9月10日〜16日のオーストリアのニュース

9月10日(月)のオーストリアのニュース

ノルウェー社民党 敗北

ノルウェーの与党社会民主党は、昨日の国会議員選挙で歴史的な大
敗を喫した。第1回の集計結果によれば、予想通り大きく議席を減
らした。それによれば社会民主労働党は22.4%の得票で、前回1997
年の結果と比べて12.6%の減少である。投票の約5分の1の開票状況
では、保守派のヘイレが22.8%で社会民主党を若干上まわっている。
第3位は、右翼ポピュリズムの進歩党を、かろうじて上まわったキ
リスト教民主国民党である。

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ライトル オーストリア労働組合連盟を評価

産業会議議長ライトルは、オーストリア労働組合連盟を弁護して、
産業界は「強く自由な労働組合に関心を寄せている。それは民主主
義社会の基盤である」と新聞に語った。彼は政府に、労使関係の抜
本的な路線変更を行なうよう求めた。「下り坂をおり続けるのであ
れば、私たちは民主的な対立から何を得られるでしょうか。小さな
オーストリアには社会福祉に関する合意が必要なのです」などと語
った。彼の要求は自由党だけでなく、彼の属する国民党にも明確に
向けられている。


9月11日(火)

カブール 攻撃を受ける

アフガニスタンの首都カブールは現地時間水曜朝に、大きな爆発事
件で揺れている。CNNがカブールから伝えているところによれば、
対空砲火を行なう音が聞こえた、とのことである。アメリカ国防省
の代表は、カブールでの爆発はアメリカ軍が行なったものではなく、
同国内の反対派が行なった可能性がある、と語った。CNNが深夜伝
えたところでは、米国国防相ラムズフェルドはまもなく記者会見を
行なう予定である。アメリカの報道機関は、アメリカがカブールを
ミサイル攻撃した確認はとれていない、とのことである。アフガニ
スタンの主流派タリバンはオサマ ビン ラデンを支援しており、
これは米国当局からテロ行為の黒幕であると推測されている。

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テロ攻撃 家族用ホットライン

オーストリア首相府および副首相府は米国内の親戚に関する情報ホ
ットラインを開設した。電話番号は01 53 11 54 411である。
オーストリアの電話業者数社が米国での攻撃に呼応し、米国向け無
料通話を提供している。これを使って米国内の親戚友人と連絡をと
ることができる。


9月12日(水)

タリバン ビン ラデンを自宅拘留

報道によれば、アフガニスタンのタリバンの民兵隊はイスラム原理
主義の指導者オサマ ビン ラデンを自宅拘留している。アメリカ
攻撃後、ビン ラデンは逮捕され、その後多くの支持者も監禁され
ている、とアラブ系のオンライン新聞IIafは水曜日イスラム原理主
義者の言葉として伝えた。ビン ラデンの腹心の部下のうち自宅拘
留されている中には、パレスティナ民兵組織イスラム ジハードの
エジプト人隊長アイマン エル サウアリとビン ラデンの婿モハ
メド アテフ エル マクニ、その他数人のアフガニスタン人が含
まれている。アブ ダビのアフガニスタン大使館の代表者はこの方
どうを今のところ確認していない。アメリカはビン ラデンが今回
のテロ攻撃の黒幕であると疑っている。

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捜索は続くが 生存の可能性は減少

世界貿易センターの後にも建物は倒壊し、瓦礫の中に生存者がいる
可能性は減っている。世界貿易センターの近くにあった、55階建の
ビルの一部が水曜午後崩壊し、引き続いて世界貿易センターの南側
の残骸の5あるいは6階分も崩れた。救助隊はこの地域から退去せざ
るをえなかった。生存者の捜索はいったん中止された。生存者が吸
うことができる空気がたまった穴がつぶれた可能性がある、と専門
家は懸念を示している。


9月13日(木)

米国議会の建物 再び立ち入り禁止

中部ヨーロッパ標準時 23時45分に、緊急に米国議会の建物から
退去するように命令が出た。詳細は今のところ発表されていない。
その直後警告解除が行なわれ、危険な状態ではないことが判明し
た。

