6月3日〜9日のオーストリアのニュース

6月3日(月)

     国外ニュース

カルスリ 自由民主党議員団にとどまる

問題になっているドイツのノルトライン・ヴェストファーレン州議
会議員ジャマル カルスリは、自由民主党党首グイード ヴェスタ
ーヴェレの意向に反して、同州議会の自由民主党の会派にとどまっ
ている。これは月曜日ドュッセルドルフで同党同州幹部が発表した
声明で述べられている、とヴェスターヴェレと同州同党党首ユルゲ
ン メレマンが明らかにした。その声明の中では、同州同党幹部は
カルスリの同会派への受け入れを承知しているが、カルスリがこれ
以上反ユダヤ主義の発言を行なうことがあれば、この決定を覆す可
能性もある、としている。ヴェスターヴェレとメレマンによれば、
この声明は反対1票、危険数票で採択された、とのことである。

     国内ニュース

記念閣議 外国人の権利を討議

2000年2月に成立した国民党と自由党による連立政権で、連邦首
相ウォルフガング シュッセル(国民党)は火曜日、100回目の閣
議を行なう。今回は、それにふさわしく重い問題が扱われる。外国
人法および融和条項を含む外国人雇用法、反テロ法が取り上げられ
る。これにより、テロ組織や資金面でのテロ支援への対処が強化さ
れる。ようやく政府は刑事訴訟法を承認する方針である。今後は予
審判事に代わって、検察が予審手続の主導権を握ることになる。


6月4日(火)

     国外ニュース

エジプト アル カイダの攻撃を米国に警告

エジプト秘密情報機関は、米国に対して9月11日の一週間前、テロ
組織アル カイダによる「作戦」が間近に迫っているとの警告を出
していた。これは火曜日の米国の新聞が、エジプト大統領ムバラク
とのインタヴューとして掲載したものである。それによれば、アル
 カイダ筋に潜入していたエジプトのスパイから、攻撃の準備が徐
々に進んでいることを示す情報があった。ムバラクは、エジプトの
スパイはこの作戦を阻止しようとしたが、攻撃の目標や規模につい
ての情報は得られず失敗した、エジプトは米国の秘密情報機関に全
て伝えていた、とも語った。

     国内ニュース

ハイダー 2003年減税を打ち出す

ケルンテン州首相イエルク ハイダーは火曜午後、2003年には減
税が行われる、来週末に行なわれる自由党党大会でこの決定が行わ
れる、と語った。彼はこの自由党の態度決定が、連立相手の国民党
もこの方針をとるきっかけとなると考えている。次回の国民議会選
挙で、自由党は投票の25%以上を獲得する、とも語った。国家財政
の赤字をどのようになくすのかという問いに答えて彼は、中期ある
いはそれ以上かかっても黒字は黒字である、と述べた。また減税に
関しては若干のずれはありうる、とも語った。


6月5日(水)

     国外ニュース

米国 危険な訪問者から指紋採取へ

米国は、反テロの戦いの一環として、外国がらの訪問者の管理を極
端に強化する。法務大臣ジョン アシュクロフトは昨日、今後テロ
組織と関係を持ち、特定の「危険な組織」に属する海外からの渡航
者は、到着の際に指紋を採取することになる、と発表した。この指
紋は、万一その人物がテロリストであったり、行方を追及されてい
る犯罪者だった場合に、それを見分けるために照合に使われること
になる。その他、関係する訪問者の写真を撮って、偽の写真で入国
する人を減らすようにもしたいとしている。

     国内ニュース

医師会 早期年金受給の弊害を指摘

郵便、電話、鉄道業界で、病気を口実に早期に年金を受給するため、
診断書を書いてもらった問題で、医師会は反撃に出た。水曜のテレ
ヴィ番組で、半年前の医師会の書簡が公表された。その中では、医
師会に対する圧力があった点で、郵便に対しては苦情が述べられて
いた。またその文書では、親切心から診断書を書いたようだとの見
方が医療従事者から出されている。医師会会長オットー ピュエタ
はその番組の中で、虚偽の診断書は今まで出された証拠はない、も
しこの非難が正しければ、関係医療機関に対し綱紀粛正手続きをと
る、と語っている。


6月6日(木)

     最新ニュース

ニーダーエスターライヒ州で洪水 警報発令

ニーダーエスターライヒ州南部で洪水ガ発生し、緊迫した状況であ
る。悪天候のため、夜のうちに、バーデン、ウィーナー ノイシュ
タット、ノインキルヒェンでは警報が発令された。シュウェヒャッ
ト、トリースティンク、ピースティンク川の水位は岸を越えた。多
数の家、地下室、道路は冠水している、とバーデンの地域消防本部
は発表した。住民は洪水から守るため高い建物に移るように命じら
れた。

     国外ニュース

ブッシュ ムバラクの近東会談参加を歓迎

米国大統領ジョージ W. ブッシュは、エジプト大統領ホスニ ムバ
ラクが、キャンプ デイヴィッドでの近東会談への参加することを
歓迎している。エジプト側の情報によれば、2日間の日程で行なわ
れる協議会で、ムバラクは紛争解決の日程を提案する。それによれ
ば、2003年初めまでにパレスチナ人国家建国を発表することにな
っている。また、同国は1967年にイスラエルが占領した地域の
42%に作られることになるが、その条件として、政治改革、パレ
スチナ人安保隊の再編、年内の選挙を挙げている。この会談には米
国外相パウエルとエジプト外相マヘアも出席する。

