6月11日〜17日のオーストリアのニュース

6月11日(月)

アメリカ大統領ジョージ W. ブッシュは1月に就任して以来初めて
のヨーロッパ訪問のため、スペインに向けて火曜日出発する。スペ
インの首都マドリッドでブッシュと妻のローラは国王ホアン カル
ロの出迎えを受ける。大統領夫妻は今年初めにワシントンを訪れた
国王から招待されていた。重要な政治会談は水曜日にブリュッセル
で行なわれる。ブッシュはNATO加盟諸国と、アメリカが計画して
いるミサイル迎撃計画について話し合う方針である。

     その他のニュース
・プラハにあるオーストリア文化研究所は月曜日、何者かに爆破予
告を受けた。犯人は今のところ分かっていない。男は電話で、町の
中心部にあるこの建物の中に爆弾を仕掛けた、と予告してきた。中
にいた人は非難し、警察が捜査を開始した。同研究所所長ポイガー
は、この事件は南ボヘミアの原発テメリンに対し、オーストリアが
抗議していることと何らかの関係があるかもしれない、と見ている。


6月12日(火)

パレスチナ側の情報によれば、パレスチナ大統領ヤセル アラファ
トは最後の最後になって、アメリカCIA長官ジョージ テネットが
提示した近東での武力行使の中止を確実なものとするための計画に
同意した。アラファトとテネットは合意点を見いだした、とアラフ
ァトの顧問ナビル アブ ルーデイナは昨夜ラマラで発表した。そ
れに先立ちイスラエル側は、テネットの近東での使命は、パレスチ
ナ側が彼の計画の受け入れに条件をつけたため、失敗した、と報じ
ていた。

     その他のニュース
・マケドニア政府は大統領トライコフスキの提案した和平計画を承
認した、と国防相ブコフスキが火曜日、定例閣僚会議の後で発表し
た。この計画には、武装を放棄するアルバニア人反乱軍に対する恩
赦と、NATO協力の下で自称「国民解放軍」UCKの武装解除を行な
うことが含まれている。その他、閣僚と防衛の専門家からなる文官
の委員会を召集し、ここ4ヶ月間続いた危機を乗り越えるための話
し合いを行なうことになっている。


6月13日(水)

ホロコーストの生存者はフランス国鉄を訴える方針である。フラン
ス国鉄は第2次世界大戦中、ユダヤ人を中心とする数千人の人々を、
ドイツの強制収容所や強制労働施設に運んで、利益をあげていた、
と訴状には記されている。「フランス国鉄はナチと密接に協力しあ
って、路線を建設し、車両を手配した」と弁護士ハリエット テイ
メンは昨日ニュー ヨークで語った。合わせて6人の弁護士が約百
人の生存者の訴訟をアメリカの裁判所に起こす。フランス国鉄は今
のところ態度を明らかにしていない。

     その他のニュース
・フィリピン軍は反乱分子アブ・サヤフの、アメリカ人捕虜を殺害
した、との発表を嘘である、と見ている。「我々はこれを(アブ・
サヤフの報道係アブ)サバヤのはったりだと見ています」と軍報道
官セルヴァンドは水曜日語った。40歳のアメリカ人ソベーロの遺体
は今のところ見つかっていない、とも語った。


6月14日(木)

死を間近にした加入者の看護費用をまかなう被雇用者の保険金の交
付待機期間に関する計画を大蔵大臣マルティン バルテンシュタイ
ンが新聞に語った。「全額の支払いを要求する権利に制限が加えら
れることになりそうだ」とのことである。つまり、労使双方が過重
な負担をすることに合意できない場合には、一種の決定機関がそれ
を決めることになる、というものである。期間がどれぐらいになる
かはまだ決まっていないが、半年程度に短縮することが議論されて
いる。いずれにせよこれは死亡に関するもので、多くの事例が該当
することになる、と彼は語った。

     その他のニュース
・蔵相グラサー(自由党)は戦後の収用と追放に関する規定を撤廃
する命令が出されても、チェコがEUに加盟することを認めない、と
発言していたが、社会民主党は首相シュッセル(国民党)が態度表
明を行なうように求めた。


6月15日(金)

自由党党首で副首相のスサネ リース・パサーは2002年から税制
改革(減税)を行なうと主張した。それに加えて、彼女は必ず行な
う2つの計画を挙げた。それは2002年での黒字転換と、EU拡大に
関する国民投票である。「私は黒字転換を行なうことに絶対の自信
があります。ただしそれにはかなりの努力が必要です」と大蔵政務
次官フィンツ(国民党)の懸念をよそに語った。一方、フィンツは
経済成長が鈍化しているため、予定通り目標を達成することができ
るかどうか疑っている。

     その他のニュース
・ウィーン市大蔵大臣リーダー(社会民主党)は金曜午後、連邦と
各州の間で行なわれた財政安定策に関する話し合いの後、「打開案
が見つかった」と語った。フォアアールベルク州首相サオスグルー
バーは、大蔵大臣グラサー(自由党)は基本的に州の財務担当者が
提案した要請を受け入れた。細部のつめは週末以降行なわなければ
ならないが、月曜日に行なわれる州首相会議で賛成が得られること
には間違いがない、と州の代表3人は語った。財政安定策で、州は
235億シリングの歳入を得ることになる。2002年に政府が行なお
うとしている黒字転換を達成するためには、必要な措置である。


6月16日(土)

バングラデシュでは土曜日、与党の事務所に爆弾が仕掛けられ、21
人が殺害され、数百人の怪我人がでた、とテレヴィが目撃者の話を
伝えた。警察の情報によれば、港町ナラヤンガンで与党アワミ連盟
の党大会の最中爆発物が爆発した。この大会には閣僚数人も参加し
ていた。今のところ犯行声明は出されていない。首都ダッカの東約
20キロにあるこの町は混乱をきわめている。先日は他の政党の会合
の前に爆弾が発見され、処分されたばかりであった。1999年以降、
同国では50人以上が爆弾で死亡している。政府はイスラム過激派に
よるものだ、としている。

     その他のニュース
・首相シュッセル(国民党)はEU拡大に関する国民投票を在任中に
行なうかとの質問に答えて、「行なわない」と語った。すでにこの
ことは内外に表明しており、変更はない、とイエテボリで開かれて
いるEU首脳会談終了後の記者会見で強調した。「私の方針は一貫し
たものであり、それには十分な理由がある」と語った。


6月17日(日)

「オーストリア国軍用に迎撃戦闘機の購入することは安全保障政策
上欠かせないもので、それ以外に道はない。税制改革とこの問題は
そもそも関係がない」と国防大臣ヘルベルト シュライプナーは党
首スサネ リース・パサーと対立する自分の見解を語った。別のテ
レヴィ番組で彼は、「迎撃戦闘機購入のために税制改革を断念する
ことはない。予算が不足するからといって警察を廃止することはで
きない」と語っていた。

     その他のニュース
・内務大臣シュトラサー(国民党)は国家警察の再編計画の中で、
「国家防衛局」を創設する考えである。雑誌報道によれば、この新
しい官庁は特に「ヨーロッパの利益の保護」と「産業保護(産業ス
パイ、企業情報)、急進派、テロリスト、(産業スパイを中心とす
る)スパイ対策、人格および物件の保護」を担当する計画である。


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