12月3日〜9日のオーストリアのニュース

12月3日(月)

     国際ニュース

米国 カンダハルを長距離爆撃機で攻撃

南アフガニスタンの都市カンダハル攻防戦に、米国は月曜日B52型
爆撃機を再び投入し、夜から集中爆撃を行ない、イスラム急進派の
最後の拠点に対する大攻勢をかけた。この地域出身のパシュトゥン
人部隊は、同市の飛行場を攻撃し、急進派ウサマ ビン ラディン
の外国人警護兵との戦いを続けている、と発表した。

     国内ニュース

シュネルの発言に対する上級審の判決

ウィーン上級地方裁判所は月曜日、ザルツブルク自由党党首カール
 シュネルの「ごろつき」発言に対する有罪判決を下した。シュネ
ルは10万シリングの罰金を払わねばならないが、彼には謝罪する意
志はない。同裁判所は第1審の判決を支持した。担当裁判官トリー
プは判決理由の中で、「ごろつき」発言は政治的批判として許され
るものではなく、「行き過ぎ」であり、シュネルは大統領を名指し
で侮辱しようとした、と語った。


12月4日(火)

     国際ニュース

ブッシュ アフガニスタン以外でも軍事行動は可能と発言

米国大統領ジョージ W. ブッシュは昨日のテレヴィのインタヴュー
で、テロ組織との戦いという枠組みの中で、米国兵士をアフガニス
タン以外にも派遣することは可能だ、と語った。この番組の中で彼
は米国国民に、自分にはさまざまな選択が可能である、と明言し、
米国は10月7日からイスラム急進派のウサマ ビン ラディンが潜
伏していると見られるアフガニスタンで戦争を行なっている、と語
った。米国は、約4千人の死者を出した9月11日の攻撃の責任がビン
 ラディンにある、としている。

     国内ニュース

連立政府 連邦刑事局創設

連立与党自由党と国民党は火曜午後、内務委員会で連邦刑事局を
2002年1月1日に設置することを決めた。社会民主党と緑の党はこ
れに反対する方針である。そのため内務大臣エルンスト シュトラ
サー(国民党)が計画していた、連邦刑事局を単独の省庁にすると
いう目標は実現できないことになる。省庁にするためには4分の3
の賛成が必要であるからだ。連邦刑事局の主要任務は、基本的な調
整業務の他、資金洗浄や麻薬取引きとの戦いや、武器が発見された
場合にその保管と破壊である。その他、国際刑事警察機構、欧州刑
事警察のオーストリア局などが連邦検事局の建物に入ることになっ
ている。


12月5日(水)

     国際ニュース

米国 炭疽菌入りの手紙の事件で逮捕者

米国連邦警察FBIは、炭疽菌で汚染された手紙を人工中絶を行なう
病院に送りつけた容疑で、一人の男を逮捕した。容疑者クレイトン
 リー ワーグナーは逃走していたが、シンシナティで逮捕された。
彼は、炭疽を引き起こし死者を出す可能性を持つ手紙280通以上を
出した容疑がかけられている。連邦警察によれば、彼は米国の10大
手配者の1人である。彼は2月から逃走していた。

     国内ニュース

首相 テメリン協定を一方的に結ばないと発言

オーストリア首相ウォルフガング シュッセル(国民党)は、テメ
リン原発に関するチェコとのブリュッセル協定を、連立与党自由党
の合意を得ないで、一方的に話し合った、との情報を否定した。百
人を越える国会議員が交渉で成果を挙げることを望んでいた、と水
曜のテレヴィ番組で語り、国民議会での国民党と自由党の決定に言
及した。


12月6日(木)

     国際ニュース

イスラエルとパレスチナ 対話を再開

イスラエル人とパレスチナ人は、米国の仲介で、安全保障のための
会談を再開することで合意した。パレスチナ人の指導者ヤセル ア
ラファトは木曜午後ラマラで、米国も出席した会議を金曜日に行な
う、と発表した。米国特使アンソニー ツィニーは、イスラエル政
府が提出した33人のパレスチナ人活動家の名前をのせた一覧表を、
アラファトに示し、パレスチナ治安当局が彼らをテロ行為の容疑で
逮捕するように求めた、とも語った。パレスチナ治安当局によれば、
少なくともこの一覧に載っているうち7人を逮捕している。