ニュー ヨークの飛行場閉鎖 JFKで数人逮捕

アメリカの航空運輸当局FAAは現地時間の木曜午後、ニュー ヨー
クの3大空港からの全ての飛行機の飛行を止めた。テレヴィ報道に
よれば、数人の男がジョン F. ケネディ空港で逮捕された。詳細は
今のところ公表されていない。

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オーストリアの安全問題

米国のテロで、オーストリア国内でも安全保障政策に関する議論が
改めて行なわれている。オーストリアがテロの首謀者に対する軍事
行動に協力することを宣言しても、オーストリアの中立性が損なわ
れないかどうか、というのが最大の問題である。自由党は、中立へ
逃げ込むことは偽善であり、オーストリアは戦闘に参加することが
できる、と主張している。それに対して、社会民主党と緑の党はオ
ーストリアの中立に固執している。


9月14日(金)

蔵相 後継迎撃戦闘機の入札許可

新聞報道によれば、大蔵大臣カール・ハインツ グラサー(自由党)
は金曜日、国防省に迎撃戦闘機ドラーケンの後継機種決定のための
入札の許可を出した。国防省の報道官ヘルバート クルニヒもこれ
を認め、数日中には好景気となる可能性のある戦闘機の製造会社に
価格の提示を求めることにしている、と語った。スウェーデン製グ
リペン、アメリカ製F-16の他、ユーロファイター社のタイフーン、
フランス製ミラージュ2000-5、アメリカ製F/A-18の名前があが
っている。

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健康保険組合の主要連合会長にフラート

社会保険組合の主要連合の新会長が金曜日午後決定した。選挙の結
果、公勤務労働組合のヘルヴィヒ フラート(59歳)が選ばれた。
副会長でフラートの代理を勤めるのは産業会議の専門家グライツマ
ン(44歳)である。二人は協力体制を築いて行く。


9月15日(土)

オーストリア人125名の所在が不明

米国でテロ攻撃を受けた後の所在が不明になっているオーストリア
人の捜索はますます困難になっている。今なお70名が行方不明であ
る。事件に巻き込まれた人は、既に多くが見つかったり、オースト
リアに連絡があったが、事件現場近辺に滞在していた可能性がある
と友人や親戚が心配している人もいる。しかし外務省は、事件時に
行方不明の70名のほとんどは世界貿易センター近辺にはいなかった
ものとみており、何らかの理由で連絡できないだけだろう、と強調
した。

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副首相 古い中立の維持に反対

副首相で自由党党首のリース・パサーは、ニュー ヨークとワシン
トンの大規模なテロ攻撃の進展を見て、「古い中立の原則」の維持
に反対の意見を述べた。オーストリアは必要なときに、他国からの
連帯を要求できなくなってしまい、またこのような事件が自分には
無関係であるかのように行動することになる、と彼女は土曜日のテ
レヴィ番組で語った。オーストリアは「欧州全体の中での安全保障
政策」に注目しなければならず、欧州全体の安全保障と防衛態勢に
参加しなければならない、とも発言した。


9月16日(日)

首相 労使の協調が必要と発言

連邦首相ウォルフガング シュッセル(国民党)は日曜午後、労使
関係が重要であるとの発言を行なった。労働組合の代表が国民議会
議員であるべきかどうかは、それぞれの労働組合の役員がそれぞれ
決めなければならない、とテレヴィ番組で語った。彼は、オースト
リアは現代の問題に対応する新しい労使関係を必要としており、そ
のための団体は超党派でなければならない、とも語った。

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蔵相 自由党筆頭候補にはならない、と発言

蔵相グラサー(自由党)は日曜日、自由党の筆頭候補になる意志は
ない、と強調した。世論調査で自分がよい評価を得ていることはう
れしいが、「筆頭候補になることは私の関心を引いていない。私に
は問題にはならない」と語った。「私は幸運な大蔵大臣である」と
語り、副首相で同党党首のリース・パサーは「自分の仕事を極めて
立派に」やり遂げている、と語った。


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