6月18日〜24日のオーストリアのニュース

6月18日(月)

オーバーエスターライヒ州、ニーダーエスターライヒ州、ザルツブ
ルク州はチェコの原子力発電所テメリンに反対するためさらなる行
動を取る。3州は共同でテメリン原発を経営するCEZに対し、損害
賠償裁判を起こす方針である。専門家の見方では、勝訴の見込みは
少ないとのことである。訴訟費用は9州全てが分担するが、これに
関しては月曜日ウィーンで各州首相が合意した。費用は少なくとも
5百万シリングかかる。訴訟は欧州法廷とチェコの裁判所の両方で
行なわれる予定である。

     その他のニュース
・「試合の最中に試合の規則を変えてはならない」と国民議会議長
フィッシャー(社会民主党)は昨日、議会の論戦で語り、EU拡大に
関する国民投票を行なわない方針を確認した。この議論にはキリス
ト教各派の代表が参加し、「一つの新しいヨーロッパを作る途上で
教会が果たす役割」という題で行なわれた。


6月19日(火)

火曜日には厚生政務次官ラインハルト ワネック(自由党)と労使
双方の代表、国民党と自由党の国会議員の代表が社会保険組合の主
要連合の再編について話し合いを行ない、一定の進展が見られた。
約5時間にわたる交渉の結果、首脳が参加して会談を行なう際には、
あらゆる点で成果を挙げられると参加者全てが自信をのぞかせてい
る。もちろん主要連合の議員団がいつ選出されるかはまだ未定であ
る。

     その他のニュース
・自由党議員団長ウェステンターラーは、同党が求めている退職一
時手当てに関して、一月前よりかなり慎重な姿勢を見せている。
「私たちは今までの3年間の就職期間という条件を、今後1年に短縮
すれば、大きな成果を挙げたことになる」と彼は語った。以前彼は
就職初日から退職手当の支払いを行なうよう求めていた。今では彼
はこの計画を「ようやく話し合われるボーナス」であると評してい
る。


6月20日(水)

政府と労使双方の間で水曜日に行なわれた会談では、社会保険組合
の主要連合の改革をめぐって話し合いが行なわれたが、成果を挙げ
ることはできなかった。話し合いの参加者は重要な進展はあったも
のの、解決までの道のりはまだ遠い、と語った。工業団体の議長ク
リストフ ライトル(国民党)は短期間で財政の健全化を行なうと
いう点に関しては進歩があった、と語った。保険組合主要連合の代
表ハンス サルムター(社会民主党)の解決案は公式には取り上げ
られなかった模様である。

     その他のニュース
・オーストリア首相シュッセル(国民党)は木曜日から2日間の予
定でトルコを正式訪問する。彼は産業界の代表多数をともなってト
ルコ入りし、トルコ政府、各政党の代表と会談を行なう。アンカラ
とイスタンブールを訪問する計画である。初日にはシュッセルはま
ず首相エジェヴィットと国会議長、首相代理バフチェリ、産業大臣
と会談を行なう。


6月21日(木)

野党と教会の激しい抵抗にあったものの、新亡命法は昨日午後国会
の内務委員会を無事通過した。緑の党所属の国会議員テレツィーヤ
 シュトイシツは、暫定的な滞在認可に関する期限をつけていた措
置を廃止したことを評価した。一方彼女は第三国の安全性が新法で
は保証されないと指摘していた。社会民主党の安全保障問題の代表
ルドルフ パルニョーニは現行の亡命法を維持することに賛成して
いる。彼は内務大臣に、第三国の安全規定がこの法律にも取り入れ
られるように求めている。

     その他のニュース
・5月の国政調査の中間発表によれば、すでに12万の「無効な調査
用紙」がオーストリアの文書記録簿から削除された。また管轄区域
の多くで再集計が行なわれている。


6月22日(金)

迎撃戦闘機購入問題に関する、自由党所属の大臣グラサーとシャイ
プナーの対立は次の段階に進んだ。国防大臣ヘルベルト シャイプ
ナーは新聞に、大蔵大臣カール・ハインツ グラサーの発言と矛盾
することを語った。グラサーは、新たな迎撃戦闘機購入を行なうと
いう基本方針の決定はまだ下っていない、と語った。一方シャイプ
ナーは「迎撃戦闘機を購入する合意は成立しており、2004/5年に
購入は行なわれる。その場に大蔵大臣も出席していた」と語ってい
る。

     その他のニュース
・検察官の数を倍増するように、オーストリア検察官連合議長に就
任することになっているビーアラインは求めた。刑事訴訟関連の手
続きの改革計画が進むと、検察官の仕事が爆発的に増えることにな
るためである。検察官が事前手続きを行なうことで公安警察の活動
の責任をとることになるが、これは今までは予審判事の仕事であっ
て、実質的に仕事が増えることになる、と彼女はその理由を挙げて
いる。


6月23日(土)

大蔵大臣カール・ハインツ グラサー(自由党)は、迎撃戦闘機ド
ラケンの後継機を購入するかどうかについては、相変わらず明言を
避けている。自由党がフェーセンドルフで土曜日開いた会合での議
論で彼は、いつ公表するかを語ることには大きな意味があるとは思
えない、と語った。「いずれにせよ迎撃戦闘機は購入する。提案が
行なわれたら、決定するための会議が開かれる」と彼は語った。一
方国防大臣ヘルベルト シャイプナー(自由党)は党員に対し、ド
ラケンの後継機の購入は政府の取り決めに従って行なわなければな
らない、と強調した。

     その他のニュース
・自由党は土曜日、2日間にわたる党会議をニーダーエスターライ
ヒ州のフェーセンドルフで開始した。初日のテーマは「ようこそ大
臣」であった。自由党の閣僚は、夕方6時までの面会時間を利用し
て、個々の問題に関して党員と話し合った。その後、同党所属の大
臣と政務次官がそれぞれ1時間ずつ広範な議論を行なった。日曜日
には政策に関する報告が行なわれる。またリース・パサー、ハオプ
ト、グラサーに続いてハイダーが閉会の演説を行なうことになって
いる。


6月24日(日)

首相ウォルフガング シュッセル(国民党)は、自由党が求めてい
た、働き始めた初日から退職手当て金を受け取れるようにする措置
を拒否した。彼は、職について1年後からこの手当てを請求できる
ようにすることを強く求めており、「既に政府が共同でたてた計画
にそう書かれており、私たちはそのような方針で行動しており、こ
れに関する対立はない」と語った。ただし社会保険組合の間の団体
協約交渉で、より広い理解を得られる解決策が見つかる可能性もあ
ることも認めている。

     その他のニュース
・自由党が連立政権に参加したためEU14ヶ国がオーストリアを外
交上孤立させる措置を取って以来初めて、ベルギー首相フェアホフ
シュタットがオーストリアを訪問した。ワッハオで開かれるヨーロ
ッパ・フォーラムの席上、彼は首相シュッセルと面会した。


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