5月13日〜19日のオーストリアのニュース

5月13日(月)

     国外ニュース

国連安保理 イラク制裁に新たな規定

国連の制裁が改定されることで、イラクは今後、国民が必要として
いる一般的な商品を輸入できるようになる。またこの改定により、
武器製造に使われる物資の違法な輸入に対しては罰則が強化される。
国連安全保障理事会は月曜午後、これに関する決議を行なった。外
交筋によれば、米国が提出した条文に対する採決は火曜日に行われ
る予定である。シリアはこれに先立ちいくつかの修正要求を行なっ
たが、過半数の賛成を得られなかった。これはイラクが攻撃を受け
た場合の防衛権を認めること含んでいた。

     国内ニュース

閣議 退職一時金に賛成

退職一時金に関する法案が火曜日、正式に閣議の議題にのぼる。政
府と労使双方の代表が、今まで決定していない細部の交渉を行なっ
ていた。当初の予定では、この法案は5月21日に閣議で審議される
ことになっていた。夏になる前に国会で法案を審議した後、7月1日
に退職一時金の制度は実施される予定であった。今までは、失業中
の保険料を誰が支払うか、出産時には交付待機期間を設けるかどう
かをめぐって、意見の相違があった。


5月14日(火)

     国外ニュース

戦争犯罪で12人のセルビア人がクロアチアで有罪判決

クロアチアの都市オジェクで12人のセルビア人が、長期間の拘留の
ため欠席したまま、戦争犯罪で有罪判決を受けた。クロアチアの通
信社の報道によれば、検察はこれらのセルビア人が、1991年から
5年にかけてのクロアチア戦争の間に、東クロアチアのバランジャ 
クロアチアのブランジナ村で非セルビア人を虐待し、追放した件で
訴えていた。バラッンジャは1991年から4年までセルビア人に占領
されていた。セルビア人指揮官とその代理は15年間の有罪、他は13
年の自由刑が言い渡された。12人全員は戦争後国外に逃亡していた。

     国内ニュース

村落名票問題でハイダー 憲法裁判所を非難

村落名票問題をめぐる憲法裁判所とケルンテン州首相イエルク ハ
イダーの対立が再燃した。憲法裁判所は月曜日、2001年活動報告
の中で、この判決は無効であるとの自由党の発言に関して、これは
クーデターの理論として使える、と記していた。ハイダーは、この
憲法裁判所に批判を火曜日のテレヴィ番組で、「子供じみており愚
かである」と評した。この報告書は秘書の苦心の作品で、力のある
裁判官はきっとこれを作成する時間がなかったのだろう、と語った。
さらに彼は、憲法裁判所は自らは善をなしえないような組織であり、
「すねに傷があれば、他人をとがめてはいけない」などと語った。


5月15日(水)

     国外ニュース

シラク大統領 2期目に

選挙後11日経ち、フランス大統領ジャック シラクは木曜日から2
回目の任期に入る。彼は5月5日の決選投票で82%強の得票を集め、
極右のジャン・マリー ル ペンを破って、続投を決めていた。彼
は新ド ゴール派で1995年からフランス大統領を務めている。フ
ランスで7年ではなく5年の間隔で大統領選挙が行われたのは初め
てである。大統領府によれば、パリのエリーゼ宮では就任式が簡素
な形で行なわれる。政府と各国、軍、宗教団体の重要人物が招待さ
れ、最後には21発の祝砲が撃たれる。

     国内ニュース

グラーツ市議会 自警団に反対する嘆願書を審議

グラーツ市議会は木曜から、問題になっている自警団についての議
論を始める。自由党が主導するこの組織に反対する嘆願書が準備さ
れている。提案されている社会民主党の創案では、自警団の組織を
阻止するためにあらゆる法的手段を尽くすよう、連邦政府に要求し
ている。会議は午後3時に始まり、採決は5時前の予定である。投
票の行方は国民党にかかっている。同党は自警団推進派とは距離を
取っている。社会民主党と国民党は、グラーツ市での行動で自警団
の印象がすでに悪化しているとの意見を持っている。社会民主党は、
これが全国的に拒否されることで、一体となった対策がとれるもの
と期待している。


5月16日(木)

     国外ニュース

米国政府 9月11日を理由として非難に反論

米国政府は昨日、米国が9月11日以前に受けていたテロ攻撃の警告
に対して、適切な形で対応していた、と強調した。米国議会の議員
からは、9月11日の攻撃はそれ以前に入っていた情報を正しく評価
し、対処をしていたら、防ぐことができたのではないか、という疑
問に答えることを求める声が出ている。上院議員ジョン エドワー
ズは、少なくともあらゆる警告ベルを鳴らさなければならないよう
なはっきりした3つの兆候があった、と語った。彼は、連邦警察捜
査官の覚書の形でまとめられた通報と、大統領ブッシュに早いうち
から送られていたことと、テロの容疑者の逮捕を取り上げた。

