支出削減をできるものからするべきだ、と語った。
木曜日には彼は保険料の値上げも考慮するといっていたが、方針を
転換した。これに対する批判は野党からはまだ起っていない。


2月10日(土)

連邦首相ウォルフガング シュッセルはEU拡大は近いうちに実現可
能だ、との見通しを語った。スロヴェニア首相ヤネズ ドルノウシ
ェクとの非公式昼食会を前に、サンクト アントンのオーストリア
館で土曜日、「私たちはEU拡大にむけてラストスパートをかけてい
ます。今後18ヶ月で決定は下されるでしょう、」そしてこの局面を
共に「失敗せず乗り切りましょう」と語った。両首脳は金曜夕方非
公式会談を行なっていた。2人は数年前から知り合いで、お互いに
尊重しあい、信頼を寄せていると、シュッセルは強調した。

     その他のニュース
・ある情報によれば、副首相リース・パサー(自由党)は英国のあ
る弁護士事務所に、ロンドンの大衆向け新聞数紙を訴えることがで
きるかどうか調査を依頼した。その新聞は彼女がサンクト アント
ンでエドワード王子とその妻ソフィーとあった時の記事で、彼女を
「ミセス ヒトラー」と書いていた。またあるインタヴューで彼女
は、エドワード王子が彼女を知らなかった、とイギリス外務省が記
していることに関して、「もちろん、彼らは私が誰かを知っていま
した。その夜ずっと一緒でしたし、彼らはとても親切でした」と語
った。


2月11日(日)

社会福祉大臣ヘルバート ハオプト(自由党)と労使代表は月曜夜
会談を行ない、苦境に立っている健康保険が財政危機から脱する方
法を探る。社会保険会社の主要連合の首脳の新たな任命は行なわれ
ないとのことである。ハオプトは人事以外の問題だけを扱うつもり
だ、と語っていた。またオーストリア労働総同盟と経済界が改革計
画に従わないのであれば、社会保険会社の主要連合の改造を断固行
なうとも語っていた。彼の計画は、財政的に弱い健康保険のために、
保健連合内部で赤字を埋め合わせるための基金を変える、というも
のである。

     その他のニュース
・ロシア大統領プーチンはオーストリア訪問を終えた。ロシア大統
領はスキー場のあるサンクト アントンをたち、夕方、予定より遅
れて、インスブルックからウィーンをへて、ウクライナの工業都市
ドニエプロペトロフスクへと旅立った。オーストリア大統領クレス
ティルは今回の訪問を両国関係の大きな進展である、と評した。


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