12月17日〜23日のオーストリアのニュース

12月17日(月)

     国際ニュース

米国 パレスチナ人国家支援は可能と発表

米国は、パレスチナ大統領ヤセル アラファトが、イスラエルに対
する暴力を中断させるなら、パレスチナ人国家を創設する上で支援
をすることを検討する、と発表した。外相コリン パウエルは昨日、
イスラエルは和平協定を結ぶ前に占領していたヨルダンランドとガ
ザ地区から撤退し、ユダヤ人入植地の新規開発を中止しなければな
らない、という立場を米国政府は今後も維持する、そして和平交渉
を始める前にこれを実際の行動で示してもらいたい、と語った。

     国内ニュース

憲法裁判所副長官 事実に即した批判を求める

憲法裁判所副長官カール コーリネクは月曜日テレヴィ番組で、憲
法裁判所は批判を免れているわけではない、との意見を述べた。た
だし彼は、憲法裁判所は政治的な判断を下している、との非難を退
け、同裁判所の判断は受け入れねばならない、と語った。憲法裁判
所の認識ももちろん批判の対象になるが、その批判は事実に即した
ものでなければならないし、最終的には判断は尊重され、そして受
け入れられねばならない、と語った。


12月18日(火)

     国際ニュース

パレスチナ自治当局 ハマスの事務所6カ所を閉鎖

パレスチナ自治当局は火曜日、ガザ地区にあるイスラム急進派ハマ
スの事務所6カ所を閉鎖した。事務所の塀に赤く「自治当局の指示
により閉鎖」と書き、約30名の治安部隊が事務所を閉鎖した。また
パレスチナ治安部隊の隊員8人がガザ地区で逮捕された。その理由
として警察は、彼らが停戦に従わなかったためだ、と発表した。特
にユダヤ人入植地へ攻撃を行なった、との容疑が彼らにはかけられ
ている。パレスチナ大統領ヤセル アラファトは日曜日のテレヴィ
演説で、反イスラエルの攻撃と自爆テロをやめるよう求めていた。
ハマスはこの呼びかけを拒否していた。

     国内ニュース

村落名標問題で国会議長 ハイダーを批判

国民議会議長ハインツ フィッシャー(社会民主党)は、議論にな
っている村落名標問題に関連して、これを「基本的な規則」として
維持するように、と語った。ケルンテン州首相イエルク ハイダー
(自由党)の名前を出すことなかったが、彼は火曜午後、最高裁の
判決に対する侮辱したり、憲法裁判所長官に対する辞任要求は、法
治国家や憲法裁判所の汚すことのできない役割の重要性を擁護する
人が守らねばならない一線を踏み越えるものだ、と語った。


12月19日(水)

     国際ニュース

トラ ボラ 死体数百が散乱

数百人の遺体が東アフガニスタンの山岳地帯トラ ボラで見つかっ
た、と反タリバン兵は伝えている。遺体はあちこちに放置されてい
る、とのことである。また別の指揮官によれば、アフガニスタン民
兵はパキスタン国境の往来が容易ではない山岳地帯で、アル カイ
ダ兵の捜査を続けている、とのことである。また別の情報によれば、
トラ ボラの迷路になった洞窟を捜査したところ武器庫があり、15
の地対空ミサイルと弾薬が見つかった。

     国内ニュース

郵便局 当面は閉鎖せず

今後半年で650の郵便局を閉鎖するとの予告が出されているが、こ
れは延期されることになりそうである。州や地方自治体が反対して
いるだけでなく、基盤整備省もこれを阻止しようとしている。計画
通り閉鎖が実行されると、郵便局が統合され、大きな問題がでてく
る可能性がある、との報道が行なわれた。郵便事業の最高責任者ア
ントン ワイスは、2001年前半だけで約650の郵便局を閉鎖した
い、と最近語っていた。


12月20日(木)のオーストリアのニュース

     国際ニュース

アルゼンチン大統領 辞任

政府筋の情報によれば、アルゼンチン大統領フェルナンド デ ラ
 ルーアは、同国内の社会不安の責任をとって辞任した。「確かに
彼は辞任した」と昨日ある政府関係者がロイター通信に対して語っ
た。政権与党UCRの上院議員団長カルロス マエストロは、他の通
信社に対して、デ ラ ルーアは数時間後には辞表を国会に提出す
る意向である、と語った。数時間前政府報道官ホアン パブロ バ
イラックは大統領の辞任は絶対ない、と発言したばかりであった。

