１０月１４日〜１０月２０日のオーストリアのニュース
１０月１４日（月）
国外ニュース
ドイツ新連立政権成立
2週間にわたる交渉の末、ドイツでは社会民主党と緑の党の連立新
協定が成立した。社会民主党と緑の党は月曜日、大規模な支出削減
の方針に合意した。142億オイロに及ぶ2003年予算の税収の穴を
埋めるため、42億オイロの優遇税制の廃止、74億オイロの支出削
減、さらなる国債の発行に関して連立両党は合意した。新たな国債
は予定より26億オイロ増えて、181億オイロとなる。また、個人
住宅に対する補助金の削減、株の売買による利益への課税強化、大
企業に対する最低課税が行なわれる。環境税は産業に対する優遇措
置が廃止される。ガスには軽油同様の税金がかかる。
国内ニュース
首相 高齢者同盟に署名
月曜日連邦首相ウォルフガング シュッセル（国民党）、同党議員
団長アンドレアス クホール、高齢者同盟会長シュテファン クナ
フルは、「オーストリア高齢者同盟」に署名した。この同盟は主と
して、年金の価値を維持し、その運営状態を安定させ、高齢者であ
ることを理由とした差別が行なえない用にする根拠を憲法に作り、
介護教育の改革を求めるものである。加えて新たに合理的な規定を
作ることで年金受給に関する複雑な規定を変えることも求めてい
る。
１０月１５日（火）
国外ニュース
ドイツ 緑の党は4人目の閣僚の椅子を手に入れられず
ドイツでは社会民主党と緑の党の新たな内閣が誕生する、と火曜
夜、社会民主党会派長のフランツ ミュンテフェリングと緑の党代
表クラオディア ロートが、最後の連立協議を終えて発表した。ド
イツ緑とのつは新内閣では大臣の数を増やすことはない。小党であ
る緑の党は、外務、環境、購買者保護の3つの大臣を獲得する。環
境大臣と購買者保護大臣の権限は増えることになっている。
国内ニュース
内相の亡命観 EU全体で受け入れられるか
オーストリア国内では広く批判にさらされているが、内務大臣シュ
トラサーは、EU全体で彼の亡命に対する考え方を押し通したい、と
している。議論を巻き起こしている彼の新たな方針通りであれば、
亡命希望者の出身国が、亡命が認められるかどうかを決めることに
なる。彼は火曜日、EU内相会議で自分の考えを提示した。いくつか
の国がこの国名一覧に賛成する可能性がある。しかしフランスは憲
法の古典的な価値を主張し、一覧表が個人の運命を左右するもので
あってはならない、と述べている。
１０月１６日（水）
国外ニュース
ドイツ EUから警告を受ける
ドイツでは社会民主党と緑の党が連立協定に署名したが、この新政
権は有利な条件が全くない中出発することになった。税収が無残な
状態であるため、大蔵大臣ハンス アイヒェルは国の赤字を上方修
正し、EUが求めている3%の上限を守れない、と語った。これによ
り、ドイツにはEUから警告書（青紙）が出される見込みである。
オイロの基準を守れない国には、罰金が科される可能性がある。
EU委員会は以前に、ドイツの連立政権の支出削減の決定をひとま
ず肯定的に評価していた。EU財務委員ソルベスは、ドイツは2003
年予算の組み方をわかっていると確信している、と述べた。警告書
が出されるかどうかの決定は、委員会が検討を行った後、11月中
旬に行なわれる。
国内ニュース
第1回の公務員賃金交渉 成果なし
水曜日に行なわれた公務員の賃金交渉では、立場の違いを埋められ
なかった。公勤務労働組合議長フリッツ ノイゲバオアーは、労働
組合は今年の物価上昇を完全に補う賃上げを求める、との声明を出
した。辞任することになっている副首相スサネ リース・パサー
（自由党）は、現在の物価上昇については1月になってから話し合
う方針である。争点となっているのは2000年10月に結ばれた賃金
協定である。このときは0.8%の賃上げで合意していた。さらに、
2003年1月1日までの物価上昇が加味され、それにふさわしい修正
が行われる、と決められていた。
１０月１７日（木）
国外ニュース
ブッシュ 北朝鮮の核問題を外交的に解決する方針
米国大統領府によれば、北朝鮮が核兵器研究を進めてきたことを認
めたことを、ジョージ W. ブッシュは「不安をかき立て、じっとし
ていられない知らせである」と見ている。彼はこの問題を外交的に
解決する方針である、と大統領府報道官は発表した。それによれ
ば、ブッシュは、大量殺戮兵器を所有していると米国が非難してい
るイラクの問題と、北朝鮮問題は異なるとの評価をしていおり、北
朝鮮の場合には基本的な協定と核兵器拡散禁止条約の重大な侵害が
ある、とのことである。
国内ニュース
総選挙 州ごとの候補者一覧の提出期限終了
小政党は今日、11月24日の国民議会選挙で候補者を立てるかど
