7月16日〜22日のオーストリアのニュース

7月16日(月)

国民党の社会福祉問題の専門家ゴットフリート フォイアシュタイ
ンは、事故傷害年金に対する課税強化を行なうと発表した。彼は新
聞で、現在の制度が最善とは言えない、と発言し、過酷な状態にな
らないよう、事故傷害年金の産出の基準をあらためて定めなければ
ならない、と語った。フォイアシュタインは、今までは収入とは考
えられていなかった、たとえば損害賠償や慰謝料を取り上げること
を考えている。社会福祉省の作業班が、年末までに提案を行なう準
備を既にしている、と語った。

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・子供のいない女性の年金支給を遅らせるべきだ、と労働・社会福
祉の法律の専門家マーツエルは個人的な見解を述べた。それによれ
ば、子供のいない女性は男性よりも早く年金生活に入れるというの
は、不当な特権である。彼は、1991年にこの法案が、憲法に基づく
法律によって固定化されたのは、間違いであるであると見ている。
当時憲法裁判所は、二重の負担をしなくてすむ女性も早期に年金受
給年齢に達するため、年金受給年齢を別にする措置を憲法違反だと
の理由で廃止していた。


7月17日(火)

社会福祉大臣ヘルバート ハオプト(自由党)は年金受給者が働い
てはいけないという規定を廃止する方針である。現在年金を受けて
いる(元)公務員だけが無制限に副業を得てよいことになっている。
ハオプトはこれをすべての年金受給者に適用するつもりである。彼
は火曜日、男性で65歳、女性で61.5歳の法定年金受給年齢を引き上
げことは問題になっていない、むしろオーストリアの早期年金受給
を求める風潮を押し止めたい、と語った。

     その他のニュース
・今年終わりまでの期限で行なわれている警察の「特別捜査手法」
とくに盗聴と網目スクリーンによる犯罪捜査は、今後も継続して行
なわれることになる。法務大臣ベームドルファー(自由党)と内務
大臣シュトラサー(国民党)は共同報告を国会に提出し、これに賛
成であるとのべた。この報告書によれば昨年5つの大事件の4つの監
視および盗聴捜査を行なった。大事件のうち2つでは成果がなかっ
たが、1つでは麻薬犯が逮捕され、数キロの薬物が押収された。網
目スクリーンによる捜査は昨年は行なわれなかった。


7月18日(水)

オーストリア労働総同盟の連邦首脳部は木曜午後、特別大会を開い
て、秋に組合員全員による直接投票を実施するかどうかを決定する。
労働組合員は現在144万人おり、連邦政府の社会福祉問題に対する
取り組む姿勢に抗議行動を起こすかどうかを問う投票になる。まだ
投票の文面は決定していない。労働総同盟は直接投票を満場一致で
決定することを目標にしている、と社会民主党所属の組合員バハナ
ーはテレヴィ番組で語った。同同盟首脳部はおよそ80名からなって
おり、61名が投票権を持っている。FSGが46票、キリスト教労働組
合は10票、自由党、緑の党、左派、無党派、カトリック労働運動が
それぞれ1票ずつ持っている。

     その他のニュース
・蔵相グラサー(自由党)は新聞で、同党党首リース・パサーが次
回国会議員選挙で筆頭候補になるかどうかは「まだ確定していない」
と語った。リース・パサーがその時まだ党首であるかどうかわから
ない、ともか経った。さらに「もちろん彼女が連邦党幹部やイエル
ク ハイダーとともにこの問題を解決する最も有力な人物であり」、
自分にとって筆頭候補が誰になるかは問題ではない、と語った。


7月19日(木)

生後3ヶ月の赤ん坊を含むパレスチナ人の家族3人が、木曜午後遅く
西ヨルダンランドで自家用車の中で襲撃をうけ殺害された。そのほ
か4人の同乗者も怪我をした。その直後起こった戦闘で少なくとも
10人のパレスチナ人が怪我をした。病院の情報によれば、パレスチ
ナ人とイスラエル軍はヘブロン近郊で、激しい銃撃戦を行ない、60
歳のパレスチナ人が腹部を撃たれて重傷を負った。

     その他のニュース
・国連のコソヴォ使節団UNMIKはコソヴォ南西のプリンツレン近郊
のスヴァ レカで大きな墓を発見した。そこには8百ないし9百の遺
体が見つかったとのことである。これは殺害されたセルビア系コソ
ヴォ人と見られるが、年末までに遺体の収容は始まらない、と
UNMIK行方不明者捜索事務所の広報フィンバークはベオグラードの
通信社に語った。犠牲者は国連コソヴォ平和維持軍KFORの部隊が
1999年6月に駐留をした後、殺されたようである、とも彼女は語っ
た。


7月20日(金)

連邦大統領トーマス クレスティルは労使関係にひびを入れるよう
な措置に反対し、連邦主義の重要性を強調した。彼は「フォアアー
ルベルク通信」紙に、「たしかに改革については考えなければなり
ませんが、関係者、特に市長との話し合いが必要です。人々の悩み
を知っているのは市長なのです。私たちはこの国で改革の問題に関
しては同じ立場にいるのです。私には話し合いが足りません。お互
いにあまりに対話が少ないのです」と語った。そして、話し合いが
足りない問題として、労使関係の危機を挙げた。

     その他のニュース
・副首相リース・パサー(自由党)は販売業の夜間労働に反対した。
自由党は夜間労働には賛成しない、女性や家族に対して責任がある
からだ、と語った。ただし同党は、連立協議の中で認められていた、
営業時間を週72時間にすることは議論している、とも語った。彼女
は国民党を批判し、国民党の中には5つの立場があるが、そのどれ
と話し合いを行なえばよいかわからない、と語った。


7月21日(土)

社会民主党党首アルフレート グーセンバオアーは、国民党と自由
党の連立政権は今回で終わるとの見込みを語った。「私たちは選挙
で勝利し、2002年秋から政権に戻る予定です」と新聞のインタヴュ
ーに応えた。彼の予想によれば、ケルンテン州首相イエルク ハイ
ダー(自由党)には「劇的な退陣の筋書き」が準備されている。グ
ーセンバオアーは同党は秋までに、教育、経済分野での改革の提案
を行なう、と語った。

     その他のニュース
・チロル州国民党党首エーベルレが急に辞職を発表した翌日にあた
る土曜日、党内では混乱が生じている。まだ後継者の座を射止めた
ものはいない、これから党首戦が始まる、と同党の事務長ウェーバ
ーは語った。


7月22日(日)

インドネシア大統領アブドゥルラフマン ワヒドは非常事態を宣言
した。彼は日曜午後、国会の解散を宣言し、軍と警察に非常事態の
実施を命令した。ワヒドはこの措置で最高立法機関が月曜日に予定
していた職務解除に先手を打つつもりである。治安維持相アグム 
グムラールと政務次官マルズキ ダルスマンは日曜夜、自らの職務
を退いた、と報道された。ワヒドが国会の解散命令をテレヴィで発
表する前に、グムラールはあわただしく大統領府を立ち去っていた
模様である。内閣次官ダルスマンは、ワヒドの方針には賛成できな
いので辞任する、と語った

     その他のニュース
・米露は核兵器削減と計画中のミサイル迎撃装置に関し、話し合い
を行なっていく方針である、と昨日米国大統領ブッシュとロシア大
統領プーチンはジェノヴァでの会談後発表した。ブッシュは、合意
が得られる可能性に関してきわめて楽観的である、と語った。プー
チンは、二つの議題を一緒に扱うことが必要だ、と強調した。


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