2月4日〜10日のオーストリアのニュース

2月4日(月)

     国際ニュース

イラク 国連との交渉再開か

イラクは国連との会談を受け入れる準備を進めている模様である。
アラブ諸国連合事務長アムル ムサは、イラク大統領サッダーム 
フセインからの会談受け入れに関する提案を、国連事務総長コフィ
 アナンに伝えてきた、とアナンの報道官が昨日ニュー ヨークで
発表した。それによれば、交渉には前提条件がつけられていない、
とのことである。アナンは、イラクの代表と安全保障理事会の決議
の実施をめぐって話し合う準備がある、との態度を表明したが、詳
細については明らかにしなかった。この会談は約1年前から凍結さ
れている。イラクは1年前、交渉開始前に、1990年8月にイラクに
課された制裁を解除することを求めていた。

     国内ニュース

1月の失業者30万人

オーストリアには仕事を探している人が30万人弱おり、1月の失
業者数は過去最大に増えている。昨年と比べて失業者数は4万人
増え、15.5%の増加である。産業大臣マルティン バルテンシュ
タイン(国民党)は、これで失業者数の増加には歯止めがかかる
と見ているが、野党と政府の被雇用者の代表は、さらに悪化する
との見通しをたてている。政府は数字を粉飾する代わりに、行動
するべきだ、と労働会議議長トゥンペルは語った。


2月5日(火)

     国際ニュース

イラク 国連の武器査察受け入れの準備中

ロシアの情報によれば、イラクは国連の制裁解除を求めて、国際武
器査察団を同国に再び受け入れる準備を進めている、とのことであ
る。これが実現する見込みはかなり高い、とロシア・イラク交渉政
府委員イエフゲニー ヤグペッツが火曜日モスクワでAFP通信に語
った。イラク指導部との交渉で、これが明らかになったが、同国政
府は米国および英国からの武器監視団を受け入れる気はない、との
ことである。一方国連は、イラクが国連との対話の再開を受け入れ
る準備を整えている、と発表していた。

     国内ニュース

水力発電会社の合併 批判を受ける

水力発電会社フェアブント社とドイツの大エネルギー企業E.ONとの
合併には、再び問題が発生している。連邦大統領クレスティルは火
曜日、関係者全てに対して、オーストリアの水力発電所を売却する
ような事態に陥らないように、と訴えた。「そのような事態になる
と、オーストリアの解体につながりかねない」と語った。ニーダー
エスターライヒ州首相プレル(国民党)は、「合併はなくなった」
との期待を述べた。同州は両者の合併に最も強硬に反対している州
の一つである。


2月6日(水)

     国際ニュース

イスラエルで誘拐事件 死者5人以上

水曜午後パレスチナ人居住区で、新たな武力衝突が発生し、少なく
とも5人が死亡した。パレスチナ人急進派によるこの大きなテロ攻
撃で、水曜午後西ヨルダンランドのヨルダン谷にあるユダヤ人入植
地ハムラで、イスラエル人3人と犯人と見られる2人が射殺された。
この攻撃で重傷者を含め4人のイスラエル人が負傷した。その後イ
スラエル軍機が日没後、西ヨルダンランドのナブルスにあるパレス
チナ人知事の事務所を爆撃した。AFP通信によれば、F16型機が3
発の爆弾を投下したとのことである。

     国内ニュース

チェコの原発の核のゴミの貯蔵庫をめぐる議論

チェコ政府の原子力利用計画が新たな議論を巻き起こしている。テ
メリン原発に続き、今回は核廃棄物貯蔵庫をニーダーエスターライ
ヒ州との国境近くに建設する計画が持ち上がっている。この計画は
数年前から公表されており、多くの政治的な反応を引き起こした。
きっかけは、あるホームページに掲載された地図である。チェコの
放射性物質を含む残留物を扱う役所は、この核廃棄物の貯蔵庫を建
設する候補地をその地図に示していた。そのうちの4つが森林地区
から数キロしか離れていないところにあった。ニーダーエスターラ
イヒ州の反原発運動の幹部ラオターは、オーストリアのごく近くに
貯蔵庫を建設するのであれば、オーストリアはこの問題について発
言権がある、と語っている。


2月7日(木)

     国際ニュース

EU外相 EU拡大について審議

EU外相会談は明日からスペインのサセレスで2日間の日程で開かれ
る。今回は最終局面に入っているEU拡大に関する交渉が、議題の中
心である。その他近東和平交渉とバルカン情勢について話し合われ
ることになっている。各国外相は、EU加盟希望国がEUの農業政策お
よび地域政策にどのような形で組み込まれうるかにかんする、EU理
事会の提案の評価を行なうことにしている。この2つの問題につい
てはまだ加盟希望国とは話し合いが行なわれていない。

