3月19日〜25日のオーストリアのニュース

3月19日(月)

ウィーン選挙戦が一番熱くなっている局面で、国民議会の特別会議
では月曜日投票が行なわれ、また熱くなりそうである。国民党と自
由党は、デモを含めた治安維持の問題を取り上げる意向である。社
会民主党は社会福祉の問題を取り上げ、傷害年金に対する課税の廃
止と負担金のない共済の再開を求める提案を行なう。今回の議論で
はおそらく月曜午後判明した、手続き上の不備のため年金改革を中
止すると言う決定も取り上げられることになりそうである。

     その他のニュース
・副首相リース・パサー(自由党)は、国民党所属の州首相に対し、
激しい非難を行なった。彼女は最近の各州からの声に怒り、「それ
では妨害と同じです」と語った。彼女が怒ったのは、州首相が政府
の立てた行政改革計画に対して批判的な態度を取ったためである。
彼女は、国民党所属の州首相は予算の健全化を危機にさらすような
ことは要求できない、と考えている。各州が妨害するのであれば、
「深刻な状況」になる、と彼女は語った。


3月20日(火)

産業大臣マルティン バルテンシュタイン(国民党)が最近提案し
た子女手当案は副首相スサネ リース・パサー(自由党)のはっき
りした拒絶にあった。閣議後リース・パサーは「私は、みんなで考
え抜いた子女手当計画を、ちょっとした思いつきで変えることを評
価できません」と語った。バルテンシュタインは副収入が多くある
場合にも子女手当を拡大するよう求めているが、彼女はこれを報道
陣に対して「奇妙」な要求だ、と語った。

     その他のニュース
・昨年オーストリアの国籍を獲得したのは2万4645人で、1.5%減
少した。1999年は38.7%、98年は12.6%増加していた。1992年
以来、新たにオーストリア国籍を獲得した人の半分以上は外国人労
働者を出していた国からのものであった。1996年から99年までは
旧ユーゴよりトルコからの人が多かったが、2000年は旧ユーゴか
らが7,557人(12.3%増)でトルコからは6,720人(34.9%減)と
なった。


3月21日(水)

マケドニアのアルバニア人反乱軍は、今回の武力衝突を平和的に解
決する会談を開くために、無期限の一方的停戦を提案した。この提
案は、マケドニア政府が反乱軍に対してつきつけていた、反乱軍が
現在取っている態度の放棄と撤退を求める、最終通帳の期限の数時
間前に出された。「2つの民族の間で戦争を始めるよりも、交渉を
行なうほうがよい。戦争が起きれば血を流して、話し合いは不可能
になるからだ」とアルバニア人の国民解放軍の報道官アリ アーメ
ティは語った。

     その他のニュース
・ガザ地区での激しい戦闘で水曜午後パレスチナ人1人が死亡し、
3人が怪我をした。パレスチナ警察の発表では、犠牲者はパレスチ
ナ大統領アラファトの親衛隊第17部隊の隊員であった。目撃者に
よれば、パレスチナ人がガザ市の南にあるネツァリム十字路区域の
イスラエル軍の基地に発砲した。それに対し、イスラエル兵が対戦
車用手榴弾で応戦した。その際近くに置かれていたパレスチナ人検
問所にいた第17部隊の兵士がまきもまれた。イスラエル軍の発表で
は、パレスチナ人反乱軍はガザ地区のユダヤ人住居に対し榴弾を投
げ込んだ、とのことである。


3月22日(木)

ロシア政府はアメリカから50人のロシア外交官が追放された報復と
して、アメリカの外交官50人を追放する方針である。木曜午後ロシ
ア外相イゴール イワノフが、これを認めた。追放される外交官の
一覧は既に出来ている、とのことである。CNNの報道によれば、イ
ワノフはアメリカ外相コリン パウエルに対し、ロシアが取らざる
をえなかったこの措置を「適切な措置」である、と評している。こ
れに先立ちアメリカ大統領ジョージ W. ブッシュは、ロシアとの良
好な関係を維持する、と語っていた。

