10月8日〜14日のオーストリアのニュース

10月8日(月)

国連安保理 米国の報復攻撃を承認

国連安全保障理事会は全会一致で、米国のアフガニスタン攻撃を承
認した。国連の委員会の中で最も重要な安全保障理事会が一つにま
とまって、9月11日にテロ攻撃を受けた米国への連帯を結んだこと
は「極めて健全」である、と現在理事会議長を務める在アイルラン
ド米国大使のリチャード ライアンはニュー ヨークで語った。米
国の国連大使ジョン ネグロポンティと英国の国連大使ジェレミー
 グリーンストックは、この秘密会議で理事国に軍事作戦の状況に
関する情報を伝えた。

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巨大労組2つが合併

個人企業従業員労働組合と金属労働組合は合併する。確かな筋の情
報では月曜日、金属労働組合ではすでにその決定が下された。個人
企業従業員労働組合では火曜午後に同じ結論がでる模様である。個
人企業従業員労働組合はオーストリア労働組合連合で、(29万5千
人)加入者が最も多い組合であり、金属労働組合は3番目に多い組
合(20万5千人)である。合併案は、今後2年のうちに発効するこ
とになっている。誰が議長に就任するかは未定である。個人企業従
業員労働組合はサルムター、金属労働組合はニュルンベルガーが現
在議長を務めている。


10月9日(火)

米国 イラクに警告

外交筋によれば、米国国連大使ジョン ネグロポンティは日曜日、
イラクの国連大使モハメド エル ドウリと会談した。その際イラ
ク政府は、現在の情勢を自国の目的のために悪用しないように警告
された模様である。翌日、エル ドウリは米国使節に公式解答を手
渡した、とのことである。これに先立ち国連事務総長コフィ アナ
ンは、テロ組織との戦いは場合によってはアフガニスタン以外の国
々にも広がるとの米国の予告に対して不安を表明していた。一方米
国政府は、このアナンの見解を打ち消す努力をした。外務省報道官
バウチャーは、安全保障理事会あての文書は今後の行動を予告しよ
うとしたものではない、と発表した。

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緑の党 米軍の領空通過に反対

緑の党は、米軍のアフガニスタン攻撃に領空を通過させる許可を出
すことに、相変わらず反対している。その理由として緑の党代表フ
ァン デア ベレンはテレヴィ番組で、「第2次湾岸戦争という意
味で」国連の指令が出されていないからだ、と述べた。米国の攻撃
を承認した国連安保理が、指令を出すのであれば、私たちはこの支
持に従うと真っ先に約束する、とも語った。


10月10日(水)のオーストリアのニュース

米国 攻撃でタリバンの幹部数人を殺害

米国政府の情報によれば、米国のアフガニスタンへの報復攻撃で、
タリバンの指導者ムッラー モハメド オマルの親戚2人が死亡し
た。米国政府高官は水曜日、秘密情報機関の情報として、オマルの
家族の内男性2人が土曜日の攻撃開始で死亡していた、と発表した。
2人が誰で、オマルとどのような関係の人物かについては公表しな
かった。このほか、アフガニスタンを支配するイスラム過激派タリ
バン民兵の指導者数人が攻撃で死亡した、と米国側は伝えている。
オマル自身は、タリバンの本拠地カンダハルの自宅が爆撃されたが
死亡していない、と国防省は発表した。タリバン側もこれを認めて
いる。

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ウィーン、インスブルック、ザルツブルクで学生デモ

オーストリア大学生連合は木曜日、ウィーン、インスブルック、ザ
ルツブルクでデモを行ない、授業料導入および「教育改革」に反対
する抗議週間を開始する。デモのほかにパネルディスカッションと
コンサートも予定されている。デモには大学以下の生徒も多く参加
する方針である。最大のデモが行なわれるウィーンでは「過去を振
り返るな。教育は人間の権利である」との標語を掲げている。


10月11日(木)

FBI 数日内のテロ再発を警告

米国連邦警察FBIは、数日内に新たなテロ攻撃が起ると見ている、
と木曜日ワシントンで発表した。捜査によれば、米国内にとどまら
ず、国外の米国施設が攻撃目標になる可能性もある、とのことであ
る。FBIは米国市民に対し、さらに注意するように促し、怪しい出
来事は警察に報告するよう求めた。ジョン アシュクロフトは米国
国民に対し、新たな攻撃に備えるように呼びかけていた。

