3月25日〜31日のオーストリアのニュース

3月25日(月)のオーストリアのニュース

     国際ニュース

アラファトの出国で 米国イスラエルに圧力

米国政府はイスラエル首相アリエル シャローンに対し、パレスチ
ナ大統領ヤセル アラファトをベイルートで開かれるアラブ連合の
首脳会議に参加させるよう、公式にも要請した。一方イスラエル政
府はアラファトの旅行許可に関して審議を行なっている。アラファ
トは水曜日に開かれる首脳会談に参加したい、としている。最終的
な決定は火曜日にはでるものと見られていた。またイスラエルとパ
レスチナの代表による安全保障会談は近々には行なわれない、パレ
スチナ側が会談を拒否しているためである、とイスラエルのラジオ
局が報じている。

     国内ニュース

自由党 迎撃戦闘機購入と減税を共に行なう

内政に関心がある人たちはここ数日、選択に困るような料理を出さ
れている。減税と迎撃戦闘機、迎撃戦闘機導入だけで減税なし、迎
撃戦闘機は購入せず、減税を実施、等等の提案が出され、ないのは
減税なしの迎撃戦闘機購入見送りだけである。自由党は、戦闘機購
入の代わりに減税を行なうことを求めている、フォアアルルベルク
州首相ゴルバッハの意見に注目している。一方月曜日には国防相シ
ャイプナー(自由党)は、減税と迎撃戦闘機双方を予算に盛り込ま
なければならない、と発言している。


3月26日(火)

     国際ニュース

マケドニアで戦闘 死傷者発生

マケドニアでアルバニア人反乱勢力相互の間で内部紛争が起り、少
なくとも2人が死亡した。この紛争地域ではここ数ヶ月で最悪の事
件である。その他テトヴォ近郊での衝突で、けが人が5人発生した、
とNATO報道官ラットクリフがスコピエで発表した。正式には解散
した「国民解放軍UCK」の代表が、戦闘の続行を求める分派の「ア
ルバニア国民軍AKSh」との戦闘を行なった、との声明が出された。
マケドニアアルバニア人反乱運動の政治指導者アリ アーメティは、
急進派の分派に対する攻撃を行なう、と語った。

     国内ニュース

交通相 環境保護条項に関する決定を6月に行なうよう要求

オーストリア交通大臣マティアス ライヒホルト(自由党)は、水
曜日EU加盟各国の交通相と環境保護条項を2003年以降まで延長す
ることをめぐって議論を行なうが、その決定を6月に行なうよう言
明した。決定を遅らせようという動きもあった、新たな規則を予定
通り2003年末までに発効させるためには、延期は考慮するに値し
ない、と記者会見で語った。月曜日に行なわれたEU交通委員のロ
ヨラ デ パラシオとの議論は「困難だが心の通った」ものだった
が、火曜の話し合いはただただ「困難」であったが、オーストリア
の立場からかけ離れた政治的議論は弱まってきた、とライヒホルト
は語った。


3月27日(水)

     国際ニュース

イタリアでのテロに反対するデモに数十万人が参加

イタリアの各地で水曜午後、数十万人がテロに反対する労働組合の
デモに参加した。最大の抗議行動は、ローマで開かれた松明行進で、
労働組合の情報によれば、約30万人が参加した。最後に行なわれた
中央広場での集会では、3大労働組合CGIL、CISL、UILの幹部が、
テロとの戦いを行なうことを強調した。先週火曜日には極左の「赤
い旅団」が政府顧問マルコ ビアギを暗殺していた。北イタリアの
都市ボローニャでは、ビアギが撃たれた家の前まで松明デモが行な
われた。

     国内ニュース

憲法に赤字ゼロを盛り込む提案で 蔵相と野党話し合いを行なう

社会民主党は国家財政の赤字をなくす根拠を憲法の規定に定めるよ
う提案したが、この議論に大蔵大臣カール・ハインツ グラサー
(自由党)も加わる。自由党国会議員団長ペーター ウェステンタ
ーラーは、この問題は国民の決断にまかせたいとしているが、グラ
サーは社会民主党党首アルフレート グーセンバオアーと直接話し
合う方針である。景気の循環に関係なく、国の収支を均衡させるこ
とをどのように憲法の中に位置づけるかという問題は、2001年5
月中ごろから検討してきており、この問題では4党が妥協案を受け
入れることが最も好ましい、と彼は新聞に語った。


3月28日(木)のオーストリアのニュース

     国際ニュース

米国 9月11日の黒幕に死刑の方針

米国司法省は、9月11日の米国攻撃の容疑で、テロリストと目され
るザカリアス ムサウイに対し死刑を求刑した、と米国のテレヴィ
局は昨日報道した。フランス政府は、フランス国民であり、モロッ
コ生まれのムサウイに米国で死刑が執行されるのを阻止する方針で
ある。彼は米国の裁判で、9月11日のテロ攻撃に直接関連して、い
くつかの点で弁明をしなければならない。彼はテロ攻撃を行なう
20番目の人物になる予定であった、と見なされている。

