12月10日〜16日のオーストリアのニュース

12月10日(月)のオーストリアのニュース

     国際ニュース

米国政府 ビン ラディンのヴィデオ公開

米国政府は、テロリストの指導者ウサマ ビン ラディンが9月11
日の攻撃について話をしている新しいヴィデオを公開することを決
定した。CNNは昨日米国政府筋の情報として、予定通りこのヴィデ
オを水曜日に公開する、と報じた。中立の立場の専門家が、このヴ
ィデオをアラビア語から翻訳を行なうことになっている。これによ
りあらかじめ米国政府により操作が加えられている、との非難をか
わすことができる。米国政府報道官フライシャーは、このヴィデオ
はビン ラディンが9月11日の攻撃に責任があることを明確に示し
ている、と発表した。

     国内ニュース

人権の日 基本的権利に憂慮

国際人権の日がきっかけになって、月曜日に国内、国際を問わずさ
まざまな組織や政党から批判の声があがった。基本的には、移民の
置かれている環境を憂慮するものであるが、特定の国の少数派に関
する不安も述べられた。9月11日の攻撃以降、米国で広がっている
事態も懸念されている。個人の基本的な権利を制限することがない
よう注意しなければならない、との発言が行なわれた。


12月11日(火)

     国際ニュース

イスラエルの攻撃を受け ガザ地区で3名死亡

イスラエルの戦闘用ヘリコプターがガザ地区のパレスチナの治安当
局の建物を攻撃し、パレスチナの病院の情報によれば、火曜日午後
少なくとも3人が死亡した。その30分後、ガザ地区南部のクハン 
ユニスの警察にヘリコプターがミサイルを打ち込み、17人の一般市
民と警官が怪我を負った、とパレスチナ治安当局は発表した。その
少し前米国の近東問題特使アンソニー ツィニーはイスラエルとパ
レスチナが会談を行ない、停戦を実現するよう呼びかけたばかりで
あった。

     国内ニュース

BSE検査結果 間違いの可能性

火曜のテレヴィ番組では、オーストリアで初めてのBSE発生の事例
では、検査ミスの詳細が報道された。この獣医は検査方法を間違え
た、とマルティンベルクの屠殺場の所有者は語った。また彼は、こ
の屠殺場の肉はその後も出荷されたことも認めた。これは適切な時
間にすべて回収された、とされていた。獣医の代表は取り違えの理
由として人材不足を挙げ、獣医を雇うには金がかかるが、屠殺場は
節約したがっており、法律で獣医を参加させることを義務づけても、
守られていない、と語った。


12月12日(水)のオーストリアのニュース

     国際ニュース

ビン ラディンのヴィデオ公開を疑問視

米国大統領ジョージ W. ブッシュは、原理主義者の指導者ウサマ 
ビン ラディンが米国のテロ攻撃に責任があることを証明するヴィ
デオテープの公開を行なうかどうかをまだ決めていない。目下のと
ころ国防省が、このテープ自体が公開されるべきかどうか、もし公
開されることになったらそれはいつかを検討しているが、ブッシュ
は公開に基本的には賛成している、と政府報道官フライシャーが昨
日発表した。国防省報道官クラークは、このテープのビン ラディ
ンの声の一部は聞き取るのが難しく、さらにテープの入手経路が漏
れないよう万全の措置を講じなければならない、と語った。CNNは、
今日このテープが公表される予定だ、と発表した。

     国内ニュース

国民党と自由党 安全保障基本方針を承認

一日がかりの激しい論戦の後、国民議会の委員会では水曜午後、安
全保障の基本方針に関する対立が続いた。主として、4党による合
意が成立しなかった責任は誰にあるか、という問題がこの対立を作
り出した。数ヶ月にわたる交渉の末、最終的には国民党と自由党だ
けが合意した。新方針は、中立を同盟に加わらないことだと定義し
なおしている。NATOに加盟するとの選択肢は考慮するにとどめら
れた。野党はこれが理由で賛成しなかった。


12月13日(木)のオーストリアのニュース

     国際ニュース

EU首脳会談 ベルギーのラーケンで始まる

近東紛争、テロ組織との世界各国の戦い、不透明な景気の見通しな
どの状況を抱えながら、EU加盟15ヶ国の政府および国家の代表が金
曜日にブリュッセルで首脳会議を行なうために集まった。ベルギー
がEU議長国としてEU改革問題について口火を切るが、この会談は全
ヨーロッパでの特許問題から、エコポイントの新規定まで数多くの
議題が山積みになっている。連邦首相シュッセル(国民党)は、原
子力発電の安全性を議題として取りあげる方針である。

