10月22日〜28日のドイツのニュース

10月22日(月)

ベルリン市政府 連立模索

(ベルリン)社会民主党は、市議会選挙の勝利を受けて、連立政府を作るために緊
急会談を行なっている。30%の票を集め再大勢力となった同党に属する、クラオス
 ヴォーヴェライトが引き続き市長を務めるが、火曜日には、9.1%の票を得た連
立相手の緑の党と第1回の協議に入る。引き続き自由民主党、民主社会党との会談
も行なわれることになっている。自由民主党は既にいわゆる「信号機連立」つまり
社会民主党、緑の党との連立に関心を示している。22.6%の得票の民主社会党筆頭
候補グレゴール ギーズィーは、同党を政権構想から除外しないように、もしそう
すると市が分裂してしまう、と警告している。キリスト教民主同盟は17%と極めて
大きな票を失ったが、筆頭候補フランク シュテフェルは引き続き議員団長を務め
る意向である。

     その他のニュース

アフガニスタン空爆 新作戦

(カブール)空爆開始後ほぼ2週間、米軍は新たな作戦を開始した。
通信員は、米空軍は月曜日首都カブールの北にあるタリバン民兵の
拠点を2日続けて攻撃した、と伝えている。そこが、タリバンと、
米国の支援を受けた反政府勢力北部同盟との前線である。米国防省
は、空爆で100人以上が病院で死亡した、とのアフガニスタン指導
部の発表を否定した。タリバン側の情報に反して、米軍は生物兵器
や化学兵器は使用していない、と国防相ラムズフェルドは語った。

アフガニスタン難民 パキスタンへむりやり流入

(イスラマバード)国境地点にいるアフガニスタン難民の状況はま
すます困難になっている。月曜日、難民は無理やりパキスタンに入
ろうと押し寄せた。彼らは国境警備隊と衝突した、と通信社は報じ
ている。パキスタン政府の代表とタリバン民兵の間で、難民の不穏
な動きをどのように押さえるかに関する話し合いが行なわれた。国
連によれば、西パキスタンの町クエッタ近くの国境地点カーマンで
は約1万5千人のアフガニスタン人が出発を待っている、とのことで
ある。

米国 EUに協力強化を要請

(ブリュッセル、ワシントン)米国はEUに対し、国際テロ組織との
戦いでさらなる協力をするよう求めた。これは米大統領ブッシュが
EU理事会議長フェアホフシュタットあての書簡の中で述べられてい
る。それによればブッシュはとくに刑事訴追、国境警備、航空機の
安全確保での協力を要請した。またEUと米国は、大量殺戮兵器が広
がらないよう緊密な努力をすることになっている。


10月23日(火)

ベルリン市連立政権構想 第1回交渉

(ベルリン)社会民主党と緑の党、自由民主党、民主社会党の意向を話し合う第1
回の交渉の結果、ベルリンの連立政権をどのように作るかに関して、あらゆる可能
性が残った。現市長クラオス ヴォーヴェライトは、この3つの政党との話し合い
の内容を要約することを拒否し、すべての可能性、社会民主、緑、自由民主3党の
連立、社会民主と民主社会の連立、社会民主、民主社会、緑の3党連立のいずれも
があり得る、と語った。また、具体的および前向きに3党の意向を探っていく、と
も語った。社会民主党の各委員会は今のところ話し合いを論評していない。緑の党
は社会民主、緑、自由民主の連立のほかに、社会民主、民主社会、緑の3党の連立
の可能性を取り上げていた。同党のベルリン代表者会議では、火曜午後、両方の可
能性についての話し合いを行なった。

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連邦政府 経済成長予測に反論

(ベルリン)連邦政府は主要経済研究所の景気後退の恐れがあると
の発表に反論した。連邦首相シュレーダーは、ドイツの経済状況が
悪いと発言しないように、と警告した。彼は景気後退が迫っている
とは見ていない、と語った。蔵相アイヒェルは、税制改革を早期に
行なうようにとの経済研究所の要求を拒否した。一方野党と使用者
団体は、政府は経済の現状を示す指標が悪化している責任をとり、
計画中の増税を撤回しなければならない、としている。経済研究所
は今年の経済成長率を0.7%、来年は1.3%で、景気が上向くのは来年
になってから、と予測している。

外相 イラン訪問

(テヘラン)独外相フィッシャーは2日間のイラン訪問のため、テ
ヘラン入りした。水曜日には外相ハラシと大統領ハタミとの公式会
談を行なう予定である。前の訪問国サウジアラビアでと同様、フィ
ッシャーはテヘランでも国際テロとの闘いと近東紛争で政治的解決
の道を探る方針である。リャドでは彼は火曜日、EUが描くアフガニ
スタンの政治の未来図を説明していた。サウジアラビア首脳と彼は、
タリバン体制崩壊後、同国に権力の空白ができるのは避けなければ
ならない、との点で意見が一致した。