     国内ニュース

外相 テメリン原発に関する自由党の方針に不満

連立与党の自由党に対し、外務大臣ベニータ フェレロ・ワルトナ
ー(国民党)は激しい批判を行なった。最近自由党はテメリン原発
に関する方針を、チェコのEU加盟は同原発の運転中止いごになる、
という形で下したが、彼女はこれをまったく評価していない。オー
ストリアとチェコは数ヶ月前にようやく、多くの努力を必要とした
交渉を行なって、テメリンに関する妥協にこぎつけたばかりであり、
重要なのはこの合意を実施に移すことであって、EU加盟の障害を高
くすることではない、と語った。


3月29日(金)

     国際ニュース

イスラエル軍戦車 ベイト ジャラに進軍

イスラエル軍は金曜深夜、西ヨルダンランドのベイト ジャラへ侵
入した。パレスチナ人の目撃者によれば、8台の戦車がベツレヘム
近郊の集落に入ったが、今までのところ戦闘は起きていない。イス
ラエルのでは、ベイト ジャラのパレスチナ人が、近くにあるユダ
ヤ人入植地ギロに手榴弾を投げ込んだ、と報じられている。国連事
務総長コフィ アナンは、ますます激化する近東紛争に解決の糸口
を見つけるために、イスラエルと並ぶパレスチナ人国家を急いで建
国することを求めている。「3月12日の国連安保理の1397号決議で
示されているように、2つの国の並立を実現するため」出来るだけ
素早く行動するなら、暴力と報復の悪循環を克服できるだろう、と
語った。

     国内ニュース

国民党 公務員の採用の方針を検討

大蔵次官アルフレート フィンツ(国民党)は、同党は公務員の地
位に関する新たな規則を作るよう動きを強めて行く方向である、と
語った。新聞のインタヴューで彼は、公務員の採用は過去には単な
る国庫の問題として捕らえられ、重視されてこなかった、と語った。
若い公務員の方が契約職員より安くつくため、連邦は州とはことな
る公務員採用を行ってきた。その結果、州の本採用の公務員は40%
程度であるのに対し、連邦では60%になっている、と語った。


3月30日(土)

     国際ニュース

アンゴラと反乱勢力 和平協定に署名

27年間の内戦の後、アンゴラ政府と反乱勢力アンゴラ全面独立民族
同盟UNITAは和平を結んだ。両者の代表は土曜日、首都地域のルエ
ナで協定に署名した。その協定で、両者は対立の解消を誓い、全土
で平和を守ることを約束した。政府側は参謀本部長ゲラルド ヌン
ダが、反乱勢力側は将軍アブレウ カモルテイロが出席した。両者
は3月中旬にすでに停戦条約を結んでいた。反乱勢力の指導者ジョ
ナス サヴィンビは2月22日に政府軍との戦闘で死亡していた。彼
の死で、1975年のポルトガルからの独立以来続いていた50万人以
上が死に、400万人が国外追放になった紛争解決の希望が見え始め
た。

     国内ニュース

新党結成の可能性

シュタイアーマルク州選出の連邦議会議員ヴィンセンツ リヒテン
シュタインは自らが属す国民党に対し、現在「故郷(支持政党)を
失ってこの地域であちこち移動している」市民を吸収して、新たな
党を作る可能性がある、と通告した。新聞で彼は次のような見通し
を語っている。「国民党が今のままなら、過去十年で国民党に投票
するのを止めた有権者の受け皿となる、新たな党を作らざるをえな
い。」


3月31日(日)

     国際ニュース

西側活動家 アラファトと立てこもる

イスラエル兵による威嚇射撃が行われているにもかかわらず、日曜
日約50人の平和活動家が、パレスチナ大統領ヤセル アラファトの
包囲されている事務所の中に入り込んだ。この組織の公報が、40人
ほどのフランス人を中心とする一団がアラファトのそばにとどまっ
ており、イスラエル軍の攻撃からアラファトを守っている、と発表
した。活動家達はアラファトと会談をし、彼はその後職務に戻った
が、「最後まで」イスラエルの占領に対する抵抗運動を行う決意を
表明した、とも伝えた。

     国内ニュース

外相 イスラエルの即時撤退を要求

外務大臣ベニータ フェレーロ・ワルトナー(国民党)は「近東情
勢が不透明で危険になっている」ため、イスラエル軍の即時撤退と、
テロの中止を求めた。「最近の暴力の激化は、イスラエル人とパレ
スチナ人がお互いに平和的に暮らす2つの国、という考え方を実現
させることはないと、確信しています」と外務省報道官は月曜日発
表した。「平和の前段階である真の希望をもたらす停戦」が緊急に
必要であり、政治的立場を越え、たとえばアラブによる和平提案に
基づいて、国連安保理の最近の決議を満たすような形で交渉を緊急
に行うことが必要だ、と彼女は考えている。


今日のニュースへ

過去のニュース(目次)へ inserted by FC2 system