5月20日〜26日のオーストリアのニュース

5月20日(月)

     国外ニュース

FBI イスラエル同様の自殺攻撃の可能性を警告

米国連邦捜査局は、イスラエルに似た自殺攻撃が米国の公共の広場
でも起こる、との見通しを語った。連邦捜査局局長ロバート ミュ
ラーは月曜、「今後このようなことを私たちは体験すると考えます。
私の考えでは、これは避けられません」とワシントン郊外の検察で
発表した。「もっと楽観的になれればいいのですが」とも付け加え
た。攻撃を阻止する可能性は大きくはない、テロ組織の内部は急進
的で熱狂的な人物で占められているため、潜入してその情報を入手
するのはほぼ不可能だからである、とも語った。

     国内ニュース

内閣 大学改革を審議

大学改革に関する議論が最終局面に入る。火曜日、新たな大学法の
政府案が閣議を通過する予定である。教育大臣エリサベト ゲーラ
ー(国民党)は、審査されている提案のうち、大学協議会の派遣や、
議決を行なう委員会を評議員会の下に設置する問題などで、修正を
加えると発表している。これらの措置を学生と労働組合は、十分な
ものとは見ておらず、更なる抗議を行なう計画が立てられている。
組合は、職員の雇用の維持、委員会の民主的な決定、蔵相の実施の
約束を取り付けた財政計画を明確にすることを求めている。6月第
1週にはストライキを構えている。


5月21日(火)

     国外ニュース

ベルリンでブッシュ訪問を前に数万人がデモ

米国大統領ジョージ W. ブッシュの訪問を翌日に控え、米国の外交
政策に反対し、数千人の戦争反対派がデモを行なった。おおむね平
和的に行なわれたデモは、午後には騒動になった。緑の党の集会に
は、連邦同党の幹部が参加していたが、デモ隊が「偽善者、戦争推
進派」と叫んで舞台にに押し寄せたため、集会は一時中断せざるを
得なかった。民主社会党とベルリン・キリスト教民主同盟も、それ
ぞれのデモに参加を呼びかけた。警察は大量動員を行ない、騒乱を
起こした者には断固とした措置をとる、と予告していたが、夜まで
に逮捕者は出なかった。

     国内ニュース

大学改革 政府は反対派に譲歩

大学改革問題で、教育大臣エリサベト ゲーラー(国民党)はいく
つかの点で批判に譲歩した。大学法の政府原案は、火曜日閣議で了
承されたが、これはゲーラーの基本方針に則した形でもともとの計
画に沿ったものである。ただし細部に関しては過去数ヶ月、多くの
異論が唱えられ、取り上げられた。大学協議会の派遣とその課題に
関しては修正が加えられた。その他、評議会の下にも議決権を持つ
合議組織を設置してもよいことになった。また学生に対しては評価
問題と決定参加で妥協が行なわれた。ウィーン、グラーツ、インス
ブルックの医科大学の設置が確定した。


5月22日(水)

     国外ニュース

イスラエルで自殺攻撃 3人が死亡

パレスチナ人による自殺攻撃が水曜午後、イスラエルの都市リショ
ン レツィオンの歩行者用の一角で起こり、警察情報によれば少な
くとも2人が死亡、20人が負傷した。3つ目の遺体は犯人ものので
あるかどうか調査中であり、共犯者の行方を追及する、と警察は発
表した。市長代行の発表によれば、公園の近くでこの男が爆死して
おり、この公園ではソ連からの移民が午後にはいつもチェスをして
遊んでいた。地元警察署長によれば、犯人は金髪で、ヨーロッパ人
風の外見をしていた。今のところ犯行声明は出ていない。

     国内ニュース

トムソン事件 調査委員設置案成立せず

社会民主党が求めていた連邦首相ウォルフガング シュッセル(国
民党)に対する国会の調査委員会の設置問題は、昨日午後国民議会
の会合の終わりで否決された。この提案は野党の賛成72票だけで
少数派の意見にとどまった。出席した与党国民党と自由党の95人
の議員は、この議案に反対の投票を行なった。この調査委員会では、
1994年と5年のトムソン型のレーダー施設の建設に関連して、現在
の首相で当時産業大臣だったシュッセルが果たした役割を解明する
ためのものである。


5月23日(木)

     国外ニュース

テル アヴィヴのディスコ 攻撃を回避

深夜になる直前、テル アヴィヴで新たな自殺攻撃が発生しそうに
なったが、警備員がこれを未然に防いだ。ラジオ報道によれば、パ
レスチナ人が身に付けていた爆発物が破裂し、本人は死亡した。ま
たディスコにいた客2人が軽傷を負った。このディスコの客が攻撃
の目標となっていたようで、衝撃を受けている。2人の警備員が犯
人を攻撃をたくらんでいると見て、発砲した。犯人は自動車の後ろ
に隠れたが、そこで爆弾が爆発した。