     国内ニュース

連邦産業会議議長 自警団に賛成

連邦産業会議議長クリストフ ライトルは、グラーツの例にならっ
た自警団をリンツに作る可能性がある、とみている。その理由とし
て、リンツ旧市街の情勢を挙げ、リンツはシカゴのようになってい
る、と語った。現在すでに飲食店が閉鎖され、人気のある商店は客
の急激な減少を被っているが、それは路上にガラスの破片が散らば
り、未成年者が酔っ払い、町の光景を恐ろしげなものにしているた
めである。ライトルは、警官の動員を増やすのがよいと見ているが、
それが不可能な場合、自警団を公の組織の監視下で支援に参加でき
るのではないか、と考えている。


5月17日(金)

     国外ニュース

EU 国外追放のパレスチナ人13人に関して合意

粘り強い交渉を経て、EU各国は金曜日、現在キプロスにおり、こ
の後EUに移るのを待つ13人の急進派パレスチナ人の受け入れ条件
に関する合意に達した。イタリア、スペイン、アイルランド、ポル
トガル、ギリシア、ベルギーは、受入国として名乗りを上げている、
とブリュッセルで発表された。オーストリアは、先週EU議長国のス
ペインと会談を行なったが、今のところ受入国として名前が挙がっ
てはいない。この合意によれば、このパレスチナ人は、受入国の国
内法に従わねばならず、一律の地位が与えられることはない。また、
受入国のヴィザを受け、またその国から出国することもできない、
ということである。

     国内ニュース

税制改革 多くの優遇税制が廃止へ

中低所得者の負担軽減を目指して計画されている、政府側特に自由
党が計画している税制改革は、自営業者以外に対する税率の引き下
げのほか、多くの負担増も行なわれる、と発表された。大蔵大臣カ
ール・ハインツ グラサー(自由党)は、税制簡素化計画推進に当
たって、優遇税制廃止に取り組んでいる。新聞報道によれば、すで
にこの措置については与党間で意見の調整を行なっている、とのこ
とである。自由党の経済問題担当のプリンツホルンと国民党のシュ
トゥムフォルは、この計画に関する照会を行なっていることを認め
た。


5月18日(土)

     国外ニュース

パレスチナ22閣僚 アラファトに辞表を提出

パレスチナ国民からの改革要求が高まる中、政府閣僚22人が大統領
ヤセル アラファトに辞任を申し出た。アラファトは彼らに、遅く
とも45日後に新政府を作るので、それまで職務を続けるように要請
した、との発表があった。詳細は今のところ不明である。一方アラ
ファトはパレスチナ人の選挙委員会の会議を日曜日に招集した。パ
レスチナ議会は金曜午後、新政権の組閣を迅速に行なうことに賛成
している。

     国内ニュース

国民党議員 自警団問題で世論操作と発言

国民党所属の州議会議員ワルター リングは、自警団は自由党によ
る大衆迎合的な世論操作が悪趣味に極みに達したものだ、と見てお
り、同党と縁を切るか、さもなければオーストリアは「スパイ国家」
になる危険がある、と語った。一方自由党の州代表フーバート ゴ
ルバッハは、自警団を結成しても法治国家、つまり権力を国家が一
手に握る体制が危険にさらされることはない、と語った。


5月19日(日)

     国外ニュース

イスラエルで自殺攻撃 4人死亡

パレスチナ人によるものと見られる自殺攻撃が日曜日、イスラエル
の港町ネタニヤで発生し、イスラエル人3人が死亡した。50人以上
が市場で起きた爆発事件で負傷し、うち5人は重傷である。爆発で
壊れた屋根の瓦礫に埋もれた犠牲者数人が救出された。その犠牲者
のうち1人はすぐに死亡したが、重傷を負っていたイスラエル人2人
は病院で死亡した。目撃者によれば、犯人はタクシーで犯行現場ま
でやって来て、イスラエル軍の軍服を着ていた、とのことである。

     国内ニュース

教員組合 授業時間に「緊急の時間」を要求

中等学校教員組合は、授業と個人の問題に関し意見交換をする時間
を増やすよう要求した。これによって、学校での暴力を減らすこと
が可能だ、と教員側は語っている。この時間はクラスの担当者が行
ない、生徒と一緒に、暴力を用いないで解決を探るためのものだ、
と同労組長ヘルムート ヤンティッチュ日曜日にテレヴィ番組で語
った。教育大臣エリサベト ゲーラー(国民党)は、この提案を建
設的なものと評価し、一律に行なうのではなく、学校が自らこれを
行なう必要があるかどうかを決めるべきだ、と語った。


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