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ハオプト 指紋をカードに載せることを提案

社会福祉大臣ハオプト(自由党)は、テロ対策とは無関係であるが、
指紋を導入する方針である。重要情報が漏れないように、指紋を暗
号化して、例えば、2002年から健康保険診察券にかわって段階的
に導入される、疾病投薬チップカードに載せるというものである。
しかし健康情報をカードに書き込むための条件は、患者の自由意志
である、とハオプトは強調した。彼は暗号化された指紋は電子署名
として意味がある、とも強調した。


10月12日(金)

米国で5人目の炭疽感染者発見

米国では既に5人目の炭疽菌感染者が発見されている。ネヴァダ州
では、炭疽調査で中身に陽性反応がでた手紙が見つかった、と同州
知事ケニー グインが発表した。リノ市の企業が疑わしい手紙を受
け取り、FBIがその手紙の出所を調査している。炭疽の疑いは最終
的に確認されてはいないが、遅くとも土曜日までに広報されること
になっている。グインはこれは「国民全体の問題だ」と語った。

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ライトル 行政改革再審議は有益と発言

産業会議議長ライトル(国民党)は、行政改革に関する話し合いを
最初からやり直すことを求めた。「副首相リース・パサー(自由党)
と政府代表が、一種の税制委員会のようなものへと身を引き、専門
家からなる計画をたて、それを実行する組織を作るのが良いと思う」
と語った。彼は、行政改革の問題をめぐる状況は極めて錯綜してい
る他面、連邦と各州の間で数ヶ月にわたる話し合いを行なった後で、
再出発をする必要性がある、と見ている、と強調した。


10月13日(土)

アル カイダ 飛行機テロを行なうと脅迫

ウサマ ビン ラディン率いるテロ組織アル カイダは飛行機を使
ったテロ攻撃を再び行なう、と予告した。アメリカがアフガニスタ
ン攻撃を止め、パレスチナ問題が解決されるまで、飛行機テロは続
行する、と同組織の報道官スレイマン アブ ゲイトは土曜日、ア
ラブのテレヴィ局アル ジャゼラの番組で放送されたヴィデオの中
で語っていた。彼はモスレムに対し、外国では高層ビルには住まな
いように、と語り、さらに英米両国民はアラビア半島から退去する
べきだ、とも語った。「息子の命が惜しい母親は、ここから彼らが
立ち去れるよう配慮すべきだ」と語った。

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ウィーン社民党 ホイプルを党首とすることを確認

ウィーン市長ホイプルは土曜日、オーストリアセンターで開かれた
ウィーン社会民主党の州の党大会で、約850人の参加者のうち
95.8%の賛成で、オーストリア社会民主党の最大組織である同州同
党の党首に選ばれた。ホイプルの代理を務める5人には変更がなか
った。市議会議員ブラウナー、国会議員エーダー、国会議員ガール、
州議会議長ハッツル、州議会議員トムシクいずれも多数の賛成を得
た。


10月14日(日)

アラファト ブレアと会談

パレスチナ大統領ヤセル アラファトは月曜、ロンドンで近東紛争
に関して英国首相トニー ブレアと会談する。イスラエルとパレス
チナの和平交渉は暗礁に乗り上げているが、これに喝を入れると見
られている。ブレアは、アラファトとイスラエル首相アリエル シ
ャローンが会談を行なうためには、「安全面での橋渡し」が築かれ
ねばならない、と語った。アラファトは米国政府に反テロ連合を支
援する、と約束していた。一方英米両国はパレスチナ国家建国を求
めるアラファトを支持している。イスラエルはパレスチナ人居住区
の町の封鎖を今後緩和し、住民の生活環境の改善に乗り出す方針で
ある。

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労働組合連合の直接投票終了

オーストリア労働組合連合の直接投票は月曜日で終了する。郵便で
の投票用紙の郵送は深夜まで受付けられる。投票結果は金曜日に発
表される。140万以上の労働組合員が、社会福祉政策6つと労組の
闘争方法に関する準備をめぐる意志を表明するこの投票は9月24日
に始まっていた。同労組議長のフェアツェトニッチュは、投票率
50%で成功と見ているが、これが達成できなくても、辞任する理由
はない、と語っていた。


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