2月11日〜17日のオーストリアのニュース

2月11日(月)

     国際ニュース

ミロシェヴィッチ 裁判に自信

元ユーゴスラヴィア大統領スロボダン ミロシェヴィッチは自らの
戦争犯罪に関する裁判を前に自信をのぞかせた。彼の弁護士ツデン
コ トマノヴィッチは月曜日、ミロシェヴィッチの気分はよく、
「彼はただ、裁判所に向けて行なう弁論の中で、自分の発言が妨げ
られないことだけを望んでいる」と発表した。ミロシェヴィッチに
対する裁判は、ボスニアでの大量虐殺と戦争犯罪、クロアチアとコ
ソヴォでの人間性に対する犯罪をめぐって行なわれている。公判手
続きは今日開始される。

     国内ニュース

ウェステンターラーの休養をめぐる混乱

自由党国会議員団長ペーター ウェステンターラーに関する憶測が
乱れ飛んでいる。先週半ばからささやかれている辞任のうわさに関
して、彼は月曜日も何らの態度表明をしなかった。自由党総書記ペ
ーター シクロフスキーは、ウェステンターラーは「当然の権利と
しての休養」をとった、この休養は彼が取ってしかるべきものであ
る、彼はどの役職もやめておらず、政界から引退したわけではない、
と発表した。休養期間については言明を避けた。ところがこの見方
は、ウェステンターラーの担当者の発言とは大きく食い違っている。
彼女は、ウェステンターラーは休暇を取ってもいないし、その必要
もないと思う、と語った。


2月12日(火)

     国際ニュース

ウェステンターラー 党内部の態度を批判

自由党国会議員団長ペーター ウェステンターラーは同党員に対す
る失望を表明した。「状況は私にとっては単純ではない」と新聞の
インタヴューに答えて、現在自分には悲痛と真心の両方がある、と
語った。自由党の2人の事務長カール シュワイツァーとペーター
 シクロフスキーの発言に対して彼は、「上手く行っていない場合
に、十字架にさらにくさびを打ち込む彼らは、とても気が利いてい
る」と語った。シュワイツァーは、ウェステンターラーがオペラ座
の舞踏会の前に休養をとるべきだ、と発言していた。シクロフスキ
ーも同様のことを口にしていた。

     国内ニュース

ドイツ首相 財政政策の変更は考えていない

ドイツ連邦首相シュレーダーは、同政府の財政政策の変更を考えて
いない。メキシコを訪問中の彼は火曜日この見解を発表した。シュ
レーダーはEU加盟各国の蔵相が昨夜下した、ドイツは財政赤字が理
由で早期警告を受ける必要はない、との決定に満足の意を示した。
オーストリア蔵相カール ハインツ グラサー(自由党)はこれに
対して、EU内では大国は小国と比べて支持を集めるのが簡単だ、今
回の措置は攻勢ではなく、事件である、との意見を述べた。ドイツ
が警告を受けないというこの決定は、ドイツの野党からも激しい非
難を受けている。


2月13日(水)

     国際ニュース

ブッシュ イラクにあらゆる手段を取る可能性があると発表

米国によるイラク攻撃に対し、ヨーロッパの同盟国が留保をつけて
いるにもかかわらず、米国政府はイラクに対しあらゆる手段を取る
可能性を残しておく方針である。「私は、私に許されているあらゆ
る手段を放棄するつもりはない」と米国大統領ジョージ W. ブッシ
ュは昨日報道陣の質問に答えて言った。「イラク大統領サッダーム
 フセインは、私が米国を守ることを真剣に考えていることを理解
しなければならない」と語った。パキスタン大統領ペルヴェズ ム
シャラフとの会談後ブッシュは、必要があれば米国政府は米国国民
を守る、とも述べた。

     国内ニュース

ハイダー リートで演説

自由党元党首イエルク ハイダーは、今年も同党の灰の水曜日の政
治集会で、過激な演説をして、2,000人以上の参加者をもてなした。
特に取りあげたのは、チェコのミロシュ ゼマンとドイツ政府、憲
法裁判所長官ルードウィヒ アダモヴィチである。アダモヴィチを
批判するきっかけとなったのは、憲法裁判所の村落名標をめぐる判
断であり、この判決をハイダーは理解できないと評し、まずウィー
ンにチェコ語とハンガリー語を加えた3カ国語による村落名標を設
置してから、ケルンテン州でのこの問題を扱うべきだ、と語ってい
る。また憲法裁判所長官に関しては、「そいつがアダモヴィチとい
う名前なら、まず奴が合法的な滞在許可を持っているかどうか聞い
てみるがいい」と述べた。


2月14日(木)

     国際ニュース

イスラエル人3人 ガザの爆弾事件で死亡

ガザ地区北部で木曜午後爆発が起こり、3人のイスラエル人が死亡
し、その他2人のイスラエル人が負傷した、とイスラエル軍報道官
が発表した。1回目の爆発は、イスラエル人の一般市民を乗せたト
ラックがユダヤ人入植地ネザリム近郊を通過しようとした時に発生
した。2度目の爆発は、武装強化のため現場に戦車が到着した時に
起こった。テレヴィの報道によれば、爆発はネザリムと、ガザ地区
とイスラエル人居住地区を結ぶ道路のカルニで起こり、ドイツ外相
ヨシュカ フィッシャーは木曜午後イスラエル入りし、暴力行使を
止めるための交渉を行なおうとしていた。