うか、そしてどの州で候補者を立てるかを決定しなければならな
い。17時が州選挙当局への公認声明の提出期限である。国民議会
に議員を送っている4つの政党の候補者のほかには、全国で候補者
を出すことを決めているのは共産党だけである。必要な2,600人の
署名を集めているとすでに水曜午後に発表した。ウィーンでは社会
主義左派党とフーシの民主党が、フォアアールベルク州ではキリス
ト教有権者共同体が候補者を出す。フーシがそれ以外の州で候補者
を出すかどうかは昨日の段階ではまだ決まっていなかった。LIFは
期限前に集めた署名の数を公表しない方針であるが、5日前には約
1,700であった。
１０月１８日（金）
国外ニュース
インドネシア 反テロ指令
インドネシア大統領メガワティ スカルノプトリは2つの緊急指令
を発して、バリ島攻撃の捜査陣に対し全権を与えた。法務大臣ユス
リル イハザ マヘレンドラは金曜日ジャカルタで、大統領はテロ
との戦いと、バリ島の爆弾攻撃を捜査するために必要な指令に署名
した、と発表した。それによれば、テロ行為に対しても死刑が科さ
れることになる。報道によれば、この指令により当局は、テロの容
疑者を最大7日間逮捕できることになる。
国内ニュース
首相 「能力のある人を閣僚に」
連邦首相で国民党党首ウォルフガング シュッセルは金曜午後、テ
レヴィ番組で、「国民党は11月24日の国民議会選挙に意外性のあ
る候補者を立てるかどうか質問されて、「私には有名人ではなく、
能力のある人がいる」と発言した。候補者一覧は10月31日に発表
し、それ以前には明らかにしない、とも語った。大蔵大臣カール・
ハインツ グラサーが次期内閣で蔵相になる可能性がある、との噂
に対しシュッセルはあいまいな発言をした。グラサーは「極めて優
秀な蔵相である」が、この問題は総じて今取り上げる問題ではな
い、と語り、まず選挙を行なって、閣僚人事はその後だ、と述べ
た。
１０月１９日（土）
国外ニュース
テロ組織「真のIRA」が解散
北アイルランドのテロ組織「真のIRA」は、解散する方針である。
英国のテレヴィ局が土曜余類報道したところでは、同組織はアイル
ランドの新聞に書簡を送り、その中で解散を予告した、とのことで
ある。公表された声明の中では「真のIRAは終わった」と述べられ
ている。一部の腐敗した隊員が「犯罪分子」と結びついている、と
も述べられている。「真のIRA」は90年代中盤に英国政府と和平
交渉を行うことを承認したIRAから分裂した組織である。IRA自体
は土曜日、解散要求を拒否していた。
国内ニュース
ハイダー「自分の唯一の失敗は静観しすぎたことだ」
ケルンテン州首相で自由党の元党首イエルク ハイダーは新聞のイ
ンタヴューに答えて、連邦首相ウォルフガング シュッセル（国民
党）に対する各方面からの攻撃はやむを得ないとし、自由党が政権
にいることを利用した、と述べた。「私はだまし討ちにあった」と
彼はシュッセルについて述べた。現在力を失っている自由党につい
て、それに関する自分の個人的な責任についてハイダーは、「私が
あまりに長い間静観しすぎたことが、実際に起きた唯一の失敗だ」
と述べた。
１０月２０日（日）
国外ニュース
モンテネグロ選挙 与党の勝利は絶対か
最終得票予想によれば、モンテネグロ大統領ジュカノヴィッチ率い
る連立与党は選挙で勝利を収め、75議席のうち39議席で議会の絶
対多数を獲得した。彼は「セルビアとモンテネグロ」の国家連合を
支持している。両国の政府代表とユーゴスラヴィア連邦政府は、3
月中旬、EUの仲介のもと、ユーゴスラヴィア連邦共和国の代わり
になる、この国家連合を創設することで合意していた。3年間の期
間を経れば、両国は独立を宣言することができる。ジュカノヴィッ
チは、自由主義陣営が国会で今後支持しないとの態度に転じたた
め、選挙を前倒しして行なっていた。
国内ニュース
選挙戦開始週間
緑の党は月曜からグラーツで正式に連邦全体での予選を開始する。
これによって今週は公式に選挙戦が始まる週になる。自由党と国民
党が緑の党に続き、すでに運動を開始している社会民主党を含め、
選挙綱領を発表する。緑の党は、代表アレクサンダー ファン デ
ア ベレンとその代理エーファ グラウィシュニヒを筆頭候補に選
んだ。選挙綱領は先週すでに発表済みである。自由党は10月23日
に選挙の方針と、選挙戦の重点項目を発表する。選挙綱領は9月に
すでに党執行部に承認されている。国民党は10月27日に正式に選
挙戦を始める。党首ウォルフガング シュッセルが筆頭候補であ
る。選挙綱領は先週決定された。社会民主党はすでに10月11日に
選挙戦を始めていた。10月27日に選挙綱領の決定が予定されてい
る。