9月2日〜8日のオーストリアのニュース

9月2日(月)

     国外ニュース

イラク 国連武器査察団の再入国を「検討」

イラクは国連武器査察団の再入国に賛成する可能性がある、と同国
副首相タレク アジスは語った。同国政府は現在の対立の包括的解
決の一部として、この一歩を取ることを「考慮」している、と彼は
ヨハネスブルクで語った。アジスは、国連首脳会談と並行して事務
総長コフィ アナンと、国連武器査察団の再入国の可能性について
話し合った、と発表した。またイラクに対する制裁、引き続きく攻
撃、戦争を行なうという脅迫に関しても、話し合われなければなら
ない、とも語った。イラクが米国に攻撃を受けた場合にはどうする
かと聞かれて、イラクは反撃し、それが義務である、と答えた。一
方、米国大統領報道官フライシャーはこの発言を、信じるに値しな
い、と評した。

     国内ニュース

ウィーン市長 次回選挙後社民党には2つの選択肢

社会民主党内部ではすでに次回の国民議会選挙について考え始めて
いるが、それは党内で混乱が続く自由党のためだけでない。ウィー
ン市長ミヒャエル ホイプルは緑の党との連立の可能性と、「新」
国民党との連立の可能性がある、と語った。彼はニーダーエスター
ライヒ州首相エルウィン プレルと良好な関係を持っているため、
国民党との連立を改めて行なうのに賛成だといわれているが、ウィ
ーン市政に関してもそれ以外の可能性があることに配慮している、
と語った。同党首グーセンバオアーも総選挙後には2つの可能性が
あり、「生まれ変わった国民党と緑の党」である、と語っている。
ホイプルはこの発言の裏には戦略的な考慮があり、選択肢は1つよ
り2つの方がいい、と語った。


9月3日(火)

     国外ニュース

ブッシュ 国連武器査察官の再入国に賛成

イラクとの対立で、米国大統領ジョージ W. ブッシュは、国連武器
査察団の再入国を支持している、と大統領報道官フライシャーは発
表した。しかし、米国国防相ドナルド ラムズフェルドは、サッダ
ーム フセインは大量殺戮兵器の開発計画の抜本的な調査を認めな
いだろう、と見ている。米国の攻撃を避けるためにも、彼はこの調
査を許可することはないだろう、とも語った。

     国内ニュース

首相 欧州中央銀行に利下げ要求

連邦首相ウォルフガング シュッセル(国民党)は火曜日午後、欧
州中央銀行にたいし、経済成長を促すため、金利を下げるよう求め
た。「現在の状況では、欧州中央銀行からの刺激を受け停めること
が可能なはずだ」とテレヴィ番組で語った。ヨーロッパがインフレ
になる可能性は見当たらず、そのため利下げは可能である、中立の
同銀が0.25%金利を下げれば、オーストリアの企業にとって3億オ
イロ、国にとって収税の費用削減などで3億オイロの刺激になり、
と語った。欧州中央銀行は昨年11月から金利を3.25%に据え置い
ている。


9月4日(水)

     国外ニュース

シャローン EUの近東和平計画拒否

イスラエル首相アリエル シャローンは、近東和平新計画を拒否し
た。彼は、EU理事会議長ペル シュティーク メラー(デンマー
ク)との会談で、この提案のいくつかの問題点を指摘した、と同国
政府高官が語った。パレスチナ大統領ヤセル アラファトが、自治
政府の指導者であり続けるかぎり、全く進展はない、とシャローン
の言葉が伝えられた。パレスチナ人は選挙前にまず安全保障政策を
再考し、テロ組織に対する財政支援を打ち切らねばならない、また
3年のうちにパレスチナ人国家を建国するというのは、非現実的な
日程である、とシャローンは語った。メラーは会談後、意見の違い
は解消できると自信をのぞかせた。EUの近東和平提案では、アラフ
ァトについては言及していない、とデンマーク外相である彼は強調
した。

     国内ニュース

大統領 政党の抗争は理解できない

「オーストリア全土を沈黙させるような状況にあって、政党の抗争
や対立を止め、みんなで協力しあわなければならない。苦しみに耐
えている人々は決してそれを容認できないからだ」と洪水災害を振
り返り、連邦大統領トーマス クレスティルは、オーバーエスター
ライヒ州のウェルズで開かれる国際農業見本市「アグラリア」の開
幕式で語った。


9月5日(木)

     国外ニュース

米国議会 ニュー ヨークでテロの追悼式

米国議会は金曜日ニュー ヨークで特別会を開き、9月11日のテロ
攻撃の追悼を行なう。上下院議員は、世界貿易センターがあった現
場近くの歴史的な建物連邦会館に集まる。この建物は、米国初代大
統領ジョージ ワシントンが1789年に宣誓式を行なった場所であ
る。この会合では議会は、この攻撃の犠牲者を追悼し、救助隊の業
績をたたえる決議文を採択する。その後、議員は現地で花輪を供え
ることにしている。攻撃の1周年は来週水曜日で、ニュー ヨーク
では多くの記念の催しが計画されている。

