9月9日〜15日のオーストリアのニュース


9月9日(月)

     国外ニュース

アラファト 議会でテロを非難

2年ぶりに開かれたパレスチナ議会の公式の会議で、パレスチナ大
統領ヤセル アラファトは、あらゆる形態のテロを非難した。パレ
スチナ人は、それが国家によるものであれ、組織によるものであ
れ、個人によるものであれテロ行為に反対し、テロ撲滅のためのあ
らゆる努力に参加する準備がある、とラマラの議会で彼は発言し
た。また彼は、昨年9月11日の米国攻撃後、パレスチナ人の独立の
戦いにテロ行為との汚名を着せたことで、イスラエルを非難し、パ
レスチナ人はテロの犠牲者である、と語った。

     国内ニュース

世論調査 63%が総選挙を歓迎

オーストリア人の63%が国民議会選挙に賛成している。これは月曜
日に行なわれた緊急世論調査の結果である。31%だけが来年の選挙
を望んでいるのに対し、約3分の2が選挙に賛成している。ただし、
国民党と自由党の連立を望むのは17%強であるのに対し、今までの
方針の維持に賛成するのは77%である。その他、最も多くの人が望
んでいる連立は社会民主党と国民党の連立で37%、社会民主党と緑
の党の連立に賛成するのは23%である。現状では社会民主党が勝利
すると見ている人が66%で、敗北すると見ている人は20%。一方、
自由党が敗北すると見ている人が76%である。今回の対立がいい影
響を与えたと思う人は10%であった。首相の属する国民党は、多数
の支持(45%)を受けたが、37%が今回の出来事で悪影響を受ける
と見ている。緑の党は社会民主党同様、優位に立ったと見ている人
が60%、不利になったと見ている人は24%である。




9月10日(火)

     国外ニュース

ブッシュ 米国内で攻撃がある兆候はない

米国大統領ジョージ W. ブッシュは、9月11日の攻撃1周年を
前に、米国内で暗殺がある兆候はない、と語った。それに先立ち、
法務大臣ジョン アシュクロフトは、近東の米国施設は自殺攻撃の
目標になる可能性がある、と語っていた。ブッシュは、昨年9月11
日以前に得ていたのと同じような兆候があることは認めた。アシュ
クロフトの情報によれば、これはイスラム急進派ウサマ ビン ラ
ディンの組織アル カイダが発するものである。3月に法務省が導
入した基準によれば、米国内の警告の状態は「オレンジ色」である。

     国内ニュース

国民党幹部 シュッセルを筆頭候補とすることを確認

連邦首相ウォルフガング シュッセルは、火曜日の国民党幹部会
で、予想通り国民議会選挙の筆頭候補に選ばれた。指名はシュッセ
ルがいないところで、全員一致で行なわれ、会議後首相は他の幹部
の拍手でこれを知らされた。また、総選挙実施は全員一致で承認さ
れた、とシュッセルは発表した。彼は引き続き、年金生活者と公務
員の支持を取り付けようとした。彼は、選挙前に年金額の引き上げ
を約束し、公務員給与の引き上げに関しても前向きの姿勢を示して
いた。




9月11日(水)

     国外ニュース

テロ1周年を神経質に迎える

テロ攻撃が再発するとの恐れから、米国安全保障当局は昨日建物か
ら避難し、飛行機2機を別の空港に迂回させた。しかし、国民に対
する脅威は全くなかった。ニュー ヨークとワシントンのテロ攻撃
1周年の日に、治安部隊は全土で警戒体制を強めていた。オハイオ
州の州都コロンバスでは、42階建ての政府の建物の前に爆発物捜
査犬が配備された。警察は駐車中の車を捜査し、運転手を拘置し
た。数千人が働く建物は空になった。しかし爆発物は発見されなか
った。

     国内ニュース

社民党 現連立政権の再選阻止を選挙の目標に

アルフレート グーセンバオアーは、社会民主党の筆頭候補として
総選挙に突入する。同党拡大幹部会は投票ではなく、拍手で彼を選
んだ。10月27日の党大会ではっきりした候補者名簿が決定される
ことになっているが、党首グーセンバオアー周辺の選挙対策班には
すでにこの名簿を示している、と彼は水曜日の記者会見で語った。
選挙の目標は、国民党と自由党の連立政権の成立阻止であり、社会
民主党が得票40%に近づけば近づくほど、現政権の終焉がはっき
りしてくる、とも述べた。彼は最近、自由党との連立はないが、他
のあらゆる可能性がある、と語った。




9月12日(木)

     国外ニュース

テレヴィ局 9月11日の計画の詳細を明らかに
9月11日の飛行機による暗殺の攻撃目標には、攻撃側から皮肉な暗
号名がつけられていた。テロ攻撃の黒幕と見られるラムジ ビナシ
ブは昨日午後放送されたアラブ系のテレヴィ局アル ジャジーラの
番組で、米国防省は「芸術大学」、世界貿易センターは「都市計画
担当教授団」、ペンシルヴァニアで墜落した飛行機が目標としてい
た米国議会は「法学部教授団」と呼ばれていた、と述べた。飛行機
を操縦しており死亡したモハメド アタとハンブルクで一緒に住ん
でいたビナシブは、この番組には登場しなかった。この声は、パキ
スタンのある場所で会った彼のものである、と番組の記者は明言し
た。

