10月28日〜11月3日のオーストリアのニュース



10月28日(月)

     国外ニュース

米国 イラク決議を迫る

英米は月曜日、国連の対イラク決議の迅速な承認を改めて求めた。
「挙手するか、投票するべき時だ。国連は十分時間をかけて議論し
た」と米国大統領府報道官は語った。英国首相トニー ブレアの報
道官も、6週間の時間を潰しているのだから、迅速に合意を目指さ
なければならない、と述べた。さもなければ国連は軽視され、決定
を下す場に参加できなくなるかもしれない、と述べた。ニュー ヨ
ークでは国連安保理が、イラク武器査察団の団長と議論を行ってい
る。

     国内ニュース

社民党党首 新税を否定

社会民主党党首アルフレート グーセンバオアーは、同党が次期政
権についた場合、新たな税金を課さない、と述べた。「私は、オー
ストリアの税負担は完全に限界に達している、との意見である」と
昨日のテレヴィ番組で述べた。連立相手を誰にするか、という問題
では、自由党は問題にはならない、可能性があるのは、国民党と緑
の党である、と述べた。さらに今回の選挙戦では、国民党・自由党
の連立か、社会民主党・緑の党の連立かの争いではなく、現政権の
存続か、新たな道の選択かである、と述べた。




10月29日(火)

     国外ニュース

イスラエル国防相 選挙の日程を決めるよう要求

イスラエル労働党党首で国防大臣ベンジャミン ベン・エリエゼル
は、現在政権が危機に瀕していることを考慮して、総選挙を行うよ
う要求した。彼は火曜日、首相アリエル シャローンに、総選挙の
日程を決めるように求めた、と軍放送は報じた。労働党は、総選挙
の日程として3月あるいは4月で合意していたが、シャローンが望
むなら別の時期でもそれに合わせる、と党の支持者の前で語った。

     国内ニュース

国民党と緑の党間で第1回テレヴィ討論

難民や麻薬に関する政策から教育、及びヨーロッパ政策までの広い
範囲をめぐって、連立構想で優位に立つべく、筆頭候補のテレヴィ
での第1回の衝突が水曜夜放送される。連邦首相ウォルフガング 
シュッセル(国民党)と緑の党党首アレクサンダー ファン デア
 ベレンはお互いに探りを入れている。シュッセルは、安全性の高
い麻薬の合法化を進めるなどの選挙公約のいくつかを公言し、社会
民主党と緑の党が多数を獲得しないように警告している。一方ファ
ン デア ベレンは、今までの連立相手であった自由党がヨーロッ
パに批判的な態度をとっていることを指摘して、シュッセルを守勢
に追い込もうとしている。




10月30日(水)

     国外ニュース

国連安保理 イラク決議で前進

国連安全保障理事会ではイラク新決議に関する交渉で進展があった
ことを、米国の国連大使ジェイムズ カニンガムが昨日3時間にわ
たる秘密交渉の後発表した。国連の決議を行う最高の委員会には、
米英による提案が示されているが、外交筋の情報では、決定的な点
でまだ議論が続いている、とのことである。一方米仏間では妥協に
むけて立場が近づいている、と新聞が報じた。それによれば米国政
府は、イラク政府に対する軍事攻撃前に、安保理と協議することで
合意した、とのことである。代わりにフランスは、武器査察団の行
動中にイラクに違反行為があった場合、独断で攻撃する権利を米国
に認めている、とのことである。

     国内ニュース

迎撃戦闘機 グリペンの安価な提案

スウェーデンはオーストリア連邦軍に対し、グリペン型迎撃戦闘機
の購入に関し、安い類型機を提示した。費用はもともと発表されて
いた24億オイロではなく、この提案を受け入れれば、6億オイロに
なる。この提案はスウェーデン国防大臣ビヨルン フォン シドウ
が、オーストリア国防大臣へルバート シャイプナーに9月3日付
けの手紙で行なったものだ、と新聞が報じている。この手紙には、
この類型機のことはすでに今までの話し合いの中でシャイプナーに
申し入れている、と述べられている。いつから国防省にこの情報が
伝えられていたかははっきりしていない。




10月31日(木)

     国外ニュース

国連イラク決議は米議会の投票後に

国連安保理でのイラク決議をめぐる米国とフランスの態度は木曜
日、かなり接近した。ただし外交筋によれば、米国政府はこの意見
の違いを重要なものと見ているので、火曜日の米国議会での投票前
に安保理での投票を強く求めることはしない、とのことである。交
渉に参加していた西側の外交官は、亀裂は修復されてはいないもの
の、事態は以前よりはるかによくなっているようだ、と述べた。両
国政府の間では、国連武器査察団により厳密な規定に従わないので
あれば、イラクに重大な責任をとることを求めるという内容の決議
案が交換された。

