7月23日〜29日のオーストリアのニュース

7月23日(月)

オーバーエスターライヒ州は予告通り、問題になっているチェコの
南ボヘミアの原子力発電所テメリンの経営者CEZを訴える。この方
針を同州政府は月曜日午後に開かれた会議で決定した。これはオー
ストリア民法典に基づく中止請求である。この訴訟は原発事故によ
って引き起こされかねない影響を差し止めるためのものである。こ
れによって州は、国境の町フライシュトゥック郡の地所の所有者と
して、国際的に承認されている原発技術の現状に基づいて、訴訟を
起こす方針である。

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・長時間にわたる粘り強い交渉の末、月曜夜ボンで開かれていた国
連気候保護会議は「合意」に達した、と公式発表があった。個々の
点に関しては、京都議定書で掲げられた多くの目標はかなり低いも
のに変えられた。米国の離脱後、京都議定書を実施に移すために必
要であった日本の参加のため、大きな妥協がなされた。日本、オー
ストラリア、カナダが国連気候会議の勝者である。3ヶ国は引き伸
ばし戦術を取り、予定より大幅な妥協を引き出した。京都議定書の
発効に必要な過半数に達するためには、日本の参加が絶対に必要で
あった。


7月24日(火)

マケドニアの首都スコピエでは火曜日、数千人が集まってアルバニ
ア人と西側に反対する抗議活動を行なった。AFPの通信員によれば、
若者が中心となって欧州安保協力機構OSZEの車数台に放火した。そ
の他ドイツ大使館近くの建物やファストフード店のマクドナルドの
窓を破った模様である。マケドニア政府は西側を、反乱勢力を支援
している、と非難した。一方西側はマケドニアは停戦を破った、と
非難しているが、マケドニア政府側はこれは嘘である、と発表した。

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・3つの入学条件を満たした生徒だけが、一般教育高等学校に通う
ことができることにするとの提案は、ほぼ無効になった。教育大臣
ゲーラー(国民党)は一般教育高等学校低学年の入学資格には賛成
しているものの、火曜日国民党の教育問題の専門家アーモンの提案
を弱めるべきだとの態度を示した。彼女は、国民学校生徒の今後の
成績の予想を入学の条件とすることは必要だが、その結果に必ず従
わなければならないとするのではなく、両親に対する助言にのみ使
うべきだ、と考えている。


7月25日(水)

フェルディナント エーベルレの解任に関する議論の後、彼は休暇
先のイタリアで発言の意志を示した。彼はチロル州国民党党首を次
の党大会で辞任する意向である。彼の後継者になるのは誰か? 火
曜日からワインガルトナーとエーベルレの間では党大会の開催をめ
ぐって対立が再燃している。ワインガルトナーは党大会は無意味で
あると見ており、議論を重ねれば重ねるほど、党内の無駄なことが
増えるだけだ、と語った。代わりに彼は拡大党執行委員会を開き、
来年に予定されている次の党大会までの暫定執行部を作ることを推
している。

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・フォルクス演劇キャラヴァンの団員は世界経済フォーラムが7月
始めにザルツブルクで開かれてから、何度も注目を集めている。今
は団員17人がG8首脳会談後のジェノヴァで逮捕されている。目撃
者の情報によれば、団員はイタリアの監獄2カ所にで未決勾留の形
で収用されている。警察は略奪と器物損壊の容疑である、としてい
る。フォルクス演劇キャラヴァンは夏の間中、現在の政治の問題点
を演劇の形で上演し、人々の関心を集めようと、ヨーロッパのあち
こちで旅公演を打つ予定であった。


7月26日(木)

遺伝子組み替えトウモロコシの件で、緑の党は厚生相を告発

オーストリアでは、遺伝子技術で汚染されたトウモロコシがかつて
ないほど流通している。そのため緑の党は厚生大臣ヘルバート ハ
オプト(自由党)に対する告発を行なう方針である。同党はハオプ
トを職権乱用と環境を危険にさらしたとして非難している、と新聞
は報道している。その他トウモロコシ全てを調査するように求めて
いる。パイオニア社の2種類のトウモロコシに対し、ハオプトは最
近禁止の決定を下していた。他の5種類のトウモロコシはEU全体で
許可されている、とハオプトは決定の理由を述べている。また厚生
省によれば、輸入禁止違反容疑で訴訟が起こされた。

