8月6日〜12日のオーストリアのニュース

8月6日(月)

国民党 リース・パサーに反ハイダーの発言を求める

国民党内部にはケルンテン州首相イエルク ハイダー(自由党)の
要求に対し憤慨する動きがある。ハイダーは次期選挙後、EU拡大に
関する国民投票を実施することを、連立を維持の条件とすることを
求めていた。「ハイダーは連邦政府にくさびを打ち込もうとしてい
る」と国民党議員団長代理ミヒャエル シュピンデレガーは批判し
た。彼は、副首相で自由党党首のスサネ リース・パサーが、反ハ
イダーの発言をおこなうよう求めた。

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オモフマ事件 起訴確定

拘禁されていたナイジェリア人オモフマの窒息死事件の裁判は、お
そらく年を越すことになるが、行なわれることになる、とコルノイ
ブルク地方裁判所の公報チューギュルは発表した。彼を国外追放に
する飛行機に同乗していた3人の外国人係の警官は、「逮捕者を死
に致らしめる虐待」を行なったかどで、有罪であると参審裁判部か
ら訴えられている。


8月7日(火)

社会民主党労組 社会保険組合主要連合への抵抗断念

社会民主党所属の労働組合員は、社会保険組合の主要連合の代表者
選出を拒否することを断念する模様である。労働者会議議長ヘルバ
ート トゥンペル(社会民主党)は、同会議の各会派に文書で、
8月31日までに新たな執行委員会、経営管理委員会の候補者を公示
するように要請した。派遣される委員の決定は公式には8月終わり
頃行なわれる。委員選出拒否の背景には、主要連合の改革問題があ
る。

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国民党 子女手当法案キャンペーン

国民党青年部は火曜日、グラーツで最近決定された子女手当法案の
広報活動を開始した。ポスターに描かれた裸の絵がおそらく話題に
なるだろう。


8月8日(水)のオーストリアのニュース

ウェステンターラー 移住を減らす方針

自由党幹部ペーター ウェステンターラーは来年の移住者の数を減
らす、と発表した。ただし同党が宣伝している移住ゼロではない、
と新聞に答えた。月曜日に自由党と国民党の話し合いの結果が公表
されることになっている。彼によれば、移住者に占める家族一緒の
移住の割合が減らされるが、今まで多かった種類の移住者の割合は
維持される。非熟練外国人労働者は移住から締め出されることにな
る。

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リース・パサー EU拡大は望ましいと発言

副首相リース・パサーは、条件があえば、EU拡大は望ましい、と語
った。それには労働市場の問題が規定されなければならない、と労
働市場開放まで7年間の猶予期間を設けることを支持した。また彼
女は、国民はこのように重要な問題には発言しなければならない、
とも強調した。ケルンテン州首相ハイダー(自由党)が繰り返し要
求して、首相シュッセル(国民党)が明確に拒否している国民投票
に関しては、「連立協定の前回話し合いでも、難しい問題を解決し
ました。この問題は次回の話し合いで解決できるでしょう」と語っ
た。


8月9日(木)

リース・パサー 2003年に以前の減税を予告

自由党首で副首相スサネ リース・パサーは、景気面での警告や、
批判があるにもかかわらず、2003年の国民議会選挙の前に、減税
を行なう方針を堅持している。減税は段階的に行なわれ、第1段階
では低、中所得者が「収入を効果的に増やす」ように行なう、と新
聞に語った。経済界は法人税減税と、雇用付帯費用の削減を選挙前
に行なうよう求めているが、彼女はこれをまだ未定であるとしてい
る。また彼女は、低、中所得者の負担軽減の他に、選挙前に租税の
簡素化を行なう努力をする、と語った。

