3月4日〜10日のドイツのニュース

3月4日(月)

アフガニスタン 攻撃を行なっていた米兵9名死亡

(ワシントン、ベルリン)アフガニスタン東部でタリバンとアル カイダの拠点に
対して大攻勢をかけていた米軍から、9名の死者が出た、と米国防相ドナルド ラ
ムズフェルドは発表した。ヘリコプターが撃墜され多後さらに攻撃を受け、少なく
とも7名の米兵が殺された。その他にアフガニスタン人の兵士多数も殺された、と
ラムズフェルドは発表した。
この軍事作戦にはドイツ兵と他の米国に同盟する部隊も参加している。ドイツ国防
相ルドルフ シャルピングは、連邦国防軍兵は救急隊員として任務にあたっている
が、さらに特殊部隊がこの作戦に参加している、とも語った。

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アフガニスタンで地震 死者150名以上

(カブール)日曜日アフガニスタン北部で大地震があり、当初の予
想をはるかに上まわる死者が発生した。同国国営テレヴィは、少な
くとも150人の死者が出たと報じた。この地震は震度7.2であった。
ロシア政府の情報によれば、旧ソ連のタジキスタンでも大きな物的
損害が発生した、とのことである。

イスラエル軍 アラファトの本部を攻撃

(ラマラ)イスラエル戦闘爆撃機が、ラマラにあるパレスチナ大統
領アラファトの本部を攻撃した。パレスチナ側の情報によれば、ア
ラファトには危害は及ばなかった。3発のミサイルが発射され、こ
の建物の入り口と、治安維持部隊の建物が破壊された。これより前
にイスラエルの戦闘爆撃機は、ベツレヘムのパレスチナ諜報機関の
建物と、アラファトの親衛隊の建物を破壊していた。パレスチナ人
自治区でのイスラエル軍による攻撃で、月曜日には少なくとも16人
のパレスチナ人が殺害された。またラマラでは兵士が、急進派ハマ
スの指導者の子供5人と妻を射殺した。イスラエルはこの攻撃を誤
りであるとして陳謝した。

米国 近東紛争当事者を批判

(ワシントン)米国は年次人権報告で、イスラエルとパレスチナを、
暴力を行使し続け、人権に反する数多くの攻撃を行なった点で批判
した。外務省が発行したこの報告書には、紛争の両者は2001年4月
のミッチェル和平計画の勧告にまったく従っておらず、死者数が増
加した、と記されている。元米国上院議員ミッチェルの和平計画に
は、紛争を終わらせること、ユダヤ人の入植政策を停止させること、
両者が和平交渉を再開できるよう相互の信頼感をますような対策が
盛り込まれていた。


3月5日(火)

お休みしました。


3月6日(水)

カブールで爆発 兵士死亡

(カブール、ベルリン)カブールでは爆発事故が起こり、アフガニスタン平和軍に
参加しているドイツ兵2人とデンマーク兵3人が死亡した。連邦国防軍幕僚長ハラ
ルト クーヤトは、同市の爆弾保管所の事故では8名の負傷者が出ている、と発表
した。ドイツの本拠地近くで行なっていた、ロシア製地対空ミサイルの爆破装置の
除去作業中にこの事故は起こったが、その原因はまだ発表されていない、とも彼は
語った。ドイツ首相ゲアハルト シュレーダーと連邦大統領ヨハネス ラオは、犠
牲者の関係者に哀悼の意を表した。国防大臣ルドルフ シャルピングはアフリカの
角にあるジブチにいるドイツ兵訪問を中断し、ドイツに緊急帰国した。

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アフガニスタン攻撃続行

(カブール)数日前から激しい戦闘を繰り広げている東アフガニス
タンの山岳地帯は、タリバンの最後の拠点である、と同国首相カル
ザイは語った。ここ両日中に戦闘はうまく終わる可能性もある、と
も発言した。山地であるガルデスでは、米軍がアフガニスタンに出
兵してから最大規模の地上戦を行なっている。タリバンおよびアル
 カイダ兵数百人に対する「アナコンダ作戦」には約1.100人の米
国精鋭兵が投入されている。米兵はアフガニスタン兵とドイツを含
む友好国から、支援を受けている。