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補佐司教ラオンの同性愛者発言に批判

・補佐司教ラオンは、同性愛者は20ないし30年平均寿命が短い、
との発言を行なったが、これに対し木曜日多くの政治的な反応が帰
ってきた。緑の党のリューナツェクはラオンに、辞職し「贖罪を行
なう」よう勧告した。国民党からも批判が出ており、健康問題の専
門家ラーシンガーは「愚の骨頂」だ、と語った。ザルツブルクの補
佐司教ラオンは反論して、同性愛問題に関する自分の発言は「危険
性に関する警告」であって、「攻撃」ではないと語った。


7月27日(金)

労働総同盟、産業界を厳しく批判

オーストリア労働総同盟議長フリッツ フェアツェトニッチュ(社
会民主党)は経済会議に臨む自らの態度を「極めて真剣で対決姿勢
を打ち出したもの」と評している。共通点は見つからないし、協定
を守るかどうかの問題がある、と彼は語った。健康保険の財政的支
援や健康保険組合の主要連合組織の問題に関しては産業界と共同の
歩調を取ってきたが、産業界の代表が方針を転換したため、経済会
議との取り決めはどの範囲で守られるのか、という問題が生じてい
る、と語った。

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自由党、セクハラに厳罰を要求

自由党総書記ツィアラーは、私経済の男女の公平な扱いを定めた新
しい法案をつくる中で、性的嫌がらせにより厳しい処罰を求めてい
る。彼女は新聞で、連立相手の国民党との対立があることを示唆し
た。「新法は労働大臣バルテンシュタインの管轄です。激しい議論
が交わされるものと思われます。私たちは賠償額の最高額の廃止を
求めています。現在は2ヶ月分の賃金ということになっていますが、
これでは性的嫌がらせや差別をなくすのには役立ちません」と語っ
た。


7月28日(土)

トレド、新ペルー大統領に就任

ペルー大統領に選ばれていたアレハンドロ トレド(55歳)は昨日、
リマの国会で就任宣誓を行なった。ペルーの大統領にインディアン
の血を引く人物が就任するの初めてである。彼は6月3日の決選投票
で、元大統領アラン ガルシアを破って当選した。彼の任期は2006
年までである。宣誓式にはラテンアメリカの大統領や世界各国の政
府代表12人が出席した。彼はアメリカで教育を受けた経済学の専門
家で、昨年秋に汚職疑惑で辞任したアルベルト フジモリの後継大
統領となった。貧しい国民の生活改善への期待に彼は応えなければ
ならない。宣誓式を前に彼は、リマの貧困地域の子供たちと朝食を
共にした。

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フィリピン反乱勢力に攻撃

フィリピン陸軍はアブ・サヤフの首領ススカンの共犯者を逮捕した。
軍報道官は土曜日、逮捕されたジャリル(32歳)はススカンの甥で
彼が信頼をよせる人物である、と発表した。ススカンはイスラム過
激派の一派に属しており、この一派は昨年マレーシアで旅行客の誘
拐を計画した。観光客とホテル従業員20名を南フィリピンのホーロ
島に拉致した。住民が軍に通報したのが逮捕のきっかけで、ジャリ
ルはホーロ島で逮捕され、島の有力者がその外6人のアブサヤフの
戦闘員に、投降を勧めた、とのことである。


7月29日(日)

米国、イラク攻撃を示唆

最近のイラクによる挑発を受け、アメリカ国家安全保障審議官コン
ドリーツァ ライスはバグダット政府に対する攻撃を行なう可能性
を排除しなかった。「世界は平穏になる可能性があります。サッダ
ーム フセインアメリカ政府のレーダーで捉えられています」と彼
女はテレヴィ番組で語った。アメリカの偵察機U2は火曜日にイラク
南部の飛行禁止空域で対空放火を受け、2日後政府は無人の偵察機
が攻撃を受けた、と発表した。両件ともミサイルは命中しなかった。

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マケドニア和平交渉、再び中断

マケドニアで紛争に参加している両者による和平交渉は、同国でさ
らに衝突が起こっているため、日曜日は中止された。マケドニア人
とアルバニア人の会談は月曜日は行われる、と外国の仲介人は午後
発表した。話し合いには大きな進展はなかった模様である。米国の
調停役パルデューはオーリドでの会談の進行状況を「あまりない」
と総括した。


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