7月22日〜28日のオーストリアのニュース

7月22日(月)

     国外ニュース

イスラエル ガザ空爆 死者10名

夜間行なわれたイスラエル空軍のガザ爆撃で、少なくとも10人の
パレスチナ人が死亡した。死者の中には子供2人と、パレスチナ反
乱勢力ハマスのガザ地区の武装軍の隊長サラ シェハーデが含まれ
ている、とガザの病院とハマスは発表した。合わせて95人が負傷
し、うち30人以上は子供である。目撃者によれば、イスラエルの
F16戦闘機がミサイルで5つの住居と貯蔵庫を破壊した、とのこと
である。病院の情報によればさらに壊れた家の瓦礫の下に数人が埋
まっていると見られる。

     国内ニュース

外来診療費による収入 わずか3千万オイロの見込み

外来診療費用の導入で健康保険組合の歳入は、当初の見込みよりず
っと少ない、と報じられた。9地区の健康保険組合すべてによれば、
昨年4月19日に外来診療費が導入されて最初の12ヶ月で、当初予
想されていた7260万オイロから、4200万オイロ少ない額になっ
た。支払われたのはわずか3千万オイロで、予定の41%にすぎない。
支払いを守っている割合を州ごとに多い順に並べると、ティロール
とニーダーエスターライヒ州が筆頭で、ここでは80%が支払ってい
る。最低はウィーンとザルツブルクで、65%にとどまっている。社
会福祉大臣へルバート ハオプト(自由党)は健康保険組合の支払
いに疑惑を抱いており、外来診療費は一年で6500万オイロになる、
と考えている。


7月23日(火)

     国外ニュース

イスラエルによるハマス空爆に国際的な批判

国際社会は、イスラエルがハマスの重要な指導者の粛正のため、ガ
ザ地区をミサイル攻撃したことを、怒りをもって批判した。EUは
この事件を「全く受け入れられない」と非難した。特に厳しく批判
したのは、国連事務総長コフィ アナン、米国、ロシアである。月
曜夜の攻撃では15人が死亡し、その中には子供が4人が含まれてい
た。一方、イスラエル軍は火曜午後、パレスチナ人が起こそうとし
た新たな自殺攻撃事件を、容疑者と見られる人物を逮捕して阻止し
た、と発表した。テロリストを、西ヨルダンランド北部で急進派イ
スラム聖戦に手入れを行なった際、逮捕した、とのことである。

     国内ニュース

国民党選挙対策係 2003年6月に選挙の可能性あり

国民党の選挙対策担当ミヒャエル シュトルグルは、国民議会選挙
を前倒しして行なう場合の期日として2003年6月を挙げた。2003
年夏前にも連邦政治のための選挙を行うのが有利である、十分な理
由があると語った。オーバーエスターライヒ州自由党党首で同州の
閣僚ハンス シャッツは、連邦連立政権が2003年秋まで維持され
ることを望む、と語った。連邦政府の連立委員も務める、州首相ヨ
ーセフ ピューリンガー(国民党)は口が堅く、選挙の実施時期に
対する質問に、「自分はこれに判断を下すことはできない」と語っ
た。


7月24日(水)

     国外ニュース

コロンビアFARC 米国同様の飛行機攻撃を計画

左派のコロンビア革命軍は、新大統領アルヴァロ ウーリベの就任
に合わせて、大統領府に飛行機を突っ込ませる計画を立てていた。
8月7日のウーリベの宣誓式に計画されている攻撃は、あるコロンビ
ア革命軍の支持者の逮捕で明るみに出た、とコロンビア秘密情報局
は発表した。ゲリラ側はボゴタあるいは北部のバランキヤで飛行機
を乗っ取り、ナリーノの大統領府に墜落させようとしていた。コロ
ンビア革命軍は、5月に選挙で選ばれた大統領が職務に就く日を狙
っていた、とのことである。コロンビア空軍の司令官ヘクトール 
ファビオ ヴェラスコは、すでに空からの攻撃を阻止するべく、米
国に支援を求めていた。

     国内ニュース

会計検査院 郵便労働組合の特権を報告

会計検査院の暫定報告書には、昨年夏に噂になった郵便の職員代表
の特権が記載されている。会計検査院は次のような点を指摘してい
る。職務のない職員代表が、同僚に対して平均以上の昇進をしてお
り、より高い等級の給与を得る地位に置かれている。この給与増額
はさらに無期限で、普通の職員に対しては期限付きでしか認められ
ていない。緊急の職務のない職員代表は特別手当を受け取っている。
この賃金として同社は2000年に290万オイロを支出した。1人で
は、税込みで最高93,000オイロを受け取っていた。


7月25日(木)

     国外ニュース

EU委員会 ポルトガルに赤字対策を求める

EU委員会は、加盟国ポルトガルに対し赤字をなくす措置をとるよ
う求めた。EU委員会がこのような要求を出すのは初めてである。
ポルトガルが今回認めた国内総生産の4.1%にあたる赤字額は、認
められている範囲の3%を明らかに逸脱している、とEU通貨委員ペ
ドロ ソルベスは木曜日に発表した。彼はポルトガル政府の公式の
数字を引いて、報道されている赤字は、経済の安定及び成長協定の
内容を越えている、と声明に記した。これまで同委員会はこのよう
な措置は夏休み前には取らない方針であった。ポルトガルの右派自
由陣営の首相ホセ マヌエル デュラーオ バロッソ率いる新政権
は、数週間前に残高調べを開始した。ポルトガルは2月にドイツ同
様、赤字をなくすよう警告を受けていた。