失業者 430万人強

(ニュルンベルク)2月の失業者は、増加に歯止めがかかったもの
の、過去3年で一番高くなった。連邦労働施設の情報では、2月の
ドイツの失業者は430万人強で、1月より6千人増加、昨年2月より
18万4千人増加であった。失業率は変わらず10.4%である。一方、
連邦政府が設置した連邦労働施設改革委員会は8月中旬までに改革
案を出す、と予告した。同所自体も改革の意志があることを強調し
た。

首相 労働市場好転の兆しを見る

(ベルリン)首相シュレーダーは、高い失業率が続いているにもか
かわらず、経済成長と労働市場が好転している、と見ている。失業
者数は多いものの、かなり前から長期失業ははっきり減りつづけて
おり、あらゆる経済指標が米国、世界、ドイツ経済の活性化を明ら
かに示している、と彼は指摘した。野党キリスト教民主、社会同盟
の首相候補シュトイバーは、与党社会民主党と緑の党が新たな雇用
の創出で期待を裏切った、と非難した。


3月7日(木)

独負傷兵帰国

(カブール)首都カブールで起った爆発事故から一日経ったが、この事故の原因は
まだ不明である。ドイツとデンマークの専門家委員会は、現場で爆破の下準備がさ
れた地対空ミサイル2機がなぜ予定より早く爆発したのかを調査することにしてい
る。同所では水曜日、国際平和部隊に参加していたデンマーク兵3人とドイツ兵2
人が死亡した。爆発で負傷したドイツ兵は空路で帰国した。コブレンツ軍病院で5
人のドイツ国防軍の兵士が手当てを受けている。デンマーク兵3人はコペンハーゲ
ンに運ばれた。全員命に別状はない。国防軍幕僚長ハラルト クーヤトは、兵士の
不注意が招いた事故である可能性がある、と述べた。国防大臣ルドルフ シャルピ
ングも技術上の不手際があったのではないか、と推定している。

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米国 アフガニスタン東部の派兵増強

(カブール)米国と同盟国はアフガニスタン東部のタリバンとアル
 カイダ兵に対する攻撃を続行する。タリバン側が激しい抵抗を行
なっているため、米国はガルデス近郊の山岳地帯の兵を300名増強
し、1,100名とした。さらにアパッチ型戦闘ヘリコプターを追加投
入した。アフガニスタン暫定政権は、米国支援のためさらに1,000
名の兵士を動員した、と発表した。米軍は、アル カイダはこの地
域に新たな兵力を潜入させ、その数は1,000名を越える、と発表し
た。

近東紛争 鎮静化の兆しを見せず

(エルサレム)国連と米国が厳しい警告をしているにもかかわらず、
近東の暴力は続いている。イスラエル軍ヘリコプターは、ガザ地区
の難民収容所のパレスチナ治安軍の建物にミサイルを発射した。ガ
ザ地区では3千名のパレスチナ人児童がイスラエル軍の空爆にさら
され、国連の情報によれば国連の建てた学校近くに爆弾が打ち込ま
れた。西ヨルダンランドのユダヤ人入植地アリエルではアラブ系急
進派が自殺テロを行ない、9人のイスラエル人が負傷した。水曜夜
にはイスラエル軍が西ヨルダンランドとガザ地区で攻撃を拡げてい
た。医者の情報によれば、合わせて11人のパレスチナ人が死亡し、
30名以上が負傷した。

国連とイラク 軍縮検査官に関する話し合い

(ニュー ヨーク)1年以上の中断を経て、国連はイラク指導部と
軍備縮小検査の再開をめぐる話し合いを行なった。国連事務総長ア
ナンは、イラク新外相サブリの特使を出迎えた。両者は第1回の話
し合いを肯定的に評価した。さらに話し合いを行なうことになった
模様である。アナンは話し合いを前に、紛争の拡大を避けねばなら
ない、と強調していた。米国は、イラクでは大量殺戮兵器が開発さ
れており、ますます軍事攻撃が行なわれる可能性が高まっている、
との見方をとっている。


