7月8日〜14日のオーストリアのニュース

7月8日(月)

     国外ニュース

チェコで中道左派政権誕生

チェコの国会議員選挙から3週間経ち、最大政党となった社会民主
党は、キリスト教民主党と自由主義勢力と連立して、新たな政府を
作る。社会民主党党首ウラジミール スピドラは、月曜午後プラハ
で、連立交渉が上手くまとまったと公表した。連立協定には今日署
名が行なわれ、大統領ヴァクラフ ハヴェルに提出される、と彼は
語った。ハヴェルは7月15日に大臣を任命する。新内閣には社会民
主党から11人、連立与党キリスト教民主党と自由民主同盟から6人
が入閣する。連立与党は200議席中101議席のぎりぎりの多数派で
ある。選挙では社会民主党は30.2%、連立与党は14.3%で第4位の
得票であった。

     国内ニュース

夏休み前の議会 長時間にわたる採決

国民議会では今日から、国会が夏休みにはいる前の最後の審議週間
に入る。総会は3日間行なわれ、合わせて77の議事が日程にのぼっ
ている。火曜日最大の問題は、ドイツ語の授業の受講を義務づける
外国人法案である。この融合のための条件を満たさないものは、国
外退去の可能性がある。その他、デモ参加者が覆面をするのを禁止
する法案、自動車の運転手に対する薬物テスト、匿名の贈与の上限
引き上げなどを決議することになっている。


7月9日(火)

     国外ニュース

EU農業委員 EUの農業政策改革を提案

EU農業委員フランツ フィシュラーは明日ブリュッセルで、懸案
となっているヨーロッパの農業政策の改革案を提案することにして
いる。いわゆる中間報告は、2004年に計画されているEU加盟国を
10カ国増やす方針を後押ししている。特にEU諸国間で問題になっ
ているのは、農業に対する直接の補助金を今後どうするかである。
EUの予算では毎年約300億オイロ、全予算の3分の1が農業の補助
金として支出されている。フィシュラーは、作物の生産量と直接の
補助金を切り離す方針である。つまり、環境及び家畜の保護と食料
の安全性に重点を置く農家に対して集中的に補助金を交付する方針
である。さらに2004年は約3%補助金を削減し、農地開発に投資す
る方針である。

     国内ニュース

シュタドラー 批判を受け流す

自由党の国民の代弁者エーワルト シュタドラーは仲間内からも批
判を受けているが、相変わらず関心を払っていない。火曜日のテレ
ヴィ番組で彼は、批判の声が「さまざまな自由党幹部から出ている
が、これは実際のところ私は恐れていない」と語った。その番組で
も彼は前言を撤回しなかった。その他、ナチ体制をオーストリアの
占領時代となぞらえた、との批判を退け、この批判は恥知らずな邪
推であって、悪意からのものである、と語った。


7月10日(水)

     国外ニュース

トルコ外相辞任

テレヴィの報道によれば、トルコ外務大臣イスマイル ジェムは辞
任願いを提出した。その他彼は首相ビュレント エジェヴィット率
いる民主左派政党DSPからも離党する、とCNNトルコの記者が、大
臣の側近の言葉として報じた。この情報がもし正しいことが確認さ
れたら、連立政権が崩壊する可能性もある。エジェヴィットは、選
挙を前倒しで行なうことに賛成するよう、連立相手に対して圧力を
かけていた。民主左派党の議員34人が離脱して、最大勢力でなく
なったあとも、彼自身は総選挙まで首相職にとどまる意向である。

     国内ニュース

刑法209条改正

国民党と自由党の賛成で、国民議会は水曜夜、同性愛者差別に関す
る長期にわたる議論を経て、憲法裁判所に破棄されていた刑法209
条を廃止した。ただしこれに変わる規定が設けられた。与党の国民
党と自由党は、青少年を強姦から守るために、刑法上欠陥があると
見ており、野党からは激しい批判を受けたが、代わりの規定を緊急
審議を経て決定した。新しい207条b項では「青少年の強姦」は、
16歳と18歳の2つの年齢で、性別縁故などにかかわりなく、刑が
下される。一方成年が18歳以下の者と代償を支払って性交した場
合と16歳以下の者と無理やり性交渉を持った場合には、最長3年間
の自由刑が課される。


7月11日(木)

     国外ニュース

エジェヴィット 離脱議員に党に戻るよう呼びかけ

トルコ国会で35人の国会議員が民主左派党から離脱した問題で、
首相ビュレント エジェヴィットは離脱議員に対しその決断を撤回
するように呼びかけた。一方、産業大臣ケマル デルヴィスはエジ
ェヴィット及び大統領アハメト ネクデットの要請をうけ、正式に
辞任を撤回した。辞任は無効である、と彼は短い声明の中で語った。