     国内ニュース

武器禁止に関する議論

緑の党と社会民主党は個人の家に武器を置くことを全面的に禁止す
ることを要求しているが、連立与党はこれを拒否している。自由党
の国会議員マイノーニと国民党安保医院のキスは、木曜日国民議会
で短時間行なわれた議論の中でこの法案に反対した。2人とも、現
行の法的規制で十分である、との立場であり、野党とは見解を全く
異にする。緑の党の代表ペトロヴィッチは、「機会が犯人を作る」
との意見を述べた。社会民主党の執行部のクンツルは、あきらめて
逆戻りしてはならない、と強調した。


5月24日(金)

     国外ニュース

米国 核保有国インドとパキスタンが戦争を行なわないよう警告

米国国防相ドナルド ラムズフェルドは、インドとパキスタンがカ
シミール紛争で、戦争に突入しないように警告をした。両核保有国
による戦争が起きてはならない、と彼は金曜日語った。特に、この
ような武力紛争は激化する可能性があり、世界全体にとって問題と
なる危険性がある、とも付け加えた。核戦争に発展する可能性があ
るか、との質問には彼は詳細に答えず、「それはまずい事態で、短
期間では終わらないだろう」と語った。

     国内ニュース

次期迎撃戦闘機 F16は候補外へ

米国の企業ロッキード マーティン社製F16は、ドラーケンの後継
機問題で競争に敗れた、と新聞が報じた。これにより18億オイロの
予算で発注される候補機は、ヨーロッパ製のオイロファイターかグ
リーペンとなる。評価委員会は、国防相へルバート シャイプナー
(自由党)にこの結論を提示することにしている。両候補機は軍事
面に限った場合、極めて近い性能を持っているので、購入の決定は
独英仏西のオイロファイター製造共同体とサーブ・英エアロスペー
ス社の営業力が大きく影響する、と報じられた。


5月25日(土)

     国外ニュース

イスラエル軍 ベツレヘムへ再び侵攻

イスラエル軍は土曜午後、再び戦車でパレスチナ人の都市に侵攻し
た。パレスチナ側の情報では、軍はいくつかの方向から同時に西ヨ
ルダンランドのこの町に迫った、とのことである。未確認情報によ
れば、すでに数人のパレスチナ人が捉えられた。イスラエル軍は2
週間前に、聖誕教会の包囲を平和的に解いて、ベツレヘムから撤退
していた。これより前、軍はパレスチナ人による自殺攻撃を阻止し
ていた。西ヨルダンランド北部で兵士が、体に爆発物を巻き付けて
いた若いパレスチナ人を逮捕した。

     国内ニュース

郵便バス 来週ストライキ

オーストリア・ポストブス株式会社は14日間のストライキを予定し
ているが、これは来週始まる予定である。来週火曜に始まるという
情報も、水曜との情報もある。事業所委員会は水曜日にオーストリ
ア全土でポストブスの警告ストライキを行なうことを決めたが、来
週早々、おそらく火曜日に始まるものと見られている。ただし正確
な期日については、ストの圧力を高めるため、幹部は口を閉ざして
いる。


5月26日(日)

     国外ニュース

ブッシュとシラク NATOによる同盟を強調

米国大統領ジョージ W. ブッシュとフランス大統領ジャック シラ
クは日曜日、特にテロリストとの戦いでNATOの役割を強調した。
第2次世界大戦の戦場では自由をめぐる戦いが行われたが、今日で
はテロ組織との戦いという形式をとっている、とシラクは語った。
エリーゼ宮での会談後、外相を交えた夕食会で、ブッシュとシラク
はお互いを名前で呼びあった。パリとカーンでは約6千人が、米国
帝国主義反対を訴えてデモを行なった。ブッシュは月曜日、1944
年のノルマンディー上陸作戦に参加した米兵の記念式典に出席する。

     国内ニュース

世論調査 国民議会の選挙前倒しに反対

マーケット研究所の行なった世論調査によれば、オーストリア人の
71%が、国民議会選挙の早期実施に反対し、国民党と自由党による
連立政権を規定通りの任期である2003年9月まで維持することに
賛成している。わずか23%だけが選挙の前倒しに賛成している。野
党の支持者の中でも、選挙の早期実施に反対するする方が多数派で
ある。


今日のニュースへ

過去のニュース(目次)へ inserted by FC2 system