12月24日〜30日のドイツのニュース

12月24日(月)

内外からシャローンへ非難の声

(テル アヴィヴ)イスラエル首相アリエル シャローンは、パレスチナ大統領ヤ
セル アラファトが1995年以来続けていたベツレヘムでの深夜の礼拝への参加を
禁止したが、これに対し、内外からの批判が相次いだ。シャローンは、アラファト
がイスラエル観光大臣レハヴァム ゼエヴィを殺害した犯人を逮捕することを、旅
行の許可を出す条件としていた。EUと米国はシャローンに、この決定を撤回する
ように求めていた。ヴァチカンはこの決定を批判し、イスラエルは横暴である、と
発表した。イスラエルの閣僚からも反対の声があがっている。
西ヨルダンランドでは、パレスチナ人がイスラエル人入植者を攻撃し、死者とけが
人がでた。

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飛行機爆破容疑者 起訴

(ボストン)米国航空機内で墜落を図って失敗した事件から2日た
ち、28歳の容疑者はマサチューセッツ州で起訴された。判決では
最長20年までの拘禁と高額の罰金刑が言い渡される可能性がある。
この容疑者の身元はまだ完全には判明していない。彼は、パリから
マイアミに向かうボーイング767型機の中で、靴に隠した2つの爆
弾にマッチで着火しようとした。欧米の飛行場の多くではこの事件
以来、乗客の靴を無作為に選んで検査している。

ウズベキスタン将校 アフガニスタン軍の指揮官に

(カブール)アフガニスタン暫定政権首相カルザイは、ウズベキス
タンの将軍ドスタムを同国国防相代理として政府に迎えた。これは
同国軍結成の第1歩である、とカルザイは語った。これで同国の閣
僚は31人となった。北アフガニスタンマザリシャリフを軍事的に
支配下に収めているドスタムは、政府の要職がほとんどタジキスタ
ンの民族集団の代表で占められていることを批判していた。

パキスタン 急進派に対し断固たる措置を取る方針

(イスラマバード)パキスタン大統領ムシャラフは、14人の死者を
出したインドがニュー デリーの国会襲撃事件にイスラム急進派組
織が関与していたという証拠を提示するなら、彼らに対して断固と
した措置を取る方針である、と報じられている。パキスタン中央銀
行は、急進派組織の「ラシュカレタイバ」と「ウマタメレナウ」の
全国の口座を封鎖する、と予告した。米国政府は両組織はアル カ
イダに核兵器に関する情報をていきょうした、と非難している。イ
ンド軍はカシュミールの国境での戦闘で十数個の壕を破壊した模様
である。数日前から両国はこの紛争地域の武力を強化している。


12月25日(火)

パキスタンのモスレムの武装集団の指導者逮捕

(イスラマバード)パキスタン警察はモスレムの武装集団の首領ジャイシェモハメ
ドを逮捕した。彼はインドがニュー デリーの国会襲撃事件に責任があるとしてい
る人物である。政府高官によれば、正式な手続きはまだ始まっていない、とのこと
である。インド政府はパキスタンに、この組織と急進派組織ラシュカレトイバに対
して対策を講じるように求めていた。核保有国である両国は、問題の国境地域カシ
ュミールで銃撃戦が行なわれてから、軍備を強化している。インドは大使をパキス
タンのイスラマバードから引き上げた。インド首相アタル ベハリ ヴァジパイは、
緊張が高まっている現状を見て、パキスタンは隣国インドにさらに戦争を仕掛けよ
うとしているようだ、と語った。

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トルコ 国連保安部隊の指揮権を引き継ぐ意向

(アンカラ)トルコは、アフガニスタン国際保安部隊の指揮権を英
国から引き継ぐ準備を進めている、と発表した。トルコ首相ビュレ
ント エジェヴィットに近い筋からの情報では、これに関連する照
会を十分に検討している、とのことである。一方米国B52爆撃機が、
カンダハルの北にあるアル カイダの武器庫とみられる場所や洞窟
を爆撃した。米国防省によれば、兵士がトラ ボラの洞窟の中へと
入り込み、ビン ラディン捜索の準備を進めている、とのことであ
る。
チェチェン軍指揮官ラドゥエフ 終身刑

(モスクワ)チェチェン反乱勢力ラドゥエフはロシアの裁判所から、
テロ、殺人、誘拐の罪で終身刑が言い渡された。共に訴えられてい
た3人は5年から15年の拘留であった、ラドゥエフは1996年、多数
の武装チェチェン人と南ロシアのキスルジャールの病院を襲撃し、
数百人の人質を取った。その後人質と共に逃走した。ロシア特殊部
隊が暴力を用いてこの人質事件に決着をつけたが、その際市民兵士
78名が死亡し、約200人が怪我をした。昨年3月にはラドゥエフは
チェチェンで逮捕された。

