６月１０日〜１６日のオーストリアのニュース
６月１０日（月）
国外ニュース
アフガニスタン元国王 大統領候補となることを拒否
元アフガニスタン国王モハメド ザヒル シャーは、月曜日大集会
で大統領候補になることを拒否する声明を発表した。87歳の彼は、
君主制を再導入したり、現在ある国の組織の一つの代わりを勤める
気はない、と語った。これにより彼は、米国が派遣したアフガニス
タン特使カリルサドの言葉を確認したことになる。ザヒル シャー
の政治的未来に関する対立のため、ローヤ ジルガ（大集会）は1
日延期された。彼の支持者は、昨日午後遅く、対応を協議する予定
であった。このため彼らは集会に不参加を決めることもありうる、
とザヒル シャーの側近は語った。
国内ニュース
国家警察長官 新たな職に着く
国家警察長官ペーター ハインドルは月曜日新たな職について活動
を開始した。彼の新たな職務は、電子情報処理部門と、事務一般で、
彼は部長代理の職についた。公式には彼は国家警察長官であるが、
今まで軍広報部で働いていたゲルト・レネ ポリが彼の代理人を務
める。誰がこの職をしばらくの間引き継ぐかは、当局の人事改造後
に決まるので、夏まではそのままである、と内務省は発表した。国
家警察は、憲法擁護とテロ防衛のために作られた官庁である。ハイ
ンドルが国家警察から去るとの決定は、彼の意志によるものであり、
新たな職務は彼の意向に沿うものである、と内省は発表した。
６月１１日（火）
国外ニュース
テル アヴィヴの攻撃で死者1人、負傷者14人
火曜午後、テル アヴィヴの北にあるイスラエル人が住むヘルツリ
アのレストランで自殺攻撃が起こり、15歳の少女が死亡し、重傷
者を含め14人が負傷した。犯人と見られるパレスチナ人も死亡し
た。今のところ犯行声明は出されていない。イスラム急進派のハマ
スは、この攻撃を「イスラエルの犯罪に対する自然な反応である」
と歓迎した。一方イスラエル国会は第1回読会で、自殺攻撃の犯人
の家族に対する保障の廃止を内容とする法律を可決した。
国内ニュース
国民議会 退職一時金を可決
国民議会は水曜日、退職一時金の改正案を可決する。これは、被雇
用者が雇用された最初の日から、一時金の請求権を持つことを認め
る法律である。自らの希望で退職した場合には、退職金公庫に集ま
った資金はその後も投資に回されるが、使用者側が解雇した場合に
は、3年後にはそのお金を払い戻せるようになる。その他、拾得物
および旅券を管理する機関を地方自治体に移し、目撃者保護と秘密
捜査を拡充するという内容の治安警察法も可決の見通しである。
６月１２日（水）
国外ニュース
イスラエル戦車 アラファトの本部から撤退
目撃者によれば、水曜日イスラエル軍は、西ヨルダンランドのラマ
ラにあるパレスチナ大統領ヤセル アラファトの本部周囲に配備し
ていた戦車を引き上げた。他の場所でも戦車と兵士が町の郊外に撤
退した模様である。イスラエル軍は日曜夜にこれらの場所に侵攻し
ていた。その際アラファトの本部は包囲された。この軍事作戦は、
イスラエル人に対する自殺攻撃を画策した武装パレスチナ人を逮捕
するためのものである、と軍部は発表している。一方イスラエル首
相シャローンはロンドンで英国首相ブレアと会談した。彼はブレア
に米国大統領ブッシュとの会談について説明した。ブレアは近東の
政治対話をできるだけ早く開始しなければならないと強調した。
国内ニュース
首相 税負担の軽減は来年
連邦首相ウォルフガング シュッセル（国民党）は水曜日のテレヴ
ィ番組で、「来年減税を行なう予定だ」と語った。「政府には決定
の幅が必要である」とも語り、減税の規模については明確に語らな
かった。これからは2面作戦が必要であり、一方で経済成長を達成
して、減税の財政基盤を作らなければならないが、他方支出に余裕
を持たせ、失業者が出ないようにしなければならない、と発言した。
一方大蔵大臣グラサーは、赤字をなくすことが何よりも優先され、
2003年に減税の第1段階を行ないたいが、完全に決まったわけでは
ない、と語った。
６月１３日（木）
国外ニュース
チェコ国会議員選挙 第1日
約810万人のチェコ人は金曜と土曜に、国会の第1院に当たる下院
議員の選挙を行なう。最終の世論調査によれば、退任する首相ミロ
シュ ゼマンの社会民主党がかろうじて、元首相ヴァクラフ クラ
ウスの民主国民党より優位に立っている。社会民主党は過去4年間
少数与党として同国の政権をとっていた。同国の国会議員選挙は伝
統的に2日間にわたって行なわれる。投票所は金曜日は14時から