     国内ニュース

オーストリア持ち株会社 郵便バスの譲渡に賛成

国営のオーストリア持ち株会社の中央集会が木曜午後開かれ、先日
下された閣議の決定に従う形で、郵便バスをまとめてオーストリア
連邦鉄道に売却することを、役員に一任することにした。オースト
リア バス連合の創設が目標である、と持ち株会社公報はこの決定
に関して説明した。連邦鉄道は郵便バス買収で1億1600万オイロを
支払う、との情報がある。両者の話し合いは現在行なわれている途
中で、大きな問題がなければ秋になる前に決定が出る見込みである。


6月7日(金)

     国外ニュース

アラファト 近東会談の早期実施を要求

イスラエルの軍事攻勢が続く中、パレスチナ大統領ヤセル アラフ
ァトは近東会議をできるだけ早急に行なうよう要求した。彼は、米
国とエジプトに、和平の可能性がが完全に亡くなってしまわないよ
うに、和平実現に向けた支援を強化するよう呼びかけた。米国大統
領ジョージ W. ブッシュは、エジプト大統領ホスニ ムバラクとの
会談数時間前に、まもなく近東和平提案を行なう意向だ、と語った。
ムバラクはブッシュと、近東和平の日程について話し合う方針であ
る。エジプト側の情報によれば、パレスチナ人国家建国は2003年
のはじめになる予定である。

     国内ニュース

シュトローマイアー事件 内相は秘密はないと発言

内務大臣エルンスト シュトラサー(国民党)は、地方駐在連邦警
察隊隊長オスカー シュトローマイアーの配置転換問題に関して、
全て明らかにした、と考えている。彼はこれを土曜日発行の新聞の
インタヴューで述べ、その中で彼は社会民主党所属の警察労働組合
員を攻撃している。「彼らに多くの金を提供することはできるが、
彼らはそれにもかかわらず同意しない。彼らは党首のグーセンバオ
アーの命令にしたがっているからだ」と述べた。自分の権限の範囲
を逸脱しているとの非難に対し、シュトラサーは「その考え方自体
が詐欺的である。権限がすでに固定されていることを前提として成
り立っているからだ」と述べた。


6月8日(土)

     国外ニュース

ブッシュ パレスチナ国家建国の日程拒否

米国大統領ジョージ W. ブッシュは土曜日、パレスチナ人国家建国
に関する具体的な日程の提案を、時期尚早として拒否した。エジプ
ト大統領ホスニ ムバラクは、パレスチナ人に対し具体的な希望を
与えるために、日程を提示するように正式に求めていた。キャンプ
 デイヴィッドでのムバラクとの話し合いを終えたブッシュは、共
同記者会見に臨み、この日程を早急に練り上げねばならない、と語
った。ムバラクは、日程惑星を行なうよう再び要請した。それに対
しブッシュは、「我々の考え方はそれほど違わない」と語った。ム
バラクはその他に、イスラエルがパレスチナ人自治区から撤退し、
入植の中止するよう求めた。

     国内ニュース

ハイダー クラインディーンストに対する民事訴訟を取り下げ

本来来週月曜にサンクト ペルテン州裁判所では、注目の民事裁判
が行なわれる予定であった。ケルンテン州首相イエルク ハイダー
(自由党)は元自由党所属の労働組合員で、著述家のヨーセフ ク
ラインディーンストを名誉棄損および信頼感を失わせた件で、訴訟
を起こしていた。クラインディーンストの経済警察および新聞のイ
ンタビューでの発言に対して、訴えが起こされていた。彼はハイダ
ーにはスパイ疑惑に関与している疑惑がある、と語っていた。ハイ
ダーが訴訟を取り下げたため、この裁判は行なわれない。


6月9日(日)

     国外ニュース

警備員 飛行機乗っ取りを阻止

エチオピア航空の警備担当の乗員が、飛行機の乗っ取りを阻止した。
同国政府は日曜日、ナイフで武装した乗っ取り犯2人が警備員に取
り押さえられ、死亡した、と発表した。同機は42人の乗客を載せ、
首都アジス アベバの北西400キロのバール ダールから、アジス
 アベバにむけて飛行していた。乗客1人が軽傷を負った、とのこ
とである。今のところ詳細については伝えられていない。

     国内ニュース

ペトロヴィッチ 政府の女性政策を批判

週末からザルツブルクで開かれている緑の党の連邦女性会議は、政
府の女性政策を激しく非難した。現在女性政策は存在しておらず、
「現連立政権は、とっくになくなったと思われていた古くさい女性
像を探していた」と同党の女性問題担当のマデライネ ペトロヴィ
ッチは批判した。彼女は、政府の政策は、女性問題の対策を制度的
に財政破綻させ、女性を副収入を得る人という立場におとしめると
いう特徴を持っている、と批判した。


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