3月8日(金)

シャローン 休戦を行なわずに会談実施か

(エルサレム)イスラエル首相アリエル シャローンは、1週間の休戦を、パレス
チナ人との停戦交渉の条件とすることをやめる模様である。戦争状態が続いている
ので、この交渉は「戦火の下で」行なわれる、と彼はテレヴィ番組で語った。一方、
イスラエル軍の戦闘ヘリは、西ヨルダンランドのパレスチナ側の施設をミサイル攻
撃した。ヘブロン近郊では警察署と諜報機関の建物が攻撃を受けた。海軍はガザ地
区北部の難民収容所を砲撃した。イスラエルの軍事行動で、この金曜日だけで少な
くとも36人のパレスチナ人が死亡した。
近東でパレスチナ人による武装蜂起が17ヶ月前に始まって以来、最悪の流血の事
態を招いた1日となった。

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委員会 爆発事故の原因を調査中

(ベルリン)ドイツとデンマークの専門家は、カブールで発生した
爆発事故の原因の調査に着手した。独国防省は、早ければ来週半ば
には調査結果が発表されると見ている。この事故ではミサイル2機
の発火装置を取り外す際にドイツ兵2名とデンマーク兵3名が死亡
し、負傷者8名が出た。5名の遺体は土曜日にドイツに運ばれる。

パクティア派遣兵増強

(カブール)アフガニスタン東部でタリバンとアル カイダと闘う
部隊は、1,000名ほど増強されたとの複数の情報がある。増強部隊
は、戦車と砲を装備し、同国各地域の各部族の指導者の元から派遣
された。米軍司令官がアフガニスタンの追加兵をパクティア州に派
遣するよう要請した、と米国では報道されていた。米国も1,100名
ほどの兵を増員した。アフガニスタン政府の推定によれば、この兵
をタリバンとアル カイダ兵1,000人ほどが迎え撃っている。

アフガニスタンでの世界女性の日

(カブール)アフガニスタン女性の運命が、今年の世界女性の日の
主要議題である。カブールで開かれた大会で、アフガニスタン女性
相サマルは、同国の女性がそれぞれ学校に通えるように、との要請
を出した。国連事務総長アナンも、これは女性が抑圧の日々を逃れ
て、再び学校教育を受け、社会生活に参加できる明るい兆しである、
と評価した。同様の見解をドイツ外務省も示した。アフガニスタン
の女性の権利を擁護する立場の人々は、伝統的な参事会議は少なく
とも4分の1が女性でなければならない、との要求を出している。こ
の参事会は6月に第2期の暫定政権を召集することになっている。


3月9日(土)

イスラエルで攻撃が連続

(テル アヴィヴ)イスラエルは新たな攻撃に震撼した。エルサレムの喫茶店で自
殺テロが起こった、と報じられた。目撃者によれば数人が死亡した。北イスラエル
の港湾都市ネタニヤでは、数人のパレスチナ人が、ユダヤ教の安息日を終えて外出
した通行人に発砲した。最新のイスラエルの報道によれば、同市ではイスラエル人
1人と犯人4人のうち3人が死亡し、30人を越える負傷者が出て、そのうち数人は
重傷である。この攻撃への報復として、イスラエル空軍はパレスチナ大統領ヤセル
 アラファトの本部に対して攻撃を加えた。

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ジンバブエ大統領選挙 開始

(ハラレ)ジンバブエでは2日かける大統領選挙が始まった。通信
員は、首都ハラレでは多くの有権者が警官によって投票を阻止され
ている、と報じている。権力者ムガベに対抗し、民主化運動党のツ
ヴァンギライが立候補している。野党は、ムガベが脅迫や開票操作
を行なうのではないか、と非難している。米国、EU、英国も、
1980年以来権力の座にあり、かつては民主化の希望の星であった
ムガベを激しく非難していた。選挙には600万人の有権者の多くが
参加するものとみられる。二重国籍のジンバブエ人は投票すること
ができなかった。