米軍 病院誤爆

(ワシントン)米国は、アフガニスタン空爆で病院を攻撃した可能
性があることを認めた。同国政府の都市ヘラトで、ミサイルが目的
をそれた可能性があり、調査を行なう、と国防相の代表が語った。
イスラマバードの国連の報道官は、軍の施設の中にある軍の病院が
攻撃を受けたが、犠牲者についての情報はない、と語った。タリバ
ン側の情報によれば、月曜夜にこの病院では百人を越える死者がで
た。米軍戦闘爆撃機は火曜日もタリバンの拠点を攻撃した。


10月24日(水)

ゴッタルドトンネル 大火災

(アイロロ)スイスでは大きなトンネル事故が起り、ゴッタルドトンネルでは少な
くとも10人が死亡した。ほとんどの犠牲者は窒息死である、と救助隊は伝えてい
る。怪我人は約20名である。テシン州警察は、死者の数はかなり増える可能性が
ある、と発表した。トンネルを覆う部分が100メートルに渡ってはがれ落ちた。午
前中に2台のトラックが正面衝突し、爆発がおこり、火災が発生したためである。
消防隊はこの火災をまだ鎮火できていない。トラックの一台はタイヤとビニールシ
ートを運んでいた。このトンネルは道路のトンネルとしては世界で2番目に長いト
ンネルである。

     その他のニュース

西ヨルダンランドで流血の交戦

(エルサレム)1年以上続くパレスチナ人の蜂起が始まって最悪の
流血の衝突が起こり、イスラエル兵が西ヨルダンランドで15人を射
殺した、と目撃者は語っている。テロリストと目される人物の捜査
で、イスラエル軍はパレスチナ人12人を逮捕した。その中に1週間
前イスラエル観光相ゼエヴィを射殺した犯人が含まれている、と当
初は伝えられたが、これは確認されていない。彼の暗殺は、イスラ
エル軍がパレスチナ人居住区へ進撃したため起ったものである。米
国はイスラエルの行動に批判を強めている。米外相パウエルは軍の
即時撤退を求めている。国連事務総長アナンもこの要求を支持して
いる。

米国 ラマダン期間中も攻撃の方針

(ワシントン)イスラム諸国の訴えにもかかわらず、米国はアフガ
ニスタン空爆を、イスラムの断食月ラマダンの間も中断しない意向
である。米外相パウエルは、米国はできるだけ迅速に戦争を終える
ことを望んでおり、必要があれば11月中旬から始まるラマダンの期
間も攻撃を続行する準備をしている、と発表した。空爆は水曜日も
続行された。国防省は、週末の攻撃のさい誤まって住宅地を爆撃し
たことを認めた。

亡命アフガニスタン人 米軍の派遣を終了させるよう要請

(ペシャワル)アフガニスタンの部族の指導者と亡命中の政治家約
800人がパキスタンで会議を開き、米国に対しアフガニスタンに対
する軍事行動を終えるよう呼びかけた。代わりに、アフガニスタン
再建を開始しなければならない、以前タリバン政権の一員であった
ものも新政府に受け入れる、とこの会議の議長サイエド アーマド
 ジャイラニはペシャワルで語った。参加者は、ローマ在住の元国
王ザヒル シャーの協力者である。ジャイラニは反政府勢力北部同
盟とはつながりがない。暫定政権ができた後、国連治安維持部隊が
法と秩序を維持することになっている。


10月25日(木)

外相 近東和平の進展を期待

(テル アヴィヴ)独外相ヨシュカ フィッシャーはイスラエルでの第1回の話し
合いの後、近東紛争が解決に向け前向きに進展するよう期待している。EUの主席
外交官ハヴィエル ソラナも、フィッシャーとイスラエル外相シモン ペレスとの
テル アヴィヴでの会談に同席し、希望の光が一筋見えた、と語った。両外相は公
式に、イスラエル軍がパレスチナ人居住区ベイト リマから撤退し、ソラナの情報
に従ってイスラエルとパレスチナ共同で、イスラエル観光相レハヴァム ゼエヴィ
暗殺の犯人を追求することに言及した。フィッシャーはその後、イスラエル大統領
アリエル シャローンとも会談する。
フィッシャーのイスラエルおよびパレスチナ訪問は、この5ヶ月間で3度目である。

