8月5日〜11日のオーストリアのニュース

8月5日(月)

     国外ニュース

国連安保理 イラクは武器査察団を受け入れるべき

国連安保理は、国連武器査察団長ハンス ブリックスを交渉のため
バグダットに招待するとのイラクの提案を拒否した。外交官筋の情
報では、国連事務総長コフィ アナンとの会談で、安保理の15ヶ
国の大半が月曜日、イラクはまず査察団の再受け入れを条件を付け
ずに認めなければならないことを明確にした。アナンがイラク首脳
部にこの解答を伝えることになっている。イラクは安保理の決議文
に従わなければならない、と米国国連大使ネグロポンティは語った。
同理事会は1999年に、一度は撤退した査察団をイラクに再び入国
させ、同国政府に対する公開の質問を行なうため60日間の時間を
与えるように要請していた。

     国内ニュース

ハイダー クラスニチに通商を呼びかけ

ケルンテン州首相イエルク ハイダー(自由党)はシュタイアーマ
ルク州首相ワルトラオト クラスニチ(国民党)に、早急にコラル
ムトンネル建設活動を活性化するよう要請した。社会民主党党首ペ
ーター アムブロズィは、ゼメリンク基幹トンネル建設を要求した。
コラルム道路計画のシュタイアーマルク州部分の計画に関する行政
裁判所の判断では、来週示されることになっている、とハイダーは
語った。クラスニチは、連邦政府並びに担当官庁側では行政裁判所
に促進に役立つ情報すべてを渡していないのではないか、との懸念
に同意した。


8月6日(火)のオーストリアのニュース

     国外ニュース

パレスチナ使節 ワシントンへ

水曜日、パレスチナ使節が話し合いのためワシントンへ出発する。
木曜と金曜日に米外相コリン パウエル及び国家安全保障顧問コン
ドリーツァ ライスと会談を行なう、とパレスチナ使節の代表サエ
ブ エレカットは発表した。今回の話し合いは占領されている地域
の人道面での状況が取り上げられる。新内務大臣アブデル ラツェ
ック ヤヒアと産業大臣マヘア マスリも使節に参加している。パ
レスチナ自治政府は、イスラエル軍が占領地域から直ちに撤退する
よう求めた今回の国連決議を歓迎している。イスラエルの他、国連
でこの決議に反対したのは米国、マーシャル諸島、ミクロネシアだ
けであった。

     国内ニュース

ガオクの後継者氏名で意見まとまらず

辞任した自由党の国会議員ラインハルト ガオクの、年金会社PVA
の副総裁の職の後任選びをめぐって議論が続いている。国民党と自
由党は再募集を要求しているが、社会民主党と緑の党は、以前ガオ
クに敗れた候補者をから選ぶように要求している。そうなると、社
会民主党あるいは国民党の代表者が候補ということになり、自由党
からは候補がでない。憲法の専門家はこの問題について見解が一致
していない。「最初からやり直す」ことを支持している人もいれ
ば、再募集は必ずしも必要でない、と考える人もいる。


8月7日(水)

     国外ニュース

コロンビアで爆破事件 13人死亡

コロンビアの首都ボゴタで水曜日襲撃事件が発生し、少なくとも
13人が死亡した。その他約20人が、大統領府近くのガスボンベの
中に仕掛けられていた爆弾で負傷した、と政府報道官が発表した。
事件はアルヴァロ ウーリベの新コロンビア大統領就任に関連して
起きたものである。50歳の彼は水曜日ボゴタで行なわれた式典で、
前任者アンドレス パストラーナから職務を引き継いだ。爆発は彼
が就任演説を行なっている最中に起こった。宣誓の前すでに、ボゴ
タの各所で小爆弾が爆発し、6人が負傷していた。黒幕はゲリラ組
織「コロンビア革命軍FARC」と見られている。

     国内ニュース

ハイダー 減税のため赤字ゼロを断念

景気予測が悪化しているため、国民党と自由党の間では公約の減税
に間する意見の違いがあらためて表面化している。今回は元自由党
党首でケルンテン州首相イエルク ハイダーもこの議論に参加し
た。彼は減税と産業界の活性化に賛成で、国家予算で新たな負債の
発生をやむを得ない、と見ている。景気が悪化している直には国が
活動的でなければならない、みんなで集まって赤字ゼロを喜ぶよ
り、産業を活性化させ雇用を創出する方がよい、と語った。


8月8日(木)

     国外ニュース

パウエルとパレスチナの会談 成果をあげる

米国外務大臣コリンパウエルは、木曜日ワシントンでパレスチナ使
節と会談をした。両者はこの意見交換を生産的で専門的なものであ
った、と評した。ただし、両者の現在の立場には相変わらず大きな
意見の違いがある事も明らかにした。米国大統領ジョージ W. ブッ
シュがパレスチナ大統領ヤセル アラファトの解任を要求した6週
間前から、これほどの大物が接触を持つのは初めてである。