22時まで、土曜日は6時から14時まで開かれる。その後第1回の予
想が発表される。今回は28の政党が参加し、今までの最高の参加
数である。
国内ニュース
郵便バス 警告ストを決定
オーストリア郵便バス株式会社では、さらなる警告ストライキが行
なわれる。金曜日全部で93の事業所委員会がウィーンで会議を行
う。その会議で今後の闘争方針を決定することになっている、と事
業所委員会議長ローベルト ウルムは語った。今月だけでさらに
1,600台の郵便バスの運行を止め、それも今回は少なくとも2日間
にわたってストを行なう、と彼は強調した。先週は郵便バス労働組
合は1日間のストを行なっていた。全国で50万人の利用者が影響を
受け、その内40万人は生徒と訓練生である。
６月１４日（金）
国外ニュース
チェコ国会議員選挙 高い投票率
チェコでは金曜日から2日間にわたる国会議員の選挙が始まったが、
金曜日には事件は起こらなかった。投票所は22時に閉められ、土
曜は8時から14時まで開かれる。ラジオの報道によれば、昨日だけ
で有権者の約半分が投票を行なったと見られる。第1回の集計結果
は土曜日16時ごろに発表される予定である。過半数をとる党が出
るとは見られていない。今回の選挙では外国から、テメリン原発と
ベネシュ指令に反対する意見が出ており、選挙戦では愛国的な論調
が目立っていた。各党は、大衆の支持を得られそうな国家主義的な
言辞を弄して、有利な立場を占めようとした。首相で社会民主党の
ゼマンも保守的な国民党のクラウスも、反EUの基本方針をとって
いる。これはチェコのEU加盟をあやうくしかねないものである。
国内ニュース
ゲルク辞任
週末にウィーン国民党は長い間準備を進めてきた、幹部の交代を行
なう。大蔵事務次官アルフレート フィンツが党大会で、ベルンハ
ルト ゲルクの後継者に選ばれる。ゲルクは10年間にわたり、ウィ
ーン自由党の党首を務めた。彼は18%の票を集めていた同党を引き
継いだ。現在同党の支持は16%で、前回の市議会選挙後は再び野党
になっていた。
６月１５日（土）
国外ニュース
フランス国会議員選挙第2回投票
フランスでは日曜、国会議員選挙の第2回投票が行われる。これで
は国民会議の577議席のうち519議席が決定する。全ての世論調査
によれば、大統領ジャック シラク率いる新たなブルジョワ・保守
系の組織「大統領多数派連合」が勝利を収めると見ている。ただし
どれぐらいの勝利を収めるかは投票率次第である。第1回投票では
65%に届かなかった。
国内ニュース
首相 ガオグの任命は全く問題ないと発言
連邦首相ウォルフガング シュッセル（国民党）は、自由党のライ
ンハルト ガオグを、年金保険施設の総裁に指名した件で、地位を
売り渡したと非難を受けているが、これを退けた。「ガオグは最高
の資質を持った候補者でした」と彼は新聞のインタヴューに答えた。
「彼の任命には何の問題もなく、透明で、かつ客観的に正しい決定
でした」と彼は強調した。ガオグが国民議会の議員を辞めるかどう
か、という問に対してシュッセルは、その通りだと答えた。
６月１６日（日）
国外ニュース
ブッシュ CIAにサッダーム攻撃命令を出したとの報道
米国大統領ジョージ W. ブッシュは、秘密情報機関CIAに、イラク
大統領サッダーム フセインから権力を奪い、必要な場合には彼を
殺害する指示を出した、と米国の新聞は報道した。この命令は今年
初めに出された、と報じられている。民主党の上院議員団長トーマ
ス ダシュルは、テレヴィインタビューで、議会は過去数週間にわ
たり共和党のブッシュ政権から十分な情報を得ており、それは今な
お続いている、と語った。彼は詳細については語らなかったが、テ
ロとの戦いでアラブ世界と連帯する努力を米国は行なっているため、
この実行に日時を慎重に選ぶよう求めた。
国内ニュース
シュッセル 減税の条件はEU平均を超える経済成長
2003年に予定されている税制改革に関して混乱が続いている。連
邦首相ウォルフガング シュッセル（国民党）は、大蔵大臣カール
・ハインツ グラサー（自由党）が辞任すると圧力をかけたのを懐
柔しようとした。グラサーは、連立両党が、選挙の時の土産として
投票者数を最大にしなければならない、と考えるならば、自分が政
界にいる存在理由はなくなってしまう、と語っていた。シュッセル
は、経済成長の統計が確定する6月末までは、税制改革について何
も語ることはできない、EU平均を上回る経済成長をオーストリア
が遂げ、支出に余裕が出て、財政面で可能な場合に限って減税を行
なうのが正しい、と語った。