7月2日〜8日のオーストリアのニュース

7月2日(月)

7月半ばに産業労働相マルティン バルテンシュタイン(国民党)
は労働市場サーヴィス社の完全な独立を行なうための審査を開始す
る方針である。今週労使双方と各州が会談を行なう、との発表が月
曜午後行なわれた。労働市場サーヴィス社は2002年初めから連邦
のGesmbH社の100%子会社となる。これにはオーストリア労働総
同盟が、社会保障だけでなく、労働市場政策の点でも労働側の発言
権が制限される、との批判を行なっている。

     その他のニュース
・シュタイアーマルク州議会は火曜日閣僚に対する不信任案を審議
する。問題になっているのは同州の農業大臣ペルトル(国民党)で、
彼は報道を通じて農家に対し、違法な薬物を探す家宅捜査を行なう
と早い時点で予告したことが非難されている。この不信任案は否決
される見込みである。緑の党は彼は責任をとるべきだ、としている
が、他の党は秋に出される裁判所の判決を待つ方針である。


7月3日(火)

ユーゴスラヴィア元大統領スロボダン ミロシェヴィッチは火曜日、
デン ハーグの国連戦争犯罪法廷で自らの責任の有無を明確に表明
しなかった。彼は被告席に座り、この法廷と自分を裁くこの裁判は
正当ではない、とだけ発言した。「この法廷は違法な法廷である」
と彼は最初に語った。これを理由として、彼はこの訴訟手続きで弁
護人を雇うことを拒否した。

     その他のニュース
・ソ連、ロシアとスパイと目されて逮捕されたFBIの秘密情報員ハ
ンセンは、もはや死刑を受ける可能性がなくなった。彼は米国司法
当局と取り決めを結んだ、とCNNは報じた。それによれば、彼が罪
を全面的に認める代わりに、死刑の求刑を行なわない、というもの
である。この取り決めをめぐる公式の聴聞会は金曜日に開かれるこ
とになっている。


7月4日(水)

外務大臣ベニータ フェレーロ・ワルトナー(国民党)は、政治家
同士の対話がドイツとの間でも再開されたたことは喜ばしい、と語
った。彼女は、ベルリンで開かれたドイツ外交政策研究会で「オー
ストリアとヨーロッパ内部でオーストリアが占める位置」という題
目で水曜午後講演し、オーストリアとドイツの間の数多くの共通性
を指摘し、そのため、相手がどんな立場をとっているか、そしてど
のような未来を思い描いているかを知ることはますます重要になっ
ている、と語った。

     その他のニュース
・緑の党の党首ファン デア ベレンは水曜日国民議会の緊急質疑
で、政府に対し「首狩だ」と非難し、公立の研究所や企業で、「与
党国民党と自由党でないものはみな遠ざけられ、追放され、追い出
されている」と語った。介入や脅迫によって自由な報道が危機にさ
らされており、中立の報道は動揺している、などとも語った。それ
に対し首相シュッセル(国民党)は「あなたは外国のことを話して
いるに違いない。あなたが今言ったようなことはオーストリアには
あてはまらない」などと答えた。


7月5日(木)

イスラエル首相アリエル シャローンはパリを訪問し、近東政策に
関して意見交換を行なった。木曜日の第1回会談でシラクは、シャ
ローンにパレスチナ大統領アラファトの力が弱まっており、近東和
平を実現するためには不利な状態だと、警告した。その他、いわゆ
る中東和平合意に向けたミッチェル報告の勧告を実行に起こすべき
時がきている、などともシラクは語った。それに対しシャローンは、
エリゼ宮到着直前にアラファトに対しヨーロッパ各国が圧力をかけ
るよう求めていた。

     その他のニュース
・ボスニアのセルビア共和国首相イヴァニッチは、オランダ訪問中
に、デン ハーグの国連戦争犯罪法廷に、国連裁判所との共同作業
を行なうための法律が必要であることを説得させられなかった。同
法廷の主席検事デル ポンテは「(国連戦争犯罪法廷に)協力する
のは国際的な義務であり、法律は必要ない」と木曜日、イヴァニッ
チに語った。


7月6日(金)

国連戦争犯罪法廷は、大量殺戮の疑いで二人のクロアチア人を初め
て訴える、と主席検事カーラ デル ポンテは金曜日訪問先のザグ
レブで発表した。具体的に誰が対象になるのかについては語らなか
った。クロアチア首相イヴィーチャ ラカンは、同国はデン ハー
グの同法廷と協力していく、と語った。しかし二人の容疑者が誰で
あるのかは彼も明確にしなかった。

     その他のニュース
・モンテネグロ社会主義国民党は将来ユーゴスラヴィア連邦政府組
閣に参加するほうしんである。金曜日同党首脳部は数時間の話し合
いをポドゴリーチャで行ない、これを決定した、とセルビアのテレ
ヴィ局は伝えている。これによって、先週首相ジジッチが元大統領
ミロシェヴィッチを国連戦争犯罪法廷に引き渡したことに抗議して
辞任した後の、組閣が行なえる見通しがたった。


7月7日(土)

労働組合の反対を押し切って、社会保険組合の主要連合の改革に関
する決定を行なうと、国民党の中にも不和が生じる恐れがある。チ
ロル州の労働者議会の議長フリッツ ディンクハオサー(国民党)
は新聞に、「労使双方の協力関係がこの活動で死に体になってしま
う」とかたり、自分の党に心の底から驚いている。産業会議議長ク
リストフ ライトルも政府に対し、労使の強調をないがしろにして
いる、と警告した。

     その他のニュース
・社会民主党と国民党は現在33%の支持を集めている、と「プロフ
ィル」誌が世論調査の結果を掲載した。今度の日曜日に選挙が行な
われた場合、自由党は16%、緑の党は15%の支持が期待できる。


7月8日(日)

計画中の上級公務員法の改正と上級公務員給与の改定に関して、
「一般の公務員との一本化を行なう、」と副首相リース・パサーは
新聞に発表した。その他、上級公務員のストライキ禁止問題につい
ても議論が行なわれる。彼女は公務員集会の枠組みの中での抗議活
動は違法であると見ており、これは勤務時間外に行なうように求め
ている。

     その他のニュース
・経済大臣バルテンシュタイン(国民党)は夏以降、社会福祉政策
で同じ方向に歩もうとしているハオプト(自由党)と「新退職手当
て」の計画を進めていく方針である。しかし連立与党双方の意見は
重要な点でまだ隔たりがある。バルテンシュタインは「過大な要求」
を拒否しているのに対し、自由党側は職について初日からこの手当
てを受けとる権利が発生するよう求めている。社会民主党はこれを
「大きな溝」と評している。


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