9月24日〜30日のオーストリアのニュース

9月24日(月)

米国法務省 監視の強化を要求

米国法務大臣ジョン アシュクロフトはテロリストとの闘いで、捜
査をやりやすくし、支援者を処罰するための法案を提案した。議会
の法務委員会で彼は月曜日、今までの法律は、電話にダイアルがつ
いていた時代のもので、監視能力は携帯電話やコンピューターのあ
る時代に合わせて行かなければならない、と語った。彼は特に、盗
聴の許可のための手続きの簡素化と現代技術の利用を求めた。その
他彼はテロリストをかくまう人物を処罰することも求めている。
法務省の情報によれば、テロ攻撃から約2週間で逮捕された容疑者
は352人、なお400人近くが行方を追求されている。

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緑の党 国防審議会で政府案に賛成の見込み

水曜日の国防審議会に動議を提出するための話し合いの期日は短す
ぎるが、この問題で緑の党と連立与党の間で、採決までに意見の一
致がたぶん見られるのではないか、と緑の党の広報担当ファン デ
ア ベレンは語った。議長を誰にするかは二次的な問題であるが、
この種の審議会では首相が議長を務めるべきである、とも語った。
情報に関する法律の問題には言及しなかった。


9月25日(火)

アラブ連合 テロ対策で米国に協力

アラブ連合事務長アムル ムサは火曜午後、オーストリア外相ベニ
ータ フェレーロ・ワルトナー(国民党)と会談し、アラブ連合は
国際的テロ行為との対決で米国と協力して行く、と発表した。対テ
ロ連合という言葉で米国大統領ジョージ W. ブッシュが言おうとし
たのは、様々な地域で軍事行動以外にも、経済的、政治的、外交的
な側面で協力を行なうということだ、とムサは語った。長期間エジ
プトの外務大臣を務めている彼は、「国際テロ組織との闘いという
点では、我々はみな米国の側についている」とも強調した。さらに、
EUは現在の近東危機で重要な役割を果たすことができる、とも語っ
た。

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国民議会 秋の審議を黙とうで始める

国民議会は水曜午前、夏休み後の第1回の会議に入る。米国でのテ
ロ攻撃の影響を受けた形で審議は行なわれる。会議の冒頭、テロの
犠牲者を追悼する黙とうが行なわれる。首相と副首相が「安全と平
和、テロ組織網との対決」という主題で声明文を読み上げる。与党
は国民安全保障審議会の設置を求める動議を提出することになって
いる。


9月26日(水)

EU タリバンの資産1億ユーロを凍結

EU内では、アフガニスタンのタリバンに関連の資産が少なくとも
1億ユーロが凍結されている。公式な発表では、イギリスだけで
7410万ユーロの預金が封鎖されている、とEUの代表が水曜日に発
表した。非公式情報によれば、ドイツとフランスで合わせて約1億
ユーロの資産が凍結されている。EU加盟15ヶ国のうち12ヶ国では
正確な金額がまだ出ていない。

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内務省 ウィーンにテロリストはいないと発表

内務省は水曜午後、テロ攻撃の黒幕と目されているビン ラディン
の配下が、「亡命希望者として」ウィーン市内で「自由に」暮らし
ている、との報道を否定した。また内務大臣シュトラサー(国民党)
は国民議会の安全問題の討論で、今のところそのような兆しはない、
と語った。政府は国会で、今後テロ行為により適切に対処できるよ
うに、包括的な行動計画を提示した。その中には、移民や亡命政策
で大きな注意を払うことが含まれている。社民党はこの行動計画に
賛成しているが、緑の党は反対しており、オーストリア上空を軍用
機が飛ぶことに反対している。


9月27日(木)

米国 反テロの国連決議を要請

米国は木曜日、国連の世界安全保障理事会に、国際テロに反対する
さらなる決議を行なうよう要請した。この決議によって、すべての
国が、直接的間接的を問わず、テロリスト組織やテロリスト個人に
対する支援を妨害し、処罰することが義務づけられることになる。
またすべての国が、テロ組織が資金を集めたり資金洗浄を行なおう
とした場合に、それを阻止することになる。またテロ組織に関連す
ると見られる銀行口座や所有資産は、差し押さえられることになる。
さらに外国政府が攻撃計画の情報を得た場合、即座に警告を行なう
ことが義務づけられる。

