10月22日〜28日のオーストリアのニュース

10月22日(月)

     国際ニュース

米軍 タリバンの前線を爆撃

(カブール、ワシントン)米国がアフガニスタンで空爆を開始して
ほぼ2週間たち、新たな作戦が開始された。空軍はタリバンの前線
に集中的に飛行し、原理主義タリバン体制に対する闘いで北部同盟
を精力的に支援している。在パキスタンタリバン大使アブドゥル 
サラム ザイエフは、アメリカ人が月曜日に大量殺戮を行なったと
非難した。米軍の攻撃をうけ、今までに千人以上が死亡した、と彼
は語った。

     国内ニュース

内相 国防相 安保綱領を提案

(ウィーン)「オーストリアは国際テロの主要な攻撃目標ではない
が、至福の島でもない」で始まる所見を、内務大臣エルンスト シ
ュトラサー(国民党)と国防相ヘルバート シャイプナー(自由党)
は月曜日「国民安全保障綱領」の形で提案した。この要求を述べた
綱領の冒頭には、現在のテロ攻撃に立ち向かい、無力化することが
述べられている。ABC攻撃(核、生物、化学兵器攻撃)から国民を
守り、テロ攻撃で重要な建物を守ることは現在では保障できない、
と述べられている。そのため、両大臣は大規模な投資を安全保障に
行なうよう求めた。


10月23日(火)

     国際ニュース

ブッシュ イスラエルにパレスチナ人居住区からの撤退を要求

米国大統領ジョージ W. ブッシュはイスラエルに対し個人的にも、
パレスチナ人自治区から軍を撤退させるよう要請していた。彼はイ
スラエル外相シモン ペレスに対し、昨日の会談でこの意向を伝え
た、とホワイトハウスの記者会見で発表した。同時に彼はパレスチ
ナ人の指導者ヤセル アラファトに、イスラエルの右派の観光大臣
ゼエヴィを殺害した犯人の逮捕するよう求めた。米国外相コリン 
パウエルもペレスとの会談で、パレスチナ人自治区からの撤退を求
めていた。

     国内ニュース

ハイダー テメリン原発廃止を求める

ケルンテン州首相イエルク ハイダー(自由党)はテメリン原発問
題に関して、「チェコを何としてもEUに加盟させない」方針である。
EUでは原子力発電所の安全性に関し守らねばならない基準があるが、
テメリンに関して言えば、廃止という未来だけがある、と火曜日に
語った。連邦首相ウォルフガング シュッセル(国民党)は、チェ
コは私たちが具体的に提案したいくつかの点、検査の受け入れ、安
全性の義務づけ、民営化を行なわないなどを受け入れなければなら
ない、と強調した。


10月24日(水)

     国際ニュース

ラムズフェルド ラマダン中に休戦する理由はないと発言

米国国防相ドナルド ラムズフェルドは、イスラムの断食月ラマダ
ンの期間中、アフガニスタンで休戦を行なう理由はないと考えてい
る。「テロ組織アル カイダとタリバンが、ラマダン中に活動を中
止しないのは明らかだ」と彼は水曜日、ラジオで語った。「モスレ
ムが、ラマダンを含め様々な聖なる祝祭中に、相手がモスレムであ
ろうがなかろうが、戦闘を行なってきた例はたくさんある。ラマダ
ン期間中に戦争を開始したれいもある」と彼は語った。ラマダンは
今年は11月17日に始まる。また米国外相パウエルも同じ態度をとっ
ており、アフガニスタン戦争では時間的な期限ではなく、軍事上の
目的を達成することが重要だ、と発言した。

     国内のニュース

年金委員会 引き上げ率を決定

労働法、社会福祉法の専門家テオドール トーマンドルが議長を務
める「年金の長期的安定化委員会」は木曜日、2002年に行なわれ
る年金の引き上げ率を決定する。1.6%の引き上げが予想されており、
社会福祉大臣ヘルバート ハオプト(自由党)がこの数字を既に認
めている。


10月25日(木)

     国際ニュース

ラムズフェルド ビン ラディン逮捕に期待

米国防相ラムズフェルドの情報によれば、米国はテロリストの指導
者ウサマ ビン ラディンとその配下の逮捕を期待している。彼は、
将来を見通せるものはいないが、ビン ラディンの捜索は干し草の
山からピンを探すようなものだ、と語った。彼は新聞のインタビュ
ーに答えて、表現を弱め、ビン ラディンの捜索の成果に関しては
否定的な評価をしている、と語った。その新聞では「世界は広く、
多くの国がある。ビン ラディンは巨額の資金、多くの支援者を抱
えている。私は、米国が成果を挙げられるかどうか簡単には答えら
れない」との彼の言葉を伝えている。