     国内ニュース

健康保険法案 フォアアールベルク州抜きで可決

激しい議論を巻き起こした健康保険法案は昨日、国民議会で可決さ
れた。野党だけでなく、国民党所属のフォアアールベルク州の社会
福祉担当ゴットフリート フォイアシュタインと工業連合事務長カ
ール・ハインツ コプフも賛成票を投じることを拒否した。自由党
所属のフォアアールベルク州選出の議員イリーナ シェッテル・デ
ラッハーとパトリック オルトリープは投票を欠席した。今回の法
案の骨格となっているのは、ダーレーエンスモデルで、これでは健
康保険加入者のうち貧しい人たちを、一時的に財政状況のよい保険
会社が支援する、というものである。


7月12日(金)

     国外ニュース

ブッシュの補佐官 パレスチナに新体制を作る方針を示す

米国大統領ジョージ W. ブッシュの安全保障問題の補佐官コンドリ
ーツァ ライスは、パレスチナ人の政治体制の全面的な改革を要求
した。イスラエル テレヴィとのインタヴューで彼女は、問題は大
統領ヤセル アラファトだけでなく、体制全体であって、これを改
革することで組織がどう行動するか予測しやすくなる、と語った。
「二度と、全パレスチナ国民の生命を越える権力を1人の男が持つ
ようなことがあってはならない、と彼女は語った。

     国内ニュース

交通相 自家用車に高速道路特別通行料導入を検討

交通大臣マティアス ライヒホルト(自由党)は、高速道路建設の
財源として、自家用車特別料金導入を検討している。総合交通計画
実施にともない、東ヨーロッパとの間の交通路を拡充する計画を財
政面で支えるため、ブレナー峠やピュルン同様、東部の路線では通
行料を集めることを計画している、と同省報道官は金曜日発表した。
彼は新聞で、総合交通計画は基本的に実施するが、公的資金と民間
資金を合わせた場合にのみ新たな計画は実施できる、これは通行料
を徴収するということだ、と語っている。


7月13日(土)

     国外ニュース

カシミールで攻撃 25人以上が死亡

イスラム急進派が土曜日、カシミールのインド側地域で、少なくと
も25人を殺害した、と当局は発表した。冬の間の首都ジャムにあ
るヒンズー教の寺院へのこの攻撃で、その他35人が負傷した、と
警察及び目撃者は発表した。犠牲者の多くは女性と子供である。警
察の代表は、ヒンズー教の聖職者の服を着た男達がカシム ナガル
地区で無差別に通行人に発砲した、と語った。パキスタン出身のイ
スラム急進派によるもとの見られる攻撃は今年初めから続いており、
核兵器保有国であるインドとパキスタンを戦争直前の状態までにし
ている。今回の攻撃は、5月中旬に32人のインド兵や家族がジャム
近郊で殺害されて以来、最悪の攻撃である。

     国内ニュース

首相 シュタドラーは歴史を勉強すべきだと発言

連邦首相で国民党党首のウォルフガング シュッセルはインタビュ
ーで、自由党の国民の代弁者エーワルト シュタドラーの問題発言
について、歴史を学ぶよう叱責した。シュッセルはシュタドラーを
「再犯」であると語った。彼の見方によれば、誰もがいつかはこの
種の挑発に免疫を持たなければならない。また彼は、政府は毎年オ
ーストリア解放声明を発表している。教訓を学ばないものは間違い
を繰り返さざるを得ない、と語った。


7月14日(日)

     国外ニュース

カシミールでの攻撃 インド パキスタンを非難

イスラム急進派によるものと見られるカシミールのインド側地域で
の攻撃に関して、インド政府は少なくとも27人の死者及び21人の
負傷者の責任はパキスタン政府にある、とした。8人から10人の武
装した男達が2日前、ジャム市の貧困地域で発砲し、あるいは手榴
弾を投げつけた、とインドの通信社は目撃者の話として、報道して
いる。犯人の痕跡は今のところ見つかっていない。インドは、攻撃
の背後にはパキスタンがいる、と非難し、この攻撃で間近に迫った
地方議会選挙を妨害しようとしている、と主張している。

     国内ニュース

連邦鉄道社長 国が年金の費用を出すべきと発言

オーストリア連邦鉄道社長リュディガー フォルム ワルデは、連
邦鉄道の再建で、特に年金の費用で、国により大きな支払い義務を
負わせる方針である。「当社には昔から引き継いだ負の遺産があり、
そのため裁量権が狭められている」とフォルム ワルデは新聞に語
った。彼は、「約4万7千の従業員のうち約4万3千人は公務員とし
ての雇用関係にある。それ以上に約7万人の年金受給者がいる。こ
の支払いは連邦に引き受けてもらいたい」と語った。


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