     その他のニュース
・警察の情報によれば木曜午後、ヘルツリヤで車の中で爆弾が爆発
したが、怪我人はなかった。爆薬はレストランの外に駐車していた
車に置かれていた。警察は背後に何があるかつかんではいない、と
発表した。ヘルツリヤはテル アヴィヴの北にあり、今年初めから
既に2回の襲撃であわせて40人以上の死者が出ているネタニヤから
それほど離れていない。


3月23日(金)

フランスでは金曜午後、口蹄疫の2番目の症例が確認された。発見
されたのはセーヌ エ マルヌ県の農場である、と農業省が発表し
た。3月13日にマイエンヌ県で最初の例が発見されていた。また
EUの定例獣医委員会は昨日口蹄疫対策で、EU全体で禁止となって
いる予防接種禁止をオランダに対しては緩和することにした。ただ
し予防接種の禁止そのものが解除されたわけではないが、同委員会
は将来予防接種を認めるよう勧告した。ドイツ購買者保護大臣キュ
ーナストは以前、ドイツにも口蹄疫が発生する危険性があるので、
EUの制裁覚悟で予防接種を行ないたい、と語っていた。

     その他のニュース
・警察情報を不正に聞き出そうとした「スパイ疑惑」で、ハイダー
の護衛官ビンダーの書簡の第2回の鑑定結果が公表され、再び動き
があった。新鑑定では、ハイダー宛の書簡の裏側に手書きで書いて
あるメモはビンダーのものである可能性を否定できず、真実を明ら
かにするために第3回の鑑定を行なう可能性もある、とされている。


3月24日(土)

北欧の5ヶ国は日曜日にシェンゲン協定に加盟する。夏時間は3月
25日に始まるため、シェンゲン協定加盟諸国間の航空運送を変え
るこの日が、加盟の日として選ばれた。スカンディナヴィア諸国
のシェンゲン協定加盟は、1996年秋に既に合意されていたが、
40年前から続いている北欧5ヶ国の旅券同盟との整合性を保つ必
要があった。そこでスウェーデン、フィンランド、デンマーク、
ノルウェー、アイスランドはEU加盟をしていない国も含めて、シ
ェンゲン協定に加盟した。

     その他のニュース
・ストックホルムで開かれていたEU首脳会談は。いくつかの経済政
策に関する重要な計画で合意を見ないまま、土曜日終了した。改革
の遅れにもかかわらず、参加国の多くはこの会談を有益であった、
と評した。理事会議長のスウェーデン首相ペーションは、ガスと電
力の自由化に関する溝が埋まらなかった、という印象を持っている。
彼とドイツ首相シュレーダーはヨーロッパを世界経済の牽引車とし、
世界的な経済危機が起っているさなかであるが、ヨーロッパ大陸は
経済成長の過程にある、と述べた。


3月25日(日)

ニーダーエスターライヒ州首相代理カール シュレグルは新聞に出
た自分の辞任に関する報道を土曜日には「馬鹿馬鹿しい」と片づけ
たが、今回はこの報道を認め、政界からの引退を発表した。彼はニ
ーダーエスターライヒ州社会民主党の党首であり、内務大臣を務め
た。辞任の理由を「個人的なもの」としており、党に対する自分の
責務を果たし終えた、と感じていると語った。「私は(ニーダーエ
スターライヒ)州社会民主党を新たな地点に導いた」と語り、26年
間政治活動を行なっていたが、別のことに目を向ける時が来た、と
語った。

     その他のニュース
・先週の持ち上がった社会福祉に関する問題2つが首脳会談で話し
合われ、少なくとも解決に近づきそうである。月曜午前中にはまず
健康保険に関する会議が行なわれる。引き続き各州の厚生専門官が
社会福祉大臣ハオプト(自由党)と外来診療費の改善について話し
合う。5回目になる健康保険首脳会談は緊迫が予想される。今回初
めて健康保険組合主要連合の会長サルムター(社会民主党)が出席
する。彼の解任をハオプトは数週間前から予告していた。


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