     その他のニュース

米国防省 戦果を発表

(ワシントン)米国防相ラムズフェルドは、米軍はタリバンとの闘
いで期待通りの成果を挙げていない、との印象を語った。彼は、タ
リバンの空軍力の大部分、航空機やヘリコプターを破壊することに
は成功したが、テロリストの指導者と目されるビン ラディンの逮
捕は困難をきわめており、逮捕の可能性は低くなっているとの判断
を述べた。米軍機は木曜日もタリバンの拠点カンダハルとカブール
周辺を爆撃した。タリバン側の情報によれば、カンダハル近郊でバ
スが爆撃を受け、10名が死亡した。中立の機関による確認はとれて
いない。

亡命中の反政府活動家 米軍の空爆中止に賛成

(ペシャワル)アフガニスタンから亡命している反政府勢力の代表
者は、米国に対しアフガニスタン攻撃をできるだけ早期に終えるよ
う訴えた。2日間にわたる会議がパキスタンのペシャワルで開かれ、
その閉会宣言で彼らは、タリバン崩壊後には伝統的なアフガニスタ
ンの集会いわゆるロジャ ジルガを召集し、新政府を作ることにな
る、と発表した。

連邦情報局 再攻撃を警告

(プッラハ)連邦情報局は米国内でイスラム過激派のテロ攻撃が再
び行なわれる可能性があると見ている。同局長ハニングは、今まで
ビン ラディンは予告したことはみな実行しており、ドイツもまた
それに巻き込まれる可能性がある、と語った。また彼は、既知の急
進派組織はみなドイツに秘密基地を持っている、とも語った。


10月26日(金)

イスラエル ベツレヘムから撤退

(ガザ)イスラエル人とパレスチナ人が流血の衝突を起こしたため、ドイツ外相ヨ
シュカ フィッシャーは両者に会談を行なうよう強く求めた。パレスチナ大統領ヤ
セル アラファトと2時間に渡って会談を行なった後彼は、和平を進めるためには
他のやり方はない、と語った。アラファトはイスラエルと停戦を行ない、あらため
て交渉を行なうことに賛成した。また彼はパレスチナ自治区をイスラエル軍が占領
していることを非難した。国際的な圧力が強まる中、イスラエル政府は国防省の声
明を出し、ベツレヘムとベイト ジャラから土曜日に軍を撤退させる、と発表した。

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北部同盟 カブールを国連の管理下に置く方針

(カブール)アフガニスタンのイスラム急進派タリバンは、反対派
の重要人物アブドゥル ハクの死刑を執行した。タリバンの情報省
によれば、ハクは他の2人と共に処刑された、彼はアフガニスタン
でタリバン政府の後継政権に関する宣伝活動を行なった、とのこと
である。ハクは以前ソ連の占領と戦い、現在は米国のためにタリバ
ンとの戦いでかなめの人物となっていた。また北部同盟はカブール
を占領するのではなく、国連の管理下に置く方針である、と軍事指
導者モハメド カシム ファヒムは語った。また彼は、ラマダン期
間中も北部同盟は戦闘を続ける、とも語った。ファヒムは、2ヶ月
前暗殺されたアシュメド シャー マスドの後継者である。

カブール空爆続行

(カブール)米空軍は日没後アフガニスタンの首都の爆撃を再び行
なった。目撃者は、カブール北部と空港近くで何度も爆発音がした、
と伝えている。米軍参謀本部によれば約80機を使用したとのことで
ある。

パキスタンで反空爆デモ

(カラチ)米軍によるアフガニスタン空爆開始以来最大の反米デモ
が行なわれ、タリバンを支持する数千人のイスラム過激派数万人が
参加した。警察はカラチで行なわれたデモだけで5万人が参加した
と見ている。独首相シュレーダーのアジア訪問開始を翌日に控え、
ドイツ政府は、反テロ連合では鍵を握っているのはパキスタンであ
る、との考えを確認した。


10月27日(土)

連立与党 反テロ法案で意見一致

(ベルリン)連邦内務大臣オットー シリーの提案した第2次安全保障法案をめぐ
る連立与党内の対立で、解決のきっかけが見つかった。数日間にわたる駆け引きの
末、社会民主党と緑の党は第2次反テロ法案に関して意見が一致した、とシリーお
よび緑の党議員団長ケアスティン ミュラーが発表した。それによれば移民問題に
関してはまだ妥協が成立していない、とのことである。内務相は土曜夜に記者会見
を開くと予告していた。今まで、連邦刑事庁の権限を増やすかどうか、今後は証明
書に指紋を押すことにするのかどうか、疑わしい外国人には滞在許可を与えないこ
とが許されるかどうかが主な争点になっている。