     国内ニュース

近隣内相会議 ザルツブルクで開幕

「今日の隣人は明日の協力者」という表題を掲げて、金曜日にザル
ツブルクで、音楽祭と並行して、第3回内相会談が行なわれる。今
回取り上げられる主要議題は、国境管理、ヨーロッパ集会、拡大問
題一般である。内務大臣エルンスト シュトラサー(国民党)の招
待で、ポーランド、スロヴァキア、スロヴェニア、チェコ、ハンガ
リー各国内相と、EU法務及び内務委員アントーニオ ヴィトリーノ
がザルツブルクに到着した。その他南東ヨーロッパ安定条約の調整
役エアハルト ブーセクとヨーロッパ集会の政府代表ヨハネス フ
ァルンライトナーも出席する。


7月26日(金)

     国外ニュース

ニュージーランド 国会議員選挙始まる

ニュージーランドでは国会議員選挙が始まった。最新の世論調査に
よれば、首相ヘレン クラーク率いる与党労働党の勝利は間違いな
いものと見られている。最大野党である保守的な国民党は大敗する
見込みである。約260万人の有権者が120人の国会議員の配分を決
する投票に臨む。ただし労働党は絶対過半数には届かないため、連
立が行なわれると予想されている。緑の党との連立は、同党が遺伝
子技術の使用を強く拒否しているため、実現の見込みはないと見ら
れている。代わりに2つの小政党との連立を予想する向きがある。
投票所は中部ヨーロッパ夏時間の9時に閉められ、暫定結果は14時
ごろに出る予定である。

     国内ニュース

社民党党首 EUの大規模な権限強化に賛成

社会民主党党首アルフレート グーセンバオアーは新聞のインタヴ
ューで、EUの位置づけを高め、より強い委員会にし、EU大統領を
選挙で選ぶことに賛成した。「EUは1本の足で立っています」と彼
は断言した。共同の外交政策及び安全保障政策を補完し、共通通貨
を使用するほか、国の枠を越えた経済成長政策及び財政政策を進め
ていくような、ヨーロッパ全体の産業政策がない、と語った。


7月27日(土)

     国外ニュース

セルビア ミロシェヴィッチ社会党の大統領候補に

セルビア社会党は9月に行なわれる大統領選挙に、デン ハーグの
戦争犯罪裁判所で審理を受けているスロボダン ミロシェヴィッチ
を大統領候補として立てる可能性がある、としている。ミロシェヴ
ィッチは今のところ3人の候補の1人で、党内で検討中である、と
の声明をセルビア社会党は出した。最終決定は、ミロシェヴィッチ
との協議を経て10日以内に出される、とのことである。彼は元セ
ルビア大統領で、2000年10月にユーゴスラヴィア大統領の地位か
ら落ちていた。彼は2月からデン ハーグの国際法廷で戦争犯罪及
び大量虐殺の裁判を受けており、現在オランダに拘置されている。
セルビア社会党によれば、ミロシェヴィッチは間違いなく最有力の
候補であり、彼の勇気ある指導は、国民と国家の威信を守る模範を
示している。

     国内ニュース

健康衛生政策で社民党と自由党激しい応酬

健康衛生政策をめぐり、社会民主党と自由党は土曜日、激しいやり
取りを行なった。連邦社会民主党幹部のドリス ブーレスは、社会
福祉大臣へルバート ハオプト(自由党)は、健康衛生制度の財政
に「インチキな包装」を施した、と非難した。自由党事務長カール
 シュヴァイツァーは、アルフレート グーセンバオアー(社会民
主党)の保険の掛け金の値上げ要請を批判し、グーセンバオアーは
「ますますオーストリアにとって危険な人物になっている」との意
見を述べた。


7月28日(日)

     国外ニュース

ペレス 仏米訪問

イスラエル外相シモン ペレスは今日パリでフランス大統領ジャッ
ク シラクと会談し、イスラエルとパレスチナの交渉について意見
を交換する。ペレスの報道官によれば、二人は西ヨルダンランドの
パレスチナ自治都市のうち占領されている町に住むパレスチナ一般
市民に対し、人道的な措置をトルコとをも話し合う予定である。ペ
レスはフランス外相ドミニク ド ヴィルパンおよび内相ニコラス
 サルコジーとも会談することになっている。その後彼はアスペン
研究所での討論会に参加するため、米国に向かう。ワシントンでは
安全保障問題の顧問ライスと国防大臣ラムズフェルドと会談をする
予定である。

     国内ニュース

迎撃戦闘機購入反対派 国民発案開始

迎撃戦闘機の購入に反対する国民発議は今日から、すでに今年3度
目の国民発議を開始する。前の2回は、テメリン原発に関するもの
と、社会福祉国家を求める発議で、今まで行なわれた国民発議の中
で上位10位に入るほどの署名を集めた。発案者のルドルフ フー
シは、目標を50万人の署名を集めることとしている。これが達成
された場合、この発議も上位10位に入る。ただしこれが実現する
可能性は少ないと見られている。


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