10月29日〜11月4日のオーストリアのニュース

10月29日(月)のオーストリアのニュース

     国際ニュース

ブッシュ アフガニスタンの大規模な地上戦には反対

アフガニスタンに米軍の地上部隊を大規模に展開せよとの要求が高
まっているが、米国大統領ジョージ W. ブッシュは、この意見には
屈しない意向である。彼は月曜日ワシントンで開かれた記者会見で、
「断固として」この戦略を「粘り強く」遂行する、と語った。今の
ところ米国政府がとっている戦略は、アフガニスタンで作戦行動中
の部隊で、タリバンの守備軍およびアル カイダ組織を破壊するこ
と目的としており、満足できる成果があがっている、とも語った。
一方、主要な下院議員は日曜日に地上軍を投入して攻勢にでるよう
、求めていた。

     国内ニュース

オーストリア持株会社 バス会社合併に関する決定

オーストリア持株会社監査役会は火曜日、2つの国営バス会社オー
ストリア連邦鉄道バスと郵便バスの合併に関する決定を行なう。こ
の他監査役会は、ペーター ミヒャエリスが今年末で任期を前に退
陣するヨハネス ディッツの後継者となるため、彼の後任となる同
会の第2会長を公募する準備に入る。


10月30日(火)のオーストリアのニュース

     国際ニュース

ニュー ヨーク初の肺炭疽患者

ニュー ヨークで初めて肺炭疽患者が確認され、当局はすべての病
院に対して緊急事態に備えるよう指示した。61歳の病院職員の女性
が日曜日に、呼吸器系の問題で病院に運ばれていた。疫病管理セン
ターのスティーヴ オストロフは、今までに炭疽に感染したのは政
治、マスコミ、郵便局関係者であるが、この女性がそのいずれでも
ないため、炭疽感染に関して憂慮している、と語った。市長ルドル
フ ジュリアーニの情報によれば、この女性は病院の郵便局近くで
仕事をしており、時々郵便物と接触していたらしい、とのことであ
る。

     国内ニュース

社民党首 「新たな中立」に関する国民投票に賛成

社会民主党党首アルフレート グーセンバオアーは、オーストリア
の中立を撤回することに関する国民投票実施を拒否したが、現代的
な中立政策に関する国民投票を行なうように提案した。「私たちは、
中立を撤回し、代案を立てることが、確実な基礎を持つ現代的な中
立政策をたてるために法律上必要であるなら、質問項目作りに積極
的に関与する準備がある」と語った。


10月31日(水)

ケルンテン州 国民党と自由党の連立崩壊

水曜日、自由党はケルンテン州での国民党との連立を全面的に解消
すると発表した。次期同州自由党党首に就任することになっている
マルティン シュトゥルツは、過去に国民党と結んだ協定はすべて
無効である、と発言した。彼はテレヴィインタヴューで、国民党が
自由党との協力を望んでいないのは明らかである、と語り、「自由
党と協力しあうのであれば、票を失いかねない」とのウルミッツァ
ーの発言を攻撃した。

     その他のニュース

各州 テメリン訴訟を財政的に支援

テメリン原発に対する操業中止および確認の訴訟を、各州が共同で
財政面で支援していくことが決まった。これは、ゲットワイヒ修道
院で水曜日に開かれた各州の財政担当者の会議で決まった最も重要
な成果である。一方、南ボヘミアの同原子力発電所の燃料棒の抜き
取りは、3週間の予定で昨日開始された。同原発の広報によれば、
施設の冷却に使われるポンプに水が漏れる箇所が見つかったが、数
時間後には検査が行なわれ、その後核分裂を停止させる、とのこと
であった。


11月1日(木)

     国際ニュース

米地上軍を4倍に増強

米国はアフガニスタンに派遣する地上軍の数を4倍に増強する方針
である。数日後にはまず精鋭部隊をアフガニスタンに派遣する、と
同国国防相ドナルド ラムズフェルドは木曜日ワシントンで発表し
た。精鋭兵はタリバンと戦闘中の反政府軍を支援することになる。
また米国治安顧問官コンドリーッツァ ライスは、米国はモスレム
の断食月ラマダンの期間中も休戦を行なう余裕はない、と強調した。
米空軍はカブール爆撃を続行した。テロリストの指導者と見られる
ウサマ ビン ラディンは、パキスタンのモスレムに対し、共に米
国と戦おうと呼びかけた。

