9月23日〜29日のオーストリアのニュース


9月23日(月)

     国外ニュース

英国 イラクの脅威の証明

米国政府は火曜日、緊張をもって見守られているイラク報告を公表
する。首相トニー ブレアによれば、イラクが危険な事態を引き起
こそうと計画している証拠が示される、とのことである。50ペー
ジにわたる報告で、イラクの権力者サッダーム フセインが大量殺
戮兵器を所有しており、さらに製造を行っていることが示される、
とのことである。ブレアはこの報告書を月曜の閣議ですでに取り上
げた。火曜日にはイラク問題に関する議会の特別会を開く。ブレア
はこの報告書の公表前に、米国大統領ブッシュの攻撃を無条件に支
持することにさらに理解が得られると期待している。ブレアの立場
は、政府及び労働党内部で大きな異論が出ている。

     国内ニュース

社民党副党首 「総選挙は現政権に対する国民投票」

11月に前倒しで行なわれる国民議会選挙は、「国民党と自由党の
連立に関する国民投票」であると、社会民主党党首代理ハインツ 
フィッシャーは見ている。社会民主党は、この連立を望んでいない
有権者の票を取り戻さなければならない、と語った。社会民主党
は、現政権に幻滅した人々に対し、はっきりした代案を提示し、よ
りよい方針を示し、2つの約束をする、それは「我々も奇跡は起こ
すことができないが、現政権が行なったような過ちを犯すことはな
い」ということである、と新聞に語った。




9月24日(火)

     国外ニュース

精鋭部隊 ヒンズー教寺院に突撃

インドの精鋭部隊は水曜日、急進派モスレムと見られる人物が占拠
したグジャラート州のヒンズー教寺院を襲った。これにより警官1
名が死亡、兵士3名が負傷した、と医師が発表した。目撃者によれ
ば党首部隊の攻撃後、大きな爆発が2度起こった、とのことであ
る。ニュー デリーからやって来た兵士約70名がガンディナガル
の寺院に侵入した。重装備で固めたイスラム系急進派が、この建物
に攻め込み、無差別に信者を殺戮していた。その際少なくとも30
人が死亡、60人が負傷した。彼らはさらに百人ほどの信者を人質
としている恐れもあった。政府はこの暴力事件とモスレムが住民の
多数を占めるジャム州とカシミール州の選挙とは関係がない、とし
ている。

     国内ニュース

国民党 「にせ革命家」とは協力しない

国民党は選挙後、クニッテルフェルトで代表会議を組織した自由党
内部の一部の勢力とは協力して行かない方針である。これにより、
スサネ リース・パサーを含めた自由党幹部の辞任を容認したこと
になる。これは連邦首相ウォルフガング シュッセル(国民党)と
彼の代理である文部大臣エリサベト ゲーラーが火曜日のテレヴィ
番組で強調した。




9月25日(水)

     国外ニュース

イタリア国会 問題の法案を審議

イタリア国会は水曜午後、問題になっている法案の審議を開始し
た。これは首相シルヴィオ ベルルスコーニの汚職捜査を中止させ
る可能性がある法律である。野党は憲法裁判所がこの法案を取り扱
うまで、審議を延期するように求めているが、過半数を占める中道
右派連立政権はこれを拒否した。左派は、この法案は報道機関の経
営者でもあるベルルスコーニを非難から守る、という目的を持って
いる、と語った。上院ではすでに可決されたこの法案は、正当な容
疑がある被告人が裁判官が公平に扱うか不安がある場合には、現在
行なわれている裁判を中止されて、他の町で行なわれることができ
るようになる、というものである。

     国内ニュース

交通相 国境通り抜け問題でイタリアとの交渉進展のきざし

イタリアとオーストリアは、国境通過問題で解決の糸口にたどり着
いた、と交通大臣マティアス ライヒホルト(自由党)は水曜日、
ローマで開かれたイタリア交通相ピエトロ ルナルディとの共同記
者会見で語った。両大臣は、環境規定に関する提案を遅くとも12
月の欧州理事会までに採択し、問題になっている点の解決を図るこ
とにした。




9月26日(木)

     国外ニュース

モロッコ 総選挙

モロッコでは金曜日、国会議員選挙が行われる。国民議会の325議
席をめぐって26の政党から立候補者が出ている。社会党所属の首
相アブデラマネ ユスフィと国王モハメド6世は、投票を前に、公
正で自由選挙が行えるようにする、と約束している。今回の選挙
は、若い国王が就任して以来初めての選挙である。彼は1999年7
月に、断固とした改革派として登場した。改革は行き詰まってお
り、モロッコ人の生活条件は悪化している。