     国内ニュース

国民党 総選挙の連邦候補者一覧を発表

国民党は金曜午後、連邦の候補者名簿を公表する。国民党党首ウォ
ルフガング シュッセルによる提案は木曜日すでに幹部会で承認さ
れている。名前はまだ発表されていない。首相シュッセルは木曜日
の新聞で、1999年に野党が行なった予告を繰り返すつもりはない、
と述べた。前回の選挙を前に彼は、第3党となったら野党になると
予告したが、これで望まない副作用を大きく受けた、と述べた。
「あの時の予告は少しは効果を持ったが、今日はこれ以上は言わな
い」とも述べた。




11月1日(金)

     国外ニュース

専門医 「モスクワのガスの犠牲者のための解毒剤はある」

モスクワの人質解放事件で使用されたガスを吸った人質の治療に関
して、オーストリア人の医療関係者がロシア当局を激しく非難し
た。ロシア当局は、アヘンのフェンタニールに有効な解毒剤はな
い、との印象を与えようとしているが、これは嘘である、と毒物の
取り扱いに習熟したウィーンの医師ロカティンは語った。オースト
リアの医薬品コードではフェンタニールの解毒剤として、ナロクソ
ンが挙げられており、ナルカンティという名前で流通している。こ
れを静脈に注射することで、アヘンの副作用を数分以内に抑えるこ
とが出来る、と彼は強調した。まだ手当てを受けている被害者には
この薬を直ちに注射しなければならない、とも語った。

     国内ニュース

亡命希望者 保護を求める裁判で勝訴

内務省の新たな亡命の指針をめぐる議論の中で、初めての裁判所の
判決が下された。アゼルバイジャンからの亡命希望者に、9月下旬
に連邦の保護に関する方針を根拠として、国外退去が命じられてい
た。彼の弁護士は、この決定に対し裁判を起こし、第1審で正当性
が認められた。この男性は暫定的に国の保護を受けている。彼は3
年以上前から妻と子供2人と亡命手続の第2審がでるのを待ってい
た。この判決は確定していない。




11月2日(土)

     国外ニュース

トルコ 総選挙

トルコでは約4千万人の有権者が、国会議員を今日選ぶ。世論調査
によれば、宗教重視で保守的な公正・出発党AKPが優勢である。次
には社会民主主義のCHPがつけている。もともと選挙は来年4月に
予定されていたが、首相ビュレント エシェヴィットの健康が悪化
したことを主な原因として、早期に行われることになった。その他
現在の連立政権が、内部の対立のため弱体化していることも理由の
一つである。第1回の結果は夜には発表される予定である。

     国内ニュース

迎撃戦闘機購入問題 再燃

ケルンテン州首相イエルク ハイダーは雑誌インタヴューで、自由
党所属の3人副首相スサネ リース・パサー、蔵相カール・ハイン
ツ グラサーともと同党元会派長ペーター ウェステンターラー
が、迎撃戦闘機で儲けようとしていたフランク シュトローナハと
「取引関係」を結んでいた、との非難を述べた。社会民主党の連邦
事務長ドリス ブーレスは、ハイダーから「迎撃戦闘機購入に関す
る汚職疑惑をめぐるすべての証拠」を集めたいとしている。また彼
女は、連邦首相ウォルフガング シュッセル(国民党)に、さらな
る疑惑解明を要求した。




11月3日(日)

     国外ニュース

イスラエル ネタニヤフ選挙を要求

元イスラエル首相ベンヤミン ネタニヤフは、自分が外相としてア
リエル シャローン政権入りする条件として、選挙を早期に実施す
るよう求めた、とイスラエルのラジオ局が報道した。彼は、選挙を
早期に行うための政権の外相となることに賛成した、とシャローン
との会談後発表した。シャローンはさらに右派の小政党との連立を
探っており、その後選挙について決断する方針である。ネタニヤフ
に近い筋からは、シャローンはリクード党内の競争相手であるネタ
ニヤフがつけた条件に回答していない、との情報がある。

     国内ニュース

シュッセル 「ハイダーのイラク訪問は重大な誤り」

ケルンテン州首相イエルク ハイダー(自由党)は日曜日イラク外
務大臣ナジ サブリとバグダッドで会談した。同国国営通信社INA
によれば、両者は今までの友好関係をさらに発展させる可能性につ
いて話し合った。首相ウォルフガング シュッセル(国民党)はこ
の訪問を「重大な誤り」であると述べた。「現在の状況」では、イ
ラク大統領サッダーム フセインのような「独裁者」に「わずかな
ものでも共感」を示すのは不適切である、と述べた。これによりハ
イダーが「国際社会と対立する方向に行こうとしている」ことは、
全く理解できない、とも述べた。



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