2月25日〜3月3日のオーストリアのニュース

2月25日(月)

     国際ニュース

パレスチナ側 対話再開の準備

パレスチナ側は、安全保障交渉の再開の準備を進めている、とEU外
交・安全保障委員ハヴィエル ソラナは月曜パレスチナ大統領ヤセ
ル アラファトとの会談後語った。アラファトは、この会談を米国
の参加を求めて今日も続けることに賛成した、とソラナはラマラで
開かれた記者会談で語った。イスラエル内閣が、アラファトがラマ
ラから外へでることを認めない、との決定を出したため、前夜パレ
スチナ側は、イスラエルとの全ての政治および安全保障をめぐる問
題での接触を凍結していた。一方エルサレムでは銃撃戦があり、少
なくとも10名が負傷した。イスラエルのラジオ局は、パレスチナ人
がエルサレム北部のバス停で待っていたイスラエル人に発砲した、
と報じている。

     国内ニュース

ライトル テメリン原発閉鎖の財政支援に賛成

チェコの新政権に対し財政的な支援を行なうことで、産業会議議長
クリストフ ライトル(国民党)は、チェコの原子力発電所テメリ
ンの閉鎖に関する新たな交渉を行なう方針である。ニーダーエスタ
ーライヒ州とオーバーエスターライヒ州住宅建設促進貸し付け基金
から約21億5千万オイロの利益があがっており、この資金を原発廃
止交渉のために使うべきだ、とライトルは雑誌に語った。


2月26日(火)

     国際ニュース

シャローン サウジ・アラビアの提案に関する会談に準備

イスラエル首相アリエル シャローンは、サウジ・アラビア皇太子
アブドゥラの和平実現計画について、話し合う準備を進めている。
シャローンは、サウジ・アラビアのあらゆる政治家とも面会する準
備があると明言した、とEU主席外交官のハヴィエル ソラナは火曜、
エルサレムでの会談後発表した。サウジ・アラビア皇太子は、アラ
ブ諸国によるイスラエル承認を提案した。かわりに彼はイスラエル
が東エルサレムを含むパレスチナ人居住地域からの全面的な撤退を
要求した。一方、イスラエル兵とパレスチナ人の武力衝突が、火曜
日ガザ地区南部で発生し、少なくともパレスチナ人6人が負傷した。
イスラエル軍戦車が自治都市ラファでモスクから出てきたパレスチ
ナ人を攻撃した、とのことである。

     国内ニュース

野党 政府不信任案提出

国民議会本会議では、政府と野党の間では対立が強まるものと見ら
れている。緑の党は閣僚全部を対象にした不信任案を提出する、と
予告した。社会民主党はこれを支持する方針である。緑の党から不
信任案が出されるのは今回の任期中10回目である。今回不信任案を
提出する理由は、自由党元党首イエルク ハイダーの気まぐれな発
言を政府が放置したためである、としている。ケルンテン州首相で
ある彼のイラク訪問が、今回の議会の冒頭の主題の1つである。


2月27日(水)

     国際ニュース

イスラエル 自殺テロで死傷者

水曜午後パレスチナ人女性が、エルサレム近郊の封鎖された道路で
自爆し、3人のイスラエル人国境警察隊が負傷した。共犯者2人も同
時に死亡した。警察広報は、この女性は2人の男と共に車で、エル
サレムとモディイン市の間にある国境検問所にやって来て、警官が
車を検査しようとしたところ、車から降りてきて爆薬に火をつけた、
とのことである。同乗していた2人のパレスチナ人も重傷を負い、
その後死亡した。警官側は中程度の怪我であった。今年に入って女
性が自殺テロを行なったのは2回目である。

     国内ニュース

イラク訪問に関し クウェート大使はハイダーと異なる発言

ケルンテン州首相イエルク ハイダー(自由党)は、クウェート政
府から、イラクの独裁者サッダーム フセインを訪問し戦争の時に
捕虜となった人のために努力するよう依頼された、と発言していた
が、在クウェートオーストリア大使ハオサーは、これに疑問を呈し
た。そのような支援要請は、今までのクウェートの政策と完全に矛
盾する、と新聞で語った。ハイダーは昨年11月のクウェート訪問の
際、「イラク戦争捕虜」組織から要請を受け、イラクと接触し、捕
虜に関する会談を進めたのだ、と発言していた。


2月28日(木)

     国際ニュース

EU集会 楽観的に開始

EU改革集会が木曜日ブリュッセルで開幕した。この集会ではEUの新
たな基本条約を作ることになっている。この会議には楽観的な見通
しが支配的である。EU理事会、EU議会、EU委員会の議長は、集会の
新たな方式導入で、EUがさらに発展する大きな可能性がある、と記
念演説で語った。この集会の議長ヴァレリー ジスカール デスタ
ンは、夢を持ってよいし、また持つべきである、と語った。また50
年後EUがどのような姿をしているかに注目しなければならない、と
も語った。彼は「ヨーロッパ万歳」との言葉を情熱をこめて発した。

