2月18日〜24日のオーストリアのニュース

2月18日(月)

     国際ニュース

近東紛争 続く

最近起ったパレスチナ人によるテロ攻撃への報復として、イスラエ
ル戦闘爆撃機は月曜夜、パレスチナ自治政府の軍事施設に対する攻
撃を行なった。ラファとラマラでいくつかの建物が大きな被害を受
けたが、犠牲者に関する情報は伝えられていない。月曜日、パレス
チナ人自治区でいくつかの事件が発生し、少なくともイスラエル人
4人、パレスチナ人3人が死亡した。午後遅くには、イスラエル首相
シャローンが、軍幹部と現在の状況について話し合った。

     国内ニュース

首相 副首相の権力強化を望む

自由党内部での混乱で、連邦政府の業務も上手く運んでいないよう
にみえた。自由党が日曜日に体面を繕った後、連邦首相ウォルフガ
ング シュッセル(国民党)は自由党に連邦政府の職務を前向きに
遂行するようもとめた。彼は、何故国民党が過去数日間、この問題
に口を出さなかったのかを説明した。彼は、現在の自由党全権代表
である副首相スサネ リース・パサーに励ましの言葉をかけ、彼女
に権力を集めることが政府のためになる、との希望を語った。


2月19日(火)

     国際ニュース

西ヨルダンランド イスラエル人6人死亡

西ヨルダンランドでイスラエル軍が設定している封鎖地帯を、パレ
スチナ人が攻撃し、火曜午後イスラエル人6人が死亡した。イスラ
エル治安維持軍は、パレスチナ人自治区の都市ラマラの西にあるア
イン アリク村近くでこの事件は発生した、と発表した。ユダヤ人
入植者の目撃情報では、死者の中には兵士も含まれている。第一報
では、死亡者は5人と伝えられていた。

     国内ニュース

自由党 減税で合意

大蔵大臣カール・ハインツ グラサー(自由党)によれば、税制改
革問題に関して、副首相スサネ リース・パサー(自由党)と他の
自由党所属の閣僚、ケルンテン州首相イエルク ハイダー(自由党)
の間で合意が成立した。連邦同党の幹部会での決定はまだである、
と火曜日の閣議前に彼はグラサーは語った。彼は、2003年に始ま
ることになっている「税制改革の目標」について言及した。グラサ
ー自身はハイダーほど減税が確実だとは思っていない、とも語った。
また彼は自由党内で合意に達した4点をあげた。それは、2010年
までに課税率を40%に引き下げるという長期的目標、2003年の減
税、労使に対等な負担を求めること、支出の見直しである。


2月20日(水)

     国際ニュース

ドイツとチェコ 対立を除去

ドイツ外相ヨシュカ フィッシャーはプラハを訪問し、最近チェコ
が表明していた態度で悪化していた両国関係を修復し、両国はEU加
盟後の協力関係を強化して行く方針を確認した。フィッシャーは、
両国関係を極めて良好な形で推し進めて行くことに賛成である、両
国政府はいくつかの問題で意見が対立することがあっても、1997
年に結んだ和解声明が両国関係の基盤であることには変わりがない、
と語った。この声明には、両国は歴史的な問題で両国関係を損なう
ことがあってはならない、との合意が記されている。

     国内ニュース

1月の税収に穴

今年1月の国の税収は昨年1月とくらべて、2億8040万オイロ減少
した、と経済新聞が報じている。これは12.6%の落ち込みである。
この報道によれば、減収の最大の要因は所得税の読み違いで、高い
失業率のため1億5100万オイロの不足を出した、大蔵省は税収不
足を認めている、とのことである。


2月21日(木)

     国際ニュース

EU理事会議長職の交代制 英は反対 オーストリア賛成

EU理事会の開始を1週間後に控え、EU理事会議長職を輪番で行なう
制度の廃止をめぐって激しい議論が行なわれている。英国外務大臣
ジャック ストローはこの廃止案に賛成する1人であるが、オース
トリア外務大臣ベニータ フェレーロ・ワルトナー(国民党)はこ
の案に異議を持っている。ストローは、EUは拡大途上にあり、輪番
制は負担の増加になる、現在の半年ごとの交代制は廃止すべきだ、
と語った。フェレーロ・ワルトナーは、EU加盟各国は各国間の調整
役を勤める機会を一度は持つべきだ、と語った。彼女は、EU議長職
が約3ヶ国で占められる可能性がある、と見ている。