     国内ニュース

自由党首脳部 チェコに対する拒否権発動を強調

自由党の新種のうぶは、チェコのEU加盟に関して拒否権を発動す
る、と強調した。「ベネシュ指令が、EU内では考えられないもの
で、原子力発電所テメリンの存在はオーストリアにとっては生命に
かかわる問題である」と同党新党首マティアス ライヒホルトは新
聞に語った。同党の党首代理マグダ ブレックマンは、ベネシュ指
令とテメリン原発問題の解決を行なわないで、EU拡大を考えるこ
とはできない、と述べた。野党だけでなく、連立相手国民党からも
この意見に対しては批判が出ている。




9月27日(金)

     国外ニュース

イスラエル アラファト包囲終了の条件を提示

イスラエルのテレヴィ局の報道によれば、イスラエルは、パレスチ
ナ大統領ヤセル アラファトのラマラでの包囲を終わらせるための
条件として、アラファトと一緒に閉じこもっており、イスラエルが
行方を追及している男達がパレスチナの法廷で有罪判決を受けるこ
とをあげた。このため、イスラエル首相アリエル シャローンは側
近のワイスグラスを秘密使節としてワシントンに派遣した。

     国内ニュース

社民党党首 国民党との連立条件を提示

社会民主党アルフレート グーセンバオアーは新聞インタヴュー
で、国民党との連立を行なうための前提条件についておおまかな考
えを述べた。彼は、6つないし7つの主要な改革計画と予算問題に
ついて合同で決定を行う必要があり、それ以外の点では妥協の余地
がある、と語った。また緑の党との協力に関しては態度を示さなか
った。逆に、自由党との現在の連立政権は精力的に失敗に追い込
む、とも語った。




9月28日(土)

     国外ニュース

セルビア大統領選挙 接戦の予想

セルビアでは日曜日大統領選挙が行われる。立候補者は11人で、
約660万人の有権者が投票を行なう。世論調査機関は、改革派の政
治家ミロルジュブ ラブスと、ユーゴスラヴィア大統領ヴォジスラ
フ コシュトゥニッツァが接戦を繰り広げると予想している。約
200人の国際選挙監視団が派遣されており、その中にはオーストリ
ア人数人も含まれている。今回の選挙戦は首相ツォーラン ジンジ
ッチ政権が初めて国民の支持を得ているかを問う選挙と見られてい
る。そのため大統領にはわずかな権限しかないが、この選挙は重要
である。

     国内ニュース

蔵相 「財政安定化政策を緩和することはできない」

蔵相カール・ハインツ グラサー(自由党)は、2004年から6年
の間の国家財政の赤字をなくすための、財政安定化政策の実施を遅
らせるようにとの、EU委員会の提案に従わないように強く警告し
た。「この提案はオーストリアにとって受け入れがたい」と彼はワ
シントンで開かれた世界銀行と国際通貨基金の年次総会に合わせて
行なわれた土曜日の記者会見で発表した。オーストリアのような課
題を抱えていた国は、これによって差別を受けることになる、と語
った。今回の提案は、EU内の小国の差別の例であって、これでEU
内の大国は極めて有利になる、とも語った。




9月29日(日)

     国外ニュース

コシュトゥニッツァ セルビア大統領決選投票で優位に

日曜日に行なわれたセルビア大統領選挙で、どの候補者も投票の絶
対多数を獲得しなかった。夜遅くに発表された第1回の予想では、
国民主義的かつ保守的なユーゴスラヴィア大統領ヴォジスラフ コ
シュトゥニッツァが31.1%を集めた。中立の選挙監視団によれば、
この予想は8,634箇所の投票所のうち600箇所の集計に基づくもの
である。全部が開票されれば、この数字から数パーセントの違いが
発生するかもしれない、とも発表した。コシュトゥニッツァと争う
自由主義の経済改革派ミロルジュブ ラブスは27.0%の得票であっ
た。

     国内ニュース

内相 「亡命の規定には大きな問題」

亡命制度の新たな規定は、当初の計画では秋に与党国民党と自由党
の間で話し合われることになっていたが、総選挙が早期に行われる
ことになり、そのため国民評議会が解散されたため、この計画は無
に帰した。内務大臣エルンスト シュトラサー(国民党)は新聞の
インタヴューに答えて、重要な点が手付かずになっているため、亡
命の規定全体に「極めて大きな問題」が生じている、と語った。



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