     国内ニュース

緑の党 乗用車通行税導入の方針

緑の党は、オーストリア全土での乗用車の通行税導入に賛成してい
る。新聞のインタヴューに答えて、同党首アレクサンダー ファン
 デア ベレンは、乗用車が1キロ走るごとに3あるいは6ツェント
の「走行距離による税金」に賛成である、と述べた。この税金の導
入によって交通量は抑えられ、大気汚染の削減を目指す京都議定書
の目標の達成も可能になる、と述べた。この計画は具体的には、年
間7千キロまでは無税で、それ以上走った場合には、税金が直線的
あるいは段階的に増えるものにする予定である。一方労働税が値下
げされ、地方税は廃止、家計には直接的な環境優遇措置が図られる
か、ある種の還付が受けられるようにする、との計画である。


8月9日(金)

     国外ニュース

ハマス イスラエル首脳部への攻撃を予告

急進派パレスチナ人組織ハマスは、今後もイスラエル政府の閣僚を
目標とした暗殺を行なう、と予告した。自殺攻撃の目標は広げる、
とイスラム急進派のハマスの代表ウサマ ハムダンはきのう語っ
た。これからは大臣と首相アリエル シャローンも、攻撃目標とす
る、ハマスの隊員による殺害を勧めている、と語った。

     国内ニュース

極右に対する大規模な手入れ

警察は金曜日ウィーンで右翼勢力に対する大規模な手入れを行なっ
た。これは極右活動家に対し長期間練りあげた作戦で、武器庫が発
見された。極右の活動を行なっている3人の容疑者が逮捕された。
この手入れは夜遅くまで行われた。


8月10日(土)

     国外ニュース

ユダヤ人入植地攻撃で 死者1名

軍の情報によれば、武装パレスチナ人が土曜日、西ヨルダンランド
のユダヤ人入植地で、イスラエル人女性1人が殺害された。イスラ
エル兵がヨルダン谷のメホラで犯人を殺害し、さらに共犯者の捜査
を行なった、と軍の報道官が発表した。今回の攻撃は暗闇をついて
行われた、とのことである。ラジオ報道によれば、この攻撃で少な
くとも怪我人2名が発生したとのことである。イスラエル安全保障
筋からの情報では、犯人は2人である、とのことである。犯行声明
は今のところだされていない。メホラはナブルスの東側にあり、急
進派の拠点である。

     国内ニュース

中立かNATO加盟か 自由党が国民投票へ

自由党所属の数人の政治家たちが土曜日、オーストリアの中立を守
るか、NATOに加盟するかを決める国民投票を行なうことに賛成し
た。国民投票を行なう理由として、国民が中立を維持することに賛
成であれば、政府によって決定されたものの異論のあるオイロファ
イター型の迎撃戦闘機の購入には、正当な理由があることになる、
とケルンテン州首相で長く自由党の党首をつとめたイエルク ハイ
ダーは述べた。オーストリアは占領が終了した1955年に中立を保
ち続けることを規定している。国民党と自由党政府は7月に新型迎
撃戦闘機を購入することを決めたが、これは野党から金の無駄遣い
である、と批判された。


8月11日(日)

     国外ニュース

ETAの政党禁止に反対する大規模なデモ

日曜日にスペイン北部でETAに近い立場のバスク地方の政党バタス
ナの活動禁止に反対するデモに、約1万人が参加した。参加者はバ
スクの都市サン セバスティアンの町中を行進し、「戦いが唯一の
方法である」だとか「ファシストは奴等のほうだ」などと口々に唱
えた。同党の主要な政治家の多くがこのデモに参加した。スペイン
政府は同党を活動禁止にする方針である。同党はバスク地方の地下
組織ETAの政治部門と見られている。バタスナは今までETAの攻撃
を非難したことがない。ETAは34年前から暴力を用いて、バスク
地方の独立を求めて戦っている。この武力闘争で、今までに800人
以上が死亡した。

     国内ニュース

中立に関する国民投票 国民党は拒否

元自由党党首でケンルンテン州首相イエルク ハイダーは、オース
トリアの中立に関する国民投票を行なって、迎撃戦闘機購入問題の
決着を図ろう、という提案を行なったが、国民党はこれを拒否し
た。国民党会派長アンドレアス クホールは、通信社のインタヴュ
ーで、同党の方針を簡単に述べた。「中立とNATO加盟はもてあそ
んではならない、重要な問題である」と述べ、中立解消は現時点で
は現実的ではない、と語った。その他、国民の大部分はハイダーが
代案を提案しても、多分それに応えないだろう、と語った。


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