６月４日〜１０日のオーストリアのニュース
６月４日（月）
パレスチナ急進派ハマスと、ファタハ組織の武装軍は休戦に応じる
ための条件を発表した。両者はその条件はイスラエルが占領地域か
ら撤退することに合意することである、と強調している。「我々は
1948年以来占領されているパレスチナ人居住区で深夜から作戦行
動を開始する」とも発表した。20人のイスラエルの若者が殺され
た自殺攻撃の後、パレスチナ大統領ヤセル アラファトは土曜日に
休戦を訴えていた。
その他のニュース
・マケドニアでは月曜日再びアルバニア人反乱軍とマケドニア治安
維持軍が前線2箇所で戦闘を繰り広げた。反乱軍UCKはマケドニア
北西部のテトヴォ近郊と北東のクマノヴォ付近にある軍と警察の拠
点を攻撃し、テトヴォでは高圧電線が被害を受け、クマノヴォでは
兵士2人が怪我をした、と軍報道官は発表した。
６月５日（火）
店舗の営業時間を自由に決められるようにするかどうかが問題にな
っているが、これに関する議論は秋にようやく始まることになりそ
うだ。産業大臣マルティン バルテンシュタイン（国民党）が求め
ていた議決は夏前に行なわれることはなさそうである。連立与党の
自由党との合意が火曜日成立しなかった。ヘルムート ハイゲルモ
ーサー（自由党）とバルテンシュタインとの会談では、双方とも態
度を軟化させなかったことを、両者が認めている。
その他のニュース
・健康保険の払込金の値上げに対し国民党は強硬に反対しているが、
産業会議事務長代理ミッターレーナーはその立場から距離を取って
いる。健康保険財政の健全化のために、払込金の値上げが良い、悪
いということを議論する必要があり、たとえば支払い最高額を上げ
ることなどについて、話し合わねばならない、と新聞のインタヴュ
ーで語った。
６月６日（水）
木曜日の国民議会の全体会議で、野党との合意が前日に素早くまと
まったのを受けて、学校に対する態度についての協定に関する憲法
の規定を含む学校関連法案が承認される見込みである。その他の重
大な議案は家族政策と国民の代弁者の選挙である。連邦首相ウォル
フガング シュッセル（国民党）と副首相スサネ リース・パサー
（自由党）は会議冒頭で「子供にやさしいオーストリア」という題
の声明を出す。新子女手当案が可決されることになっている。
その他のニュース
・ケルンテン州首相ハイダー（自由党）は行政改革に関する水曜日
の話し合いの後、「革命的」な提案を行なった、と語った。それは、
上級地方裁判所の業務を州裁判所に移し、さらに郡裁判所を州に編
入するというものである。フォアアールベルク州首相サオスグルー
バー（国民党）は、この話し合いが「前向きの姿勢」で行なわれ、
「いくつかの細かい問題で合意した」と語った。
６月７日（木）
新しい国民の代弁者3人が選出された。任期は6年で、国民の願望を
実現するために尽力する。3人はペーター コシュテルカ（社会民
主党）、エーワルト シュタドラー（自由党）、ローセマリー バ
オアー（国民党）である。選出後新代弁者には国会内で薔薇がふり
まかれた。国民の代弁者は尊重されるものの、その権限は制限され
ている。この選出に反対したのは緑の党だけで、選出方法を変える
よう求めていた。
その他のニュース
・「どの地方駐在警察隊とどの警官詰め所が閉鎖されるのか」とい
う問題が各州を揺れ動かしている。関係する地方自治体の市長も争
う姿勢を貫いている。内務省はなだめて、「まだ何も決まっていな
い」と語っている。
６月８日（金）
イラン大統領選挙は、第1回集計結果では、現職モハマド ハタミ
の圧勝の模様である。内務省の情報によれば、海外にすむイラン人
による第1回投票の集計は、86%がハタミに投じられていた。首都
テヘランや他の都市での投票所での抜き取り調査でも、ハタミは
90%以上の票を得ている、と信頼できる情報筋は伝えている。改
革はとされるハタミは明確な支持を受けた。この選挙には他に9人
が立候補していた。
その他のニュース
・英国国会選挙では現首相ブレアが完全な勝利を収め、彼は金曜日
組閣に着手した。今まで内相を務めていたストローは新外相に任命
された。外相クックは国会担当大臣になった。農業大臣ブラウンは、
口蹄疫対策で批判を浴びて、新たに作られた労働に関する大臣に就
任する。ブレアの労働党は投票の約42%を集めた。
６月９日（土）
イタリアでの国会議員選挙後4週間たって、次期首相シルヴィオ
ベルルスコーニは閣僚を発表できる。大統領カルロ アゼリオ チ
ャンピはベルルスコーニに土曜午後、正式に組閣を命じた。イタリ
アの新聞報道によれば、ベルルスコーニは日曜日にも閣僚名簿を提
出する方針である。月曜日には戦後59代目のイタリア内閣が着任の
宣誓を行なう。
その他のニュース
・オランダのデン ハーグに本拠地を構えているヨーロッパ警察オ
イロポール初めての不祥事が報道された。ドイツの報道雑誌「シュ
ピーゲル」によれば、オランダ警察は今週、オイロポールの電子情
報処理部部長のフランス人プーニェを一時逮捕した。彼は詐欺と文
書偽造の容疑をかけられている。内部調査によれば新しいコンピュ
ーターシステム導入のための資金少なくとも12万7823ユーロが外
国の個人口座に流れ込んでいる。また彼はドイツ連邦情報局とも接
触を持っていた、とも報じられている。
６月１０日（日）
スイスでは軍改革に関する国民投票が日曜日行なわれ、ギリギリの
過半数で海外での平和維持業務にあたる兵士が武器を持つことが認
められた。ほぼすべての州で開票が終わり、スイステレヴィの予測
によれば、スイスの国連軍兵士が武器を持つことに50.7%が賛成し
た。またスイス軍が他の国の軍隊と共に訓練を行なうことに50.8%
が賛成であった。チューリヒ州とワート州の結果はまだ出ていない。
400万以上の有権者がこの二つの法改正に関して意志表明をするこ
とが求められていた。
その他のニュース
・アルバニア人分離派はマケドニア政府に戦闘を拡大すると発表し、
圧力をかけた。日曜日に出された最後通牒によれば、分離派は、マ
ケドニア北部での反乱軍に対する攻撃を明日早朝までに中止しなけ
れば、複数の都市で戦闘を行なう方針である。首都スコピエの空港、
警察署、石油精製所その他の施設が攻撃目標としてあげられていた。