5月7日〜13日のオーストリアのニュース

5月7日(月)のオーストリアのニュース

秘密裁判の内容を公表した報道関係者に対する制裁を強化する措置
は、激しい非難を受け、やや穏健なものになりそうである。法務大
臣ディーター ベームドルファー(自由党)は月曜のテレヴィ番組
で、「逮捕をちらつかせて圧力をかけることはしない」と語り、報
道関係者はオーストリアでは捕らえられる可能性があるという印象
を払拭したい、と語った。刑事訴訟法改革案では最長6ヶ月の逮捕
という内容が含まれていたが、先週の閣議で話し合われた際には、
ベームドルファーはこの措置を緩和する理由はない、と語っていた。

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・閣議は議論になっていた学校のための行動計画を承認する。これ
によって、学校フォーラムと学校組織委員会は学校規則の補則で学
校独自の行動計画を定めることができるようになる。たとえば、
「登校時間厳守」や「必要出席日数の埋め合わせ」などである。そ
の他高等工業学校でも障害児を受け入れることや、一般中高等学校
で「歴史と政治」という科目を教えることが可能になる。


5月8日(火)

国民党議員団長アンドレアス クホールは火曜日同党の研究会の冒
頭で、傷害年金に対する課税問題で災害補償規定の案を擁護して、
この案は公正で憲法上も「調査済み」である、と語った。国民党議
員団は水曜から、「オーストリアの政策」というテーマを掲げて、
今回の任期以降を見据えた研究会を開いている。同党の党首で首相
のウォルフガング シュッセルは年金支給開始年齢に関する議論を
長期的に行なっていく、と語った。

     その他のニュース
・国防大臣シャイプナー(自由党)は、兵役義務は短期間で廃止す
ることはできないが、オーストリア軍を軍人によって構成する方針
を強化する必要がある、と語った。義務で軍に参加している軍人で
は、海外派兵や先端機器の使用など、多くの課題をこなすことがで
きず、若者たちに職業軍人になってもらうためには、収入や住居な
どの動機づけが必要だ、とも語った。


5月9日(水)

国防大臣ヘルバート シャイプナー(自由党)は先日行なわれた議
論で、連邦軍の現状についての専門家の調査に基づいて議論が行な
われたことを歓迎した。この議論では軍に1億5千万シリングの資金
を投入した場合の成果を話し合い、オーストリア軍は現在課題を完
全には実行できないという結果になった。シュライプナーは、オー
ストリア軍も国際的な防衛共同体にさらに組み込まれていくことは
不可避である、とも語った。

     その他のニュース
・国民議会は木曜午前総会を行なう。緑の党は報道関係者に対する
刑罰をめぐる議論の最中に、緊急動議を提出する構えである。その
緊急動議で緑の党は首相シュッセル(国民党)に対し、自由党より
の法務大臣ベームドルファーの解任を要求する。ベームドルファー
自身に対して、緑の党は不信任案を提出する。


5月10日(木)

国民議会は金曜日の第1回読会で、EUのニース条約の批准を審議す
る。これは、夏前に批准したいという与党の意向によるものである。
批准に必要な3分の2の賛成を得るためには、社会民主党の賛成が必
要であるが、同党は基本的には賛成しているものの、長時間の話し
合いを求めている。そこで話し合いたいのは、EUを拡大の際に設定
されることになっている労働市場開放までの猶予期間の問題である、
と社会民主党は発表した。

     その他のニュース
・副首相リース・パサー(自由党)は米国での記者会見で、オース
トリアはナチの犯罪に責任があることを認識している、と語った。
「オーストリアは、自分たちがヒトラーの最初の犠牲者であると明
言することで、過去の問題を特に安易に処理してきました。しかし
それは簡単に正しいとは言えません」とワシントンのナショナル 
プレス クラブでの記者会見で語った。


5月11日(金)

マドリッドの中心部では自動車に積まれた爆弾が爆発し、8人が怪
我をした。警察によれば、金曜夜何者かが12時前にバスクの地下組
織ETAの名を名乗り、電話で爆発を予告した。爆弾事件に巻き込ま
れたのは銀行の警備員2人と通行人6人であった。銀行の正面玄関は
爆弾で大きく破損した。警備員の1人は重傷であるが、命には別状
はない、とのことである。子供2人を含む他の怪我人は軽傷である。

     その他のニュース
・フランスとドイツは6月にスウェーデンのイエテボリで開かれる
EU首脳会談で、EUの東方拡大に関する問題で同じ態度を取ることに
なった。今回の協調は「すべての点」でのものだ、とドイツ首相シ
ュレーダー(社会民主党)は金曜午後のフランス大統領シラクとの
会談後語った。独仏の協調なしにはヨーロッパでは「何もあるいは
ほとんど何も」起らない、両国政府は「相互協力」の原則に基づい
て行動し、「両国は反目しない」とも語った。


5月12日(土)

スペインのバスク地方で日曜日地方選挙が行なわれる。スペインが
民主化されて初めて民族主義政党が政府から排除される可能性があ
る。1980年以来この自治区では穏健なバスク民族党PNVがバスク
政党バスク連帯EAとの連立政権を組んでいた。世論調査の結果か
ら見ると、今回は全スペイン的な国民党PPと社会党PSE-EEを合わ
せると絶対多数を獲得するかもしれない。両党は昨年の終わりに一
種の「非戦条約」を結び、バスク独立組織の暴力に協力して対処す
ることを決めていた。

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・マケドニア軍は土曜日攻勢にでて30人ほどの敵を殺した、と軍報
道官が発表した。ロイター通信の情報では、これは確認されていな
い。軍はヘリコプターと砲兵隊を「アルバニア人テロリスト」の拠
点へ向けて移動させ、アルバニア人反乱軍の牙城近くで2台の輸送
車を破壊した、とのことである。


5月13日(日)

中道左派政権がイタリアに誕生して5年、予想によれば、賛否両論
のあるマスコミの帝王シルヴィオ ベルルスコーニが権力の座に帰
る見込みである。日曜夜の投票終了直後のテレヴィの第1回予想に
よれば、右派保守連合の「自由な者の家」が下院、上院の両方で多
数を獲得し、ベルルスコーニが新政権の首相となる見込みである。
彼が経営するカナーレ5の予測によれば、下院の630議席のうち同
連合が369議席を獲得するとのことである。

     その他のニュース
・スペインのバスク地方の選挙では穏健派の民族主義政党が勝利を
収めた。親スペイン政党はバスク自治区の地方議会選挙で勝利する
という予想にもかかわらず、政権交代はならなかった、とバスク内
務大臣バルツァは集計後発表した。暫定結果によれば、21年前から
政権を担当している穏健派の民族主義政党が最大勢力を確保したが、
過半数には達しなかった。


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