簡素な式で死亡した兵士を送る

(ケルン)国防軍は、簡素な式を行なって、カブールで死亡した国
際平和部隊の兵士5人に敬意を示した。ドイツ兵2人、デンマーク兵
3人の棺を乗せた軍用機がケルン・ヴァーン空港に到着した。土曜
朝には国際アフガニスタン平和部隊はカブールですでに追悼式を行
なっていた。彼らは水曜日にソ連製地対空ミサイル2機の発火装置
を撤去するのに失敗し死亡していた。死亡したドイツ兵2人は故郷
に、デンマーク兵はコペンハーゲンに運ばれた。

国会議員も政党資金問題に関与の疑い

(ハンブルク)ケルン社会民主党の政党資金問題には、連邦議会議
員とノルトライン・ヴェストファーレン州議会議員も関与している
と見られている。雑誌報道によれば、資金の偽造領収書を受け取っ
たとされる党員の一覧表には、ケルンとその周囲出身の国会議員の
名前もある、とのことである。連邦議会の社会民主党議員団長ヴィ
ーナントもこの事件に関与していると見られている。彼は、この事
件の中心にあるケルンのゴミ焼却施設を建設したシュタインミュラ
ー社の顧問を長い間勤め、社会民主党が多額の資金を受けていたゴ
ミ焼却会社の顧問も勤めているとされている。


3月10日(日)

シャローン アラファトは自宅拘禁終了の条件を満たしたと発言

(エルサレム)パレスチナ大統領ヤセル アラファトは、自宅拘禁を終わらせるた
めの条件を満たした、とイスラエル首相アリエル シャローンは国営テレヴィで語
った。アラファトは12月3日から、イスラエルによって、ラマラにある自分の事務
所に拘禁されている。イスラエルは自宅拘禁を終わらせるためには、イスラエル観
光大臣レハヴァム ゼエヴィ殺害の犯人を逮捕することを条件として求めていてた。
土曜日パレスチナ治安維持部隊は、ゼエヴィ暗殺の黒幕と目される人物を逮捕した
ことを発表していた。アラファトの自宅拘禁は既にゆるめられていたが、ラマラを
離れることは許されていなかった。

     その他のニュース

裁判所はジンバブエ選挙の延長を要求

(ハラレ)野党側によれば、ジンバブエ最高裁判所は、大統領選挙
を1日間延長した。野党民主化運動党は、投票所での待ち時間が長
いため、投票の延長を要求していた。野党の弁護士は、法廷は全土
で投票の延長を命令した、と語った。彼は、政府はこの決定に対し
控訴すると思われるが、月曜日にも投票が行なわれることを阻止で
きないだろう、とも語った。選挙2日目も、ハラレやブラワヨなど
の都市を中心に、多くの投票所の前に長い列が出来た。

米国兵撤退

(ワシントン)米国は東アフガニスタンで、タリバンとアル カイ
ダ兵に対する攻勢をかけてから1週間強で、約400人の兵士を戦闘
地域からひきあげる方針である。アナコンダ作戦は続行する、と米
国では報じられている。ガルデス近くでは約千名の米兵が戦ってい
る。米軍機はほとんど間を置かずに爆撃を行なっている。山岳地帯
には今なお数百の兵士が潜伏している。米国側によれば、爆撃で
500ないし600の敵方兵士が死亡している。

米国 核兵器計画

(ワシントン)米国政府はテロの脅威に備えて、新たな核兵器を開
発する方針であり、攻撃目標となり得る国を増やした、と報じられ
ている。攻撃を加える可能性があるのは、大統領ブッシュが「悪の
枢軸」と名指ししたイラン、イラク、北朝鮮である。その他リビア、
シリア、中国、ロシアがこれに加えられている、と米国防省の機密
文書を引用して、新聞数社が報道している。外相パウエルはこの文
書の存在を認めたが、この文書の意味を小さくとらえて、現時点で
は米国の各攻撃の恒常的な目標となっている国はない、と語った。
この国防相の文書は、地中の目標を破壊できる小型核兵器開発に関
するものである。


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