4月2日〜8日のオーストリアのニュース

 

4月2日(月)

国民議会では火曜日、予算案の審議が引き続き行なわれる。法務、
農業、環境、内務の予算の審議が行なわれ、投票が行なわれる。明
日はそれに引き続き社会福祉、大蔵予算に関する議論が行なわれた
後、2002年連邦予算の見積もりに関する最終投票が行なわれる。月
曜の審議では交通予算をめぐって、責任のなすり合いが行なわれた。
社会民主党は昨年1年を自由党の責任で失われた1年になったと批判
したが、与党国民党と自由党は30年間の社会民主党の交通政策の怠
慢の責任である、と批判した。

     その他のニュース
・インスブルック空港の「セックス疑惑」に関して名前が上がった
フォアアルルベルク州自由党所属の国会議員で元スキー選手オルト
リープはカナダから急いで帰国する。彼は自分の立場から事件を解
明するためにインスブルックに向かった。


4月3日(火)

イスラエルの軍用ヘリコプターが火曜日午後ガザ市とエジプト国境
に近いカーン ユニス近郊のパレスチナ難民収容施設ラファを攻撃
した、と目撃者とパレスチナ側の公安が伝えた。それに先立ち、イ
スラエル軍はガザ地区のユダヤ人居住区に手榴弾が投げ込まれ、女
性一人と生後10ヶ月の赤ん坊が怪我をした事件の報復をすると予告
していた。また目撃者によれば、イスラエル海軍もガザ市にむかっ
て砲撃をした、とのことである。砲撃目標はパレスチナの精鋭部隊
第17軍の建物とパレスチナ大統領ヤセル アラファトの護衛隊であ
った。

     その他のニュース
・国民議会は2002年予算案を水曜日に承認する。社会福祉大臣ハオ
プト(自由党)が社会福祉予算の審議の始まりのところで、元同省
官房長ファーベルを解任する予定である。2002年予算は総額583億
1400万ユーロで、歳入は574億8700万ユーロと見込まれる。これで、
マーストリヒト条約で決められた赤字額である国内総生産の0.7%程
度に治まることになる。


4月4日(水)

イスラエルとパレスチナの代表者の間で行なわれていた安全保障会
議は水曜日午後遅くに終了したが、その成果は公表されなかった。
この会合は秘密裏に行なわれた、とイスラエルの放送局は伝えた。
両者は自治区での戦闘を終了させるために会談を行なった。この会
談にはパレスチナ側のガザ地区と西ヨルダンランドの公安部長とイ
スラエル公安部隊の隊長も参加していた。
イスラエル外相シモン ペレスは水曜日にパレスチナ国際協力担当
大臣ナビル シャースとの会談を行ない、安全保障問題で合意に達
することが極めて重要だ、と強調した。

     その他のニュース
・国民議会は水曜午後、5日間の議論の後、2002年予算案を与党国
民党と自由党の賛成で可決した。歳出は583億ユーロ、歳入は575
億ユーロで、8億2700万ユーロの赤字である。ユーロ建てでの予算
は今回が初めてである。国全体で赤字をなくすためには、州と地方
自治体が黒字を出さなければならない。昨日の審議では与野党が根
本的に対立したのは1回だけで、政府の支出削減の方針が社会福祉を
誤った方向に導く、と野党は批判したのに対し、与党は歴史的な意
義のある予算である、とした。


4月5日(木)

クラーゲンフルトで開かれている州首相会議では、行政改革、BSE
処理費用、新オーストリア放送局法を中心に議論が行なわれている。
予算案の目標を達成しなかった場合には、各州に罰金を支払わせる
という大蔵省の計画をめぐって当初から紛糾が予想されていた。州
首相はこの計画を断固拒否している。ザルツブルク州首相フランツ
 シャオスベルガーは、このような条件がついていては、連邦と各
州の間の協力協定に署名することはできない、との考えを述べた。

     その他のニュース
・自由党議員団長ウェステンターラーは、同党の状況を天気になぞ
らえ、「雨のち晴れ」と評した。自由党はより良い党に、より熟練
した政党になるべく努力しており、国民党の批判、特にニーダーエ
スターライヒ州首相プレルが昨日行なった自由党の批判は的を射て
いない、と彼は語った。「プレルは次回選挙のことで圧力をかけた
が、それは弱腰の現われである。最初から全面的に自由党に批判的
な態度を取るような人は、自由党の代わりが勤まるのは誰か一度考
えてみるべきである。(社民党に政権を譲って)グーセンバオアー
を首相に、ペトロヴィッチを副首相に、ピルツを内相に、エドリン
ガーを蔵相にしたいのか」と彼はテレヴィ番組で語った。


4月6日(金)

自由党の産業問題の報道官トーマス プリンツホルンは、今後行な
われる可能性がある(減税などの)税制改革に関して経済界の意向
が優先されることはない、と語った。まず第一に収入の少ない人と
年金生活者の利益が優先される、と新聞のインタヴューで語った。
税制改革の規模に関して彼は明確な言葉を避けたが、100から300
億シリング(7億2700万から21億8千万ユーロ)が適正で、もちろ
ん300億シリングが一番好ましい規模であり、2003年か4年に始め
たいと、語った。

     その他のニュース
・国民党内務大臣シュトラサーは警察と地方警察がこれ以上、似て
しまうことに乗り気でない。彼は新聞のインタヴューに答えて、旅
券、運転免許、猟銃、武器の許可業務を市役所に移すべきかどうか
という問題を中期的に検討すべきである、と語った。現在警察がこ
れらの業務を行なっており、警察と地方警察の違いはこの点にある、
と彼は語った。


4月7日(土)

連邦首相ウォルフガング シュッセル(国民党)は現連立政権内部
の意見の違いに関して、「鶴の一声」を発する、と予告した。「鶴
の一声を望む意見があれば、私がその意見を取り上げます。ただし
時期がくればの話ですが」と彼は新聞のインタヴューで答えた。シ
ュッセルは連立与党自由党の方針に警告し、いつも「大局」を見て
いなればならない、短期的に方針を変えても実りはない、と語った。
「改革に時間がかかりすぎる、と連立相手を非難しているが、速い
遅いではなく、先見の明を持つことを約束したのです。」

     その他のニュース
・オーストリアはルクセンブルクと並んでEUで最高額の年金を支払
っている、との研究結果が世界銀行から出された。ドイツでは国内
総生産の12%が年金に使用されているが、オーストリアは15%を使
っている。一方EU最低はアイルランドの5%である。EU平均は11%
である。EU加盟を希望する国を含めた場合には10%を支出している。


4月8日(日)

自由党厚生問題の報道官アロイス プムベルガーは日曜日、外来診
療費の規定に関する最近の批判を切り捨てた。政治家は80シリング
しか支払わなくてよいという規定が問題になっているが、これは様
々な制度と比べて考えてみると、単なる根拠のない攻撃にすぎない、
と語った。政治家は上級公務員と同額の外来診療費を払わなければ
ならないし、それは以前から変わらないことも強調した。

     その他のニュース
・ザルツブルク州の社会福祉専門家のプファイルは、生活保護に関
しては公務員が大きな決定権をもっており、州ごとに様々な基準が
作られ、それには根拠がない、と非難した。彼は社会福祉問題に関
する研究を作成した。ザルツブルクでは生活にかかる費用はかなり
高いのにもかかわらず、生活保護は毎月4995シリングで、身寄り
のない人に対するものとしてはオーストリア全体で最低であった。


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