     国内ニュース

シャイプナーとハイダー リビアと話し合い

ヘルバート シャイプナー(自由党)はリビアを短期訪問し、EU
加盟国の国防相としてはじめて、リビアの政府要人との会談を行な
った。この訪問はEUとの話し合いで行なわれたものではない。ケ
ルンテン州首相で自由党元党首イエルク ハイダーは他のアラブ諸
国を仲介を行なうために訪問する、と発言した。ハイダーとシャイ
プナーは木曜夜にリビアから帰国した。革命の指導者ムアマル カ
ダフィとの会談は、シャイプナーが早々と帰国しなければならなか
ったため、実現しなかった。2人は同国のナンバー2、リビア国防
相アブ バクル ユネス ジャバーと会談した。


11月2日(金)

     国際ニュース

ドイツ 炭疽の疑いの警告解除

ドイツでは金曜日、炭疽による攻撃が初めて行なわれたという疑い
が持ち上がり、不安と衝撃を巻き起こしたが、これは間違いである
ことが判明した。テューリンゲン州とシュレスヴィヒ・ホルシュタ
イン州で、第1回の検査では、生命を危機にさらす伝染病のバクテ
リア炭疽が発見された、と報じられた。ベルリンのローベルト・コ
ッホ研究所が再検査をした後、警戒は解除された。菌に似たものは
見つかったが、炭疽禁そのものは発見されなかった、この検査結果
は98%正確である、と同研究所長ラインハルト クルトは発表した。

     国内ニュース

グーセンバオアー 訪問外交問題で与党と対立

政府の「訪問外交」は国内政治紛糾の火種になるかもしれない。シ
ュタイアーマルク州閣僚のヒルシュマン(国民党)は、連邦大統領
トーマス クレスティルを「仕事の邪魔になる」と非難したが、社
会民主党党首アルフレート グーセンバオアーは大統領を擁護した。
一方自由党はグーセンバオアーを批判した。連立与党は、クレステ
ィルの真価をみくびっている、とグーセンバオアーは政府を批判し
た。連邦大統領が時の政府からこんなにぞんざいな扱いを受けたこ
とはない、と記者会見で彼は語った。


11月3日(土)

     国際ニュース

ビン ラディン 国連に絶望

テロの黒幕と目され、アフガニスタンに潜伏中のウサマ ビン ラ
ディンはアラブのテレヴィ局アル ジャジラで改めて今回の戦争を
「非イスラム」に対する戦いである、と語った。テレヴィ局が土曜
日放送したヴィデオで、彼は国連を激しく非難した。国連事務総長
コフィ アナンを彼は「犯罪者」と呼び、国連は(モスレム)に対
し犯罪を行なうものの道具である、と語った。また、国連に協力す
るアラブの政治家たちを彼は「信仰を失ったもの」と呼んだ。

     国内ニュース

大統領 訪問外交に関して副首相に返答

連邦大統領トーマス クレスティルは土曜日、自分は憲法の規定で、
国外に向けてオーストリアを代表している、と強調した。副首相ス
サネ リース・パサー(自由党)はテレヴィ番組で、クレスティル
の訪問外交に関する対立で、首相ウォルフガング シュッセル(国
民党)と外相ベニータ フェレーロ・ワルトナー(国民党)に態度
を明らかにするよう要求していたが、大統領府はこの要求に応えた
ことになる。


11月4日(日)

     国際ニュース

アフガニスタン問題に関する非公式首脳会談 ロンドンで開始

英国首相トニー ブレアが呼びかけた、アフガニスタン情勢をめぐ
る、ヨーロッパ各国首脳会談が日曜夜ロンドンで始まった。出席し
ているのは、英国首相の他、ドイツ、フランス、イタリア、スペイ
ン、オランダ、EUの代表である。ドイツ首相ゲアハルト シュレー
ダーは、数日前パキスタン、インド、中国を訪問し、半テロの国際
的な同盟に参加を呼びかけていた。ブレアは近東で支援を呼びかけ
た。ブレアとフランス大統領ジャック シラクは今週半ばにワシン
トンで米国大統領ジョージ W. ブッシュとの会談を行なうことにな
っている。

     国内ニュース

ハイダー チェコに拒否権発動すると強調

ケルンテン州首相イエルク ハイダーは日曜日の自由党の党大会で、
チェコのEU加盟に関して、拒否権を発動すると改めて強調した。彼
はテメリン原発に関して、「安全性確保の計画と中期的な廃止計画
が提案されないのであれば、チェコのEU加盟にははっきり反対であ
る」と語った。さらに彼はEU加盟諸国に対して、オーストリアに対
する制裁から生じた損害を賠償するよう求めた。副首相で連邦同党
主スサネ リースパサーも、チェコ政府に対する批判し、「チェコ
の住民と全く同じように、オーストリアや他のEU諸国も恐れをいだ
いているのです」と語った。


今日のニュースへ

過去のニュース(目次)へ inserted by FC2 system