     国内ニュース

ハオプト 女性政治諮問委員会設置の方針

社会福祉大臣ヘルバート ハオプト(自由党)は同省内部に女性政
治諮問委員会を設置する方針である、と木曜日国会の男女対等処遇
委員会の前に発表した。同委員会は今後「重要な女性の政治問題を
決定する際に」彼に意見を答申することになる。ハオプトの計画に
よれば、この委員会は、高齢者諮問委員会や聖戦諮問委員会と同じ
ような役割を果たすことになり、世代問題省の中でも女性問題を扱
う委員会になった。女性の政治問題の例としてハオプトは、男女の
対等処遇法の改正、男女平等弁護団の拡充を挙げた。


2月15日(金)

     国際ニュース

カルザイ 閣僚の死は陰謀と認識

アフガニスタン首相ハミド カルザイは、空輸大臣が金曜日暴力に
より死亡したのは、陰謀によるものであると捉え、閣僚数人を逮捕
する、と予告した。閣僚アブドゥル ラハマンの殺害は計画的なも
のではあるが、政治的な背景はない、とカルザイは述べた。彼はサ
ウジアラビアに対し、犯行直後に国外に脱出した容疑者を逮捕し、
引き渡すように求めた。殺害の背後には将軍2人と秘密諜報部およ
び法務省関係者3人がいるものと政府は見ている。5人の容疑者のう
ち3人は、アフガニスタン情報省によれば、巡礼者と共にサウジア
ラビアに入国した模様であるが、名前は挙げられていない。

     国内ニュース

融合規約の罰則強化

計画中の「融合規約」の詳細を新聞が報じている。この融合規約は、
必修の移民向けドイツ語講座を含む、外国人の雇用に関する権利と
外国人の持つ権利の改革に関するものである。これによれば、この
規約を守らなかった場合には制裁が課されることになる。融合に参
加しないものは罰金を支払わなければならない。2年目までは100
オイロ、3年目以降は200オイロ、その後は国外退去になる。オー
ストリアに滞在している期間が5年までの外国人全てと、新たに移
住した労働者と呼び寄せられた家族は100時間のドイツ語講座を受
けなければならない。この講座の参加費は363オイロであるが、半
額を連邦が負担することになっている。


2月16日(土)

     国際ニュース

イスラエル ナブルス爆撃

イスラエル軍は土曜夜、西ヨルダンランドのパレスチナ人の住む町
ナブルスの空爆を開始した、との情報がある。それによれば、戦闘
用ヘリがパレスチナ自治政府と警察の建物を爆撃した、とのことで
ある。被害やけが人に関する情報はない。この攻撃はイスラエル市
民と兵士に対するテロが続けられ、さらに激化している結果である、
とイスラエル軍は態度表明した。この数時間前、パレスチナ人によ
る自殺テロが西ヨルダンランドのカルネイ ショムロンのショッピ
ングセンターで発生し、2人のイスラエル人と犯人が死亡し、約30
人が負傷した。イスラエル政府は、この攻撃に対する大規模な報復
を予告していた。

     国内ニュース

ケルンテン州 国民党と社民党 ハイダーの辞任を要求

ケルンテン州の社会民主党と国民党は、同州首相イエルク ハイダ
ー(自由党)の即時辞任を求め、州議会の臨時議会開催を要求した。
ハイダー自身は、今後も同州首相候補として選挙に臨むかどうかを
真剣に考慮している。土曜日午後、自由党は緊急首脳会議を開催し
た。ケルンテン州国民党党首ウルミッツァーは、ハイダーの内政外
政面での攻撃的な態度に言及し、これをやめさせるべきだ、と語っ
た。また、ハイダーが州首相の座に留まるのであれば、自由党との
協力は不可能である、とも語った。金曜日の時点で既に同党は、州
議会の特別会議を提案するよう決定している。


2月17日(日)

     国際ニュース

イスラエル テロ阻止 犯人死亡

日曜日ハデラ近くのイスラエル軍基地へ攻撃を図った2人が死亡し
た。3人が負傷し、うち2人は重傷である。警察の情報によれば治安
部隊が、疑わしい自動車を軍の訓練所ハマネ シモニムの入り口の
ところで停止させたところ、車に乗っていた男の1人が兵士に向け
て発砲し、兵士が応戦し撃った男を射殺した。その後その車を追跡
し、車の運転手が爆発物に点火した。これにより運転手は死亡し、
警察側にもけが人1人が出た。

     国内ニュース

郵便 緊急スト計画

オーストリア郵便の取締役会と事業所委員会の対立が激しくなって
いる。雑誌報道によれば、従業員代表も具体的なストライキ計画を
進めていることを認めた。事業所委員会は、オーストリア郵便を5
つに分割する計画を拒否している。取締役会との交渉は2月20日に
予定されている。郵便労働組合委員長ゲアハルト フリッツは、こ
の話し合いで合意に達することはない、との立場に立っている。そ
の場合、2月22日にも中央委員会で、ストライキ決定のための準備
決議を行なう、と彼は語った。


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