     国内ニュース

社民党党首 連立相手を確定しない方針

社会民主党党首アルフレート グーセンバオアーは木曜日のテレヴ
ィ番組で、現在の労働市場の状況は、迎撃戦闘機の購入よりも重要
である、と語った。「私たちにはあらゆることを行なう余裕はな
い、優先して行なわなければならないことをまず行なわなければな
らない。産業を上向きにし、税金を下げることで、収入の少ない人
がまた何かを買えるような状態を作らねばならない」と語った。失
業は以前から、極めて優秀な人材にまで及んでいる、とも述べた。
また彼は選挙後の連立相手を確定しないと述べた。国民党と連立す
るか、緑の党と連立するかは、改革の方針で一致する方になる、と
の意見を語った。




9月13日(金)

     国外ニュース

9月11日のテロの容疑者 逮捕

ドイツと密接な関係を持つテロリストとして世界が最も力を注いで
行方を追及している男の1人が、パキスタンで逮捕された、と米国
のテレヴィ局が報じた。それははラムジ ビンアルシブで、9月11
日のテロ攻撃の黒幕と見られ、飛行機の乗っ取り犯モハメド アタ
と共にハンブルクに住んでいた。彼は昨年9月5日にドイツを出国
した。攻撃から10日後、ドイツ連邦検事総長はこの30歳の男に対
し、テロ組織の一員であり、数千人の殺害及びその他の犯罪を行っ
た疑いで、逮捕命令を出した。彼はパキスタンで拘留されている、
とCNNが昨夜米国政府筋の情報として報道した。

     国内ニュース

緑の党代表 国民党との連立を熟慮

緑の党の連邦代表アレクサンダー ファン デア ベレンは、場合
によっては国民党との連立も検討する可能性がある。金曜日のテレ
ヴィ番組で、国民党と連立するには、国民党が内実を伴ういくつか
の点で妥協しなければならない、と語った。もし国民党が緑の党の
条件を受け入れるのであれば、「社会民主党に一生拘束されねばな
らない」理由はない、とも語った。彼は具体的には、連立相手の譲
歩を引き出したい4つの点を挙げた。それは、移住者の滞在及び労
働権の統一、生態系に配慮した税制改革、生態系に配慮した洪水被
害の予防である。




9月14日(土)

     国外ニュース

スウェーデン 総選挙

スウェーデンでは日曜日、国会議員選挙が行なわれるが、行方はま
だわからない。最新の世論調査によれば、首相ヨーラン ペーショ
ン率いる社会民主党がかろうじて抜け出している。特に注目される
のは、緑の党が国会に議員を送り込むのに必要な4%の票を集めら
れるかどうかである。政権交代には、4つの党からなる現在の市民
勢力が、社会民主党、左派政党、緑の党より多くの票を集めなけれ
ばならない。ペーションは現在緑の党と左派政党の支持を受け、少
数与党により政権を率いている。

     国内ニュース

社会福祉国家に関する国民発議 選挙のため無意味に

「間近に迫った国会解散と11月24日の総選挙のため、71万7千人
のオーストリア人が署名した『社会福祉国家オーストリア』の国民
発議は、当初の意義を持っていない。」この発議の発案者の1人ウ
ェルナー フォークトは土曜日午後、ATTACオーストリアと多く
の非政府組織がザルツブルクで行なっている「もう一つの世界経済
討論のための首脳会談」で語った。規定によれば、新議会は前の任
期中の国民発議には取り組まなくてよいことになっている、と彼は
批判した。国会の緑の党の会派が提案してくれても、国民発議の発
議者はこの提案の取り扱いに関与できない、とも語った。彼は、国
会議員の次の任期にもう一度発議を行なうかどうか検討している、
と語った。




9月15日(日)

     国外ニュース

マケドニア野党 選挙で勝利宣言

マケドニアでは野党の社会民主同盟が日曜午後、国会議員選挙で勝
利を宣言した。同党とその選挙連合である「共にマケドニアのため
に」は、集計後、現連立与党のVMROとDPMNOの2倍ほどの票を集
めた、と同党報道官は発表した。同党の支持者はスコピエの町に出
て車の警笛を鳴らして勝利を祝った。中央選挙委員会は深夜過ぎに
第1回の集計結果を公表する方針であるが、昨日中に投票は自由か
つ公正に行なわれた、と宣言した。

     国内ニュース

クラインディーンストとクライスル スパイ疑惑で法廷へ

ウィーン州刑事裁判所では、いわゆるスパイ疑惑裁判が今日始ま
る。2000年10月に元警察官僚で自由党所属の労働組合員ヨーセフ 
クラインディーンストは、自著「私は告白する」という本の中で、
警察の中央コンピューターから違法に情報を引きだしていた、と書
いた。これに関連して、他に元ウィーン同党の事務長ミヒャエル 
クライスルも、職務上の秘密を繰り返し漏らした疑いが持たれてい
る。



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