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EU交通委員 ウィーンで会合

EUの交通およびエネルギー問題の委員で、EU委員会の副議長デ 
パラシオは金曜日から4日間の日程でウィーンを公式訪問する。首
相シュッセル(国民党)と副首相リース・パサー(自由党)、およ
び政府代表多数、野党の代表とも会談が予定されている。連邦首相
クレスティルとも会談することになっている。


9月28日(金)

アフガニスタン反政府勢力 元国王の下結集

アフガニスタンの反政府勢力は元国王モハメド サヒル シャーの
もと改めて結集する方針である。反タリバン民兵と戦う北部同盟の
代表者は金曜ローマで、元国王の下で軍事委員会と保安委員会を結
成することで意見がまとまり、これにより権力の奪還の準備ができ
ることになる、とシャーの報道官が発表した。両委員会の構成をど
のようにするかは、数日後に決定されるとのことである。反タリバ
ン側の指導者たちは、土曜日か月曜日に86歳の元国王と、追放先の
ローマで面会することにしていた。

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10月からの米軍機の上空通過 許可

9月11日のテロ攻撃に対する報復行動で10月から、米国に対して軍
用機にオーストリア上空を通過させることが許可された。国防省の
昨日の発表では、「毎日数機」つまり10機までの衛生関係や避難関
係の飛行機の通過許可が出された。ただし実際に飛行機が飛ぶかど
うかはまだはっきりしていない、と強調した。


9月29日(土)

北部同盟 アフガニスタン元国王のもとに集結の可能性

タリバン体制と敵対している北部同盟側は、元アフガニスタン国王
モハメド ザヒル シャーが、イスラム急進派のタリバンの民兵と
の闘いで、アフガニスタン人が結束する上で中心的な役割を果たす
ことができる、と見ている。タリバンを追い落とした後の暫定政権
でも、1973年に追放された国王が積極的な役割を果たす、と北部
同盟の報道担当は土曜日ローマで発表した。最大の課題は、国民す
べてを一つにする理念をみつけることである、とも語った。反政府
勢力の代表者たちは86歳の元国王と土曜午後、面会をするつもり
であった。日曜日には米国議会の代表が彼と会談を行なう予定であ
る。

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首相と蔵相 赤字ゼロの方針を堅持

経済成長の見通しを下方修正したにもかかわらず、首相シュッセル
は既定の予算の赤字をなくす方針を堅持している。現状では予算の
赤字を解消することは無理であるとの予想を聞いても、グラーツの
見本市の開場に出席した首相は特別のことを語らなかった。蔵相グ
ラサー(自由党)も、経済見通しが悪化しているにもかかわらず、
予算の赤字を解消する方針を堅持している。


9月30日(日)

米国 アフガニスタンを大規模空爆は行なわない

新聞報道によれば、米国政府は目標を絞ることができないため、ア
フガニスタンを絨毯爆撃することを断念した。同国政府はかわりに、
アフガニスタンでイスラム急進派ウサマ ビン ラディンを探すた
めの特殊部隊を積極的に派遣することにした、と「ニューズウィー
ク」誌は伝えている。関係者は当初長期間にわたるアフガニスタン
の爆撃を計画していたが、同国には戦略的な目標となるような場所
が限られていることに気がついた。大統領府は先週議会で、英米の
特殊部隊を、タリバンが支配するこの地域に派遣する、と報告した。

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住民投票で B50に過半数が反対

B50に関する住民投票で、ブルゲンラント州政府が提案した対処法
案には明確な反対の意志が示された。10の郡の住民2万4511人が、
住民投票を行なうかどうかの投票を行なった。この住民投票の手続
きでは、小規模のバイパス建設に関する法案を実施に移すかどうか
を決するものであった。バイパス建設に賛成の郡は3つしかなかっ
た。


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