     国内ニュース

ハイダーの諸経費の精算をめぐり混乱

雑誌報道によれば、ケルンテン州首相イエルク ハイダーは、自由
党党首辞任から後、約150万オイロの諸経費を連邦自由党から受け
取っていた。自由党はこの合意を認めているが、約3分の1だけが
支払われただけである、とのことである。長くハイダーの報道官を
務めたカール・ハインツ ペトリツも報酬を受けているということ
である。 同州社会民主党は、ハイダーの辞任を求めている。


9月6日(金)

     国外ニュース

ドイツで襲撃事件を未然に阻止か

テロの容疑で逮捕されたトルコ人は、米国が攻撃を受けた記念日
に、ハイデルベルクにある米国施設の襲撃を計画していたようだ、
とバーデン・ヴュルテンベルク州内務大臣トーマス ショイブレ
(キリスト教民主同盟)は発表した。「我々は、9月11日に攻撃が
計画されていた証拠をつかんでいる」と彼は金曜日シュトゥットガ
ルトで発表した。それによれば、攻撃目標はハイデルベルクの軍事
施設と、市中心部の歴史的な一角であった、とのことである。

     国内ニュース

緑の党 迎撃戦闘機に関連して不信任案を提出すると予告

オイロファイター購入問題で、緑の党は夏休み後最初の会議になる
9月19日の国会で、政府に対する不信任案を提出する方針である。
その他同党は、この迎撃戦闘機に関する国民発議の取扱をめぐる日
程に関して、連立与党から情報を得るために、特別会議を行なうこ
とも求めている。同党の国会議員団長アレクサンダー ファン デ
ア ベレンは、月曜日の会派の会議でこの計画を提案する方針であ
る。


9月7日(土)

     国外ニュース

英米首脳 サッダーム フセインは世界にとって危険

米国大統領ジョージ W. ブッシュと英国首相トニー ブレアは、イ
ラクの権力者サッダーム フセインは、世界にとって脅威である、
と評した。彼に対してなんら行動を起こさないとしたら、それは無
責任である、とブレアはブッシュとの話し合いの前にキャンプ デ
イヴィッドで強調した。ブッシュは、この問題は今後の世代を守る
ために解決されねばならず、国際社会全体で解決しなければならな
い問題がある、と語った。両首脳は引き続き、サッダーム フセイ
ンに対する今後の態度について話し合う予定であった。英国政府
は、戦争を前提にした協議ではない、と強調した。

     国内ニュース

新型迎撃戦闘機に欠陥 オーストリアには影響なし

ドイツの雑誌によれば、危険な製造上の欠陥があり、製造業者が見
積もりを誤ったため、オイロファイター1号機のドイツ空軍への引
き渡しが3ヶ月遅れ12月に延期されそうである。しかし、オイロフ
ァイターの製造会社EADSは、この欠陥はそれまでに解消され、オ
ーストリア分の製造にはなんら影響はない、と強調した。同社は、
この雑誌が示唆した同社の経営の危機も否定した。


9月8日(日)

     国外ニュース

チェコ 自由党首脳辞任に不信

チェコ政府は、オーストリア副首相スサネ リース・パサー(自由
党)が日曜午後に辞任したことに、不信感をあらわにした。チェコ
の高官は、当初、オーストリアの情勢について意見を述べようとし
なかった。外交官の1人は、総選挙が行われる場合には、ベネシュ
指令と原子力発電所テメリンをめぐる新たな対立が起こる可能性が
ある、と語った。オーストリアの政治家達は、何度もチェコのEU加
盟に賛成する条件として、テメリン原発の廃止とズデーテンドイツ
人の収用を命じるベネシュ指令の廃止を挙げていた。両国の対立は
ようやく収まりを見せてきたが、選挙戦の中ではこれが再び激化す
る恐れがある、と語った。

     国内ニュース

野党党首 選挙を要求

2つの野党の党首アルフレート グーセンバオアー(社会民主党)
とアレクサンダー ファン デア ベレン(緑の党)は、日曜午
後、自由党から辞任が出たため、選挙をやることに賛成である、と
述べた。増え続ける問題と政府が混乱しているため、現在の状況を
続けることは無責任であり、我慢できない、とグーセンバオアーは
語った。「転換期は終わった」と彼は語り、今回の辞任は「国民党
と自由党による実験の終わり」を表わすものである、とも語った。
また彼は、国民党党首で首相のウォルフガング シュッセルを激し
く攻撃し、自由党との連立は、首相になりたかったシュッセルの個
人的な権力欲から行なわれたものである、と語った。ファン デア
 ベレンは、シュッセルは今回の連立の失敗を公表しなければなら
ない、と語った。党首イエルク ハイダーと議員団長エーワルト 
シュタドラーがいながらEU拡大は想像すらできないが、緑の党はど
んな場合にも、EU拡大に賛成である、と語った。


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