     国内ニュース

社会保険主要組合連合経営首脳部 決定

社会保険組合の主要連合は金曜日、公式に新取締役会を決定する。
実質的な最高首脳会議は、おそらく3人体制になる。代表には今ま
で建築業界社会保険会社の最高責任者であったヨーセフ カンドル
ホーファー(国民党)が就任する。暫定取締役にはヨーセフ プロ
ープスト(社会民主党)と今までケルンテン地域健康保険の取締役
代行を務めていたエーリヒ ニシェルビッツァーが就任する。公式
には経営管理委員会にこの取締役の案が提出され、午後に記者会見
が行なわれる。就任の期日は1月初めである。


12月21日(金)

     国際ニュース

イスラム聖戦 攻撃を行なう可能性

急進派パレスチナ人組織「イスラム聖戦」は金曜午後、イスラエル
に対する自爆テロを続行するかもしれない、と発表した。同組織は、
目的を達成するためにこの問題を熟慮している、とイスラム聖戦の
幹部であるナフェズ アッサムはガザ市でロイター通信社に対して
語った。ただしこの決定は最終的には外国にいる同組織の幹部によ
って下される、と彼は語った。パレスチナ解放民主戦線の一人は、
イスラム聖戦の幹部との会談後、イスラム聖戦側はこの決定が下さ
れるまでは攻撃はこれ以上行なわないと言っていた、と発言した。

     国内ニュース

村落名標問題 法相も憲法裁判所の判決を支持

連邦首相ウォルフガング シュッセル(国民党)は、憲法裁判所が
最近下した村落名標判決に関する対立で、自由党よりの法務大臣デ
ィーター ベームドルファーは、間接的ながら憲法裁判所長官ルー
ドヴィヒ アダモヴィチを支持した、と語った。ベームドルファー
は、憲法裁判所の関係者には非の打ち所がない、と見ている、と語
った。土曜の新聞で、「私の見方では、憲法裁判所のすべての人物、
本当にすべての人物には問題がなく、他人の意見に政治的に屈する
はずがない」と語っていた。


12月22日(土)

     国際ニュース

機上に爆弾 米国機ボストンに引き返す

パリからマイアミに向けて飛んでいたアメリカン航空の飛行機が、
昨日乗客が爆発物を持っていたため、ボストンに着陸した、と米国
航空省は発表した。ボストン空港の空港長トム キントンは記者会
見で、この乗客を取り押さえた乗組員は、重大な事件が発生するの
を防いだ、と語った。この男は少量の爆発物を靴の中に隠しており、
偽造パスポートを持ってこの飛行機に乗り込んでいたが、逮捕され
た、とのことである。

     国内ニュース

カリタス 家族呼び寄せの制限に反対

カリタス議長フランツ キューベルルは、外国人が家族を呼び寄せ
ることに関する制限を廃止することに賛成した。2002年から外国人
の子供を国内に呼び寄せることが5,490人までに制限されるが、既
に1万1千人が許可が出るのを待っている。土曜日テレヴィ番組で彼
は内務大臣エルンスト シュトラサー(国民党)に対し、家族と一
緒にいるのは人権の一つである、と訴えた。


12月23日(日)

     国際ニュース

パキスタンとインド 国境へ軍を移動

パキスタンとの紛争状態にあるインドは日曜日、国境地帯への戦闘
を行なう兵士も含む軍の配備を行なった、との情報がある。パキス
タンも国境地帯に部隊を配備したことを認めた。インドの通信社
PTIは、インド国防相ジョージ フェルナンデスの言葉として、イ
ンドの戦車部隊と砲兵隊が、パキスタンと国境を接するパンジャブ
とラージャスターンに配備された、と伝えている。またパキスタン
はこの前に支援部隊と戦闘部隊を国境のほうに派遣した、とも伝え
ている。一方パキスタン軍の報道官は、パキスタンの行動はインド
軍の移動に対抗するものだ、と語った。中国のF7PG型戦闘爆撃機
10機が今週、カシュミール地方に配備されており、パキスタンは
来週中国から20機を追加購入する方針である、とも発表した。

     国内ニュース

村落名標問題 首相は取引きは考えられないと発言

連邦首相ウォルフガング シュッセル(国民党)は、ケルンテン州
首相イエルク ハイダー(自由党)が村落名標を2ヶ国語で書くこ
とをやめ、代わりに少数派の権利を別の形で守ることにしようと提
案していることに対し、懐疑的な態度を取った。憲法裁判所の判決
は絶対に変わらないし、これは現行法に則ったもので、政治的な取
引きをすることは考えられない、と彼は新聞のインタヴューに答え
た。彼はケルンテン州自由党が目指している少数派の補助金をきっ
ぱり拒否した。


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