12月24日〜30日のオーストリアのニュース

12月24日(月)

     国際ニュース

アラファト ベツレヘム訪問断念

パレスチナ大統領ヤセル アラファトは、ベツレヘムのイエス生誕
教会でのクリスマス礼拝に出席するのを断念した。テレヴィのイン
タヴューで、彼は月曜午後、イスラエルによる出席妨害を「犯罪」
である、これが原因で、自分とパレスチナ人の、持続的で公正な和
平を見つけるという決意を鈍らせることはない、と語った。
イスラエル政府はアラファトに、同国観光大臣レハヴァム ゼエヴ
ィを殺害した犯人を逮捕するよう求めていた。アラファトは、自家
用ヘリが破壊され、外へ通じる道路が封鎖されてからは実質的に自
宅拘禁状態にある。アラファトが一週間前慎重に停戦を命じたが、
イスラエルは彼がテロ組織せん滅のために十分な対策をとっていな
い、と非難している。

     国内ニュース

賃上げ交渉で労組議長 悪い兆候と発言

オーストリア公勤務労働組合議長フリッツ ノイゲバオアーは、次
回公務員賃上げ交渉で「悪い兆候がある」と語った。新聞のインタ
ヴューで彼は、2002年の物価上昇分の追加賃金が「はっきりした
額」が支払われなければならない、と求めた。物価上昇は来年2.6%
であって、予想の1.6%を上まわるため、2003年の通常賃金交渉に
それが付け加わることになる、とも語った。


12月25日(火)

     国際ニュース

タイムズ紙 飛行機爆破容疑者 軽い刑罰を犯した

飛行機爆破の容疑者リチャード ライドは英国で軽い犯罪を犯し、
刑務所でイスラムに改宗した、とタイムズ紙が報道した。この28歳
の容疑者は、米国連邦警察がスコットランド・ヤードに送った指紋
で身元が確認された、とのことである。その記事によれば、ライド
はロンドンの南東の郊外ブロムリーで、ジャマイカ人のちちと英国
人の母の間に生まれた。ひったくりなどの軽い犯罪をいくつか犯し
たため、何度か刑務所に入れられ、そこでイスラムに触れた、との
ことである。彼は定期的にブリクストンのモスクに通ったが、そこ
には9月11日の事件の共謀者と見られるモロッコ系フランス人ザカ
リアス ムサウイも通っていた。ムサウイは8月中旬に米国で逮捕
された。

     国内ニュース

ケルンテン州 食料品仲介を計画

ケルンテン州は、連邦の計画に加えて、食料品仲介を行なう計画で、
これによりBSEが発生した場合、より迅速に対応できる、と発表し
た。政治の権限に関してさまざまな意見がある。連邦が計画してい
る食料品仲介は来年から始まる。これは生産現場から小売店まで一
分の隙もなく管理した食料品を、購買者に提供しようというもので
ある。ケルンテン州では、州独自の食料品仲介を行なうべきだ、と
専門家と政治家が主張していた。そうすることで、管理の成果が迅
速に上がり、必要な場合には早い対策を取ることができることが保
障できる、と彼らは主張していた。


12月26日(水)

     国際ニュース

インドとパキスタン ミサイルを配備

カシミール紛争は戦争突入の兆しがでてきている。インド政府は水
曜日、中距離ミサイルを配備した、と発表した。パキスタンも、そ
れに対抗して戦争の準備を進めている。分断されたカシミール境界
線近くに双方から部隊が移動した。この地域の戦闘で水曜日、少な
くとも16人のパキスタン人が死亡した。一般市民数千人が避難した。
インドはパキスタンが挑発していると感じている。インド首相ヴァ
ジパイは、両国は戦争への道を進んでいる、とかたた。この危機の
引き金になったのは、14人の死者を出した12月13日のインド国会
襲撃事件である。インドはこの事件の責任はパキスタン秘密期間と
武装組織にある、としている。米国はパキスタンのイスラム組織2
つをテロ組織と見なした。

     国内ニュース

アイゼンシュタット 「米国抜きでの賠償解決は不可能だった」

元米国副蔵相スチュアート アイゼンシュタットは、ナチの犠牲者
の賠償問題の交渉人でもあるが、彼は新聞のインタヴューで、この
交渉を総括し、オーストリア側の交渉人を賞賛した。「(交渉人の)
シャオマイアーは私にとっては聖人と言ってもいいような人物であ
る。ずば抜けた能力を持つ優れた、心の温かい人物である。彼女は
交渉を行なっている間中、きわめてすばらしい交渉相手であった」
などと語った。しかし米国が加わっていなければ、この賠償問題に
原状回復という形で決着をつけることはできなかっただろう、とも
語った。


12月27日(木)