     国内ニュース

内相 亡命権を厳格に適用することに賛成

難民は今後、オーストリアへの亡命の第1次申請を海外からは行な
えなくなる、と内務大臣シュトラサー(国民党)は新聞で発表した。
それによれば、申請書は「オーストリア国内の担当官庁」でのみ受
付けられることになる。これには野党や、支援団体からの激しい批
判が予想されるが、これを推し進めていく、とも語っている。支援
団体はこれは「事実上亡命権を廃止することになる」と語っている。


10月26日(金)

     国際ニュース

炭疽の疑い パキスタンでも

パキスタンの銀行職員が炭疽菌に感染している疑いで、病院に運ば
れた。彼は銀行で疑わしい手紙に触った、とパキスタン南部のカラ
チの病院で手当てをした医者は語った。彼の病状は致命的なもので
はなく、おそらく一週間後には退院できる、とのことである。炭疽
の疑いが確認されたら、パキスタンでは炭疽に冒された初めての例
になる。

     国内ニュース

チロル国民党党首選決選投票

チロル国民党は土曜日新しい党首を選ぶ。同党内部での1ヶ月にわ
たる主導権争いに、とりあえず終止符が打たれることになる。選挙
はインスブルック市長ヘルウィヒ ファン シュターと州の閣僚ギ
ュンター プラッターの争いである。接戦が予想されている。


10月27日(土)

     国際ニュース

イスラエル ベツレヘムからの撤退延期

イスラエルは、西ヨルダンランドで武力衝突が続いているため、ベ
ツレヘムとその周辺からの撤兵を延期する、と首相アリエル シャ
ローンの報道官が土曜日発表した。イスラエル軍は合意に基づき、
ベツレヘムおよびその近隣のベイト ジャラからの撤退を開始して
いたが、これを中止した。その理由としてベツレヘムでパレスチナ
人との銃撃戦が続いており、それで4人のパレスチナ人が負傷した
ことをあげた。また土曜夜西ヨルダンランド北部のトゥルカレムで
も銃撃戦があり、パレスチナ人の遺体が発見された。

     国内ニュース

カップ 首相の中立発言を批判

連邦首相ウォルフガング シュッセル(国民党)の建国記念日の演
説に対し、社会民主党の幹部ヨーセフ カップは激しい批判を加え
た。彼は、シュッセルのオーストリアの中立に関する発言を「この
上なく奇異」と評した。シュッセルは、オーストリア国民の80%が
自らのものと考えている憲法という財産を愚かしいものに変え、み
ずから「オフサイド」の位置に行こうとしているが、中立は相変わ
らずオーストリア憲法の有意義な一部である、とカップは語った。


10月28日(日)

     国際ニュース

英外相 イラク攻撃の準備は行なっていないと発言

英国外相ジャック ストローは、英国と米国が間もなくイラクを攻
撃しようとしている、との報道を否定した。「イラクは攻撃目標に
なっていない」と日曜日、米国のテレヴィ局に語った。「はっきり
した証拠があり、そして軍事攻撃以外の選択肢が残っていない場合
に限って、軍事作戦は行なわれる」と付け加えた。イラクが9月11
日の米国テロ攻撃に参加していたことを示す証拠はない、とも語っ
た。イラク副首相タリク アジスは英国の新聞に、米英が間もなく
攻撃する可能性があり、両国はイラク国内の攻撃目標300ヶ所にミ
サイルを向け、サッダーム フセインを追い落とす計画をたててい
る、と語っていた。

     国内ニュース

行政改革のための会談

ウィーン王宮で行なわれている行政改革のための「改革対話」との
話し合いは月曜日終了する予定である。政府は、2003年までに行
政面で186億シリングの支出を削減するための一連の措置を提案す
る方針である。首相ウォルフガング シュッセル(国民党)は最近
200億シリングの削減を行ない、赤字解消を必ず実現する、と語っ
た。公務員の定員を1万5千人削減して、150億シリング節約し、各
州の複線鉄道を単線化することで36億シリングを節約することにな
っている。様々な団体から約100人が参加したこの話し合いは、完
全に公開で行なわれた。


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