     国内ニュース

首相 テメリン問題の交渉の余地はないと発言

首相ウォルフガング シュッセル(国民党)は、現チェコ政府とテ
メリン原子力発電所に関する交渉の余地はほとんどない、と発言し
た。チェコ首相ミロス ゼマンは、400億シリングを投資した原子
力発電所を稼働させないという要求は容認できない、という意見を
持っている、とシュッセルは新聞に語った。彼は、交渉は今後は
EUの枠内ではなく、両国相互で、チェコのEU加盟問題とは切り離
す形で行なうよう指示した。また自由党や野党が求めている操業停
止確認は、欧州環境条約に基づく検査という形で既に行なわれてい
る、とも指摘した。


12月7日(金)

     国際ニュース

アラファト パレスチナ人自治区を完全に掌握していると発言

パレスチナ大統領ヤセル アラファトは、パレスチナ自治区を以前
と同様完全に自分の支配下においている、と強調した。イスラエル
のテレヴィ局のインタヴューで、PLO議長の彼は金曜午後、イスラ
エルとの間で合意していた休戦を今後も続けるよう軍に詳しい指示
を出した、と語った。また彼は、パレスチナ人は急進派やテロリス
トと目される人物の逮捕にさらに努力をする、と語った。また彼は、
パレスチナ人に対して使用するための武器をイスラエルに対し提供
している米国を強く非難した。

     国内ニュース

カンドルホーファー 社会保険主要組合で権力を握る

ヨーセフ カンドルホーファー(54歳)が、社会保険組合の主要連
合の幹部会の代表になる見込みである。国民党と自由党は昨日午後
の経営委員会の会議で、9票対5票で、社会民主党と同党支持者の立
てた候補者ヨーセフ プロープストを破った。カンドルホーファー
の正式の任命式は12月21日に行なわれ、それまでは彼のとの交渉は
行なわれない。これにより、主要組合連合の主要役職すべては国民
党の代表で占められることになる。


12月8日(土)

     国際ニュース

パレスチナ側 イスラエルに圧力をかけるよう要請

パレスチナ自治政府は、イスラエルが最近行なったガザ地区への攻
撃の件で、イスラエル政府が空爆を中止するよう圧力をかけること
を米国に対し求めた。パレスチナを代表して交渉にあたったことの
あるサイエブ エレカトは、今回の攻撃と米国政府の今までの態度
を批判した。「私たちは、平和を求め、大統領ジョージ W. ブッシ
ュに働きかけています。みなさんは、イスラエル首相アリエル シ
ャローンには、攻撃をさせてはならない、この紛争を軍事的に解決
することはできない、と訴えてください」と語った。

     国内ニュース

連立与党 テメリン原発に関し政府決定

自由党が要請していたテメリン原発に関する政府決定が下された。
オーストリアの立場は、月曜日にチェコのEU加盟問題とエネルギー
問題を一括して話し合う、EUの閣僚会談で示されることになってい
る。連邦首相府は日曜日、政府のこの決定が、国民議会の本会議で
前日、連立与党の会派によって承認されたこの態度表明を後押しす
るものだ、と発表した。


12月9日(日)

     国際ニュース

近東 攻撃一時中断か

パレスチナ人急進派組織は日曜日、イスラエルに対し1週間の停戦
を提案したが、その直後これを撤回した。これに関する話し合いは
まだ続いているが、まだ合意には達していない、とパレスチナ大統
領ヤセル アラファト率いるファタハ組織とつながりを持つアル・
アクサ殉教旅団筋は伝えている。これ以前に、パレスチナ急進派組
織のいくつかが、イスラエルが西ヨルダンランドとガザ地区での攻
撃を中止するなら、1週間の休戦を行なうと提案していた。イスラ
エルはこれを拒否した、と安全保障の関係者は伝えている。

     国内ニュース

労組 センペリットをオーストリア持株会社に組み入れ要求

オーストリア労働組合連合は、トライスキルヒェナー センペリッ
ト製作所の閉鎖決定を、同国の産業の未来を危険にさらすものと見
ており、同社を持株会社に改組されたオーストリア持株会社が「吸
収」するよう求めた。政府はセンペリットの倒産をなす術もなく受
け入れている、と同労組連合会長フリッツ フェアツェトニッチュ
は語った。


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