     国内ニュース

中央住民登録制 開始

中央住民登録制は今日から全面的に発効する。これにより住民登録
制度の一連の改革が完成したことになる。届け出、転出届け、登録
変更届けは今後はオーストリアのどの住民登録所でも受理されるこ
とになる。地方自治体が一元的に住民登録所の管轄を行なう。今ま
では警察が担当していた町でも、この規定があてはまることになる。
今まで交通課が販売しなければならなかった届けでようしは、住民
登録所で無料で手に入れるか、インターネットでダウンロードでき
る。


3月1日(金)

     国際ニュース

英首相に毒物 送りつけられる

英国警察は、同国首相トニー ブレアの事務所にあてた郵便の中か
ら、毒物入りの小包を発見した。見つかったのはユーカリ油に偽装
した腐食性の物質である、とスコットランド・ヤード報道官は発表
した。その他にスコットランド人の国会議員あての小包もあった。
合わせて16ほどの小包が見つかった。BBCによれば、この小包を開
けると重傷を負う可能性があった。

     国内ニュース

副首相 公務員採用中止

副首相スサネ リース・パサー(自由党)は新聞インタヴューに答
えて、今回の任期中すなわち2003年夏までは、公勤務への採用を
見合わせる、と語った。法務、行政、連邦軍の「純粋に主権に関す
る業務」だけは除くが、これらの分野でも行政事務職は例外としな
い、と語った。今後は国家公務員も一般企業の従業員同様の状況に
置かれることになるが、解雇からはある程度守られる、とはいえ、
行政改革が進み、官庁が廃止された場合には解雇もありうる、と彼
女は語った。


3月2日(土)

     国際ニュース

北アイルランドで爆発事件 少年2人が怪我

北アイルランドのアーマグ市で土曜午後、爆発事件が起こり、15歳
と16歳の少年が怪我をした。警察の情報によれば、爆弾は警察が競
馬開催のために交通規制を行なうために設置していた円錐コーンの
中にしかけられていた。実行犯は警官を標的にしていたものと思わ
れる。犯人はまだ不明である。少年たちは、車を出すため、前に置
かれていた円錐コーンをどけようとしていたようである。英国北ア
イルランド相ジョン リードは、この事件に不快感を示し、最低の
犯罪者だと語った。

     国内ニュース

蔵相 迎撃戦闘機導入延期を示唆

蔵相カール・ハインツ グラサー(自由党)は、迎撃戦闘機を購入
する必要性があるとは思っていないようである。迎撃戦闘機を買っ
ても国家財政の赤字がなくなるかどうかとの新聞の質問に答えて、
彼は「これは難しい問題だ。連邦政府で購入に反対しているのは私
一人だ。予算編成の目標には合致しないので、延期することになる
かもしれない」と語った。一方首相ウォルフガング シュッセル
(国民党)は購入の方針である。新型迎撃戦闘機は、2002年上半
期に予定通り発注する、と語った。


3月3日(日)

     国際ニュース

イスラエル より厳しく対処の方針

イスラエルはパレスチナ人に対しより厳しい措置を取る方針である。
安全保証会議は、パレスチナ人自治区に対する陸空からの攻撃を続
行することを決めたが、パレスチナ大統領アラファトを攻撃目標と
はしない、と日曜夜報じられた。首相シャローンは、この24時間で
イスラエル側に21人の死亡者を出した攻撃の責任はアラファトにあ
る、と個人的に名指しした。イスラエル兵はそれより前に20人のパ
レスチナ人を殺害していた。イスラエル軍戦車は夜のうちに、ガザ
地区のラファ近くのパレスチナ人難民収容所に迫っていた。目撃者
の話によれば、軍用ブルドーザーがいくつかの住居を破壊し、少な
くとも2人のパレスチナ人が射殺された、とのことである。

     国内ニュース

カリタス会会長 融合規約を批判

カリタス会会長フランツ キューベールは、いわゆる移民のための
融合規約を批判した。既に公表されている計画に対して彼は、ドイ
ツ語講座受講命令にまずい点がある、との意見を述べた。この案が
法的効力を持てば、恥さらしになる、とも語った。この融合規約は、
明日公表されることになっている。確信になるのは、移民にドイツ
語講座の受講を義務づけることにある。移民がドイツ語講座に取り
組まない場合には、極端な場合国外追放になる可能性がある。


今日のニュースへ

過去のニュース(目次)へ inserted by FC2 system