４月２３日〜２９日のオーストリアのニュース
４月２３日（月）
チロル州国民党幹部会は月曜午後、全員一致で同州同党主で州首相
代理フェルディナント エーベルレを現首相ウェンデリン ワイン
ガルトナー博士の後任とすることを提案した。今回の任期中の適切
な次期に交代の予定である。エーベルレは新首相としてチロル州議
会の今回の任期中に州内の改革に乗り出し、州の利益を代弁し、チ
ロルの未来像を実現する機会を得ることになるかもしれない、と見
られている。
その他のニュース
・ケルンテン州首相ハイダー（自由党）はオモフマ事件の民事裁判
の第1審で敗訴した。ウィーン商事裁判所は、2年前の国外追放の際
に死亡したナイジェリア人は麻薬販売人であったという発言は、
「名誉毀損で真実ではない」と判断した。
４月２４日（火）のオーストリアのニュース
・チェコ通商産業省は火曜日、首相ウォルフガング シュッセル
（国民党）の求めていた南ボヘミアの原子力発電所テメリンの安全
性の全面的な検査をはっきりと拒否した。「私はこれは全く無意味
だと思いました。そしてオーストリアにはこれを要求する権限はな
いと考えます」とチェコ通産大臣ミロスラフ グレグルは語った。
さらにこれはメルク合意に含まれていなかった、とも語った。
その他のニュース
自由党は来年度の税制改革で、300億シリング（218万ユーロ）
規模の減税を強く求めている。もしこれが上手くいかなければ、改
革の計画が危険にさらされてしまう、と自由党議員団長ウェステン
ターラーは新聞に語った。
４月２５日（水）
水曜午後少なくとも4人のパレスチナ人がガザ地区南部での爆破事
件で死亡し、その他6人が重傷を負った。パレスチナ警察の所長は、
エジプト国境のラファ近くの学校のそばに3つの爆発物が置かれて
おり、専門家が起爆装置を解除した、と語った。また彼は、3つめ
の爆弾は「イスラエル協力者」が置いたもので、仕掛ける際に爆発
した、とも発表した。
その他のニュース
・米国大統領ブッシュはCNNテレヴィとのインタヴューで、米国の
台湾政策には何の変更もない、と語った。水曜日彼は、アメリカは
台湾を支援して、中華人民共和国から防衛する、と語った。
４月２６日（木）
社会民主党と緑の党は自由党が要求している連邦大統領府の廃止に
反対した。次期社会民主党議員団長に指名されているヨーゼフ キ
ャップはテレヴィ番組で、イエルク ハイダーの発言には「連邦大
統領に対する報復と独裁的制度へのあこがれ」が見え隠れする、と
語った。緑の党のアレクサンダー ファン デル ベレンは、「連
邦大統領府は十分に成果を挙げてきた」と語った。
その他のニュース
・法務大臣ベームドルファー（自由党）は連立協定の中で合意して
いた司法綱領の一部を改定する交渉を行ないたい、としている。
「4年間に行なうことをすべて決めておくことはできません。合意
内容をいくつかの点であらためて交渉することに賛成したいと思い
ます」と新聞で語った。これは司法綱領の補完であって、連立合意
を変えることではない、と彼は補足した。
４月２７日（金）
チェコ外務相は金曜日午後、原子力発電所テメリンに関して、オー
ストリアの要求には全く応えないと回答した。チェコ政府はオース
トリア政府を批判して、「エネルギー政策を自らの意志で決めるチ
ェコ共和国の権利を侵害している」としている。オーストリア環境
大臣ウィルヘルム モルテラーはこの回答を「不十分」だと評した。
またオーバーエスターライヒ州首相ヨーセフ ピューリンガーもチ
ェコ国境近くのウロウィッツで開かれた反テメリン原発集会で同じ
趣旨の発言をした。
その他のニュース
・世論調査によれば、自由党元党首ハイダーの人気は過去最低にな
った。自由党党首をやめて1年たつが、回答者の59%がハイダーを
よいと思っておらず、わずか24%だけがよいと評価した。また13%
だけがハイダーが中央政権に戻ることに賛成で、53%がケルンテン
州にとどまっていてほしい、と回答した。
４月２８日（土）
・自由党党首で副首相のスサネ リース・パサーは、成立後すでに
80年以上たっている憲法を「現代の民主主義に必要なもの」に適合
させていくことを考えなければならない、と語った。自由党は問題
から目をそらそうとしているのではない、とも語った。また彼女は
連邦大統領府を廃止するようにとの自由党の提案を擁護し、この要
求は同党の大規模な民主主義改革計画の一部である、と語った。
その他のニュース
ブレゲンツでは国境を越えて仕事をする越境通勤者、労働組合、年
金生活者のデモが行なわれた。彼らは連邦政府の財政引き締め策に
抗議している。地方警察によれば千人強、主催者によれば2千人が
参加した。スイス金属産業労働組合もこの抗議活動に連帯を表明し
た。スイスで得た年金にオーストリアの税金の50%を課すことにス
イス側も理解を示していない。
４月２９日（日）
自由党のスサネ リース・パサーが党首に選ばれてから1年たち、
元党首イエルク ハイダーの同僚という立場から解放されたと強調
し、次のように語った。「ハイダーの路線は以前と変わらない自由
党の路線でした。荷物持ちのままでは副首相や党首にはなれません
し、役所を引っ張っていくこともできません。」1年前の自由党党
大会で彼女は、自由党はハイダーの政党であり、それに変化はあり
ません、と語っていた。来年の連邦党大会で彼女は党首再選に立候
補する方針である。彼女が来年の国民議会選挙で同党の筆頭候補に
なるかどうかはまだ決まっていない。「この結論は選挙近くになる
まで決まらないでしょう」と彼女は語った。
その他のニュース
・オーストリア持株会社の新幹部をめぐる競争は間もなく決着がつ
くかもしれない。日曜日のラジオ報道によれば、候補者3人に絞ら
れた。同社監査役会議長ハインツェルが同社の社長になることをも
っとも期待しているのがブラベック・レートマンテ（57歳）で、
彼は現在スイスの食品会社ネスレの社長をしている。