     国内ニュース

英国のBSE検査で オーストリアでも陽性確認

EUの研究所がオーストリアでのBSE発生を確認した。
これは公式発表である。「オーストリアのグロース ヘーバルテン
でBSEの最初の症例が発見された。英国ウェイブリッジにあるEUの
研究施設から、陽性という試験結果が確認された。」
BSEと養豚飼料問題で、国民議会は金曜、新たな動物用薬品管理法
を承認する方針である。動物用薬品の処方について細かく規定され、
濫用にはより厳しい刑罰が課される。この法案は1週間前にようや
く公表されたため、野党、獣医、消費者、動物愛護家の反対を受け
ている。


12月14日(金)のオーストリアのニュース

     国際ニュース

首相 国民には炭疽の危険はないと発言

木曜午後に、ウィーンの米国大使館の外交官の郵便を集めた袋の中
から炭疽菌が発見されたと報道されてから、不安が高まってきた。
首相と内務大臣が事態の鎮静化につとめている。「国民には危険は
ない」と首相ウォルフガング シュッセル(国民党)がブリュッセ
ルから語りかけた。内相エルンスト シュトラサー(国民党)は外
交官の郵便が普通の郵便と混じることは決してない。何故大使館に
炭疽菌が入ったのかはまだ分かっていない」と発表した。

     国内ニュース

EU首脳会談 レーケン宣言を出して終了

EUの将来に関する宣言を出し、ブリュッセルのレーケン城で開かれ
ていたEU首脳会談は今日終了する。レーケン宣言は、EU改革交渉の
第1歩となるものである。そのために、加盟各国、EU理事会、欧州
議会、各国議会の代表からなる広範な話し合いの場を設けて、案を
まとめることになる。EUが新規加盟国を受け入れることにしている
2004年までには改革は終了することになっている。


12月15日(土)

     国際ニュース

イスラエル軍 パレスチナ人居住地を攻撃

イスラエルは夜のうちに、ガザ地区と西ヨルダンランドのパレスチ
ナ人居住区に対する攻撃を改めて行なった。イスラエルのラジオに
よれば、アパッチ型ヘリコプターが、ガザ地区北部のジャバリヤの
難民施設を攻撃した。パレスチナ側の情報として、4発のミサイル
が同地の警察の建物に命中した、と報じている。またこの攻撃はパ
レスチナ人が昨日午後同地で行なった臼砲攻撃への報復である、と
も伝えている。

     国内ニュース

EU理事 農業政策を擁護

EU農業担当の理事フランツ フィシュラーは土曜日、リヒテンシュ
タインの事務所で、農家に対する直接支払制度を擁護する発言を行
なった。ただしこの制度は改良しなければならない、との意見も述
べた。「作物を作ることだけが農家の仕事なわけではない」と彼は
強調した。農家は社会の利益になる仕事、例えば風景の保護を行な
っており、そのため社会がその費用を負担しなければならない、と
税金から直接支払い金を農家に払うことを正当化した。


12月16日(日)

     国際ニュース

アラファト 自爆テロをやめるよう命令

パレスチナ人の指導者ヤセル アラファトは、イスラエルを目標に
したあらゆる軍事行動の中止と、自爆テロをやめるよう命令し、イ
スラエル人に和平交渉再開を呼びかけた。彼は、自分はずっと自爆
テロを批判している、と日曜午後国民と世界に向けた演説の中で語
った。また彼はイスラエル指導部を非難し、パレスチナ人に対する
「不当な戦争」を行なっているが、イスラエル人はパレスチナ人を
屈伏させることはできないだろう」とも語った。アラファトはCNN
で放送された番組では、テロ行動を行なっているパレスチナ人組織
は非合法である、とも語った。

     国内ニュース

グーセンバオアー 自由党のテメリン原発対策を批判

チェコの原子力発電所テメリンに反対して自由党が計画している国
民投票を、社会民主党党首グーセンバオアーは昨日激しく批判した。
彼は、自由党はこの問題の裏に隠れ、直接民主主義の制度を濫用し
て、自らの「反ヨーロッパ政策」を推し進めようとしている、とテ
レヴィ番組で語った。自由党は原発の安全性に関心はなく、チェコ
のEU加盟を阻止したいだけであり、自分はこの国民投票を支持する
つもりはない、とも語った。


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