イスラエルとヨルダンの国境で銃撃戦 死者発生

(テル アヴィヴ)イスラエルとヨルダンの国境地域で事件があり、
イスラエル人兵1人と犯人と目される2人が死亡した。イスラエルは、
ヨルダンから侵入してきたパレスチナ人急進派による犯行と見てい
る。ヨルダン政府はこれを否定している。急進派パレスチナ人「イ
スラム聖戦」は、イスラエルで自爆テロを中止する準備を進めてい
る模様である。首相シャローンは国際的な批判にもかかわらず、パ
レスチナ大統領アラファトがクリスマス後にラマラを離れることを
認めない、との声明を出した。


12月26日(水)

インドとパキスタン 戦争準備中

(ニュー デリー、イスラマバード)核兵器保有国であるインドとパキスタンは、
両国が戦争の準備を進める中、再燃したカシミール紛争を外交的に緩和するために
提案を行なう方針を示した。インド外務大臣ジャスワント シンは、首相アタル 
ビハリ バジパイがパキスタン大統領ペルヴェズ ムシャラフと1月初めにネパー
ルで開かれる東南アジア首脳会議で話し合いを行なう、との情報を認めた。国連事
務総長コフィ アナンは両国に対し、対立を平和的に解決するよう訴えた。
カシミールの国境地帯で新たな戦闘が起こった後、インドは中距離ミサイルを配備
し、部隊を増強したことを公式に認めた。それに対しパキスタンは国境地域にミサ
イルを配備したとの情報を否定した。
今回の緊張の高まりは、インド国会が2週間前に襲撃されたためである。インドは
この事件の責任は、パキスタンが支援しているイスラム急進派にある、としている。
パキスタンはこれらの組織の一つの指導者を逮捕した。

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米国 カシミール地方の2つの組織をテロリストと判断

(ワシントン)米国は、12月13日にニュー デリーの国会を襲っ
たとインドが考えている2つのモスレムの組織をテロ組織と判断し
た。外相パウエルは、ラシュカレタイバとジャイシェモハメドをテ
ロ組織であると宣言した。両組織はインドのカシミール地方をイン
ドから分離するため、パキスタン側から働きかけている。

ビン ラディン支持者 アフガニスタンで活動続行

(カブール)アフガニスタン南部のカンダハル周辺やパクティア州
には、ビン ラディンのテロ組織アル カイダの拠点がまだある、
と外相アブドゥッラは語った。また、国際アフガニスタン保安部隊
の大半は数日中に集結する予定で、戦略上の細かい点は、指揮をと
る英国と話し合っている、とも彼は語った。

取り押さえられた容疑者 アル カイダと接触があった模様

(ワシントン、ロンドン)土曜日米国の航空機で取り押さえられた
暗殺犯は、アフガニスタンのビン ラディンの教育施設で訓練を受
けていた、と報じられた。捕虜になったアル カイダの戦士が、こ
の男の写真を見て確認した、と米国のテレヴィ局が報じた。ロンド
ンでは、この28歳の英国人の容疑者は、刑務所にいた間にイスラム
に改宗した、と報じている。この男はパリからマイアミへ向かう飛
行機の中で、靴にマッチで火をつけようとして乗客乗員に取り押さ
えられた。


12月27日(木)

印パ お互いに制裁を予告

(ニュー デリー、イスラマバード)世界各国から慎重な行動を求める声があがる
中、核兵器保有国であるインドとパキスタンの緊張は高まっている。両国は相手国
からの飛行機の領空通過を拒否し、双方の大使館の人員を半分引きあげる、と発表
した。両軍の国境地帯への配備強化は続いている。インド外務大臣ジャスワント 
シンは戦争が始まる可能性があると語ったが、その理由については言及しなかった。
パキスタンは軍事面での準備は防衛のためである、としている。政府報道官は、核
兵器の使用はない、と語った。
インドは、2週間前のニュー デリーでの国会襲撃事件の背後にいるイスラム急進
派組織を支援しているのはパキスタンではないかという疑いを持っている。パキス
タンはこれを否定している。

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ビン ラディン テロを行なうと威嚇

(ドーハ)急進派ビン ラディンは新たなヴィデオで、米国にさら
なるテロ攻撃を行なうと威嚇した。アラブのテレヴィ局アル ジャ
ジラが木曜日完全な形で公開したテープには、彼が現在どこにいる
かを示す情報は含まれていなかった。このヴィデオは2週間程前の
ものであろう、とテレヴィ局は発表した。アフガニスタン首相カル
ザイは、ビン ラディンはパキスタンのイスラム急進派に保護され
ているとの国防省の情報を否定し、彼の現状について政府は何も情
報を持っていない、と語った。