     国内ニュース

民族集団顧問団 憲法裁判所の判断を評価

村落名標に関する憲法裁判所の判断は「無効ではなく、また誤って
もいない」とケルンテン州のスロヴェニア人の民族集団の顧問団は
評価している。同団の議長ショトゥルムによればこの議決は全員一
致で行なわれた、とのことである。彼は、裁判所の判断の裁量は予
想より大きかった、と憲法学者コロノヴィツの問い合わせに応えた。
一方コロノヴィッツは、ケルンテン州では政治的な決断が行なわれ
ない限り、今後村落名標が増設されることはないだろう、と見てい
る。


2月8日(金)

     国際ニュース

イスラエル パレスチナ人自動車爆破犯 現場で死亡

金曜午後イスラエルと西ヨルダンランドの国境地域で車が爆発し、
乗客2人が死亡した。警察は、これは攻撃を加えるべくイスラエル
に向かっていたパレスチナ人ではないか、と見ており、爆薬が予定
より早く爆発してしまった、と発表した。この車はアラブ系住民が
多く住んでいる地域で爆発した。エルサレムの病院では25歳のイス
ラエル人女性が死亡した。彼女は数時間前にエルサレムの南で数人
の若いパレスチナ人に襲われ、刺されていた。

     国内ニュース

経済研究所 減税を中止するよう勧告

経済研究所所長ヘルムート クラーマーは、減税実施の予告を今し
ばらく思いとどまるよう勧告した。彼は金曜日のテレヴィ番組で、
景気が回復することには自分はかなりの自信を持っているが、好景
気がどれぐらい続くかについては同研究所は疑問を持っている、と
語った。また2003年の景気上昇は「極めて不透明」であり、この
成長が減税の前提条件である、と語った。そのほか、財政基盤が確
固としたものになることを減税の条件として挙げ、この減税で予算
に穴を開けることは許されない、と語った。


2月9日(土)

     国際ニュース

サッダーム 武器査察の再開に反対

イラク大統領サッダーム フセインは国連による武器査察の再開に
反対する、と述べた。土曜日同国国営放送は、サッダームはトルコ
首相ビュレント エジェヴィットにあてた手紙の中で、「米国は査
察官の再受け入れを求めているが、査察官による調査は先入観なし
に行ない、そこから調査結果を導き出さなければならない。以前イ
ラク国内の問題となっている地点のうち95%を訪れたと称する監視
団の報告は、公平なものではなかった」などと述べている。エジェ
ヴィットは数日前にイラク外務省にあてた書簡で、イラクは米国の
攻撃を受ける前に、国連の武器査察団を受け入れるよう、警告して
いた。

     国内ニュース

グーセンバオアー 雇用対策を要求

社会民主党党首アルフレート グーセンバオアーは土曜日、労働市
場の問題に関する提案を行なった。彼は、政府が対策を取らないと、
思い描いている景気上昇が実現しなくなる、との懸念を発表した。
「全員に2度目の機会を」との標語を掲げ、被雇用者のための提案
を行なうべきだ、職業訓練に参加している失業者は、現行の55%で
はなく60%のより高い手当てが受けられるべきである、経済成長は
熟練労働力が不足すると減速する、などと彼は語った。


2月10日(日)のオーストリアのニュース

     国際ニュース

ハタミ 米国に世界大戦を警告

イラン大統領モハマド ハタミは土曜日、米国がとっている政策は
かつてない世界大戦につながる可能性がある、と警告した。これは、
彼が1979年のイスラム革命の23周年を記念するためにテヘランに
やって来た来賓の歓迎会で、語ったものである。世界を、友好国と
敵国の2つに分ける考え方は、今までないような結果となる世界大
戦につながりかねない、との意見を彼は述べた。米国大統領ジョー
ジ W. ブッシュの米国の見方になるかテロリストの側につくかだ、
との政治原理にふれ、イランはこれを「好戦的で非民主的なもの」
として拒否した、と語った。ブッシュはイラン、イラク、北朝鮮を
悪の枢軸と評していた。

     国内ニュース

農相 EU農政改革要求はEU拡大を危険にさらす発言

農業大臣ウィルヘルム モルテラー(国民党)は、EU拡大がEUの
農業政策改革に影響を与えることがないように、と警告した。社会
民主党党首アルフレート グーセンバオアーは、全面的な農政改革
を要求しているが、これを受け入れることはEU拡大を拒否すること
になる、とモルテラーは語った。また新たに中欧東欧諸国が加盟す
ることで、財政面での負担が増えるのではないか、という問に答え
てモルテラーは、「オーストリアにとってEU拡大は発展する大きな
機会であり、些細なことでその機会が危険にさらされることがあっ
てはならない」と語った。


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