     国際ニュース

靴暗殺犯 単独犯か

土曜日に米国の旅客機で靴にマッチで火をつけようとして、取り押
さえられた暗殺犯、リチャード ライドは、これを一人で計画した
との情報がある、とAFP通信が木曜日報じた。彼はアムステルダム
でこの爆薬を購入し、独力で爆弾に加工した、この爆薬の売り手を
彼はインターネットで見つけ、アムステルダムの公園で購入した、
とFBIに供述したとのことである。ライドは明日また出廷すること
になっている。

     国内ニュース

自由党 テメリン原発問題で連立解消の可能性を示唆

自由党党首代理フーバート ゴルバッハは、連邦首相ウォルフガン
グ シュッセルとの協力体制を解体すると公言して、威嚇した。チ
ェコの原子力発電所テメリンに反対する国民発議が成功した場合に、
シュッセルが拒否権を行使しない方針を変えないのであれば、「彼
は元首相になる」と語った。また、いずれにせよテメリン問題は
「連立政権の崩壊を招きかねない」重大問題である、とも語った。


12月28日(金)

     国際ニュース

靴爆弾には飛行機に穴があく爆発力

大西洋を横断する飛行機の中で取り押さえられた自爆テロ犯と目さ
れるリチャード ライドに対して、米国連邦警察の捜査が行なわれ
ている。FBIのマーガレット クローニンは、ボストンでの拘留期
限が切れる昨日、試験が行なわれ、靴の中にし込まれていたプラス
ティック爆弾にはこの機体に穴を開けるのに十分な量があったこと
が確認された、と発表した。

     国内ニュース

ファーベル 学位試験に失敗

社会福祉大臣ヘルバート ハオプト(自由党)の元次官ウーテ フ
ァーベルは、最終的に法学の学位を取ることに失敗した。民事訴訟
法の試験で、彼女は文部省の特別許可を受けて6度目の受験をした。
これが最後の受験機会であったが、彼女は合格できなかった。グラ
ーツ大学もこれを認めた。彼女はこれを知らされて、自分が修士な
のは間違いだ、と発表した。彼女はハオプトの事務所の席を明け渡
さなければならなくなった。


12月29日(土)

     国際ニュース

アル カイダ いまだ殲滅されず

アフガニスタンのテロ組織アル カイダはまだ完全な壊滅状態には
なっていない模様である。アフガニスタンの通信社の報道によれば、
米国戦闘爆撃機が東部のパクティア州の村落シェカンを爆撃した。
この爆撃で犠牲者がでたかどうかは不明である。米国は、アフガニ
スタン政府の爆撃中止要請を拒否した。一方、捕虜になったアル 
カイダ兵が、6千から7千の同組織の兵士がアフガニスタンに潜伏
していると語った、とパキスタンでは報じられた。

     国内ニュース

観光客誘致策

シュタイアーマルク州観光大臣のゲアハルト ヒルシュマンは、同
州に観光客を集めるためにより多くの外国人季節労働者を認めるよ
うに要請した。彼は、より多くの季節労働者が認められないのであ
れば、オーストリア人の職場がなくなってしまう、まず第1段階と
して、季節労働者の割合を高めることが必要である、と語った。労
働力がないため、毎年営業日数を30から40日間減らしているとい
うホテル経営者が多くいる、という点に彼は注目している、とも語
った。国民党所属の経済労働大臣マルティン バルテンシュタイン
と自由党所属の次官マーレス ロスマンは全国的に観光問題担当で
あるが、ヒルシュマンは彼らに責任をかぶせる気はない。


12月30日(日)

     国際ニュース

サー 辞任を盾に威嚇

アルゼンチン暫定大統領アドルフォ ロドリゲス サーは、自らの
政党に属する地方自治体の首長との緊急会談で、辞任をちらつかせ
た。参加者の話では、彼は党員からの支持が不十分であると訴えた
ようである。この会議は昨日始まった直後、1日延期になった。こ
の会議には数人の欠席者がでたので、今日場所をブエノス アイレ
スに移して開催されることになった。この会議では、内閣改造と危
機に瀕しているこの国の産業政策が取り上げられる。この会議を欠
席した中には、同国で極めて大きな影響力を握っている人物も含ま
れている。

     国内ニュース

国連保安部隊にオーストリア兵40名派遣

オーストリアは国際アフガニスタン保安部隊に、40名の兵士を派遣
して参加することになりそうだ。オーストリア連邦国軍参謀本部の
司令官が、現地カブールで派兵に関する詳細を説明する、と国防相
報道官ウィルフリード シフィンガーが日曜日に発表した。オース
トリア兵はオランダ、デンマークの兵士と共にドイツ部隊に属する
ことになる。ドイツ軍との共同作業は既にコソヴォで成果を挙げて
いる、とも語った。


今日のニュース

過去のニュース(目次)へ inserted by FC2 system