米国 アフガニスタンでの被抑留者を米国へ運ぶ方針

(ワシントン)米国はアフガニスタンで捕らえたタリバンとアル 
カイダの兵士をキューバのグアンタナモ基地に抑留する方針である。
国防相ラムズフェルドは、既に準備が進んでおり、準備完了まで後
数週間であることを認めた。また彼は、この基地で被抑留者を軍事
裁判にかける計画はない、とも語った。公式発表によれば、米軍は
タリバンとアル カイダの元兵士と見られる45人を抑留している。

アフガニスタンではイスラム法施行続行

(カブール)新アフガニスタン政権もイスラム法シャリアを用いる
方針である。しかし判決はタリバン政権かでの判決より、柔軟なも
のになる、と法相アブドゥル ラヒム カリミは語った。新政府が
どのような刑罰を予定しているのかは不明である。シャリアの廃止
はアフガニスタンの住民の多くに理解されないだろう、とも彼は語
った。


12月28日(金)

アフガニスタン調査部隊 出発延期

(ベルリン、ロンドン)国際アフガニスタン保安部隊の調査部隊の出発は遅れ、日
曜夜になる模様である。その理由として、カブールのバグラム空港には安全管理上
の問題がある、と国防軍司令部の報道官カール・ヘニング クレーガーは語った。
この任務には国防軍の8人の将校が参加する。保安部隊の攻勢をめぐるロンドン会
議は首尾よく終わった、と彼は語ったが、詳細は説明しなかった。彼は「ドイッチ
ェ ヴェレ」に、アフガニスタンに派遣される予定の国防軍の兵士は十分な準備を
し、また十分な装備をしている、と語った。

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アフガニスタン政府 米国の攻撃に明確な態度を示さず

(カブール)アフガニスタン新執行部内で、米国がテロ組織と闘う
ために、今後も攻撃を続けることに関して立場の違いが明確になっ
てきている。復興相アミン ファルハングは、ドイツのテレヴィ局
に対し、暫定政府は米軍の活動により強い影響を与えるように求め
ており、国内の国際テロ組織を壊滅させるため、米国その他の協力
が必要だ、と語った。一方国防相カシム ファヒムの報道官は、同
国政府が中止を要請するまでの間に限って、米国は空爆を行なうべ
きだ、との声明を発表した。

パキスタン インドとの対話再開を準備

(イスラマバード)パキスタンはインドとの紛争で緊張緩和のため
の努力を行なっている。同国大統領ムシャラフは、パキスタンは決
して戦争を始めることはないし、1月ネパールで開かれる南アジア
首脳会談でインド首相ヴァジパイと会談する準備を進めている、と
語った。国際社会は両核兵器保有国の緊張が高まりに対し、大きな
圧力をかけていた。主要工業国7ヶ国とロシア、EU、イスラム諸国
は、両国に対し対話を再開するように呼びかけた。独外相フィッシ
ャーも、両国の外相と電話会談を行なった。インドは12月13日の
ニュー デリーで国会が襲撃された事件で、カシミール地方の武装
モスレム組織が裏で糸を引いていた、と見ている。

ポルトガル国会 解散総選挙へ

(リスボン)ポルトガル大統領サンパイオは国会を解散し、3月17
日に選挙を前倒しして行なうことにした。彼は、社会党所属の首相
グテレスの辞任後、国会に議員を送っている政党のどれにも政権担
当能力がない、と語った。グテレスは、社会党が地方選挙で大敗し
たため、先週辞任していた。本来は国会議員選挙は2003年10月に
行なわれることになっていた。


12月29日(土)

騒乱の責任を取り アルゼンチン政府 辞表提出

(ブエノス アイレス)アルゼンチンでは、支出削減政策に対する抗議が暴動にま
で発展したため、暫定政権の全閣僚が辞表を提出した。閣僚筋の情報では、現大統
領アドルフォ ロドリゲス サーは、これにどのように対処するか態度を決めてい
ない。大統領顧問のカルロス グロッソは夜のうちに職務を放棄した模様である。
ブエノス アイレスのデモ隊は国会の建物の中に侵入し、銀行や商店から略奪を行
なった。彼らは政府の腐敗を糾弾している。さらに彼らは、一月に個人一人につき
千ドルまでに制限されている、銀行の支払業務の制限を撤廃するように求めている。
アルゼンチン株式市場は金曜日、第2通貨「アルゼンティーノ」を導入する計画に
反応し、大きく下げていた。世界銀行と国際通貨基金は話し合いの用意がある、と
表明している。