     国内ニュース

ハイダーのイラク訪問 ケルンテン州議会で調査委員会設置

ケルンテン州議会では、同州首相イエルク ハイダー(自由党)の
欧州外訪問を調査する委員会が開かれる。木曜午後の特別会議で、
委員会設置を求める国民党からの動議が、社会民主党からも賛成を
受け、必要な過半数を獲得した。自由党はこの委員会の設置を拒否
していた。同州国民党は、イラク訪問に関連して、ハイダーに辞任
を求めていた。これは特別会議で提案された緊急動議の内容の1つ
でもあった。社会民主党も、州議会でハイダーに辞任を要求してい
る。


2月22日(金)

     国際ニュース

アンゴラ軍 UNITA指導者の死を報道

アンゴラ軍が、反乱勢力であるアンゴラ全面独立民族同盟UNITAの
指導者ジョナス サヴィンビを殺害した、と金曜午後首都ラウンダ
で政府が発表した。ラジオとテレヴィでは、サヴィンビは同国南東
での戦闘で死亡した、のと声明が発表された。死亡した場所と時間
については公表されていない。過去数ヶ月軍は、サヴィンビの軍を
モキシコ州で包囲している、と発表していた。この知己ではUNITA
軍将校数人が逮捕されている。中立の機関による情報の確認は当面
は不可能である。サヴィンビの反乱軍は大統領ドス サントス率い
る共産主義反乱勢力との権力闘争を30年に渡って繰り広げている。
アンゴラは南西アフリカの地下資源が豊富な国である。

     国内ニュース

EU 環境に関する指針が実施されていないと非難

EUの環境に関する指針がきちんと実施されていないため、EU委員
会はオーストリアを相手取って欧州裁判所に3件の訴訟を起すこと
を決定した。EU当局は、オーストリアがPCBとPCTに関する危険
物廃棄の指針を正しく国内法に反映させていない、と発表した。こ
の化学物質は、毒性があり長期に渡って残り、生体から排出されな
い性質があり、環境にとって特に危険である、とされている。


2月23日(土)

     国際ニュース

アル カイダ兵100名以上が米国に潜伏

ウサマ ビン ラディン率いるテロ組織アル カイダの兵士少なく
とも100人以上が、まだ米国内に滞在しているとの見方がある。こ
れを発表したのは米国上院議員諜報委員会議長ボブ グレアムであ
る。アル カイダ兵は行動命令がでた場合にはテロ攻撃を行なうよ
う教育されている、と語った。米空軍は9月11日からずっと空域の
監視を続けており、最大130機の飛行機が絶えず上空で監視してい
る。空軍司令官は、監視飛行を常時行なうのは中断し、地上待機に
変えるよう提案した。

     国内ニュース

社会保険主要連合会長 有給休暇問題

社会保険組合主要連合会長ヘルウィヒ フラートは有給の特別休暇
を取ったが、憲法学者ハインツ マイアーはこれは法律違反である、
と見ている。これに関する規則は極めて問題が多い、と彼は語った。
マイアーの見方によれば、フラートは主要連合と経済大臣の職務を
並行して行なうか、あるいは公務員としての給料の支払を受けない
か、どちらかでなければならない。後者を選べば、片方の収入を一
時的に受けられなくなる。


2月24日(日)

     国際ニュース

米軍 イラク攻撃の準備

米軍はイラクに対する軍事攻撃の準備を進めている、と参謀総長リ
チャード マイアースは語った。攻撃の決定はを下すのは大統領ジ
ョージ W. ブッシュであるが、彼は今のところこの決定を下しては
いない、とも昨日のテレヴィ番組で語った。アフガニスタン戦争の
ため米軍の軍備品が不足していることを検討して、迅速に補給を行
なう、と米国防相ドナルド ラムズフェルドは語った。「米国は、
準備が出来ていないうちに、何かに関与することはない、と信じて
よい」と彼はテレヴィ番組で語った。

     国内ニュース

首相 土地取得税の議論に反対

連邦首相ウォルフガング シュッセル(国民党)は、土地取得税の
増税を実施するために連邦政治のレヴェルで検討に入ることを拒否
した。彼は新聞で、「この問題は各自治体で検討すべき問題で、連
邦の問題ではない」と語った。彼は、この問題に関しては積極的な
連邦主義者である、とも語った。また彼は、政府が増税しても、こ
の税金を使うのは連邦主義者だ。私はこんなふざけたことをやりた
くはない」などと語った。また日曜日国民党と自由党の代表はテレ
ヴィ番組で、来年の減税に向けて最初の一歩を踏み出すと約束した
が、具体的な規模については言及しなかった。


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