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マケドニア紛争 テトヴォで激しい戦闘

マケドニア北西部のテトヴォ市では木曜日、アルバニア人反乱勢力
とマケドニア治安維持軍の間で激しい戦闘が行なわれた。目撃者の
話しによれば、警官数人が怪我をしたとのことである。反乱勢力が
大部分を占拠しているテトヴォ市と首都スコピエを結ぶ高速道路は、
爆発物が周囲の山の斜面で発見されたため、午後再び遮断された。
警察の情報では、反乱勢力は高速道路を遮断するため、この爆薬を
爆発させる計画であった、とのことである。


8月10日(金)

パレスティナ 蜂起の拡大を宣言

東エルサレムの東洋館をイスラエルが占領したため、パレスティナ
側は武装蜂起を拡大すると予告した。指導者ヤセル アラファトは
ラマラで、最も深刻な状況の一つを迎えており、パレスティナ人に
対する武力の行使が激しさを増している、と語った。アメリカも、
イスラエルがエルサレムのピザ屋で起ったパレスティナ人による自
爆テロに対する報復攻撃を行なったことを非難した。このテロ活動
では木曜日16人が死亡していた。一方イスラエル首相アリエル シ
ャローンの外交顧問ダニー アヤロムはこの措置を自爆テロに対す
る「極めて控えめな」措置である、と語った。

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左翼 ヴェネツィア襲撃の犯行声明

ヴェネツィアでは左翼集団が裁判所の建物に爆弾攻撃を行なったと
の声明を出した。この事件で2人が軽傷を負った。新聞記者がこの
犯行声明の文書を、匿名の電話情報にしたがって発見した。この左
翼集団は、「戦闘的共産主義政党の設立を目指す反帝国主義的地域
活動センター」を自称している。この集団に関する情報を警察は既
に持っている。これは70、80年代にイタリアで多くの襲撃や暗殺
事件を起した左翼の「赤い旅団」の分派であると見られている。


8月11日(土)

マケドニア政府軍 大攻勢

マケドニア和平計画への署名が48時間後に迫っているが、土曜午後、
政府軍はアルバニア人反乱勢力に対して大規模な集中攻撃を開始し
た。軍と警察は北西部のゴスティヴァールとテトヴォ間と北部のコ
ソヴォとの国境地域の反乱勢力の拠点を攻撃した。西側の監視団に
よれば、ヘリと航空機も使用された、とのことである。軍と警察は、
テトヴォ市からも反乱勢力を追放しようとした。アルバニア人警察
の所長シャイプ ビラリは電話でのインタヴューに答えて、「2月
以降最大の攻撃だ」と語った。

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クラスニク 同性愛者の結婚合法化に賛成

シュタイアーマルク州首相クラスニク(国民党)は、同性同士の肉
体関係を認める年齢の引き下げと、同性同士の配偶関係を合法化す
ることに賛成した。彼女は土曜午後、テレヴィのインタヴューに答
えて、二人が同じ住まいにすみ、一方が死亡した場合には、他方は
同じ場所に住み続けることができる、と語った。同性同士の配偶関
係はオーストリアでも確実に認められるだろう、との確信を同州閣
僚ヒルシュマンも述べた。


8月12日(日)

内閣 移住者数を決定

月曜日に行われる閣議の最重要議題は、移住者数の決定である。今
までに解っている範囲では、連立与党両党はそれぞれの面目を保つ
ような規定が作られる見込みである。移住者の数は現在の8千5百か
ら8千3百に減らすことを自由党は求めている。一方、国民党経済連
合の要求は、基幹産業の労働力となる移住者は増やす、というもの
である。その他の閣議の議題は、事故の賠償金に関する課税、およ
び大学に完全な権利能力を与えることに対する違憲抗告である。大
学に完全な権利能力を与えることには学生、助手が参加を求めて、
批判している。

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移住者数削減

新聞報道によれば、来年の移住者数は今年の8,518人から8,280人
に減らされる。オーストリアに長期間滞在を許可される人は、いわ
ゆる基幹産業だけが増やされ、来年は2,400人になる、とのことで
ある。指導的人物や特殊技能を持つ人物の移住は今年の1,613が維
持され、「その他の生業」についている人は減らされることになる。


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