     その他のニュース

数千人のパキスタン人がタリバンを支持

(イスラマバード)数千人の武装パキスタン人が、米国との戦いで
タリバンを支持するべく、アフガニスタンにむかっている。突撃銃
で武装した同国北部のイスラム急進派の支持者たちは、ロケット砲
と対空砲も使用する、と目撃者は語っている。米国はカブールとタ
リバンの拠点に対する攻撃を強めており、今までで最も激しい爆撃
が行なわれた模様である。パキスタン軍の権力者ムシャラフは、米
国の放送局のインタヴューに答えて、アフガニスタンでの戦争で米
国およびその同盟国は術中に落ちたことがわかるかもしれない、3
週間もの空爆にもかかわらず、タリバンの支配力は揺るがず、北部
同盟は占領地域の拡大を狙える状態にはない、と語った。

イスラエル ベツレヘムから撤退を延期

(エルサレム)イスラエルはベツレヘムとベイト ジャラからの撤
退を延期した。首相シャローンの報道官は、西ヨルダンランド南の
町で銃撃戦が終わらないための措置である、と発表した。イスラエ
ル国防相ベン  エリエザーは、イスラエルは完全な平静が保たれ
てからでなければ、これらの町から撤退しない、と警告していた。
パレスチナ大統領アラファトは、イスラエルには和平の意志はない、
と批判した。観光相ゼエヴィが暗殺されたため、イスラエル軍は先
週パレスチナ人が支配する町7つに進軍した。西ヨルダンランド北
部では衝突が起こりイスラエル兵がパレスチナ人1人を射殺した。
目撃者によれば、殺されたのはアラファト率いるファタハの一員で
ある。

炭疸の原因はいまだ不明

(ワシントン)米国の炭疸騒ぎは、謎の実行犯複数による犯行であ
る疑いが強まったが、外国から指令を受けたテロの作戦である可能
性を否定する証拠は何もない、との新聞報道が行なわれた。ワシン
トンでは数ヶ所で炭疸菌のわずかな残留が発見された。議会内にあ
る下院議員の事務所3ヶ所は、炭疸菌発見後閉鎖された。最高裁、
ホワイトハウス、外務省、CIAの郵便物取扱所でも炭疸菌が見つか
っている。


10月28日(日)

首相 アフガニスタン空爆続行に賛成

(イスラマバード)一般市民に犠牲者が出ているにもかかわらず、米軍はアフガニ
スタン攻撃を続行すべきである、と連邦首相ゲアハルト シュレーダーは考えてい
る。パキスタン大統領ペルヴェズ ムシャラフとのイスラマバードでの会談後、シ
ュレーダーは一般市民が爆撃で死亡するのには同情するが、攻撃を今中止するのは
誤りであり、休戦しても人々の生活物資の問題の解決にはならない、と語った。ま
た彼は、パキスタンに経済協力を強化する、と約束した。シュレーダーは1週間に
わたるアジア歴訪の第2の目的地、インドの首都ニュー デリー入りした。

     その他のニュース

米軍空爆続行

(カブール)米軍戦闘爆撃機は日曜日もアフガニスタンの攻撃目標
を爆撃した。アラブ系のテレヴィ局アル ジャジラは、この爆撃で
カブールで市民15人が死亡した、と伝え、住まいの残骸の中から遺
体になって見つかった子供たちの写真を放送した。アフガニスタン
のタリバンを支援すべく、重装備の原理主義者数千人がパキスタン
に集まっている。パキスタン治安維持軍は、彼らが国境を越えるの
を今のところ阻止している。

イスラエルの武装パレスチナ人攻撃再開

(エルサレム)武装パレスチナ人がイスラエル北部の港町ハデラで
通りがかりのイスラエル人4人を射殺し、そのほか重傷者を含む数
人が怪我をした、とイスラエルのラジオ局が報道した。犯人2人は、
町の中心部で自動車から発砲したが、警察に殺された。パレスチナ
人組織イスラム ジハードが犯行声明を出した。パレスチナ自治当
局はこの攻撃を非難し、責任者を追及し裁判にかけると約束した。
暴力事件が起っているが、イスラエルはベツレヘムと隣のベイト 
ジャラからの撤退の準備を進めている模様である。

社民党と緑の党 反テロ法案で意見が一致

(ベルリン)長い交渉の末、社会民主党と緑の党は第2次反テロ法
案に関する妥協で合意した。秘密情報機関と憲法擁護庁の権限は期
限付きで拡大される。内相シリーの提案とは異なり、連邦検事庁は
今後も具体的な容疑がなければ、捜査を開始することはできない。
証明書に指紋などの生物測定学上の情報を記載する問題に関しては
連邦議会の決定に委ねられることになった。野党キリスト教民主、
社会同盟はこの妥協は安全性をないがしろにしている、と厳しく批
判した。


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