     その他のニュース

インド 越境テロの終結に固執

(ニュー デリー)インド・パキスタン紛争で事態の緊張緩和は近
くはない。分断されたカシミールでは数時間にわたる交戦が行なわ
れた、と報じられた。インド首相ヴァジパイは、部隊の配備は進め
ているがパキスタンとの戦争は避ける方針だ、と約束し、インドは
パキスタンが始めた国境を越えたテロを止めるためにあらゆる手段
を取る、と語った。パキスタン当局が既に50人の急進派モスレムを
逮捕したとの報道を、インド外務省はまず確認を取ることにしてい
る。パキスタン政府筋の情報では、衝突が激化した場合、反テロ部
隊をアフガニスタン国境からひきあげる可能性がある。パキスタン
ではインドのテレヴィ放送の受信が禁止された。

カシミール紛争 アフガニスタン問題にも悪影響か

(ワシントン、ベルリン)米大統領ブッシュはパキスタンに、イン
ド国会を攻撃したイスラム急進派に対し厳しい措置を取るよう求め、
彼らは印パ戦争を扇動し、反テロ同盟の分裂を図っている、と語っ
た。ブッシュは電話でインド首相ヴァジパイとパキスタン大統領ム
シャラフに慎重な行動を取るよう求めた。EU外交安全保障委員ソラ
ナは、カシミール紛争がこの地域全体を不安定にし、アフガニスタ
ンで反動的な動きが強まることに懸念を示し、アフガニスタン政府
が分裂し、国連多国籍保安部隊が2つの戦場の間に置き去りにされ
るのは由々しき事態である、ボンで開かれたアフガニスタン会議で
の合意にもかかわらず、危険は残っている、と新聞に語った。

国防軍の計画 770人の部隊をアフガニスタンに派遣

(ベルリン)国防軍は、国際保安部隊に参加しアフガニスタン国内
で活動する兵士の数を770人と計画している。国防軍報道官は、こ
れ以外に、物資の空輸の積み下ろしなど、アフガニスタン国外にも
兵が駐留し、ドイツ兵の第1陣は日曜夜に出発するが、アフガニス
タンの空港事情により、出発がさらに延期される可能性もある、と
語った。全部で8人のドイツ将校が国際調査部隊に参加する、とも
発表した。1月にはドイツは約250人の落下傘部隊からなる先遣部
隊をカブールに派遣する方針である。


12月30日(日)

調査隊 1月1日にアフガニスタンへ出発

(ボン)国防大臣ルドルフ シャルピングによれば、国際保安部隊の調査隊は1月
1日にアフガニスタンへ向け出発する。国防軍の兵士約200人からなる先遣隊は予
定より遅れて出発するが、1月上旬には活動を開始する、とボンで開かれた軍首脳
の会議後彼は発表した。ドイツ海軍の6隻の艦船は水曜日に出発し、テロ組織の逃
走路あるいは補給路と見られているアフリカの角で、その道を断つことになってい
る。
市民の側もドイツでは主として教育および医療の分野でアフガニスタンに貢献する
方針である。アフガニスタン政府の要請があれば、警察及び行政の再建にも協力で
きる、と連邦開発援助大臣ハイデマリー ヴィークツォレック・ツォイルは語った。

     その他のニュース

カブール地域の保安部隊に関する合意成立

(カブール)英国軍司令部は、国連保安部隊の任務の詳細に関して、
アフガニスタン政府との合意に達した。それによれば外国人兵士は
カブール近郊の空港の安全確保にあたることになる。アフガニスタ
ン外相アブドゥラ アブドゥラは、同国政府は長期的には国連兵を、
他の地域に派遣することにも賛成した。英独は、派兵をカブール周
辺へ限定することに賛成していた。

パキスタンでイスラム急進派の指導者 逮捕

(イスラマバード、ニュー デリー)AFP通信社によれば、パキス
タンで武装モスレム組織ラシュカレタリバの幹部が逮捕された。イ
ンドはこの組織に先日の国会襲撃事件の責任があると見ている。こ
の幹部ハフィツ モハメド サイードが暴動を引き起こした、とい
う治安当局高官の言葉をこの通信社は伝えている。ほぼ1週間前、
パキスタン当局はイスラム急進派の預金を凍結していた。一方イン
ドでは、パキスタンとの戦争になった際には、全政党が政府を支持
する方針である。内閣は、野党と政争を一時中断することで合意し
た、ただし軍事行動は最後の手段である、と発表した。

リマ 大火事で少なくとも240人が死亡

(リマ)大晦日用の花火が爆発し、ペルーの首都リマの歴史のある
中心部が大火災に襲われた。今までに少なくとも240の遺体が見つ
かり、30名ほどが行方不明である。約140人が負傷し生命の危機に
ある、と市民救護組織は発表した。ある商店で、花火の検査が行な
われていた模様である。火事は素早く隣接する旧市街に燃え広まっ
た。大統領トレドは国民に喪に服すよう求めた。独大統領ラオは弔
電を打った。


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